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20 System Managementユーティリティ(SYSMAN)

20.1 SYSMANについて

System Managementユーティリティ(SYSMAN)は,ノードとクラスタ環境を集中管理します。 個々のノードにログインしてさまざまな管理作業を行うのではなく,1 つのノード,1つのノード・グループ,または1つのクラスタ環境を管理環境として定義することができます。 管理環境が定義されていれば, ローカル・ノードからシステム管理作業を行えます。SYSMANは, 管理対象の環境におけるすべてのノードに対し,これらの作業を実行します。

SYSMANでは,従来のソフトウェア・ツールを数多く利用しているので, 個々のシステムを管理するこれまでの方法と同じようなやり方でシステムを管理できます。MOUNT ,DEFINE,INITIALIZE,SET,SHOWなどのDCLコマンドは, ほとんど処理できます。また,AUTHORIZE,AUTOGEN,INSTALLなど,OpenVMS のシステム管理ユーティリティやコマンド・プロシージャも数多く実行できます。

SYSMANには,次の処理を行うシステム管理ツールも用意されています。

20.1.1 SYSMANコマンドを実行するためのキーの定義

SYSMANでは,SYSMANコマンドを実行するためのキーを定義しておけば,長いコマンド行を入力する必要がありません。 たとえば,SET ENVIRONMENT コマンドを実行するためのキーは次のように定義できます。

     SYSMAN> DEFINE/KEY/TERMINATE
     _Key name: KP0
     _Translation: "SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE22,NODE23)"

キーを定義した後,キーパッドの0を押すと,SYSMANはSET ENVIRONMENTコマンドを実行します。 キー定義は,SYSMAN初期化ファイルに定義しない限り,SYSMAN を終了するたびに失われます。(初期化ファイルからコマンドを実行する方法については 第20.1.2項を参照してください。)

20.1.2 初期化ファイルによるコマンドの実行

SYSMANを実行するたびに使用される初期化ファイルを作成することができます。SYSMAN 初期化ファイルでは,キーの定義やSYSMAN環境の設定などが行えます。

省略時のSYSMAN初期化ファイルは,SYS$LOGIN:SYSMANINI.INIです。別のファイルを指定する場合は, そのファイルの記憶位置を指すように論理名SYSMANINI を定義してください。

以下は,いくつかのキーを定義する初期化ファイルの例です。

     $ TYPE SYSMANINI.INI
     DEFINE/KEY/TERMINATE KP0 "SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=(NODE21,NODE22,NODE23,NODE24)"
     DEFINE/KEY/TERMINATE KP1 "CONFIGURATION SHOW TIME"
     DEFINE/KEY/TERMINATE KP2 "SHOW PROFILE"
        .
        .
        .

20.2 SYSMAN使用法の要約

System Managementユーティリティ(SYSMAN)はシステムを集中管理するので,1 ヶ所からすべてのノードやクラスタを管理できます。

形式

RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN

パラメータ

なし

使用法の要約

を起動するには,次のコマンドをDCLプロンプトに対して入力します。
     $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN

SYSMANは次のプロンプトを表示します。ここでは,DCLの標準の構文規則を使用して,SYSMAN コマンドを入力することができます。

     SYSMAN>

RSXのMCRコマンドを実行した場合も,展開されてRUN SYS$SYSTEMとなります。

     $ MCR SYSMAN

MCRコマンドを使用すると,SYSMANの起動とコマンドの実行を1つのコマンド文字列で指定できます。 このようにしてSET ENVIRONMENT以外のSYSMAN コマンドを指定した場合,SYSMANはコマンド文字列を実行すると終了します。SET ENVIRONMENT コマンドの場合,実行した後にSYSMAN>プロンプトが出力されます。

SYSMANを終了してDCLコマンド・レベルに戻るには,SYSMAN>プロンプトに対してEXIT コマンドを入力するか,またはCtrl/Zを押します。


注意
SYSMANには,次の制約があります。

20.3 SYSMANのコマンド

この項では,SYSMANのコマンドについて,例を挙げて説明します。表 20-1 は,SYSMANのコマンドの一覧です。

表 20-1 SYSMANのコマンド

コマンド 機能
@ (実行プロシージャ) 以降のコマンド入力を指定ファイルまたは指定装置から読み込むことを指示する。
ALF ADD 自動ログイン機能(ALF)データベースにレコードを追加する。
ALF REMOVE 自動ログイン機能(ALF)データベースから1つまたは複数のレコードを削除する。
ALF SHOW 自動ログイン機能(ALF)データベースに格納されている1 つまたは複数のレコードを表示する。
ATTACH 現在のプロセスからジョブ内の指定したプロセスに制御を移す。
CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION ローカル・エリア・クラスタにおけるセキュリティ・ データを更新する。
CONFIGURATION SET TIME システム時間を更新する。
CONFIGURATION SHOW CLUSTER_ AUTHORIZATION クラスタ・セキュリティ・データを表示する。
CONFIGURATION SHOW TIME 現在のシステム時間を表示する。
DEFINE/KEY SYSMANコマンドを実行するキーを定義する。
DISKQUOTA ADD ディスク・クォータ・ファイルにエントリを追加する。
DISKQUOTA CREATE ファイルを持たないボリュームに対してディスク・クォータ・ファイルを作成し使用可能にする。
DISKQUOTA DELETE クォータ・ファイルからエントリを削除する。
DISKQUOTA DISABLE ボリュームに対するディスク・ クォータ動作を中断する。
DISKQUOTA ENABLE ボリュームに対するディスク・ クォータ動作を再開する。
DISKQUOTA MODIFY クォータ・ファイルのエントリを変更するか, または省略時のクォータ値と超過値を調整する。
DISKQUOTA REBUILD すべてのエントリに対するディスク使用量を再設定する。
DISKQUOTA REMOVE ディスク・クォータ・ ファイルからエントリを削除する。
DISKQUOTA SHOW ディスク・クォータと使用状況を表示する。
DO DCLコマンドまたはDCL コマンド・プロシージャを実行する。
EXIT SYSMANセッションを終了し,制御をDCLコマンド・ レベルに戻す。
HELP SYSMANコマンドに関する情報を出力する。
++ IO AUTOCONFIGURE システムにつながれているすべてのハードウェア装置を自動的に識別し, 設定する。
++ IO CONNECT 装置を接続し装置ドライバをロードする。
++ IO LOAD 入出力ドライバをロードする。
++ IO REBUILD すべての装置構成テーブルを再構築する。
++ IO SCSI_PATH_VERIFY システム内のSCSIとFCパスをそれぞれチェックし,接続された装置が変更されたかどうかを判断する。 変更されている場合には,入出力データベースにあるSCSI またはFCのパスは切断される。
++ IO SET EXCLUDE 装置を自動的に構成するときに使用するパーマネント除外リストを設定する。
++ IO SET PREFIX IOGENコンフィギュレーション作成モジュール(ICBM) 名に使用する接頭辞を設定する。
++ IO SHOW BUS システムのバス,ノード番号, バス名,TR番号,CSR基底アドレスをリストする。
++ IO SHOW DEVICE 装置,装置ドライバ,装置の入出力データベースに関する情報を表示する。
++ IO SHOW PREFIX IOGENコンフィギュレーション作成モジュール(ICBM) 名に使用する現在の接頭辞リストを表示する。
LICENSE LOAD LICENSE データベースに登録されているライセンスを有効にする。
LICENSE UNLOAD LICENSEデータベースに登録されているライセンスを無効にする。
PARAMETERS USE システム・パラメータ値と汎用コマンド・ プロシージャの名前を使用して,現在のワーク・エリアを初期化する。
PARAMETERS SHOW ワーク・エリアに格納されているシステム・パラメータの値,およびシステム・ パラメータの省略時の値,最小値,最大値,単位を表示する。
PARAMETERS SET ワーク・エリアに格納されているシステム・パラメータの値を変更する。
PARAMETERS WRITE ワーク・ エリアに格納されているシステム・パラメータ値と汎用コマンド・ プロシージャ名を,パラメータ・ファイル,現在のシステム・パラメータ・ ファイル,メモリ内のアクティブ・システムのいずれかに書き込む。
PARAMETERS ENABLE CHECKS 範囲チェックを使用可能にする。PARAMETERS DISABLE CHECKSコマンドを実行した後で範囲チェックを使用可能にする。
PARAMETERS DISABLE CHECKS PARAMETERS SET コマンドで指定したシステム・パラメータ値の範囲チェックを禁止する。
RESERVED MEMORY ADD Alphaシステム上で, Reserved Memory Registryデータ・ファイルにエントリを追加する。
RESERVED MEMORY FREE Alphaシステム上で,予約メモリを解放する。
RESERVED MEMORY MODIFY 実行中のAlphaシステムで, Reserved Memory Registryデータ・ ファイルの既存のエントリの変更を許可する。
RESERVED MEMORY REMOVE Alphaシステム上で, Reserved Memory Registryデータ・ファイルの予約メモリ・エントリを削除する。
RESERVED MEMORY SHOW Alphaシステム上で,実行中のシステムのメモリ予約を表示する。
SET ENVIRONMENT 以降のSYSMANコマンドの管理方式を設定する。
SET PROFILE 省略時の装置,省略時のディレクトリ, および現在の管理環境における現在の特権を変更し, DOコマンドに対しDCLチェックを設定する。
SET TIMEOUT ノード応答の待ち時間を設定する。
SHOW ENVIRONMENT 現在のコマンド・ コンテキストを表示する。
SHOW KEY キー定義を表示する。
SHOW PROFILE 省略時の装置,省略時のディレクトリ, 現在の特権を表示する。
SHOW TIMEOUT 現在のタイムアウト時間を表示する。
SHUTDOWN NODE 1つのコマンド行で同時に1つの以上のノードをシャットダウンする。
SPAWN 現在のプロセスのサブプロセスを作成する。 サブプロセスのコンテキストは,現在のプロセスからコピーされる。
STARTUP ADD 実行可能ファイルまたはコマンド・プロシージャを, スタートアップ・データベースに追加する。
STARTUP DISABLE スタートアップ・データベースの構成要素がノード上で実行することを禁止する。
STARTUP ENABLE スタートアップ・データベースの構成要素が実行することを許可する。
STARTUP MODIFY スタートアップ・データベースの構成要素がどのように実行するかを記述するレコードを編集する。
STARTUP REMOVE スタートアップ・ データベースから1つまたは複数の構成要素を削除する。
STARTUP SET DATABASE 省略時のデータベースを設定する。
STARTUP SET OPTIONS スタートアップ状態を表示する。
STARTUP SHOW 現在のスタートアップ・ データベースの名前または内容を表示する。
SYS_LOADABLE ADD ブート時にロードしたイメージ集合に, エグゼクティブ・ロード・イメージを追加する。
SYS_LOADABLE REMOVE ブート時にロードしたイメージ集合から, エグゼクティブ・ロード・イメージを削除する。

++ Alpha固有

@ (プロシージャの実行)

コマンドの入力を,特定のファイルまたは装置から読み込むことをSYSMAN に指示します。

形式

    @   ファイル指定

パラメータ

ファイル指定

実行したい入力装置またはコマンド・プロシージャを指定します。省略時のファイル・ タイプは.COMです。ワイルドカード文字は,ファイル指定に使用できません。

説明

@コマンドは,SYSMANのコマンドを格納しているコマンド・プロシージャを実行します。 まず,SYSMANを始動してコマンド行の始めに@コマンドを入力し, 次に,コマンド・プロシージャのファイル名を指定します。

コマンド・プロシージャには,SYSMANのどのコマンドでも含めることができます。

  1. $ CREATE ENV.COM
    SET ENVIRONMENT
    SHOW PROFILE<Ctrl/Z>
    $ MCR SYSMAN
    SYSMAN> @ENV.COM
    
    %SYSMAN-I-DEFDIR, default directory on node - SYS$SYSROOT:[SYSMGR]
    %SYSMAN-I-DEFPRIV, default process privileges on node -
            CMKRNL
            CMEXEC
            SYSNAM
            .
            .
            .
            GRPPRV
            READALL
            SECURITY
    SYSMAN>
    
    SYSMAN環境としてローカル・ノードを設定して現在のプロファイルを表示するコマンド・ プロシージャを作成しています。これらのコマンドは,@ENV.COM コマンドを入力すると実行されます。

  2. $ CREATE TIME.COM
    SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    CONFIGURATION SHOW TIME<Ctrl/Z>
    $ MCR SYSMAN
    SYSMAN> @TIME
    
    System time on node NODE23: 19-JUN-1998 13:32:19.45
    System time on node NODE24: 19-JUN-1998 13:32:27.79
    System time on node NODE25: 19-JUN-1998 13:32:58.66
    
    クラスタ内のすべてのノードの現在の日時を表示するコマンド・プロシージャを, 作成し実行しています。

ALF ADD

新しいレコードを自動ログイン機能(ALF)データベースに追加します。また, 代理アカウントのためにレコードを作成することもできます。

SYSALFデータベースに対する読み込みアクセス権(R)と書き込みアクセス権(W) が必要です。省略時のSYSALFデータベースは, SYS$SYSTEM:SYSALF.DATです。

形式

    ALF ADD   装置ユーザ

パラメータ

装置

ユーザ名に割り当てるターミナル名またはポート名を指定します。コマンド行で修飾子を指定しない場合は, ターミナル名を指定してください。 論理名と短縮装置名のどちらでも指定できます。このパラメータは代理アカウントの装置を含んだ最高63 文字まで受け付けます。

ユーザ

特定のターミナルまたはポートに設定したいアカウントのユーザ名を指定します。

修飾子

/TERMINAL (省略時の設定)
指定した装置名がターゲット・システム上のターミナルであるかどうかをチェックします。 論理名や短縮装置名を指定した場合は,SYSMANがフル装置名に変換します。

/PORT
指定した装置名が正しいポートであるかどうかをチェックします。スラッシュ(/) などの特殊文字をポート名に含める場合や小文字として識別させたい小文字をポート名に含める場合には, 二重引用符("")でポート名を囲みます。

二重引用符で囲まれた文字列は,すべてそのままALFデータベース・ファイルに書き込まれることに注意してください。 たとえば,実際のポート名に特殊文字に加えて大文字が含まれている場合は, 二重引用符の中で大文字を使用することを忘れないでください。 文字列を誤ると,実際のポート名とSYSALF.DAT ファイルで指定されている名前が一致しなくなります。

/PROXY
装置名がNODE::USERNAMEの形式であるかどうかをチェックします。

/LOG
ALFデータベースに追加された装置名とユーザ名を表示します。

説明

ALF ADDコマンドを実行すれば,ターミナルやポートを特定のユーザ名と対応づけることができます。 特定のターミナルやポートに対するログインを特定のユーザに許可したい場合, ユーザ名を指定せずに許可できます。

ALF ADDコマンドは,新しいレコードをALFデータベースに追加します。

  1. SYSMAN> ALF ADD TTA3 JBERGERON
    SYSMAN> ALF ADD "MN34C3/LC-1-2" FMARTIN /PORT
    
    まず,TTA3というターミナルをユーザJBERGERONに割り当てています。次のコマンドは,MN34C3/LC-1-2 というポートをユーザFMARTINに割り当てています。

  2. SYSMAN> ALF ADD VMS:.ZKO.VMSORG.SYSMAN.CLIENT1::SYSTEM FOOBAR
    
    この例では,VMS:.ZKO.VMSORG.SYSMAN.CLIENT1::SYSTEMは,FOOBARに割り当てられる装置パラメータの値です。

ALF REMOVE

1つまたは複数のレコードをALFデータベースから削除します。

SYSMAN) SYSALFデータベースSYS$SYSTEM:SYSALF.DATに対する読み込みアクセス権(R) と書き込みアクセス権(W)が必要です。

形式

    ALF REMOVE   装置

パラメータ

装置

ALFからレコードを削除するターミナル名またはポート名を指定します。 ターミナル名またはポート名ではワイルドカード文字を使用できます。 たとえば,TTA*という装置を指定すると,TTAという文字列から始まるすべてのレコードが削除されます。 しかし,<nodename>$TTAという文字列から始まるレコードは削除されません。<nodename> はシステムのSCSNODE 名です。

ワイルドカード文字を使用せずに,REMOVEコマンドを入力した場合には, SYSMANは装置名を正確に照合します。複数のレコードが条件を満たす場合には,SYSMAN はエラー・メッセージを戻します。

修飾子

/USERNAME=ユーザ
ターミナル名やポート名ではなくユーザ名を指定してALFのレコードをすることができます。/USERNAME 修飾子では,ワイルドカード文字を使用できます。

/CONFIRM
レコードを削除するかどうか確認するメッセージを表示します。

/LOG
ALFデータベースから削除した装置名とユーザ名を表示します。

説明

ALF REMOVEコマンドは,1つまたは複数のレコードをALFデータベースから削除します。

  1. SYSMAN> ALF REMOVE _TTA3:
    SYSMAN> ALF REMOVE /USERNAME=SMITHSON
    
    まず,TTA3というターミナルのレコードを削除しています。次のコマンドは, ユーザ名SMITHSONに関係するレコードをすべて削除しています。

  2. SYSMAN> ALF REMOVE <nodename>$TTA*
    SYSMAN> ALF REMOVE *TTA*
    
    このコマンドはどちらも,システムのSCSNODE名から始まるレコードを削除します。

  3. SYSMAN> REMOVE TTA
    
    このコマンドは次のエラー・メッセージを出力します。
         %SYSMAN-E-ALFWILCRDREQ, more than one record might match - Wildcard or
         unit number of device required.
    


    注意
    REMOVEコマンドをバージョン6.1 以前のSYSMANクライアントからバージョン6.2以降のシステムに対して実行する場合には, 特に注意をしてください。

    たとえば,OpenVMSバージョン6.1以前を実行しているシステムからOpenVMS バージョン6.2を実行しているシステムに対して次のコマンドを実行すると, エラー・メッセージは出力されず,FOOBAR$TTAと一致するすべてのレコードが削除されます。

         SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=FOOBAR     ! FOOBAR runs OpenVMS Version 6.2
         %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
                 Individual nodes: FOOBAR
                 Username SYSTEM will be used on nonlocal nodes
         SYSMAN> ALF REMOVE TTA                  ! Does not produce an error message
         SYSMAN>
    

    OpenVMSバージョン6.1以前を実行しているシステムからOpenVMSバージョン6.1 以前を実行している別のシステムに対して同じコマンドを実行した場合には, 次のエラー・メッセージが出力されます。

         %SYSMAN-I-NODERR,  error returned from node FOO
         -SMI-E-ALFNOMATCH, no records matched search criteria
    

    これは,OpenVMSバージョン6.2より前のシステムでは,ワイルドカードの処理に誤りがあるからです。

ALF SHOW

ALFデータベースから1つまたは複数のレコードを表示します。

SYSALFデータベースSYS$SYSTEM:SYSALF.DATに対する読み込みアクセス権(R) と書き込みアクセス権(W)が必要です。

形式

    ALF SHOW   [装置]

パラメータ

[装置]

レコードを表示するターミナル名またはポート名を指定します。ターミナル名またはポート名ではワイルドカード文字を使用できます。 例に示すように,ALF レコードのワイルドカード照合に関しては,特定の制約事項があります。

修飾子

/USERNAME=ユーザ
指定のユーザが保有するレコードを表示できます。この修飾子では, ワイルドカード文字を使用できます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
コマンドの出力先として,ファイルを指定できます。ファイルを指定しない場合, 省略時のディレクトリのSYSMAN.LISファイルに出力が書き込まれます。

説明

ALF SHOWコマンドは,ALFデータベースに格納されている1つまたは複数のレコードを表示します。

  1. SYSMAN> ALF SHOW TTA* /USERNAME=MANESS /OUTPUT=ALF.TXT
    
    この例では,MANESSというユーザに割り当てられているターミナルTTAxのレコードを選択し,ALF.TXT ファイルに出力しています。

  2. SYSMAN> ALF SHOW TTA*
    
    このコマンドは,TTAという文字列から始まるレコードだけを表示します。

  3. SYSMAN> ALF SHOW TTA
    
    このコマンドは,<nodename>$TTAという文字列から始まるレコードだけを表示します。

  4. SYSMAN> ALF SHOW *TTA
    
    このコマンドは,装置名がTTAで終了するレコードを表示します。

  5. SYSMAN> ALF SHOW *TTA*
    
    このコマンドは,TTAという文字列を含むすべてのレコードを表示します。

ATTACH

あるジョブにおいて,現在のプロセスから指定のプロセスに制御を渡します。 現在のプロセスは,この結果ハイバネート状態になります。

メールボックスが設定されているターミナルでは,ATTACHコマンドとSPAWN コマンドは使用できません。

形式

    ATTACH   [プロセス名]

パラメータ

プロセス名

制御の渡し先とする親プロセスまたはサブプロセスの名前を指定します。 指定するプロセスは,すでに存在しており,現在のジョブ木構造の一部であり, 同じ入力ストリームを現在のプロセスと共用していることが必要です。 ただし,現在のプロセスまたは/NOWAIT修飾子を付けて作成したサブプロセスは, 制御の渡し先プロセスとして指定できません。

プロセス名は,15文字以内の英数字です。指定のプロセスに接続できない場合, エラー・メッセージが表示されます。

修飾子

/PARENT
親プロセスに接続します。親プロセスが存在しない場合,エラー・メッセージが出力されます。

説明

ATTACHコマンドは,入力ストリームを別のプロセスに接続します。 ATTACHコマンドを使用すると,制御を1つのサブプロセスから別のサブプロセスまたは親プロセスに切り換えることができます。

ATTACHコマンドを実行すると,親プロセスは,ハイバネート状態となり, 指定のデスティネーション・プロセスに使用中の入力ストリームが接続されます。 現在のジョブの一部であり,SPAWN/WAITコマンドまたはATTACHコマンドによってハイバネート状態となっているサブプロセスへの接続を確立できます。 ただし,接続を確立できる場合にかぎります。現在のプロセス, 現在のジョブの一部でないプロセス,存在しないプロセスには接続できません。 これらのプロセスに接続しようとすると,エラー・メッセージが出力されます。

ATTACHコマンドとSPAWN/WAITコマンドを組み合わせれば,作成したサブプロセスを終了しないまま親プロセスに戻ることができます。 詳細については,SPAWN コマンドの説明を参照してください。

    $ SPAWN
    %DCL-S-SPAWNED, process SYSTEM_1 spawned
    %DCL-S-ATTACHED, terminal now attached to process SYSTEM_1
    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> ATTACH SYSTEM
    %DCL-S-RETURNED, control returned to process SYSTEM
    $
    
    SYSTEM_1というサブプロセスを作成しています。SYSMANを始動してATTACH コマンドを実行し,ターミナルの制御を親プロセスSYSTEMに戻しています。

CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION

ローカル・エリア・クラスタのセキュリティ・データを変更します。

SYSPRV特権が必要です。

形式

    CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION

パラメータ

なし

修飾子

/GROUP_NUMBER=[n]
SYS$SYSTEM:CLUSTER_AUTHORIZE.DATに記録されているクラスタ・グループ番号を指定します。 グループ番号は,1つのイーサネットに存在する各ローカル・ エリア・クラスタを一意で識別します。1〜4095または61440 〜65535の範囲の番号を指定します。

/PASSWORD=パスワード
クラスタ・アクセスに使用するパスワードを指定します。パスワードは,31 文字以内の英数字,ドル記号,アンダスコアです。パスワードは, 同じイーサネット上のクラスタのグループ番号が万一同じであった場合に, グループ番号の次の確認基準となります。また,グループ番号が外部に洩れた場合でも, パスワードによってクラスタへの侵入を防止できます。

説明

CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATIONコマンドは, SYS$SYSTEM:CLUSTER_AUTHORIZE.DATに記録されているローカル・エリア・ クラスタのグループ番号とパスワードを変更します。複数のシステム・ ディスクを使用している場合,SET ENVIRONMENT/CLUSTERでクラスタとして環境が定義されていれば, すべてのCLUSTER_AUTHORIZE.DATが自動的に更新されます。CLUSTER_AUTHORIZE.DAT の詳細については,『OpenVMS Cluster Systems』を参照してください。


重要
グループ番号やパスワードを変更した場合, クラスタ全体を再ブートする必要があります。

CLUSTER_AUTHORIZE.DATファイルはCLUSTER_CONFIG.COMの実行で初期化され,SYSMAN で管理されます。通常の状況では,CLUSTER_AUTHORIZE.DATファイルのレコードを会話で変更する必要はありません。CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATIONコマンドを使用すれば,クラスタのメンバに矛盾が発生しないように保護できます。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=NODE21
    SYSMAN> SET PROFILE /PRIVILEGE=SYSPRV
    SYSMAN> CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION/PASSWORD=GILLIAN
    %SYSMAN-I-CAFOLDGROUP, existing group will not be changed
    %SYSMAN-I-GRPNOCHG, Group number not changed
    SYSMAN-I-CAFREBOOT, cluster authorization file updated.
    The entire cluster should be rebooted.
    
    この例では,クラスタのパスワードを変更しています。環境がクラスタとして定義されているので,CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION コマンドを実行する前にSYSPRV 特権を設定しています。

CONFIGURATION SET TIME

現在のシステム時間を変更します。

OPER,LOG_IO,SYSPRV特権が必要です。OpenVMS Cluster環境では, SYSLCK特権も必要です。

形式

    CONFIGURATION SET TIME [時間]

パラメータ

なし

説明

CONFIGURATION SET TIMEコマンドは,システム時間を再設定します。 次の形式で時間値を指定します。

[dd-mmm-yyyy[:]] [hh:mm:ss.cc]

デルタ時間を入力することもできます。時間形式の詳細については,『OpenVMSユーザーズ・ マニュアル』を参照してください。

個々のノードで構成される環境では,指定の値が各ノードの時間として設定されます。 時間を指定しない場合,各ノードのタイム・オブ・イヤー・ クロックに基づいて時間が設定されます。

OpenVMS Cluster環境では,指定の値が各ノードの時間として設定されます。 時間を指定しない場合,タイム・オブ・イヤー・クロックが使用されます。 ローカル・クラスタでは,SYSMANを実行しているノードのクロックから読み込んだ値を,OpenVMS Cluster 内のすべてのノードに設定します。 遠隔OpenVMS Clusterでは,ターゲット・ノードのクロックから読み込んだ値をクラスタ内のすべてのノードに設定します。 タイム・オブ・イヤー・ クロックがオプションであるプロセッサもあります。詳細については, プロセッサのマニュアルを参照してください。

SYSMANでは,OpenVMS Cluster環境内のすべてのプロセッサに同じ時間を設定するよう, 特殊な処理を行います。通信と処理に遅延が生じるため, クロックを正確に同期させることは不可能ですが,誤差は通常,数百分の1 秒未満です。指定した時間の1/2秒以内の時間を設定できなかった場合, 応答が迅速でなかったノードを示す警告メッセージが出力されます。

プロセッサ・クロックごとにわずかな誤差があるので,ノード間で時間がずれがちです。 以下は,クラスタ環境でシステム時間の同期をとるプロシージャです。

     $  SYNCH_CLOCKS:
     $  RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
            SET ENVIRONMENT/CLUSTER
            CONFIGURATION SET TIME
            EXIT
     $  WAIT 6:00:00
     $  GOTO SYNCH_CLOCKS

ローカル・ノードのタイム・オブ・イヤー・クロックの時間をすべてのクラスタ・ ノードの時間に設定し,6時間後に時間を再設定します。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE22,NODE23)
    SYSMAN> SET PROFILE /PRIVILEGE=LOG_IO
    SYSMAN> CONFIGURATION SET TIME 12:38:00
    
    NODE21,NODE22,NODE23のシステム時間を変更しています。

CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION

ローカル・エリア・クラスタのグループ番号とマルチキャスト・アドレスを表示します。

SYSPRV特権が必要です。

形式

    CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION

パラメータ

なし

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]
SYS$OUTPUTから指定ファイルに,出力先を変更します。ファイルを指定しない場合, 現在のディレクトリのSYSMAN.LISに出力されます。

説明

CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATIONコマンドは,クラスタ内のすべてのノードにメッセージを送信するときに使用するイーサネット・ アドレス,グループ番号,マルチキャスト・アドレスを表示します。 グループ番号とマルチキャスト・アドレスは,CLUSTER_CONFIGのダイアログでSYS$SYSTEM:CLUSTER_AUTHORIZE.DAT に記録されます。

クラスタ環境やマルチノード環境では,クラスタ内の最初のノードのグループ番号を表示し, 次に,グループ番号とパスワードのいずれかまたは両方が異なるノードが存在すれば, それらの名前を表示します。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=NODE21
    .
    .
    .
    SYSMAN> SET PROFILE /PRIVILEGE=SYSPRV
    SYSMAN> CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION
    Node NODE23: Cluster group number 65240
    Multicast address: AB-00-04-01-F2-FF
    
    この例のCONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATIONコマンドは,NODE21 のグループ番号とマルチキャスト・アドレスを表示します。クラスタ内の他のノードのグループ番号とパスワードが同一であるため, 情報はこれ以上表示されません。

CONFIGURATION SHOW TIME

数百分の1秒の精度で,現在の日付とシステム時間を表示します。

形式

    CONFIGURATION SHOW TIME

パラメータ

なし

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]
SYS$OUTPUTから指定ファイルに,出力先を変更します。ファイルを指定しない場合, 現在のディレクトリのSYSMAN.LISに出力されます。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=NODE21
    .
    .
    .
    SYSMAN> CONFIGURATION SHOW TIME
    System time on node NODE21:  19-JUN-1998 13:32:19.45
    System time on node NODE22:  19-JUN-1998 13:32:27.79
    System time on node NODE23:  19-JUN-1998 13:32:58.66
    
    クラスタ内のすべてのノードのシステム時間を表示しています。

DEFINE/KEY

SYSMANコマンドを実行するキーを定義します。この結果,コマンド名を入力するのではなく, キーを押すだけでコマンドを実行できます。

形式

    DEFINE/KEY   キー名文字列

パラメータ

キー名

定義するキーの名前を指定します。次の表は,指定できるキー名の一覧です。

キー名 VT100 LK201 /LK401
PF1 PF1 PF1
PF2 PF2 PF2
PF3 PF3 PF3
PF4 PF4 PF4
KP0, KP1〜KP9 0〜9 0〜9
PERIOD ピリオド・ キー ピリオド・キー
COMMA コンマ・キー コンマ・ キー
MINUS マイナス・ キー マイナス・キー
ENTER ENTERキー ENTERキー
UP, DOWN, LEFT, RIGHT 矢印キー 矢印キー
FIND, INSERT_HERE - Find, Insert Hereキー
REMOVE, SELECT - Remove, Selectキー
PREV_SCREEN - Previous Screen キー
NEXT_SCREEN - Next Screenキー
HELP, DO - Help, Doキー
F6〜F10, F11〜F14 - ファンクション・ キー
F17〜F20 - ファンクション・キー

文字列

定義したキーを押したときに実行したい文字列を指定します。たとえば,SHOW ENVIRONMENT コマンドやSHOW PROFILEコマンドを指定します。

修飾子

/ECHO (省略時の設定)
/NOECHO
定義したキーを押したときにコマンド行をエコーさせるかどうかを指定します。/NOECHO と/NOTERMINATEの両方の修飾子を付けてキーを定義することはできません。

/IF_STATE=状態リスト
/NOIF_STATE
状態リストを指定します。指定したキー定義を使用可能にするには, いずれかの状態リストを指定する必要があります。この修飾子を省略した場合や否定した場合, 現在の状態が使用されます。

/LOCK_STATE
/NOLOCK_STATE (省略時の設定)
次に/SET_STATE修飾子で状態を変更するまでの間,/SET_STATE修飾子で指定した状態が維持されます。

/SET_STATE
/NOSET_STATE
キーに状態を対応づけます。状態名は,英数文字列です。この修飾子を省略した場合や否定した場合, 現在の状態が維持されます。/SET_STATE と/TERMINATEの両方の修飾子を付けてキーを定義することはできません。

/TERMINATE
/NOTERMINATE
キーを押したときに指定したコマンド文字列を実行するかどうかを指定します。/NOTERMINATE を指定した場合にコマンド文字列を実行するには,Return キーを押す必要があります。/SET_STATEと/TERMINATEの両方の修飾子を付けてキーを定義することはできません。

説明

DEFINE/KEYコマンドは,SYSMANコマンドにキーを割り当てます。この結果, キーを押すだけでコマンドを実行できます。SHOW KEYコマンドを実行すれば, 定義したキーを表示できます。

初期化ファイルで定義しないかぎり,キー定義は,SYSMANを終了すると無効となります。 第20.1.2項を参照してください。

  1. SYSMAN> DEFINE /KEY PF1 "SHOW PROFILE"
    
    PF1をSYSMANのSHOW PROFILEコマンドとして定義しています。PF1を押してReturn キーを押すと,SHOW PROFILEコマンドが実行されます。

  2. SYSMAN> DEFINE /KEY KP0 /TERMINATE "CONFIGURATION SHOW TIME"
    
    0キーをCONFIGURATION SHOW TIMEコマンドとして定義しています。 /TERMINATE修飾子が指定されているので,Returnを押さなくとも,0 キーを押すだけでコマンドが実行されます。

DISKQUOTA ADD

ディスク・クォータ・ファイルにエントリを追加し,使用量を0に初期化します。

クォータ・ファイルへの書き込みアクセス権(W)が必要です。

形式

    DISKQUOTA ADD   所有者

パラメータ

所有者

追加するクォータ・エントリに対応するユーザ識別コード(UIC)またはライト識別子を指定します。UIC は数値でも英数字でも指定できます。UIC の指定方法についての詳しい説明は,使用しているシステムに応じて, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ライト識別子はAUTHORIZEで設定します。形式は,UIC形式ではなく,ID 形式です。ライト識別子の詳細については,『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

ローカル以外の環境で作業する場合,その環境で使用できる英数UICやライト識別子を指定してください。

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルの記憶位置を指定します。入力した装置指定 は,SYSMANが確認します。論理名を指定することができます。その場合, 指定した論理名は,ターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

/OVERDRAFT=値
指定UICの超過値を示す正の整数を指定します。省略時の超過値は,[0,0] のエントリの値です。

/PERMQUOTA=値
指定UICのクォータを示す正の整数を指定します。省略時の永久クォータは,[0,0] のエントリの値です。

説明

DISKQUOTA ADDコマンドは,指定ディスク上のクォータ・ファイルに, 個々のエントリを追加します。クォータ・ファイルはすでに存在しており, 使用可能になっていなければなりません。

永久クォータと超過値を指定しないかぎり,UIC [0,0]のエントリの値が省略時の値として適用されます。UIC [0,0] を調整するには,DISKQUOTA MODIFYコマンドを実行します。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE22,NODE21) 【1】
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Individual nodes: NODE22,NODE21
            Username ALEXIS    will be used on nonlocal nodes.
    SYSMAN> SET PROFILE /PRIVILEGE=SYSPRV 【2】
    SYSMAN> DISKQUOTA ADD [MKT,MORSE] /DEVICE=WORK1 - 【3】
    _SYSMAN> /PERMQUOTA=200 /OVERDRAFT=50
    SYSMAN> DISKQUOTA ADD PAYROLL /DEVICE=WORK1 /PERMQUOTA=1000 【4】
    
    【1】
    NODE22とNODE21を管理環境として定義する。
    【2】
    クォータ・ファイルへの書き込みを行うため,現在のユーザ特権にSYSPRV 特権を追加する。
    【3】
    NODE22とNODE21のWORK1という装置上のクォータ・ ファイルに,UIC [MKT,MORSE]を追加し,絶対制限値250 ブロックに対し,永久クォータのディスク・ブロック数を200,超過値上限のディスク・ ブロック数を50に設定する。

    MORSEというユーザ名がシステムに固有のUICを持つ場合には,次のコマンドを入力できる。

         SYSMAN> DISKQUOTA ADD MORSE
    
    【4】
    ライト識別子PAYROLLのエントリを追加する。識別子PAYROLL を持つユーザは,すべてこのディスク空間を使用できる。

DISKQUOTA CREATE

現在クォータ・ファイルを格納していないディスク・ボリュームに対し, クォータ・ファイルを作成し使用可能にします。

ボリュームのマスタ・ファイル・ディレクトリMFDに対する書き込みアクセス権(W) が必要です。さらに,SYSPRV特権,システムUIC,ボリュームの所有権のいずれかが必要です。

形式

    DISKQUOTA CREATE

パラメータ

なし

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルの作成先ディスク・ボリュームを指定します。入力した 装置指定は,SYSMANが確認します。論理名を指定することができます。 その場合,指定した論理名は,ターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

説明

DISKQUOTA CREATEコマンドは,現在クォータ・ファイルを持たないボリュームに対してクォータ・ ファイルを作成します。

1つのボリュームまたは1つのボリューム・セットに設定できるクォータ・ ファイル[000000]QUOTA.SYSは,1つだけです。クォータ・ファイルを作成すると同時に,DISKQUOTA MODIFY コマンドでUIC [0,0]を調整して省略時のクォータ値と超過値を設定します。 ディスクに既存ファイルが存在する場合,DISKQUOTA REBUILD コマンドを実行し,現在の使用状況値を反映するようクォータ・ ファイルを更新してください。


注意
システム・ディスク上でのファイルの作成が許可されている場合を除いて, システム・ディスク上には, クォータ・ファイルを作成しないようにしてください。

    SYSMAN> SHOW ENVIRONMENT
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Node NODE24 of local cluster
            Username ALEXIS    will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN> DO SHOW DEVICES
    .
    .
    .
    SYSMAN> DISKQUOTA CREATE /DEVICE=DJA31:
    SYSMAN> DISKQUOTA MODIFY /DEVICE=DJA31: [0,0] -
    _SYSMAN> /PERMQUOTA=10000 /OVERDRAFT=100
    
    現在の管理環境の特性を表示し,装置名をチェックしています。次に, DJA31というディスク上にクォータ・ファイルを作成し,省略時のクォータ値を設定しています。

DISKQUOTA DELETE

クォータ・ファイルからエントリを削除します。

詳細については,DISKQUOTA REMOVEコマンドを参照してください。 DISKQUOTA REMOVEコマンドとDISKQUOTA DELETEコマンドの機能は同じです。

DISKQUOTA DISABLE

現在の管理環境でボリュームのディスク・クォータの管理と適用を停止します。 これは,ディスクがマウントされている各ノードに適用されます。


重要
クラスタ内の複数のノードにマウントされているディスクに対して,DISKQUOTA DISABLE コマンドを使用するには, まず,SET ENVIRONMENTコマンドでノードを指定しなければなりません。

SYSPRV特権,システムUIC,またはボリュームの所有権が必要です。

形式

    DISKQUOTA DISABLE

パラメータ

なし

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルを禁止するディスク・ボリュームを指定します。 入力した装置指定は,SYSMANが確認します。論理名を指定することができます。 その場合,指定した論理名は,ターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

説明

DISKQUOTA DISABLEコマンドは,ボリュームにおけるクォータ動作を中断します。 装置に対してクォータを永久的に禁止するには, DISKQUOTA DISABLEコマンドでクォータを禁止し,[000000]QUOTA.SYSファイルを削除します。 この処理をしない場合,ディスクをマウントしたときにシステムが暗黙にクォータを許可するので, クォータ情報が間違っていてもそのままとなります。

禁止されていたクォータ・ファイルを使用可能にするには,DISKQUOTA REBUILDコマンドを実行してUICエントリと使用量を更新します。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(AMANDA,BARRY)
    SYSMAN> DISKQUOTA DISABLE /DEVICE=DJA1:
    
    これらのコマンドは,DJA1というディスクでクォータの適用を一時停止します。 このディスクはAMANDAノードとBARRYノードにマウントされています。
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER 【1】
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username STEIN    will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN> DO SHOW QUOTA/DISK=$6$dkd0:/USER=[0,0] 【2】
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node WALTER
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS2
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS1
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    
    SYSMAN> DISKQUOTA DISABLE/DEVICE=$6$dkd0: 【3】
    SYSMAN> DO SHOW QUOTA/DISK=$6$dkd0:/USER=[0,0] 【4】
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node WALTER
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS2
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS1
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    SYSMAN>
    
    この例では,$6$dkd0:というディスクはクラスタ単位でマウントされています。
    【1】
    SET ENVIRONMENTコマンドはクラスタ内のすべてのノードの環境を設定します。
    【2】
    このDO SHOW QUOTAコマンドの出力は, ディスク・クォータがクラスタ全体で有効であることを示します。
    【3】
    DISKQUOTA DISABLEコマンドは,クラスタ全体に対してディスク・ クォータを無効にします。
    【4】
    このDO SHOW QUOTA コマンドの出力は,ディスク・クォータが無効に設定されたことを示します。

DISKQUOTA ENABLE

現在の管理環境でディスク・ボリュームに対するクォータの適用を再開します。 これは,ディスクがマウントされている各ノードに適用されます。


重要
クラスタ内の複数のノードにマウントされているディスクに対して,DISKQUOTA ENABLE コマンドを使用するには, まず,SET ENVIRONMENTコマンドでノードを指定しなければなりません。

SYSPRV特権,システムUIC,またはボリュームの所有権が必要です。

形式

    DISKQUOTA ENABLE

パラメータ

なし

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルを使用可能にするディスク・ボリュームを指定します。 入力した装置指定は,SYSMANが確認します。論理名を指定することができます。 その場合,指定した論理名は,ターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

説明

DISKQUOTA ENABLEコマンドは,ボリュームに対してDISKQUOTA DISABLEコマンドで中断されていたクォータを使用可能にします。ボリュームに対してクォータを使用可能にするたびに,DISKQUOTA REBUILD コマンドを実行してUIC エントリと使用量を更新してください。

  1. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE22)
    SYSMAN> DISKQUOTA ENABLE
    SYSMAN> DISKQUOTA REBUILD
    
    この例のDISKQUOTA ENABLEコマンドは,省略時のディスクDJA12に対してクォータの適用を再開します。 このディスクはNODE21とNODE22にマウントされています。DISKQUOTA REBUILD コマンドは,クォータ・ファイルを更新し, クォータを修正し,新しいエントリを追加します。

  2. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER 【1】
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username STEIN    will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN> DO SHOW QUOTA/DISK=$6$dkd0:/USER=[0,0] 【2】
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node WALTER
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS2
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS1
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT
    %SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
    
    SYSMAN> DISKQUOTA ENABLE/DEVICE=$6$dkd0: 【3】
    SYSMAN> DO SHOW QUOTA/DISK=$6$dkd0:/USER=[0,0] 【4】
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node WALTER
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS2
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS1
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT
      User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available,
      of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
    
    この例では,$6$dkd0:というディスクはクラスタ単位でマウントされています。
    【1】
    SET ENVIRONMENTコマンドは,クラスタ内のすべてのノードの環境を設定します。
    【2】
    このDO SHOW QUOTAコマンドの出力は, ディスク・クォータが有効に設定されていないことを示します。
    【3】
    DISKQUOTA ENABLEコマンドは,クラスタ全体に対してディスク・ クォータを有効にします。
    【4】
    このDO SHOW QUOTA コマンドの出力は,ディスク・クォータがクラスタ全体で有効に設定されたことを示します。

DISKQUOTA MODIFY

クォータ・ファイルのエントリを変更したり,クォータと超過値の省略時の値を調整したりします。 新しいクォータ制限値が現在の使用量未満である場合, 新しいクォータを使用する前に警告メッセージが出力されます。

クォータ・ファイルに対する書き込みアクセス権(W)が必要です。

形式

    DISKQUOTA MODIFY   所有者

パラメータ

所有者

追加するクォータ・エントリに対応するユーザ識別コード(UIC)またはライト識別子を指定します。UIC は数値でも英数字でも指定できます。UIC の指定方法についての詳しい説明は,使用しているシステムに応じて, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ライト識別子はAuthorizeユーティリティ(AUTHORIZE)で設定します。形式は,UIC 形式ではなく,ID形式です。ライト識別子についての詳しい説明は, 『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

ローカル以外の環境で作業する場合,その環境で使用できる英数UICやライト識別子を指定してください。

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。 入力した装置指定は,SYSMANが確認します。論理名を指定することができます。 その場合,指定した論理名は,ターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

/OVERDRAFT=値
指定UICの超過値を示す正の整数を指定します。省略時の超過値は,[0,0] のエントリの値です。

/PERMQUOTA=値
指定UICのクォータを示す正の整数を指定します。省略時の永久クォータは,[0,0] のエントリの値です。

説明

DISKQUOTA MODIFYコマンドは,装置指定で指定したディスクのクォータ・ ファイルに格納されている値を変更します。現在の使用量未満のクォータ制限値を設定した場合, ユーザは依然としてログインしログアウトできますが, ファイルを作成することはできません。

クォータ・ファイルを作成した場合,DISKQUOTA MODIFYコマンドを実行してクォータ値と超過値の省略時の値を設定します。 永久クォータ値と永久超過値の省略時の値は,UIC [0,0] によって設定されるので,環境に適した値にエントリ[0,0] を変更する必要があります。クォータ値と超過値を指定しないかぎり,UIC エントリには省略時の値が適用されます。

  1. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=NODE21
    SYSMAN> DISKQUOTA MODIFY /DEVICE=DUA12: [0,0] -
    _SYSMAN> /PERMQUOTA=3000 /OVERDRAFT=300
    
    この例のコマンドは,NODE21にあるDUA12のクォータ・ファイルでUIC [0,0]のエントリを編集します。

  2. SYSMAN> DISKQUOTA MODIFY /DEVICE=SYS$DISK1 [TTD,DAVIS] -
    _SYSMAN> /PERMQUOTA=900
    
    UIC [TTD,DAVIS]の永久クォータを900ブロックに変更しています。超過値は変更していません。 現在の環境のSYS$DISK1上のクォータ・ファイルがSYSMAN によって変更されます。

    DAVISというユーザ名がシステムに固有のUICを持つ場合には,次のコマンドを入力できます。

         SYSMAN> DISKQUOTA MODIFY DAVIS/PERMQUOTA=900
    

DISKQUOTA REBUILD

クォータ・ファイルを更新します。新しいUICを追加し,各ボリューム・ ユーザの使用量を修正します。

クォータ・ファイルに対する書き込みアクセス権(W)が必要です。さらに,SYSPRV 特権,システムUIC,ボリュームの所有権のいずれかが必要です。

形式

    DISKQUOTA REBUILD

パラメータ

なし

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。 入力した装置指定は,SYSMANが確認します。論理名を指定した場合, ファイルを再作成する前にターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

説明

DISKQUOTA REBUILDコマンドは,ディスクを読み込み,QUOTA.SYS のすべての既存エントリの使用量を再計算し,新しいエントリを追加します。 それまで存在していなかったエントリに対しては,UIC [0,0]に設定されている省略時のクォータ値と超過値を設定します。DISKQUOTA REBUILDコマンドが実行されている間,ボリューム上のファイル動作は凍結します。 ファイルの作成,削除,拡張,切り捨ては行えません。

DISKQUOTA REBUILDコマンドは,次の状況で使用します。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT /NODE=NODE21
    SYSMAN> SET PROFILE /PRIVILEGE=SYSPRV
    SYSMAN> DISKQUOTA ENABLE /DEVICE=DUA226:
    SYSMAN> DISKQUOTA REBUILD /DEVICE=DUA226:
    
    これらのコマンドは,NODE21に存在するDUA226というディスク上のクォータ・ ファイルを使用可能にし,すべてのエントリの使用量を再設定しています。

DISKQUOTA REMOVE

クォータ・ファイルからエントリを削除します。

クォータ・ファイルに対する書き込みアクセス権(W)が必要です。

形式

    DISKQUOTA REMOVE   所有者

パラメータ

所有者

追加するクォータ・エントリに対応するユーザ識別コード(UIC)またはライト識別子を指定します。UIC は数値でも英数字でも指定できます。UIC の指定方法についての詳しい説明は,使用しているシステムに応じて, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ライト識別子はAuthorizeユーティリティによって与えられ,UIC形式ではなく,ID 形式です。ライト識別子についての詳しい説明は,『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

ローカル以外の環境で作業する場合,その環境で使用できる英数UICやライト識別子を指定してください。

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。 入力した装置指定は,SYSMANが確認します。論理名を指定した場合, UICエントリを削除する前にターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

説明

DISKQUOTA REMOVEコマンドは,指定装置上のクォータ・ファイルから指定UIC を削除します。

UICの使用量が0でない場合,ファイルはディスク上に存在したままであり, ユーザは依然としてログインできますが,ファイルを作成したり,拡張することはできません。

UIC [0,0]のエントリは削除できません。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=MARS
    SYSMAN> SHOW PROFILE
    %SYSMAN-I-DEFDIR, Default directory on node MARS  - WORK2:[CASEY]
    %SYSMAN-I-DEFPRIV, Process privileges on node MARS -
            TMPMGX
            OPER
            NETMBX
            SYSPRV
    
    SYSMAN> DISKQUOTA REMOVE /DEVICE=DUA45: [TTD,DAVIS]
    
    これらのコマンドは,MARSノードにあるDUA45ディスクのクォータ・ファイルからUIC [TTD,DAVIS] を削除します。

DISKQUOTA SHOW

クォータ,超過値,使用量を表示します。

自分自身のクォータ,超過値,使用量を表示する場合は特権が不要ですが, その他の場合には,クォータ・ファイルへの読み込みアクセス権(R) が必要です。

形式

    DISKQUOTA SHOW   所有者

パラメータ

所有者

ユーザ識別コード(UIC)またはライト識別子を指定します。UICは数値でも英数字でも指定できます。UIC の指定方法についての詳しい説明は, 使用しているシステムに応じて,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ライト識別子は,Authorizeユーティリティで設定します。形式は, UIC形式ではなく,ID形式です。ライト識別子の詳細については,『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

クォータ・エントリの指定には,次のようにワイルドカード文字の(*)を使用することができます。

コマンド 説明
DISQUOTA SHOW CJ ユーザCJを表示する(CJがシステムに固有のUIC を持つ場合)。
DISKQUOTA SHOW [TTD,CJ] グループTTDに属するユーザCJを表示する。
DISKQUOTA SHOW [TTD,*] グループTTDに属するすべてのユーザを表示する。
DISKQUOTA SHOW * すべてのエントリを表示する。

修飾子

/DEVICE=装置指定
クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。 入力した装置指定は,DISKQUOTAが確認します。論理名を指定した場合,UIC エントリを表示する前にターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは, ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。 両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

/OUTPUT[=ファイル指定]
指定ファイルに出力先を指定します。ファイルを指定しない場合,SYSMAN を実行しているローカル・ノード上の現在のディレクトリのSYSMAN.LIS に出力されます。

    SYSMAN> DISKQUOTA SHOW [ACCT,*]
    
    このコマンドは,省略時のディスクのグループACCTのすべてのユーザのクォータ, 超過値,使用量を表示します。

DO

現在の環境におけるすべてのノード上で,DCLコマンドまたはDCLコマンド・ プロシージャを実行します。

実行対象のDCLコマンドの特権が必要です。

形式

    DO   [コマンド行]

パラメータ

コマンド行

SYSMANが実行のためにコマンド行インタフェース(CLI)に渡すコマンド文字列を指定します。

コマンドDO MCR SYSMAN [SYSMAN-command]はサポートされません。その代わり, 次の手順を実行してください。

  1. ドル($)・プロンプトに対してMCR SYSMANと入力します。

  2. SYSMAN>プロンプトに対して,SET ENVIRONMENTコマンドを使用して, 選択したノードに環境を設定します。

  3. SYSMAN>プロンプトに対してSYSMANコマンドを入力します。

DCLコマンドの構文の詳細については,『OpenVMS DCLディクショナリ』を参照してください。

修飾子

/CONFIRM
SYSMANのSET ENVIRONMENTコマンドに指定した各ノードで,DOコマンドを実行することを確認します。

/CONFIRM修飾子を使用すると,システムは次のプロンプトを表示します。

     Execute command for node <nodename>? [N]:

次の応答を指定できます。

          YES      NO       QUIT       ALL
          TRUE     FALSE    <Ctrl/Z>
          1        0        <Ctrl/C>
                   <Return>

使い方に関する注意

/OUTPUT[=ファイル指定]
SYSMANを実行しているノードに格納されている指定ファイルに,コマンドの出力を記録します。 この修飾子は,DOコマンドの直後に指定してください。 省略時の出力ファイルは,現在の装置とディレクトリに格納されているSYSMAN.LIS です。出力の先頭に,"%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node xxxxxx."というメッセージが追加されます。

/PAUSE
システムが情報を表示する割合を制御します。/PAUSE修飾子を指定すると, 一度に1つのノードに関する情報を表示できます。次のノードに関する情報を表示するときは, プロンプトに対してReturnキーを押してください。

説明

DOコマンドは,現在の環境に存在するすべてのノード上で,DCLコマンドまたはDCL コマンド・プロシージャを実行します。各DOコマンドは独立したプロセスとして実行するので,DO コマンド同士の間にプロセス・ コンテキストはありません。このため,実行したいすべてのDCLコマンドを1 つのコマンド文字列で指定する必要があります。また,入力を期待するプログラムは実行できません。

OpenVMS Cluster環境では,クラスタ内のすべてのノード上で順次コマンドが実行されます。 あるノードで1つのコマンドが正常終了すると,次のノードに送られます。 コマンドを実行できないノードは,エラー・メッセージを戻します。 ノードが応答する前にタイムアウトした場合,SYSMANがエラー・ メッセージを表示します。

SYS$SYSTEMに格納されているプログラムを実行するには,RSXのMCRコマンドを実行します。MCR コマンドを使用すれば,1つのコマンド文字列でプログラムを実行しコマンドを指定することができます。

システムは,コマンドから返される連結なしで2048文字を越えるような出力を表示することができません。

クラスタ内でDOコマンドを使用する場合には,次の3つの例外に注意してください。

  1. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=NODE21
    SYSMAN> DO/OUTPUT SHOW DEVICE
    
    最初のコマンドは,NODE21が属するクラスタを管理環境として定義しています。 次のコマンドは,このクラスタ内の各ノードでDCLコマンドを実行しています。 出力は,ターミナルではなく,ファイルSYSMAN.LISに送られます。

  2. SYSMAN> SET PROFILE /PRIVILEGES=(CMKRNL,SYSPRV) -
    _SYSMAN> /DEFAULT=SYS$SYSTEM
    SYSMAN> DO INSTALL ADD /OPEN/SHARED WRKD$:[MAIN]STATSHR
    SYSMAN> DO MCR AUTHORIZE ADD JONES/PASSWORD=COLUMBINE -
    _SYSMAN> /DEVICE=WORK1 /DIRECTORY=[JONES]
    
    最初のコマンドは,INSTALLコマンドとAUTHORIZEコマンドで必要なCMKRNL とSYSPRVの特権を現在の特権に追加しています。次のコマンドは,ファイルSTATSHR をインストールしています。最後のコマンドは,JONESというユーザのアカウントを設定し, パスワード,省略時の装置,省略時のディレクトリを指定しています。

    最後のMCRコマンドでは,SYS$SYSTEMからのAUTHORIZEの実行とUAFへのレコードの追加とを1 つのコマンド文字列で指定しています。

  3. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=NODE21
    SYSMAN> SET PROFILE /DEFAULT=[CJ.PROGRAMS] -
    _SYSMAN> /PRIVILEGES=NOSYSPRV
    SYSMAN> DO/OUTPUT @PROCESS_INFO
    
    環境を1つのノードとして定義し,現在の特権とディレクトリを調整しています。DO コマンドは,ディレクトリ[CJ.PROGRAMS]に格納されているコマンド・ プロシージャPROCESS_INFO.COMを実行し,SYSMANを実行しているディレクトリに存在するSYSMAN.LIS に出力を書き込んでいます。

  4. $ CREATE/NAME_TABLE/PARENT=LNM$SYSTEM_DIRECTORY SYSMAN$NODE_TABLE
    $ DEFINE/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE ALPHA_NODES NODE21,NODE22,NODE23
    $ DEFINE/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE VAX_NODES NODE24,NODE25,NODE26
    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=ALPHA_NODES
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
             Individual nodes: NODE21,NODE22,NODE23
             Username BOUCHARD will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$SYSTEM: DEC_FORTRAN.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23
    
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=VAX_NODES
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
             Individual nodes: NODE24,NODE25,NODE26
             Username BOUCHARD will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE26
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$SYSTEM:FORTRAN$MAIN.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE26
    
    この例では,DOコマンドを使用してアーキテクチャ固有のイメージをインストールできるように, デュアル・アーキテクチャ・クラスタでVAXノードとAlpha ノードに対してそれぞれ論理名を定義する方法を示しています。

  5. $ MCR SYSMAN
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username STEIN   will be used on nonlocal nodes
    SYSMAN> DO/CONFIRM SHOW TIME
    Execute command for node EXPERT? [N]: Y <Return>
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT
      22-MAR-1998 09:40:28
    
    Execute command for node MODERN? [N]: Y <Return>
    
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node MODERN
      22-MAR-1998 09:40:56
    
    Execute command for node IMPOSE? [N]: N <Return>
    
    Execute command for node ADU26A? [N]: Y <Return>
       .
       .
       .
    
    この例のコマンドは,システムがクラスタ内の各ノードの時刻を表示するかどうかを制御する方法を示しています。

  6. SYSMAN> DO/PAUSE SHOW TIME
    
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT
      22-MAR-1998 09:40:13
    
    Press return to continue <Return>
    
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node MODERN
      22-MAR-1998 09:40:41
    
    Press return to continue <Return>
    
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node IMPOSE
      22-MAR-1998 09:39:46
    
    Press return to continue <Return>
       .
       .
       .
    
    この例のコマンドは,情報をシステムで表示するレートを制御する方法を示しています。

EXIT

SYSMANセッションを終了し,制御をDCLコマンド・レベルに戻します。SET PROFILEコマンドでローカル・ノードのプロファイルに施した変更内容は,SYSMAN を始動したときの値に戻されます。Ctrl/Zを押しても,終了することができます。

形式

    EXIT

パラメータ

なし

修飾子

なし

HELP

SYSMANのコマンド,パラメータ,修飾子の使用方法に関するヘルプ情報をオンラインで出力します。Ctrl/Z を押すと終了します。

形式

    HELP   [キーワード...]

パラメータ

キーワード

ヘルプを出力する対象のコマンド,パラメータ,修飾子を指定します。 キーワードを省略した場合,ヘルプ・トピックのリストが表示され, キーワードを入力するよう指示するプロンプトが表示されます。

修飾子

なし

    SYSMAN> HELP DO
    
    このコマンドは,SYSMANのDOコマンドに関するヘルプ情報を表示します。

IO AUTOCONFIGURE (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,デバイスを接続し,ドライバをロードすることにより, システムにつながれているすべてのハードウェア・デバイスを自動的に識別し, 設定します。VAXシステムでは,SYSGENのAUTOCONFIGUREコマンドを使用してください。

IO AUTOCONFIGUREコマンドを実行するには,CMKRNLとSYSLCKの特権が必要です。

形式

    IO AUTOCONFIGURE

パラメータ

なし

修飾子

/SELECT=(装置名)
自動設定する装置タイプを指定します。設定対象の装置を指す装置名またはニーモニックを指定します。 ワイルドカード文字を使用することができます。

/SELECT修飾子と/EXCLUDE修飾子は,VAXシステムでは,1つのコマンド行に組み合わせて指定できます。

表 20-2は,/SELECT修飾子の指定例を示しています。

表 20-2 SELECT修飾子の指定例

コマンド 設定される装置 設定されない装置
/SELECT=P* PKA,PKB,PIA なし
/SELECT=PK* PKA,PKB PIA
/SELECT=PKA* PKA PKB,PIA

/EXCLUDE=(装置名)
自動設定しない装置タイプを指定します。設定対象の装置を指す装置名またはニーモニックを指定します。 ワイルドカード文字を使用することができます。

/SELECT修飾子と/EXCLUDE修飾子は,VAXシステムでは,1つのコマンド行に組み合わせて指定できます。

/LOG
ロードした装置に関する情報をIO AUTOCONFIGUREコマンドで表示するかどうかを制御します。

説明

IO AUTOCONFIGUREコマンドは,システムに物理的につながれているすべてのハードウェア装置を識別し, 設定します。VAXシステムでは, SYSGENのAUTOCONFIGUREコマンドを使用してください。このコマンドは, 装置を接続し,装置ドライバをロードします。IO AUTOCONFIGUREコマンドを実行するには,CMKRNL とSYSLCKの特権が必要です。

  1. SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE/EXCLUDE=DKA0
    
    このコマンドは,DKA0以外のすべての装置を自動設定しています。

    IO AUTOCONFIGUREコマンドは,ネットワーク通信装置を除き,システムに物理的につながれているすべての標準装置を自動的に設定します。

  2. SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE/LOG
    
    /LOG修飾子により,AUTOCONFIGUREがロードしたすべての装置に関する情報が表示されます。

IO CONNECT (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,ハードウェア・デバイスを接続し,ドライバがまだロードされていない場合はロードします。VAX システムでは,SYSGEN のCONNECTコマンドを使用してください。

IO CONNECTコマンドを実行するには,CMKRNLとSYSLCKの特権が必要です。

形式

    IO CONNECT   装置名[:]

パラメータ

デバイス名[:]

接続するハードウェア・デバイスの名前を指定します。デバイス名は次の形式でなければなりません。
デバイス・タイプ コントローラ ユニット番号

たとえば,LPA0という指定では,LPはコントローラAのユニット番号0のライン・ プリンタです。/NOADAPTER修飾子を使用する場合には,デバイスはロードされるソフトウェアです。

修飾子

/ADAPTER=TR番号
/NOADAPTER (省略時の設定)
指定装置の接続先アダプタの関係番号を指定します。負以外の32ビット整数を指定します。/NOADAPTER 修飾子は,指定装置がハードウェアに対応していないことを示します。/NOADAPTER 修飾子が互換性を持つのは,/DRIVER_NAME 修飾子だけです。

/CSR=CSRアドレス
設定対象の装置のCSRアドレス。先頭に%Xを付けた16進値で指定します。CSR アドレスは,SYSMANが解釈することなくIDB$Q_CSRにロードされるクォドワード値です。 物理アドレスと仮想アドレスのいずれでも指定できます。 どちらのアドレスを使用するかは,接続対象装置によって決まります。

/ADAPTER=TR番号 には,この修飾子を付ける必要があります。

/DRIVER_NAME=ファイル指定
ロードするデバイス・ドライバの名前を指定します。この修飾子を指定しなかった場合には,SYSMAN は,SYSGENの省略時の名前が決定される方法と同じ方法で省略時の設定を判断します。 たとえば,コンパックが提供するSYS$ELDRIVER.EXE をロードする場合には,SYS$という接頭辞が必要です。SYS$ を指定しなかった場合には,SYSMANはSYS$LOADABLE_IMAGESからELDRIVER.EXE を検索します。この方式では,ユーザ・デバイス・ドライバ名前空間とコンパックが提供するデバイス・ ドライバの名前空間が区分されます。

/LOG=(ALL,CRB,DDB,DPT,IDB,SB,UCB)
/NOLOG (省略時の設定)
指定の制御ブロックのアドレスを表示するかどうかを制御します。省略時の値は,/LOG=ALL です。/LOG=UCBを指定すると,次のようなメッセージが表示されます。
     %SYSMAN-I-IOADDRESS, the UCB is located at address 805AB000

/MAX_UNITS=最大ユニット数
ドライバがサポートできる最大ユニット数を指定します。省略時の値は, ドライバのドライバ・プロローグ・テーブル(DPT)に指定します。DPT に値を指定していない場合の省略時の値は8です。この値は,/NUM_UNITS で指定したユニット数以上でなければなりません。この修飾子は省略可能です。

/NUM_UNITS=ユニット数
作成するユニット数を指定します。開始装置番号は,装置名パラメータに指定した番号です。 たとえばDKA0の最初の装置は0です。2番目以降の装置には, 順に番号が付けられます。省略時の値は1です。この修飾子は省略可能です。

/NUM_VEC=ベクタ数
装置に使用するベクタ数を指定します。省略時のベクタ数は1です。 この修飾子は省略可能であり,使用できるのは,/VECTOR_SPACING修飾子を指定した場合だけです。/NUM_VEC 修飾子を指定する場合は,/VECTOR修飾子を付けて基本ベクタを指定する必要があります。

/SYS_ID=遠隔システム番号
装置の接続先とする遠隔システムのSCSシステムIDを指定します。64 ビットの16進整数を指定します。省略時の設定では,ローカル・システムが使用されます。 この修飾子は省略可能です。

/VECTOR=(ベクタ・アドレス,...)
装置の割り込みベクタまたは最下位ベクタ。直接的に指示される割り込みの場合は, 割り込みベクタのSCBへのバイト・オフセット,間接的に指示される割り込みの場合は,ADP ベクタ・テーブルへのバイト・オフセットです。 整合したロングワードを指定してください。8進値で指定する場合は%0 ,16進値で指定する場合は%Xを値の前に付けます。/ADAPTER=TR 番号 または/NUM_VEC=ベクタ数 を指定する場合は, この修飾子を付ける必要があります。64個までのベクタを指定することができます。

/VECTOR_SPACING=ベクタ間のバイト数
ベクタ間の間隔を指定します。16バイトの倍数を指定します。省略時の値は16 です。/VECTORによる基本ベクタの指定と/NUM_VECによるベクタ数の指定の両方を行う必要があります。 この修飾子は省略可能です。

説明

IO CONNECTコマンドは,ハードウェア装置を接続し,そのドライバがまだロードされていない場合はロードします。VAX システムでは, SYSGENのCONNECTコマンドを使用してください。IO CONNECTコマンドを実行するには,CMKRNL とSYSLCKの特権が必要です。

  1. SYSMAN> IO CONNECT DKA0:/DRIVER_NAME=SYS$DKDRIVER/CSR=%X80AD00-
    /ADAPTER=4/NUM_VEC=3/VECTOR_SPACING=%X10/VECTOR=%XA20/LOG
    
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the CRB is located at address 805AEC40
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the DDB is located at address 805AA740
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the DPT is located at address 80D2A000
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the IDB is located at address 805AEE80
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the SB is located at address 80417F80
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the UCB is located at address 805B68C0
    
    この例のコマンドは,DKA0という装置を接続し,SYS$DKDRIVERというドライバをロードし, 次の内容を指定しています。
    CSR物理アドレス
    アダプタ番号
    ベクタ数
    ベクタ間隔
    割り込みベクタ・アドレス

    /LOG修飾子により,すべての制御ブロックのアドレスが表示されています。

  2. SYSMAN> IO CONNECT DKA0:/DRIVER_NAME=SYS$DKDRIVER/CSR=%X80AD00-
    /ADAPTER=4/VECTOR=(%XA20,%XA30,%XA40)/LOG=(CRB,DPT,UCB)
    
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the CRB is located at address 805AEC40
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the DPT is located at address 80D2A000
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the UCB is located at address 805B68C0
    
    この例のコマンドは,装置DKA0を接続し,ドライバSYS$DKDRIVERをロードし, 次の内容を指定しています。
    CSR物理アドレス
    アダプタ番号
    割り込みベクタ・アドレス

    /LOG修飾子により,チャネル要求ブロック(CRB),ドライバ・プロローグ・ テーブル(DPT),ユニット制御ブロック(UCB)のアドレスが表示されています。

  3. SYSMAN> IO CONNECT FTA0:/DRIVER=SYS$FTDRIVER/NOADAPTER/LOG=(ALL)
    
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the CRB is located at address 805AEC40
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the DDB is located at address 805AA740
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the DPT is located at address 80D2A000
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the IDB is located at address 805AEE80
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the SB is located at address 80417F80
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the UCB is located at address 805B68C0
    
    この例のコマンドは,疑似ターミナルFTA0を接続し,ドライバSYS$FTDRIVER をロードし,FTA0が実ハードウェア装置ではないことを/NOADAPTER 修飾子で指示しています。/LOG=ALL修飾子により,すべての制御ブロックのアドレスが表示されています。

デバイス・ドライバのロードと構成の詳細については,『Writing OpenVMS Alpha Device Drivers in C』を参照してください。

IO LOAD (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,入出力ドライバをロードします。VAXシステムでは,SYSGEN のLOADコマンドを使用してください。

IO LOADコマンドを実行するには,CMKRNLとSYSLCKの特権が必要です。

形式

    IO LOAD   ファイル指定

パラメータ

ファイル指定

ロードするドライバのファイル名を指定します。このパラメータは省略できません。

修飾子

/LOG=(ALL,DPT)
ロードしたドライバに関する情報を表示するかどうかを制御します。 省略時の値は/LOG=ALLです。/LOG=DPTまたは/LOG=ALLを指定した場合,ドライバ・ プロローグ・テーブル(DPT)が表示されます。

説明

IO LOADコマンドは,入出力ドライバをロードします。VAXシステムでは,SYSGEN のLOADコマンドを使用してください。IO LOADコマンドを実行するには,CMKRNL とSYSLCKの特権が必要です。

    SYSMAN> IO LOAD/LOG SYS$DKDRIVER
    %SYSMAN-I-IOADDRESS, the DPT is located at address 80D5A000
    
    装置SYS$DKDRIVERをロードし,ドライバ・プロローグ・テーブル(DPT)のアドレスを表示しています。

IO REBUILD (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,システムを再構成するためのIO AUTOCONFIGURE コマンドを使用する準備として,装置構成テーブルを再構築します。

IO REBUILDコマンドを使用するには,CMKRNL特権が必要です。

形式

    IO REBUILD

パラメータ

なし

修飾子

/VERIFY
SYSMANはファイルSYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DATとSYS$SYSTEM:CONFIG.DAT を読み込んで処理しますが,これらのファイルを入出力データベースに適用しません。 エラーが発生した場合にはメッセージが表示されます。 開発者はこのコマンドを,現在のシステムを変更することなく,SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT に加えた新しい変更点をテストするために使用します。

説明

IO REBUILDコマンドは,ファイルSYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT とSYS$SYSTEM:SYS$CONFIG.DATを読み込んで解析することで,システムの装置構成テーブルを再構築します。

SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DATファイルの変更点をデバッグする際には,IO REBUILD コマンドとIO AUTOCONFIGUREコマンドを使用して,システムを再ブートしなくてもドライバをロードすることができます。 ただし, いったんアダプタのドライバをロードしたら,システムを再ブートしないとドライバの再ロードはできません。

    SYSMAN> IO REBUILD
    SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE
    
    この例の1つ目のコマンドは,装置構成テーブルを再構築します。2つ目のコマンドは, 装置構成テーブルを読み込み,新しく定義されたドライバのドライバをロードします。

IO SCSI_PATH_VERIFY (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,IO SCSI_PATH_VERIFYサブコマンドは,システム内のSCSI とFCのパスを1つずつチェックして,接続された装置が変更されたかどうかを判断します。 装置の変更が検出された場合には,そのSCSI またはFCパスは入出力データベースで切断されます。これによって,IO AUTOCONFIGUREコマンドを使うことで,パスを新しい装置に対して再設定できます。

IO SCSI_PATH_VERIFYコマンドを使用するには,CMKRNL特権が必要です。

フォーマット

    IO SCSI_PATH_VERIFY

パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

SCSIまたはFCのインターコネクトのオンライン再設定を行った後, 通常は,IO SCSI_PATH_VERIFYコマンドを入力します。このコマンドは, システム内にあるSCSIおよびFCパスそれぞれの装置タイプと装置識別子を読み込みます。 装置が入出力データベースに格納されているデータと一致しない場合には, そのパスは入出力データベースで切断されます。IO SCSI_PATH_VERIFYコマンドの後,通常は IO AUTOCONFIGUREコマンドを入力します。IO AUTOCONFIGURE は,新しいSCSIやFCの設定に合わせて入出力データベースを更新するコマンドです。

    SYSMAN> IO SCSI_PATH_VERIFY
    SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE
    
    この例の1番目のコマンドは,すべてのSCSIパスをチェックして, 有効ではなくなったパスを切断します。2 番目のコマンドはシステムに 物理的に接続されている装置をすべて自動設定します。

IO SET EXCLUDE (Alphaのみ)

Alphaシステムでは,装置を自動的に構成するときに使用するパーマネント除外リストを設定します。

形式

    IO SET EXCLUDE   = (装置名)

パラメータ

(装置名)

自動構成から除外する装置タイプを指定します。パーマネント除外リストに入れる装置を表す有効な装置名またはニーモニックを使用します。 ワイルドカードが使用できます。

修飾子

なし

説明

装置の自動構成を行うときに使用するパーマネント除外リストを設定します。

    SYSMAN> IO SET EXCLUDE=(DKC500,DKD*)
    
    この例は,DKC500とすべてのDKD装置について,自動構成を行わないことを指定します。

    装置名の指定方法を示す他の例については,/SELECT修飾子を参照してください。

IO SET PREFIX (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,IOGENコンフィギュレーション作成モジュール(ICBM) 名の作成に使用する接頭辞リストを設定します。

形式

    IO SET PREFIX   = (ICBM接頭辞)

パラメータ

ICBM接頭辞

ICBM接頭辞を指定します。ICBM接頭辞は,IO AUTOCONFIGUREコマンドがICBM イメージ名を作成するときに使用します。

修飾子

なし

説明

IO SET PREFIXコマンドは,IOGENコンフィギュレーション作成モジュール(ICBM) 名を作成するときに使用する接頭辞リストを設定します。

    SYSMAN> IO SET PREFIX=(SYS$,PSI$,VME_)
    
    ICBM名を作成するときにIO AUTOCONFIGUREが使用する接頭辞名を指定しています。SYS$ ,PSI$,VME_の接頭辞が指定されています。

IO SHOW BUS (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,システムのすべてのバス,ノード番号,バス名,TR 番号,CSR基底アドレスを表示します。この情報表示はおもに,コンパックの保守エンジニアが使用します。

VAXシステムでは,SYSGENのSHOW/BUSコマンドを使用してください。

形式

    IO SHOW BUS

パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW BUSコマンドはすべてのバス,ノード番号,バス名,TR番号,CSR 基底アドレスを表示します。この情報が表示されるのはおもに, コンパック社内のエンジニアリングをサポートするためです。IO SHOW BUSコマンドを使用するには,CMKRNL特権が必要です。

    SYSMAN> IO SHOW BUS
    
    _Bus__________Node_TR#__Name____________Base CSR__________
    LSB           0    1    EV3 4MB        FFFFFFFF86FA0000
    LSB           6    1    MEM            FFFFFFFF86FC4000
    LSB           7    1    MEM            FFFFFFFF86FCA000
    LSB           8    1    IOP            FFFFFFFF86FD0000
        XZA XMI-SCSI  0    3    XZA-SCSI       0000008001880000
        XZA XMI-SCSI  1    3    XZA-SCSI       0000008001880000
        XZA XMI-SCSI  0    4    XZA-SCSI       0000008001900000
        XZA XMI-SCSI  1    4    XZA-SCSI       0000008001900000
      XMI           4    2    LAMB           0000008001A00000
        DEMNA         0    5    Generic XMI    0000008001E80000
        DEMNA         0    6    Generic XMI    0000008001F00000
    
    この例はDEC 7000モデル600から抜粋したものです。それぞれのAlphaシステムで表示内容は異なります。

    この表示で使用されている字下げレベルは,システムのアダプタ制御ブロックの階層を示しています。 表示される各項目は次のとおりです。

    項目のタイトル 意味
    Bus バス識別
    Node 対応するバス・アレイへの索引;バス・スロット
    TR# 指定したデバイスが接続されるアダプタのネクサス番号
    Name デバイス名
    Base CSR デバイスのCSR基底アドレス

Alphaシステムでは,SDAのCLUE CONFIGコマンドを使用して,ハードウェア・ アダプタと装置を含む追加情報を表示できます。このコマンドについては, 『OpenVMS Alpha System Dump Analyzer Utility Manual』を参照してください。

デバイス・ドライバのロードと構成の詳細については,『Writing OpenVMS Alpha Device Drivers in C』を参照してください。

IO SHOW DEVICE (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,システムにロードされている装置ドライバ,ドライバに接続されている装置, ドライバの入出力データベースを表示します。 アドレスはすべて,16進仮想アドレスです。VAXシステムでは, SYSGENユーティリティのSHOW/DEVICEコマンドを使用してください。

形式

    IO SHOW DEVICE

パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW DEVICEコマンドは,システムにロードされている装置ドライバ, ドライバに接続されている装置,ドライバの入出力データベースを表示します。

IO SHOW DEVICEコマンドは,指定の装置ドライバについて次の情報を表示することを指定します。

Driver ドライバの名前
Dev ドライバに接続されている各装置の名前
DDB 装置の装置データ・ ブロックのアドレス
CRB 装置のチャネル要求ブロックのアドレス
IDB 装置の割り込みディスパッチ・ブロックのアドレス
Unit 装置上の各ユニットの番号
UCB 各ユニットのユニット制御ブロックのアドレス

アドレスはすべて,16進の仮想アドレスです。

SYSMANの詳細については,『A Comparison of System Management on OpenVMS AXP and OpenVMS VAX』と『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

    SYSMAN> IO SHOW DEVICE
    
    次は,IO SHOW DEVICEコマンドで出力される表示例です。
         __Driver________Dev_DDB______CRB______IDB______Unit_UCB_____
         SYS$FTDRIVER
                         FTA 802CE930 802D1250 802D04C0
                                                          0 801C3710
         SYS$EUDRIVER
                         EUA 802D0D80 802D1330 802D0D10
                                                          0 801E35A0
         SYS$DKDRIVER
                         DKI 802D0FB0 802D0F40 802D0E60
                                                          0 801E2520
         SYS$PKADRIVER
                         PKI 802D1100 802D13A0 802D1090
                                                          0 801E1210
         SYS$TTDRIVER
         OPERATOR
         NLDRIVER
    

    SYS$TTDRIVER,OPERATOR,NLDRIVERに対応する装置はありません。

IO SHOW EXCLUDE (Alphaのみ)

Alphaシステムでは,装置の自動構成で使用するパーマネント除外リストを表示します。

形式

    IO SHOW EXCLUDE

パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW EXCLUDEコマンドは,コンソールにパーマネント除外リストを表示します。 このリストは装置の自動構成で使用されます。

    SYSMAN> IO SHOW EXCLUDE
    %SYSMAN-I-IOEXCLUDE, the current permanent exclusion list is: DKC500,DKD*
    
    このコマンドは,装置の自動構成の際に使用されるパーマネント除外リストを表示します。 現在のリストは,DKC500と,すべてのDKD装置を含んでいます。

IO SHOW PREFIX (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,IOGENコンフィギュレーション作成モジュール(ICBM) 名の作成に使用している現在の接頭辞リストを表示します。

形式

    IO SHOW PREFIX

パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW PREFIXコマンドは,現在の接頭辞リストをコンソール上に表示します。 このリストは,IO AUTOCONFIGUREコマンドがICBM名を作成するときに使用します。

    SYSMAN> IO SHOW PREFIX
    %SYSMAN-I-IOPREFIX, the current prefix list is: SYS$,PSI$,VME_
    
    この例は,ICBM名を作成するときにIO AUTOCONFIGUREが使用する接頭辞を表示しています。

LICENSE LOAD

LICENSEデータベースに登録されているライセンスを有効にします。

CMKRNL,SYSNAM,SYSPRVの特権が必要です。


注意
戻される状態メッセージの数を除き, 次のコマンドは機能的には同じです。
     SYSMAN> LICENSE LOAD
     $ LICENSE LOAD

DCLコマンドに対してリモート・ノードですべての状態メッセージを表示するには, 次のSYSMANコマンドを使用します。

     SYSMAN> DO LICENSE LOAD

形式

    LICENSE LOAD   製品

パラメータ

製品

有効にするライセンスを持つ製品の名前を指定します。

修飾子

/DATABASE=ファイル指定
LICENSEデータベースの格納場所を指定します。省略時のファイルはSYS$COMMON:[SYSEXE]LMF$LICENSE.LDB です。省略時のLICENSEデータベース名と格納場所を使用するときは,/DATABASE 修飾子を指定する必要はありません。

/PRODUCER=文字列
ライセンスの対象製品を所有している会社名を指定します。この修飾子を使用するのは, 製品がコンパック以外から提供される場合だけです。

説明

LICENSE LOADコマンドを使用すれば,システム管理環境内に存在する複数のシステムとローカル以外のシステムに対し, ライセンスを有効にすることができます。SYSMAN のLICENSEコマンド群は,ライセンス管理機能(LMF) コマンド群の一部です。LMFの詳細については,『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。

    SYSMAN> LICENSE LOAD FORTRAN
    
    この例は,Digital Fortran for OpenVMSのライセンスを有効にしています。 コンパック製品のライセンスであるため,/PRODUCER修飾子は指定されていません。

LICENSE UNLOAD

LICENSEデータベースに登録されているライセンスを無効にします。

CMKRNL,SYSNAM,SYSPRVの特権が必要です。

形式

    LICENSE UNLOAD   [製品]

パラメータ

製品

ライセンスを無効にする製品の名前を指定します。製品名を指定せずにLICENSE UNLOAD コマンドを入力すると,システムは登録されているすべてのライセンスを無効にします。

修飾子

/PRODUCER=文字列
登録ライセンスを持つ製品を提供している企業の名前を指定します。 この修飾子は,コンパック以外の企業が提供している製品に対してだけ使用します。

説明

LICENSE UNLOADコマンドを使用すれば,システム管理環境内に存在する複数のシステムとローカル以外のシステムに対し, ライセンスを無効にすることができます。SYSMAN のLICENSEコマンド群は,ライセンス管理機能(LMF) コマンド群の一部です。LMFの詳細については,『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。

    SYSMAN> LICENSE UNLOAD FORTRAN
    
    DEC Fortran for OpenVMSのライセンスを無効にしています。コンパック製品のライセンスであるため,/PRODUCER 修飾子は指定されていません。

PARAMETERS DISABLE CHECKS

パラメータ値のチェックを行わないようにします。パラメータ・チェックは, パラメータ値が,PARAMETERS SETコマンドで指定した最小値以上,最大値以下であることを確認します。

形式

    PARAMETERS DISABLE CHECKS

パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

PARAMETERS DISABLE CHECKSコマンドは,システム・パラメータに設定した最小値と最大値を無効にします。SYSMAN では,省略時の設定ではパラメータ・ チェックを行います。チェックが許可されているときに制限値を超える値をパラメータに設定すると, エラー・メッセージが出力されます。 チェックを禁止すれば,上限と下限にかかわりなく,パラメータを設定できます。


注意
最小値以上,最大値以下でシステムを動作させることが望ましいので, 範囲チェックは省略時の設定では許可されます。 制限値を超える値を設定すると,システムに障害が発生したり, システムが停止したりする恐れがあります。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    SYSMAN> SET PROFILE/DEFAULT=SYS$SYSTEM/PRIVILEGES=CMEXEC
    SYSMAN> PARAMETERS SET MAXPROCESSCNT 10
    %SMI-E-OUTRANGE, parameter is out of range
    SYSMAN> PARAMETERS DISABLE CHECKS
    SYSMAN> PARAMETERS SET MAXPROCESSCNT 10
    
    範囲チェックが許可されている状態では,最小値未満のMAXPROCESSCNTが設定できず, 範囲チェックを禁止した後に設定が成功しています。

PARAMETERS ENABLE CHECKS

すべてのパラメータ値をチェックし,最小値以上,最大値以下であることを確認します。

範囲チェックは省略時の設定では許可されるので,PARAMETERS DISABLE CHECKSコマンドを実行した後に,PARAMETERS ENABLE CHECKSコマンドを実行してください。

形式

    PARAMETERS ENABLE CHECKS

パラメータ

なし

修飾子

なし

    SYSMAN> PARAMETERS DISABLE CHECKS
    SYSMAN> PARAMETERS SET WSMAX 20
    SYSMAN> PARAMETERS ENABLE CHECKS
    SYSMAN> PARAMETERS SET WSMAX 30
    %SMI-E-OUTRANGE, parameter is out of range
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW WSMAX
    Parameter Name    Current  Default  Minimum  Maximum Unit  Dynamic
    WSMAX                2000     1024       60   6400 pages
    
    範囲チェックを禁止したため,ワーキング・セット値(WSMAX) 20をシステムが受け付けています。 範囲チェックが許可された後では,最小値の60より小さいWSMAX を受け付けていません。

PARAMETERS SET

ワーク・エリアに格納されているパラメータの値を変更します。

PARAMETERS SETコマンドは,パラメータ・ファイル,ディスク上の現在のシステム・ パラメータ・ファイル,アクティブ・システムは変更しません。 変更方法の詳細については,PARAMETERS WRITEコマンドを参照してください。

形式

    PARAMETERS SET   パラメータ名[値]
                    /STARTUPファイル指定

パラメータ

パラメータ名

変更するパラメータの名前を指定します。パラメータ名ではなく,ピリオド(.) を指定すると,最後に表示されたパラメータまたは最後に変更したパラメータの値を変更することができます。 パラメータ名の代わりにピリオドを使用する例については,PARAMETERS SHOW コマンドを参照してください。

システム・パラメータの種類と詳細は,HELP PARAMETERSコマンドを実行すると表示されます。

パラメータの新しい値を指定します。ASCIIパラメータの値に空白文字などの特殊文字を含める場合, 二重引用符で囲みます。

通常,整数またはキーワードDEFAULTを値として指定します。キーワードDEFAULT は,パラメータを省略時の値に設定します。PARAMETERS SHOW コマンドを実行すると,パラメータについて定義されている最小値, 最大値,省略時の値が表示されます。最小値,最大値,省略時の値は, PARAMETERS DISABLE CHECKSコマンドで範囲チェックを禁止しないかぎり必須です。

修飾子

/STARTUPファイル指定
汎用スタートアップ・プロシージャの名前を,31文字以内で指定します。 スタートアップ・コマンド・プロシージャの初期名は, SYS$SYSTEM:STARTUP.COMです。

  1. SYSMAN> PARAMETERS SET PFCDEFAULT 20
    
    このコマンドは,PFCDEFAULTパラメータに20という値を割り当てます。

  2. SYSMAN> PARAMETERS SET GBLSECTIONS DEFAULT
    
    このコマンドは,GBLSECTIONSパラメータに省略時の値(40)を割り当てます。

  3. SYSMAN> PARAMETERS SET/STARTUP SYS$SYSTEM:XSTARTUP.COM
    
    このコマンドは,現在のサイトから独立したスタートアップ・コマンド・ プロシージャとして,SYS$SYSTEM:XSTARTUP.COMを割り当てます。

PARAMETERS SHOW

ワーク・エリアに格納されているパラメータまたはパラメータ・グループの値を表示します。 パラメータの最小値,最大値,省略時の値,単位も表示します。

形式

    PARAMETERS SHOW   [パラメータ名]

パラメータ

パラメータ名

パラメータ名またはピリオド(.)を指定します。ピリオドを入力すると, 最後に実行したPARAMETERS SETコマンドまたはPARAMETERS SHOWコマンドで指定したパラメータを指定したと解釈されます。 パラメータ名は短縮できますが, 短縮名に最初に一致するパラメータが取り出されるので, 一意の短縮名を指定してください。

修飾子

/ACP
Files-11 ACPパラメータをすべて表示します。

/ALL
アクティブ・パラメータの値をすべて表示します。

/CLUSTER
OpenVMS Cluster固有のパラメータをすべて表示します。

/DYNAMIC
PARAMETERS WRITE ACTIVEコマンドを実行した直後に有効となるパラメータをすべて表示します。

/GEN
一般パラメータをすべて表示します。

/HEX
10進ではなく16進で数値パラメータを表示します。システム・パラメータ名またはパラメータ・ タイプを/HEXを付けて指定してください。/HEX 修飾子に/NAMES修飾子を付けて指定した場合,/HEXは無視されます。

/JOB
ジョブ・コントローラ・パラメータをすべて表示します。

/LGI
LOGINセキュリティ制御パラメータをすべて表示します。

/MAJOR
最も重要なパラメータを表示します。

/MULTIPROCESSING
多重処理固有のパラメータを表示します。

/NAMES
パラメータ名だけを表示します。他の修飾子を付けて指定することができます。

/OUTPUT
SYS$OUTPUTではなく,指定ファイルに出力します。ファイルを指定しない場合, 現在のディレクトリのSYSMAN.LISに出力されます。

/PAUSE
システムがパラメータに関する情報を表示するレートを制御します。

/PQL
省略時のすべてのプロセス・クォータのパラメータを表示します。

/RMS
OpenVMSレコード管理サービス(RMS)固有のパラメータをすべて表示します。

/SCS
OpenVMS Clusterシステム通信サービス固有のパラメータをすべて表示します。

/SPECIAL
特殊な制御パラメータをすべて表示します。

/STARTUP
汎用スタートアップ・プロシージャの名前を表示します。

/SYS
アクティブなシステム・パラメータをすべて表示します。

/TTY
ターミナル・ドライバのパラメータをすべて表示します。

説明

SYSMANでは,/HEX修飾子を指定しないかぎり,10進表記でパラメータが表示されます。ASCII 値は,常にASCII表記で表示されます。

パラメータ名を短縮した場合,短縮名に最初に一致するパラメータが取り出されるので, 一意の短縮名を指定する必要があります。あいまいさのチェックは行われません。 たとえばPARAMETERS SHOW GBLと入力すると, GBLSECTIONSパラメータが表示されます。GBLPAGESパラメータではなくGBLPAGFIL パラメータを表示するには,PARAMETERS SHOW GBLPAGFと入力します。

ピリオド(.)を指定すると,最後に実行したPARAMETERS SETコマンドやPARAMETERS SHOW コマンドで指定したシステム・パラメータを使用することができます。

  1. SYSMAN> PARAMETERS SHOW GBLSECTIONS
    Parameter Name    Current   Default   Minimum     Maximum Unit  Dynamic
    GBLSECTIONS           100        40        20     -1  Sections
    
    SYSMAN> PARAMETERS SET . 110
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW .
    Parameter Name    Current   Default   Minimum     Maximum Unit  Dynamic
    GBLSECTIONS           110        40        20     -1  Sections
    
    最初のコマンドは,まずGBLSECTIONSパラメータを表示し,次にピリオドでパラメータを参照して, 現在の値を110に設定しています。パラメータ値が変更されたことを確認するため, 次のコマンドでもピリオドを使用しています。

  2. SYSMAN> PARAMETERS SHOW/ACP
    
    このコマンドは次のような出力を作成します。
         Parameters in use: Active
         Parameter Name        Current   Default   Minimum   Maximum Unit  Dynamic
         ACP_MULTIPLE                0         1         0         1 Boolean     D
         ACP_SHARE                   1         1         0         1 Boolean
         ACP_MAPCACHE               52         8         1        -1 Pages       D
         ACP_HDRCACHE              138       128         2        -1 Pages       D
         ACP_DIRCACHE              138        80         2        -1 Pages       D
         ACP_DINDXCACHE             37        25         2        -1 Pages       D
         ACP_WORKSET                 0         0         0        -1 Pages       D
         ACP_FIDCACHE               64        64         0        -1 File-Ids    D
         ACP_EXTCACHE               64        64         0        -1 Extents     D
         ACP_EXTLIMIT              300       300         0      1000 Percent/10  D
         ACP_QUOCACHE              130        64         0        -1 Users       D
         ACP_SYSACC                  4         8         0        -1 Directories D
         ACP_MAXREAD                32        32         1        64 Blocks      D
         ACP_WINDOW                  7         7         1        -1 Pointers    D
         ACP_WRITEBACK               1         1         0         1 Boolean     D
         ACP_DATACHECK               2         2         0         3 Bit-mask    D
         ACP_BASEPRIO                8         8         4        31 Priority    D
         ACP_SWAPFLGS               14        15         0        15 Bit-mask    D
         ACP_XQP_RES                 1         1         0         1 Boolean
         ACP_REBLDSYS                0         1         0         1 Boolean
    

  3. SYSMAN> PARAMETERS SHOW/ACP/HEX
    
    このコマンドはACPシステム・パラメータの値を16進数で表示します。
         Parameters in use: Active
         Parameter Name        Current   Default   Minimum   Maximum Unit  Dynamic
         ACP_MULTIPLE         00000000  00000001  00000000  00000001 Boolean     D
         ACP_SHARE            00000001  00000001  00000000  00000001 Boolean
         ACP_MAPCACHE         00000034  00000008  00000001  FFFFFFFF Pages       D
         ACP_HDRCACHE         0000008A  00000080  00000002  FFFFFFFF Pages       D
         ACP_DIRCACHE         0000008A  00000050  00000002  FFFFFFFF Pages       D
         ACP_DNDXCACHE        00000025  00000019  00000002  FFFFFFFF Pages       D
         ACP_WORKSET          00000000  00000000  00000000  FFFFFFFF Pages       D
         ACP_FIDCACHE         00000040  00000040  00000000  FFFFFFFF File-Ids    D
         ACP_EXTCACHE         00000040  00000040  00000000  FFFFFFFF Extents     D
         ACP_EXTLIMIT         0000012C  0000012C  00000000  000003E8 Percent/10  D
         ACP_QUOCACHE         00000082  00000040  00000000  FFFFFFFF Users       D
         ACP_SYSACC           00000004  00000008  00000000  FFFFFFFF Directories D
         ACP_MAXREAD          00000020  00000020  00000001  00000040 Blocks      D
         ACP_WINDOW           00000007  00000007  00000001  FFFFFFFF Pointers    D
         ACP_WRITEBACK        00000001  00000001  00000000  00000001 Boolean     D
         ACP_DATACHECK        00000002  00000002  00000000  00000003 Bit-mask    D
         ACP_BASEPRIO         00000008  00000008  00000004  0000001F Priority    D
         ACP_SWAPFLGS         0000000E  0000000F  00000000  0000000F Bit-mask    D
         ACP_XQP_RES          00000001  00000001  00000000  00000001 Boolean
         ACP_REBLDSYS         00000000  00000001  00000000  00000001 Boolean
    

  4. SYSMAN> PARAMETERS SHOW/STARTUP
    Startup command file = SYS$SYSTEM:STARTUP.COM
    
    このコマンドは,サイトから独立したスタートアップ・コマンド・プロシージャの名前を表示します。
     SYSMAN> PARAMETERS SHOW/PAUSE MAXPROCESSCNT
     Node EXPERT:   Parameters in use: ACTIVE

     Parameter Name         Current    Default    Minimum    Maximum Unit  Dynamic
     --------------         -------    -------    -------    ------- ----  -------
     MAXPROCESSCNT              160         32         12       8192 Processes
     Press return to continue <Return>
     Node MODERN:   Parameters in use: ACTIVE

     Parameter Name         Current    Default    Minimum    Maximum Unit  Dynamic
     --------------         -------    -------    -------    ------- ----  -------
     MAXPROCESSCNT              157         32         12       8192 Processes
     Press return to continue <Return>
     Node IMPOSE:   Parameters in use: ACTIVE

     Parameter Name         Current    Default    Minimum    Maximum Unit  Dynamic
     --------------         -------    -------    -------    ------- ----  -------
     MAXPROCESSCNT               50         32         12       8192 Processes
     Press return to continue <Return>
. . .

この例のコマンドを使用すると,情報を表示するレートを制御できます。

PARAMETERS USE

表示または変更を目的として,システム・パラメータ集合をワーク・エリアに読み込みます。

形式

    PARAMETERS USE   ソース

パラメータ

ソース

ワーク・エリアに読み込むデータを格納しているシステム・パラメータ・ ファイルのソース。次のいずれかを指定することができます。

ACTIVE メモリからパラメータを読み込む。

SYSMANを始動すると,アクティブ値が有効となります。

CURRENT 省略時のシステム・パラメータ・ ファイルからパラメータを読み込みます。これは,システムをブートするときのパラメータのソースです。 現在のパラメータを使用するには, システム・パラメータ・ファイルに対して読み込み(R)アクセス権が必要です。

  • Alphaシステムでは,現在のパラメータを格納したファイルはSYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR です。

  • VAXシステムでは,現在のパラメータを格納したファイルはSYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.PAR です。
ファイル指定 以前に作成したシステム・ パラメータ・ファイルからパラメータを読み込む。省略時のファイル・ タイプは.PARであり,このファイルへの読み込みアクセス権が必要です。
DEFAULT すべてのパラメータの省略時の値を格納するパラメータ・ セットを読み込む。オペレーティング・ システムが提供する値です。

修飾子

なし

説明

コマンドに入力したソースに応じて,PARAMETERS USEは次のパラメータ値を有効にします。

    SYSMAN> PARAMETERS USE DEFAULT
    SYSMAN> SET STARTUP_P1 "MIN"
    
    第1のコマンドは,オペレーティング・システムで提供される省略時のパラメータ値を有効にします。 第2のコマンドは,STARTUP_P1コマンド・パラメータを"MIN" に設定します。これによりシステム上のすべてのレイヤード製品が起動されないように設定できます。 システムをハングさせてしまう可能性のある未調整のレイヤード製品がシステム上にある場合に, このパラメータを設定すればその製品を起動させることなくシステムだけを起動することができます。

PARAMETERS WRITE

ワーク・エリアの内容を,メモリ,ディスク,ファイルのいずれかに書き込みます。 書き込み先は,指定するデスティネーションによって決まります。

形式

    PARAMETERS WRITE   デスティネーション

パラメータ

デスティネーション

新しいパラメータ・ファイルのデスティネーションには,次のいずれかを指定することができます。

ACTIVE メモリにパラメータを書き込みます。 ACTIVEパラメータを使用するには,CMKRNL特権が必要です。
CURRENT パラメータをディスクのSYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR ファイルに書き込みます。このファイルには現在のパラメータが格納されています。 現在のパラメータを使用するには,SYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR に対する書き込み(W)アクセス権が必要です。

  • Alphaシステムでは,現在のパラメータを格納したファイルはSYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR です。

  • VAXシステムでは,現在のパラメータを格納したファイルはSYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.PAR です。
ファイル指定ファイルにパラメータを書き込みます。 省略時のファイル・タイプは.PARであり,このファイルへの書き込みアクセス権が必要です。

修飾子

なし

説明

PARAMETERS WRITEコマンドは,システム・パラメータ値と汎用スタートアップ・ コマンド・プロシージャ名をワーク・エリアから取り出し, メモリ内のアクティブ・システム,ディスク上の現在のシステム・パラメータ・ ファイル,新しいパラメータ・ファイルのいずれかに書き込みます。 アクティブ・システムに書き込めるのは動的パラメータだけです。

PARAMETERS WRITE ACTIVEコマンドとPARAMETERS WRITE CURRENTコマンドは, イベントを記録するよう,OPCOMにメッセージを送信します。

  1. SYSMAN> PARAMETERS WRITE SYS$SYSTEM:SPECIAL
    
    このコマンドは新しいパラメータ指定ファイルを作成します。

  2. SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
    
    このコマンドは,ディスクで現在のシステム・パラメータ・ファイル(SYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR) を変更します。

RESERVED_MEMORY ADD (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,Reserved Memory Registryデータ・ファイルにエントリを追加します( ただし,このファイルのエントリの変更や追加は, 次にシステムを再ブートするまで有効になりません)。連続したページ・ フレーム番号(PFN: Page Frame Number)を予約するためにRESERVED_ MEMORY ADD修飾子を使用することができます。

Reserved Memory Registryの詳細については,『OpenVMS Alpha 64ビット・ アドレッシングおよびVLM機能説明書』を参照してください。

形式

    RESERVED_MEMORY ADD   gs_name

パラメータ

gs_name

この予約済みメモリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・セクションの名前です。 この名前は指定する必要があります。

修飾子

/ALLOCATE
/NOALLOCATE (省略時の設定)
システムを次に再ブートするときに,連続的なアラインされたページを割り当てます。 割り当てられるメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されます。 また,メモリ常駐グローバル・セクションが作成されることにより, 割り当てオプションが使用されます。ページの物理的なアラインメントは, 予約されるメモリのサイズに応じて,ページの対応付けに使用できる最大粒度ヒント係数に基づいて決定されます。

粒度ヒント係数としては,512ページ(4MB)と64ページ(512KB)があります。 したがって,システム・ページ・サイズを8KBとすると,予約されるメモリは次のように物理的にアラインされます。

/NOALLOCATEを指定した場合,または/ALLOCATEを指定しなかった場合には, システムの次の再ブートの際に予約済みメモリは割り当てられません。 予約済みメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されるだけで, メモリ常駐グローバル・セクションの作成によりフォルト・オプションが使用されます。

/GROUP=n
予約済みメモリがグループ・グローバル・セクションのためのメモリであることを指定します。 値nは,グループ・グローバル・セクションを作成するプロセスのUIC グループ番号(8進)を指定します。グローバル・ セクションへのアクセスは,作成者のUICグループ番号に属するプロセスだけが行えます。 たとえば,UICが[6,100]のプロセスがグループ・グローバル・ セクションの作成者である場合,/GROUP修飾子のグループ番号は6 になります。

/PAGE_TABLES (省略時の設定)
/NOPAGE_TABLES
共用ページ・テーブルのために追加のメモリを予約します。メモリ常駐グローバル・ セクションが作成されると,グローバル・セクションのための共用ページ・ テーブルが作成されます。/ALLOCATEを指定しない場合( または/NOALLOCATEを指定する場合),追加の予約済みメモリはシステムの流動ページ・ カウントから引き算されるだけです。/ALLOCATEを指定すると, システムの次の再ブートの際に共用ページ・テーブルのために追加の連続的なアラインされたページが割り当てられ, 追加の予約済みメモリはシステムの流動ページ・ カウントから引き算されます。

/PAGE_TABLESを指定しなかった場合,または/NOPAGE_TABLESを指定した場合は, 共用ページ・テーブルのための追加のメモリは予約されません。メモリ常駐グローバル・ セクションが作成されるときも,グローバル・セクションのための共用ページ・ テーブルは作成されません。

/SIZE=[予約済みメモリのサイズ。 単位: MB]
システムの初期化の際にVMS$RESERVED_MEMORY.DATAデータ・ファイルが読み込まれるときに, このメモリ常駐グローバル・セクションのためにシステムの流動ページ・ カウントから引き算されるメガバイト数を指定します。

/ZERO
/NOZERO (省略時の設定)
/ZERO修飾子は/ALLOCATE修飾子も同時に指定する必要があります。 /ZEROを指定すると,システムの初期化の際に,事前に割り当てられるページはゼロで埋められます。 メモリ常駐グローバル・セクションには,ゼロにされたページが必要ですが, システムの初期化の際にゼロで埋められたページが必要というわけではありません。

/ZEROを指定しなかった場合,または/NOZEROを指定した場合は,システムの初期化の際に, 事前に割り当てられるページはゼロにされません。 これらのページは,グローバル・セクションの作成時にゼロにされます。

説明

OpenVMSでは,メモリ常駐のグローバル・デマンドゼロ・セクションの中で使用する非流動メモリを予約することができます。 予約されるメモリは, 単にシステムの非流動メモリ・サイズから引き算するという形で行うこともできますし, 連続した,アラインされた物理ページとして事前に割り当てることもできます。

Reserved Memory Registryを使用することにより,AUTOGENは,流動ページ・ カウントの計算において,メモリ常駐セクション・ページが算入されないようにシステムを正しく設定することができます。AUTOGEN はシステムの流動ページ・ カウントに基づいて,システム・ページ・ファイルのサイズ, プロセスの数,およびワーキング・セットの最大サイズを決定します。AUTOGEN が,何らかの他の目的のために永久的に予約されている物理メモリを考慮に入れないまま, 流動ページ・カウントに基づいてパラメータを調整していると, システムのパフォーマンスが大幅に低下することがあります。

また,Reserved Memory Registryを使用することにより,割り当てオプションの使用時にメモリ常駐セクションのための連続した, アラインされたメモリが確保できることが保証されます。

予約された非流動メモリのユーザは,システムの初期化時(ブート時)に読み込まれるデータ・ ファイルに,メモリの特性を入力します。このファイルはSYS$SYSTEM:VMS$RESERVED_MEMORY.DATA であり,このファイルの保守にはSYSMAN ユーティリティを使用します。


注意
ただし,SYS$SYSTEM:VMS$RESERVED_MEMORY.DATA データ・ファイルを編集してはなりません。

VMS$RESERVED_MEMORY.DATAはシステムの初期化の際に読み込まれます。このデータ・ ファイルの各エントリについて,RESERVED_MEMORY ADDコマンドの/SIZE 修飾子の指定に従い,このメモリ常駐グローバル・セクションのためにシステムの流動ページ・ カウントからメガバイト単位での引き算が行われます。/PAGE_TABLES が指定されている場合には,メモリ常駐グローバル・ セクションに対応する共用ページ・テーブルに必要なメモリも, システムの流動ページ・カウントから引き算されます。

次の表に,RESERVED_MEMORY ADDコマンドの修飾子の効果をまとめます。

修飾子 効果
/ALLOCATE 連続した物理ページのブロックが割り当てられ, メモリ常駐グローバル・セクションのために予約される。
/PAGE_TABLES 連続した物理ページのブロックが追加で割り当てられ, 共用ページ・テーブルのために予約される。 これらのページは,ブロックの最大の粒度ヒント係数を使用するのに適した物理的アラインメントを持っている。
/ZERO ページは, システムの初期化の際に,またはシステムがアイドル状態にあるときにゼロにされる。
/NOZERO ページは,メモリ常駐グローバル・セクションの作成時にゼロにされる。

システム・パラメータSTARTUP_P1を"MIN"に設定すると,Reserved Memory Registryのエントリは無視され,メモリは予約されません。

システム初期化の際,Reserved Memory Registryデータ・ファイルの処理を行っているときに, 流動ページの予約や連続的なアラインされた物理ページの割り当てでエラーが発生すると, システムはコンソールに警告を発し, ブート処理を続けます。ただし要求は実行を許可されません。

    SYSMAN> RESERVED_MEMORY ADD DFW$GS_1 /NOPAGE /GROUP=100 /SIZE=1
    SYSMAN> RESERVED_MEMORY ADD DFW$GS_2 /PAGE /SIZE=2 /ALLOC /ZERO
    SYSMAN> RESERVED_MEMORY ADD DFW$GS_3 /PAGE /SIZE=3
    
    この例のコマンドは,Reserved Memory Registryデータ・ファイルにエントリを追加します(RESERVED_MEMORY SHOW コマンドの例に,これらのエントリの値があります) 。

RESERVED_MEMORY FREE (Alphaのみ)

実行中のAlphaシステムにおいて,予約済みのメモリを解放します。このコマンドはReserved Memory Registry データ・ファイルの内容には影響を与えません。 これは実行中のシステムのメモリにのみ影響を与えます。連続したページ・ フレーム番号(PFN: Page Frame Number)のブロックを解放するためにRESERVED_MEMORY FREE 修飾子を使用することもできます。

Reserved Memory Registryの詳細については,『OpenVMS Alpha 64ビット・ アドレッシングおよびVLM機能説明書』を参照してください。

形式

    RESERVED_MEMORY FREE   gs_name

パラメータ

gs_name

この予約済みメモリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・セクションの名前です。 この名前は指定する必要があります。

修飾子

/GLOBAL_SECTION (省略時の設定)
/NOGLOBAL_SECTION
/NOGLOBAL_SECTIONは,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・ セクション用ではなく特権アプリケーション用であることを表しています(/GLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・ グローバル・セクション用であることを表しています)。/NOGLOBAL_ SECTION修飾子は /GROUP, /SYSGBL, /PAGE_TABLESと同時に指定することはできません。

AUTOGENは,GETDATAフェーズでReserved Memory Registryデータ・ファイルを処理します。 すべてのエントリのサイズは,使用可能な物理メモリ容量に依存するシステム・ パラメータを算出する際に計算に入れられます。

予約サイズは,/NOGLOBAL_SECTIONと指定しない限りグローバル・ページ・ テーブルの初期サイズを算出する際にも使用されます。

/GROUP=n
予約済みメモリがグループ・グローバル・セクション用のメモリであることを指定します。 値nは,グループ・グローバル・セクションを作成するプロセスのUIC グループ番号(8進)を指定します。グローバル・ セクションへのアクセスは,作成者のUICグループ番号に属するプロセスだけが行えます。 たとえば,UICが[6,100]のプロセスがグループ・グローバル・ セクションの作成者である場合,/GROUP修飾子のグループ番号は6 になります。

/GROUP修飾子は,/SYSGBL,/NOGROBAL_SECTION修飾子とともに指定することはできません。

/SYSGBL
予約はグローバル・メモリ常駐セクション用であることを示します。

/GROUP修飾子と/NOGROBAL_SECTION修飾子は同時に指定できません。この修飾子は,/GROUP または/NOGLOBAL_SECTION修飾子を指定しない限り省略時の設定です。

説明

システム初期化の際に,このグローバル・セクションに対して連続的なアラインされた物理ページが事前に割り当てられなかった場合, 予約されたメモリは単にシステムの流動ページ・ カウントに追加されます。そうでない場合, 物理ページはシステムのフリーまたはゼロ化ページ・リストだけから割り当て解除されます。 システムの流動ページ・カウントは割り当て解除されたページを含むように調整されます。

指定したメモリ常駐グローバル・セクションに対してページ・テーブルも予約されている場合は, 共用ページ・テーブルの予約済みメモリも解放されます。

指定したメモリ常駐グローバル・セクションが予約済みメモリを使用している場合は, 現在使用されていないだけの量の予約済みメモリが解放されます。 システムは,指定したグローバル・セクションが予約済みメモリの一部を使用しているかどうかを示す情報メッセージを表示します。

    SYSMAN> RESERVED_MEMORY FREE DFW$GS_2
    %SMI-S-RMRFREPAG, pages successfully freed from reservation
    SYSMAN> RESERVED_MEMORY SHOW
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI
         Name                     Pages  In Use Group    PTs  Alloced Zeroed
         DFW$GS_3                  384        0 SYSGBL    No  No      No
         DFW$GS_1                  128        0 00000100  No  No      No
         DFW$GS_3                    1        0 SYSGBL   Yes  No      No
    
    この例で,1つ目のコマンドはDFW$GS_2の中の予約済みメモリを解放します。2 つ目のコマンドは,実行中のシステムの中のDFW$GS_3とDFW$GS_1の予約済みメモリを表示しますが, 予約済みメモリを持たないDFW$GS_2については表示しません。

RESERVED_MEMORY MODIFY (Alpha のみ)

Alphaシステムにおいて,Reserved Memory Registryデータ・ファイルの既存のエントリの変更を許可します。

形式

    RESERVED_MEMORY MODIFY   gs_name

パラメータ

gs_name

削除するエントリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・セクションの名前です。 この名前は必ず指定する必要があります。

修飾子

/ALLOCATE
/NOALLOCATE (省略時の設定)
システムを次に再ブートするときに,コマンド・ラインに指定されたように連続的なアラインされたページを割り当てます( 省略時の設定は, 既存のReserved Memory Registryエントリから設定されます)。割り当てられるメモリはシステムの流動ページ・ カウントから引き算されます。また, メモリ常駐グローバル・セクションが作成されることにより,割り当てオプションが使用されます。 ページの物理的なアラインメントは,予約されるメモリのサイズに応じて, ページの対応付けに使用できる最大粒度ヒント係数に基づいて決定されます。

粒度ヒント係数としては,512ページ(4MB)と64ページ(512KB)があります。 したがって,システム・ページ・サイズを8KBとすると,予約されるメモリは次のように物理的にアラインされます。

/NOALLOCATEは暗黙に/NOZEROを意味します。これは/ZEROは/NOALLOCATEと互換性がないからです。

/NOALLOCATEを指定した場合,または/ALLOCATEを指定しなかった場合には, システムの次の再ブートの際に予約済みメモリは割り当てられません。 予約済みメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されるだけで, メモリ常駐グローバル・セクションの作成によりフォルト・オプションが使用されます。

/GLOBAL_SECTION (省略時の値)
/NOGLOBAL_SECTION
/NOGLOBAL_SECTIONは,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・ セクション用ではなく特権アプリケーション用であることを表しています(/GLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・ グローバル・セクション用であることを表しています)。/NOGLOBAL_ SECTION修飾子は /GROUP, /SYSGBL, /PAGE_TABLESと同時に指定することはできません。

AUTOGENは,GETDATAフェーズでReserved Memory Registryデータ・ファイルを処理します。 すべてのエントリのサイズは,使用可能な物理メモリ容量に依存するシステム・ パラメータを算出する際に計算に入れられます。

予約サイズは,/NOGLOBAL_SECTIONと指定しない限りグローバル・ページ・ テーブルの初期サイズを算出する際にも使用されます。

/GROUP=n
予約済みメモリがグループ・グローバル・セクションのためのメモリであることを指定します。 値nは,グループ・グローバル・セクションを作成するプロセスのUIC グループ番号(8進)を指定します。グローバル・ セクションへのアクセスは,作成者のUICグループ番号に属するプロセスだけが行えます。 たとえば,UICが[6,100]のプロセスがグループ・グローバル・ セクションの作成者である場合,/GROUP修飾子のグループ番号は6 になります。

/GROUP修飾子は,/SYSGBL,/NOGROBAL_SECTION修飾子とともに指定することはできません。

/PAGE_TABLES (省略時の設定)
/NOPAGE_TABLES
コマンド・ラインに指定したように共用ページ・テーブル用に追加のメモリを予約します( 省略時の設定は,既存のReserved Memory Registry エントリから設定されます)。メモリ常駐グローバル・セクションが作成されると, グローバル・セクションのための共用ページ・テーブルが作成されます。/ALLOCATE を指定しない場合(または/NOALLOCATEを指定する場合) ,追加の予約済みメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されるだけです。/ALLOCATE を指定すると,システムの次の再ブートの際に共用ページ・ テーブルのために追加の連続的なアラインされたページが割り当てられ, 追加の予約済みメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されます。

/PAGE_TABLESを指定しなかった場合,または/NOPAGE_TABLESを指定した場合は, 共用ページ・テーブルのための追加のメモリは予約されません。メモリ常駐グローバル・ セクションが作成されるときも,グローバル・セクションのための共用ページ・ テーブルは作成されません。

予約が/NOGLOBAL_SECTION属性をもっている場合,/PAGE_TABLES修飾子を指定することはできません。

/SIZE=[予約済みメモリのサイズ。単位: MB]
システムの初期化の際にVMS$RESERVED_MEMORY.DATAデータ・ファイルが読み込まれるときに, このメモリ常駐グローバル・セクションのためにシステムの流動ページ・ カウントから引き算されるメガバイト数を指定します。/SIZE の省略時の設定は,既存のReserved Memory Registryエントリから設定されます。

/SYSGBL
予約はグローバル・メモリ常駐セクション用であることを示します。

/GROUP修飾子と/NOGROBAL_SECTION修飾子は同時に指定できません。この修飾子は,/GROUP または/NOGLOBAL_SECTION修飾子を指定しない限り省略時の設定です。

/ZERO
/NOZERO (省略時の設定)
/ZERO修飾子は/ALLOCATE修飾子を暗黙に指定しています。/ZEROを指定すると, システムの初期化の際に,事前に割り当てられるページはゼロにされます。 メモリ常駐グローバル・セクションでは,ゼロにされたページが必要です。 ただし,必ずシステムの初期化の際にページをゼロにしなければならないというわけではありません。 省略時の設定は既存のReserved Memory Registry エントリから設定されます。

/NOALLOCATE修飾子は/NOZERO修飾子を暗黙に指定します。これは/ZERO修飾子は/NOALLOCATE 修飾子と互換性がないからです。/ZEROを指定しなかった場合, または/NOZEROを指定した場合は,システムの初期化の際に,事前に割り当てられるページはゼロにされません。 これらのページは,グローバル・ セクションの作成時にゼロにされます。

説明

変更されるReserved Memory Registryエントリは,次の項目の組み合せです。
gs_name
/[NO]GLOBAL_SECTION
/GROUP=n
/SYSGBL

これらの修飾子の値は,RESERVED_MEMORY ADDコマンド用の値と同じです。

  1. SYSMAN>  RESERVED_MEMORY MODIFY
    X234567890123456789012345678901/SIZ=2/ZERO
    $ TYPE SYS$SYSTEM:VMS$RESERVED_MEMORY.DATA
         ! VMS$RESERVED_MEMORY.DATA
         ! Do NOT edit this file
         ! Modify with SYSMAN RESERVED_MEMORY commands
         ! A = /ALLOCATE, Z = /ZERO, P = /PAGE_TABLES, VERSION = 1
         ! SIZE (MB) RESERVATION NAME                            GROUP  A Z P
         1          X23456789012345678901234567890               1      0 0 1
         2          X234567890123456789012345678901              SYSGBL 1 1 1
         1          X2345678901234567890123456789012             NOGBL  0 0 0
    
    SYSMAN> EXIT $
    この例のコマンドは,割り当て用の2MBのメモリを予約し,ブート時にゼロにクリアするようにエントリを変更します。

RESERVED_MEMORY REMOVE (Alphaのみ)

実行中のAlphaシステムにおいて,予約済みメモリ・エントリを削除します。 このコマンドは実行中のシステムのメモリ割り当てには影響を与えません。Reserved Memory Registry エントリから連続したページ・フレーム番号(PFN: Page Frame Number) のブロックを削除するためにRESERVED_ MEMORY REMOVE修飾子を使用することもできます。

Reserved Memory Registryの詳細については,『OpenVMS Alpha 64ビット・ アドレッシングおよびVLM機能説明書』を参照してください。

形式

    RESERVED_MEMORY REMOVE   gs_name

パラメータ

gs_name

実行中のシステム内の,削除されるエントリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・ セクションの名前です。必ず指定する必要があります。

指定されたメモリ常駐グローバル・セクション用のページ・テーブルが既に予約されている場合, 追加された予約メモリも削除されます。

修飾子

/GLOBAL_SECTION (省略時の設定)
/NOGLOBAL_SECTION
/NOGLOBAL_SECTIONは,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・ セクション用ではなく特権アプリケーション用であることを表しています(/GLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・ グローバル・セクション用であることを表しています)。/NOGLOBAL_ SECTION修飾子は /GROUP, /SYSGBL, /PAGE_TABLESと同時に指定することはできません。

AUTOGENは,GETDATAフェーズでReserved Memory Registryデータ・ファイルを処理します。 すべてのエントリのサイズは,使用可能な物理メモリ容量に依存するシステム・ パラメータを算出する際に計算に入れられます。

予約サイズは,/NOGLOBAL_SECTIONと指定しない限りグローバル・ページ・ テーブルの初期サイズを算出する際にも使用されます。

/GROUP=n
メモリ常駐グローバル・セクションがグループ・グローバル・セクションである場合は,/GROUP を指定する必要があります。メモリ常駐グローバル・ セクションがシステム・グローバル・セクションである場合は,/GROUP を指定してはなりません。値nは,解放するメモリ常駐グローバル・ セクションに関連付けられたUICグループ番号(8進)です。/GROUP 修飾子は/SYSGBL, /NOGLOBAL_SECTIONと同時に指定することはできません。

/SYSGBL
予約は,システム・グローバル・メモリ常駐セクション用であると指定します。

/SYSGBL修飾子は/GROUP,/NOGLOBAL_SECTIONと同時に指定することはできません。

  1. SYSMAN> RESERVED_MEMORY ADD DFW$GS1/SIZE=1
    SYSMAN> RESERVED_MEMORY REMOVE DFW$GS1
    
    1行目のコマンドはDFW$GS1を追加しています。2行目のコマンドはこれを削除しています。

RESERVED_MEMORY SHOW (Alphaのみ)

実行中のAlphaシステムにおいて,予約済みのメモリを表示します。表示には, 指定されたグローバル・セクションによってどれほどの量のメモリが現在予約されているかの情報も含まれています。 また,ページ・テーブルが存在している場合ページ・ テーブルが現在が予約しているメモリ,および連続するページ・ フレーム番号(PFN)のブロックも含んでいます。

Reserved Memory Registryの詳細については,『OpenVMS Alpha 64ビット・ アドレッシングおよびVLM機能説明書』を参照してください。

形式

    RESERVED_MEMORY SHOW   gs_name

パラメータ

gs_name

実行中のシステムで表示されるエントリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・ セクションの名前。gs_nameを指定しないと,システムは登録されたすべてのグローバル・ セクション用に予約されたメモリを表示します。

修飾子

/GLOBAL_SECTION (省略時の設定)
/NOGLOBAL_SECTION
/NOGLOBAL_SECTIONは,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・ セクション用ではなく特権アプリケーション用であることを表しています(/GLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・ グローバル・セクション用であることを表しています)。/NOGLOBAL_ SECTION修飾子は /GROUP, /SYSGBL, /PAGE_TABLESと同時に指定することはできません。

AUTOGENは,GETDATAフェーズでReserved Memory Registryデータ・ファイルを処理します。 すべてのエントリのサイズは,使用可能な物理メモリ容量に依存するシステム・ パラメータを算出する際に計算に入れられます。

予約サイズは,/NOGLOBAL_SECTIONと指定しない限りグローバル・ページ・ テーブルの初期サイズを算出する際にも使用されます。

/GROUP=n
メモリ常駐グローバル・セクションがグループ・グローバル・セクションである場合は,/GROUP を指定する必要があります。メモリ常駐グローバル・ セクションがシステム・グローバル・セクションである場合は,/GROUP を指定してはなりません。値nは,表示するメモリ常駐グローバル・ セクションに関連付けられたUICグループ番号(8進)です。/GROUP 修飾子はgs_nameを指定する場合だけ使用できます。/GROUP 修飾子は/SYSGBL, /NOGLOBAL_SECTIONと同時に指定することはできません。

/SYSGBL
予約は,システム・グローバル・メモリ常駐セクション用であると指定します。

/SYSGBL修飾子は/GROUP,/NOGLOBAL_SECTIONと同時に指定することはできません。

  1. SYSMAN> RESERVED_MEMORY SHOW
    
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPER
    Name                     Pages  In Use Group    PTs  Alloced Zeroed
    DFW$GS_3                  384        0 SYSGBL    No  No      No
    DFW$GS_2                  256        0 SYSGBL    No Yes     Yes
    DFW$GS_1                  128        0 00000100  No  No      No
    DFW$GS_3                    1        0 SYSGBL   Yes  No      No
    DFW$GS_2                    1        0 SYSGBL   Yes Yes      No
    
    この例のコマンドは,実行中のシステムのメモリ予約状況を表示します。

SET ENVIRONMENT

SET ENVIRONMENT以降のコマンドを適用するノードまたはクラスタを指定します。

ターゲット環境内のすべてのノードに対し,OPER特権またはSETPRV特権が必要です。

形式

    SET ENVIRONMENT

パラメータ

なし

修飾子

/CLUSTER
SET ENVIRONMENT以降のすべてのコマンドを,クラスタ内のすべてのノードに適用することを指定します。 省略時の設定では,管理環境がローカル・ クラスタです。ローカル以外のクラスタを指定するには,/NODE 修飾子でクラスタ・メンバを指定します。

/NODE=(ノード1,ノード2,...)
SET ENVIRONMENT以降のコマンドを指定DECnetノードで実行することを指定します。/CLUSTER 修飾子を付けて指定すると,指定DECnetノードをメンバとするクラスタとして環境が設定されます。 ノード名には,システム名, クラスタの別名,論理名を使用することができます。ただし, 論理名でコマンド環境を定義する場合は,あらかじめ,論理名テーブルSYSMAN$NODE_TABLE を設定する必要があります。SYSMAN論理名テーブルの指定の詳細については, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

/USERNAME=ユーザ名
別のノードにおけるアクセス制御に使用するユーザ名を指定します。 この修飾子には,/CLUSTER修飾子または/NODE修飾子を付ける必要があります。 ユーザ名を指定しない場合,現在のユーザ名が使用されます。新しいユーザ名を指定すると, パスワードの入力を指示するプロンプトが出力されます。


注意
指定するアカウントには第1パスワードだけを割り当てなければなりません。 第2パスワードが割り当てられたアカウントはサポートされません。

説明

SET ENVIRONMENTコマンドは,このコマンドの後で実行するコマンドのターゲット・ ノードまたはターゲット・クラスタを定義します。始動時,SYSMAN を実行しているローカル・ノードがシステム管理環境です。クラスタ内の他のノード, クラスタ全体,DECnetを通して利用できるノードやクラスタのいずれかに, 環境を変更することができます。

OpenVMS Cluster環境は,/CLUSTER修飾子で指定します。ローカル以外のクラスタを指定する場合は,/NODE 修飾子でクラスタを指定します。

環境にVAXノードとAlphaノードの両方が接続されている場合には,環境として各プラットフォームを管理するための論理名の作成について,DO コマンドの説明を参照してください。

SHOW ENVIRONMENTコマンドを実行すれば,現在の環境を表示できます。現在の環境における特権と省略時の値を調整するには,SET PROFILE コマンドを使用します。

環境は,SYSMANを終了するまで,またはSET ENVIRONMENTコマンドで別のコマンド・ コンテキストを設定するまでの間存在し続けます。

  1. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username ALEXIS    will be used on nonlocal nodes
    
    この例は,コマンド環境をローカル・クラスタとして定義しています。新しい環境は,SYSMAN によって確認されます。

  2. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=NODE21/CLUSTER
    Remote Password:
    
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Clusterwide on remote node NODE21
            Username ALEXIS    will be used on nonlocal nodes
    
    このコマンドは,NODE21が属するクラスタに,管理環境を設定しています。 非ローカル環境であるため,パスワード入力を指示するプロンプトが出力されています。

  3. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE223,NODE23)
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Individual nodes: NODE21,NODE22,NODE23
            Username ALEXIS   will be used on nonlocal nodes
    
    このコマンドは,3つのノードを,管理環境として定義しています。

  4. $ CREATE/NAME_TABLE/PARENT=LNM$SYSTEM_DIRECTORY -
    _$ SYSMAN$NODE_TABLE
    $ DEFINE LAVCS SYS1,SYS2,SYS3,SYS4/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE
    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(LAVCS)
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Individual nodes: SYS1,SYS2,SYS3,SYS4
            Username ALEXIS   will be used on nonlocal nodes
    
    この例でコマンドは,SYSMAN$NODE_TABLEという論理名テーブルを設定し, 論理名LAVCSを定義し,この論理名でコマンド環境を定義しています。

SET PROFILE

ユーザの現在の特権,省略時の装置,省略時のディレクトリを,一時的に変更します。

形式

    SET PROFILE

パラメータ

なし

修飾子

/DEFAULT=装置:[ディレクトリ]
対象環境においてファイルを格納する省略時のディスク装置とディレクトリ名を指定します。

/PRIVILEGES=(特権1,特権2...)
現在の特権に追加する特権を指定します。上の特権が認められている必要があります。

/VERIFY
/NOVERIFY (省略時の設定)
DOコマンドで,プロシージャとイメージのDCLチェックを行うかどうかを指定します。

説明

SET PROFILEコマンドは現在の管理環境のプロセス属性を変更します。 環境で使用するコマンドに必要な特権を考慮した後,現在の特権を追加または削除できます( これらの特権が認可されている場合)。また,新しい省略時のデバイスとディレクトリも設定でき,SET PROFILE/[NO]VERIFY コマンドを使用すれば,SYSMANでDCLコマンドのチェックを制御できます。 プロセスの他の属性は変更されません。プロファイルは,それを変更するか, 環境を再設定するか,SYSMANを終了するまで有効です。プロファイルの変更についての詳しい説明は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

  1. SYSMAN> SET PROFILE/DEFAULT=WORK1:[ALEXIS]
    
    このコマンドは,ユーザ・アカウントの省略時の装置とディレクトリを, 装置WORK1上のALEXISというディレクトリに変更しています。

  2. SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGES=(SYSPRV,CMKRNL)/VERIFY
    
    このコマンドは,認められている特権であるSYSPRV,CMKRNLを現在の特権の一部とし,DCL チェックを許可しています。環境が変更するか,再びSET PROFILEコマンドを実行するか,SYSMANを終了するまでの間,これらの特権は有効です。

SET TIMEOUT

ノードが応答するまでSYSMANが待つ時間を設定します。タイムアウトすると, 同じ環境内の次のコマンドが実行されます。

形式

    SET TIMEOUT   時間

パラメータ

時間

デルタ時間値を次の形式で指定します。

hh:mm:ss[.cc.]

ノードが応答するまでSYSMANが待つ時間です。省略時の設定では,タイムアウト時間はないので,SYSMAN は無制限に待ちます。デルタ時間値については, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

修飾子

なし

    SYSMAN> SET TIMEOUT 00:00:30
    %SYSMAN-I-TIMEVAL, timeout value is 00:00:30
    SYSMAN> CONFIGURATION SHOW TIME
    System time on node NODE21: 19-JUN-1998  14:22:33
    %SYSMAN-I-NODERR, error returned from node NODE22
    %SMI-E-TIMEOUT, remote operation has timed out
    System time on node NODE23: 19-JUN-1998  14:23:15
    
    このコマンドは,30秒のタイムアウト時間を設定しています。NODE22が30 秒以内に応答しなかったため,エラー・メッセージが表示され,同じ環境内の次のノード上のコマンドが実行されます。

SHOW ENVIRONMENT

SYSMANがコマンドを実行しているターゲット・ノードまたはターゲット・ クラスタを表示します。

形式

    SHOW ENVIRONMENT

パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

SHOW ENVIRONMENTコマンドは,現在の管理環境を表示します。ローカル・ クラスタ,ローカル・ノード,遠隔ノード,ローカル以外のクラスタのいずれでも指定することができます。 ノード単位やクラスタ単位の環境である場合, その旨が示されます。現在のユーザ名も表示します。

SYSMANを終了するか,または再びSET ENVIRONMENTコマンドを実行するまで環境は存続します。

  1. SYSMAN> SHOW ENVIRONMENT
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username ALEXIS   will be used on nonlocal nodes
    
    このコマンドは,現在の環境がローカル・クラスタであることを表示しています。 クラスタ内の他のノードでは,ALEXISというユーザ名が使用されます。

  2. SYSMAN> SHOW ENVIRONMENT
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Clusterwide on remote cluster NODE21
            Username ALEXIS   will be used on nonlocal nodes
    
    このコマンドは,NODE21が属するローカル以外のクラスタがコマンド環境であることを示しています。

  3. SYSMAN> SHOW ENVIRONMENT
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Individual nodes: NODE22,NODE23
            At least one node is not in local cluster
            Username ALEXIS   will be used on nonlocal nodes
    
    このコマンドは,コマンド環境が2つのノードで構成されることを示しています。

SHOW KEY

DEFINE/KEYコマンドで設定したキー定義を表示します。

形式

    SHOW KEY   [キー名]

パラメータ

キー名

表示したい定義が設定されているキーの名前を指定します。キー名については,DEFINE/KEY コマンドを参照してください。

修飾子

/ALL
指定状態のキー定義をすべて表示します。キー名を指定する必要はありません。

/BRIEF
キー定義だけを表示します。省略時の設定では,キー定義に対応する修飾子をすべて表示します。 状態が指定されている場合は,状態も表示します。

/DIRECTORY
キーを定義したすべての状態名を表示します。キーを定義していない場合, 省略時のSYSMANキーパッドである,DEFAULT状態とGOLD状態を表示します。

/STATE=(状態,状態...)
表示するキー定義が対応する状態の名前を指定します。複数の状態名を指定する場合, 状態名をコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲みます。

説明

表示する定義が対応するキーの名前を指定します。キー名については,DEFINE/KEY コマンドを参照してください。

    SYSMAN> SHOW KEY/ALL
    
    DEFAULT keypad definitions:
      KP0 = "SHOW ENVIRONMENT" (echo)
      KP1 = "SHOW PROFILE" (echo)
    SYSMAN>
    
    このコマンドは現在有効なすべてのキー定義を表示します。

SHOW PROFILE

現在の環境で使用している現在の特権,省略時の装置,省略時のディレクトリを表示します。

形式

    SHOW PROFILE

パラメータ

なし

修飾子

/DEFAULT
対象環境においてファイルを格納する省略時のディスク装置とディレクトリ名を表示します。

/PRIVILEGES
現在の環境で現在有効な特権だけを表示します。

説明

SHOW PROFILEコマンドは,現在の環境で使用している現在の特権, 省略時の装置,省略時のディレクトリを表示します。これらの属性は, SET PROFILEコマンドで変更することができます。

環境を変更するか,再びSET PROFILEコマンドを実行するまで,これらの値は有効です。

    SYSMAN> SHOW PROFILE
    %SYSMAN-I-DEFDIR, Default directory on node NODE21  - WORK1:[BERGERON]
    %SYSMAN-I-DEFPRIV, Process privileges on node NODE21 -
            TMPMGX
            OPER
            NETMBX
            SYSPRV
    
    このコマンドは,省略時の装置,省略時のディレクトリ,現在の特権を表示しています。

SHOW TIMEOUT

ノードが応答するまでSYSMANが待つ時間を表示します。省略時の設定では, 時間に制限はありません。

形式

    SHOW TIMEOUT

パラメータ

なし

修飾子

なし

    SYSMAN> SHOW TIMEOUT
    %SYSMAN-I-TIMEVAL, timeout value is 00:00:04.00
    
    このコマンドは現在の時間切れの値を表示します。この値は4秒です。

SHUTDOWN NODE

OpenVMS Cluster内の1つ以上のノードをシャットダウンします。

SHUTDOWN NODEコマンドはSYS$SYSTEM:SHUTDOWNを起動して,現在の管理環境で指定された1 つのノードまたは複数のノードをシャットダウンします。 各ノードで個別にSHUTDOWN.COMプロシージャを実行するのではなく, 1つのコマンド行にシャットダウン・コマンドを入力できます。

SETPRV特権が必要です。またはCMKRNL,EXQUOTA,LOG_IO,OPER, SYSNAM,SYSPRV,TMPMBX,WORLDのすべての特権が必要です。

形式

    SHUTDOWN NODE

パラメータ

なし

修飾子

/AUTOMATIC_REBOOT
/NOAUTOMATIC_REBOOT (省略時の設定)
シャットダウンが終了したときシステムを自動的に再ブートします。

/CLUSTER_SHUTDOWN
/NOCLUSTER_SHUTDOWN (省略時の設定)
クラスタ全体をシャットダウンします。

/CLUSTER_SHUTDOWNオプションを使用した場合,すべてのノードでシャットダウンの準備ができるまで, 各ノードの作業が中断されます。

このオプションは,すべてのクラスタ・ノードについて指定しなければなりません。1 つでもシャットダウンされないノードがあると,クラスタ全体をシャットダウンできません。

クラスタのすべてのノードを確実にシャットダウンするには,SET ENVIRONMENT/CLUSTERコマンドを実行してからSHUTDOWN NODE/CLUSTER_ SHUTDOWNコマンドを実行します。

/DISABLE_AUTOSTART
ノードで実行中の自動起動キューが停止待ち状態としてマークされており, 別のノードにフェールオーバされるときに,シャットダウンされるまでの分数を指定します。

この修飾子を使用すれば,自動起動フェールオーバ・プロセスがいつ開始されるかを制御できます。 省略時の設定では,/MINUTES_TO_SHUTDOWN修飾子の値と同じです。

シャットダウンの前にできるだけ多くのジョブを終了することと,円滑な移行とのどちらが重要であるかを判断して, システム構成にとって適切な分数を決定してください。 値を大きくすればするほど,移行は円滑になります。 値を小さくすればするほど,より多くのジョブがノードで実行されます。

/INVOKE_SHUTDOWN
/NOINVOKE_SHUTDOWN (省略時の設定)
システム固有のシャットダウン・プロシージャを起動します。

/MINUTES_TO_SHUTDOWN=分数
シャットダウンが実行されるまでの分数。システム論理名SHUTDOWN$MINIMUM_MINUTES を定義している場合には,その整数値が入力可能な最小値です。 したがって,論理名が10として定義されている場合には, 最終シャットダウンまで少なくとも10分を指定しなければなりません。10 分以上の値を指定しなかった場合には,エラー・メッセージが表示されます。 論理名が定義されていないときに,値を入力しなかった場合には, 省略時の値は0分になります。

/REASON=テキスト
シャットダウンの理由(1行)。

/REBOOT_CHECK
/NOREBOOT_CHECK (省略時の設定)
基本オペレーティング・システム・ファイルをチェックし,ファイルが欠落している場合は, そのことを通知します。欠落しているファイルは再ブートの前に正しく準備してください。

/REBOOT_TIME=時刻
システムを再ブートする時刻であり,IMMEDIATELY,IN 10 MINUTES, 2 P.M.,14:00:00などと指定します。ユーザに対するシャットダウン・ メッセージにこの時刻が表示されます。

/REMOVE_NODE
/NOREMOVE_NODE (省略時の設定)
ノードをアクティブ・クラスタ・クォーラムから削除します。シャットダウンされているノードをクラスタに再結合したくない場合には, この修飾子を使用します。

REMOVE_NODEオプションを使用した場合,クラスタの残りのノードのアクティブ・ クォーラムの値は下方修正され,削除されたノードがクォーラム値に影響を与えないようにします。 シャットダウン・プロシージャは, SET CLUSTER/EXEPECTED_VOTESコマンドを実行することにより,クォーラムを再調整します。

オプションは,次のコマンドで再設定することができます。

     SYSMAN> STARTUP SET OPTIONS/NOVERIFY/NOCHECKPOINTING

クラスタの管理についての詳しい説明は,『OpenVMS Cluster Systems』を参照してください。

/SAVE_FEEDBACK
/NOSAVE_FEEDBACK (省略時の設定)
最後にブートした後でシステムから収集されたフィードバック・データを記憶し,AUTOGEN フィードバック・データ・ファイルの新しいバージョンを作成します。 このファイルは,AUTOGENを次に実行するときに使用できます。

/SPIN_DOWN_DISKS
/NOSPIN_DOWN_DISKS (省略時の設定)
ディスクの回転を停止します。システム・ディスクの回転を停止することはできません。

説明

SYSMANでは,ターゲット環境を定義できるため,シャットダウンはローカル・ ノード,接続されているクラスタ,クラスタ内の一部に対して実行できます。 ローカル・ノードをシャットダウンする場合には,環境をローカル・ ノードに設定している限り,シャットダウンでシステムにログインする必要はありません。 詳しくはSHUTDOWN NODEコマンドの例とSET ENVIRONMENTを参照してください。

システムをシャットダウンする場合,シャットダウン・プロシージャは次の処理を行います。

  1. シャットダウンまでの時間をカウントダウンするときに,ユーザにログアウトすることを要求するメッセージをブロードキャストします。

  2. /MINUTES_TO_SHUTDOWN修飾子に指定した値を反映するように, システム論理名SHUTDOWN$TIMEを定義します。たとえば,12:00 に/MINUTES_TO_SHUTDOWN=10と入力した場合には,シャットダウン時刻は12:10 になります。

    シャットダウンが実行されているかどうかを判断したり,シャットダウンの実際の時刻を判断するには,SHOW LOGICAL SHUTDOWN$TIME コマンドを使用します。

  3. シャットダウンまでの時間が6分未満になると,オペレータ以外のログインはすべて禁止されます。DECnet が実行されている場合には, それもシャットダウンされます。

  4. シヤットダウンまでの残り時間が1分になると,バッチ・キューとデバイス・ キュー,およびシステム・ジョブ・キュー・マネージャが停止されます。

  5. シャットダウンまで0分になると,システム固有のコマンド・ プロシージャSYS$MANAGER:SHUTDWN.COMが起動されます。

  6. すべてのユーザ・プロセスが停止されます。しかし,システム・ プロセスは継続されます。補助制御プロセス(ACP)は,マウントされているボリュームが最終的にディスマウントされるときに, それ自体を削除します。

  7. デュアル・プロセッサ・システムで2次プロセッサを停止します。

  8. インストールされているすべてのイメージを削除します。

  9. ユーザの要求に従って,ボリュームをディスマウントし,ディスクの回転を停止します。 システム・ディスクとクォーラム・ディスクの回転は停止されません( クォーラム・ディスクが存在する場合)。

  10. オペレータのログ・ファイルをクローズします。

  11. SYS$SYSTEM:OPCRASHを起動してシステムをシャットダウンします。

  12. 自動再ブートを要求しなかった場合には,次のメッセージが表示されます。
         SYSTEM Micro/RSX SHUTDOWN COMPLETE - USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
    

    自動再ブートを要求した場合には,必要な制御が設定されている限り, システムは再ブートされます。

  1. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    SYSMAN> SHUTDOWN NODE/MINUTES_TO_SHUTDOWN=15/REBOOT_TIME="later"-
    _SYSMAN>  /REASON="SOFTWARE UPGRADE"/REBOOT_CHECK/CLUSTER_SHUTDOWN
    
    この例の最初のコマンドは,クラス内のすべてのノードをシャットダウンするように設定します。2 番目のコマンドは,クラスタ全体のシャットダウンを要求し, オペレーティング・システム・ファイルが欠落しているかどうかの確認を, 再ブート時に要求します。クラスタのユーザに対して次のメッセージが表示されます。
         SHUTDOWN message on NODE21, from user SYSTEM at NODE21$0PA0: 12:00:00:20
         NODE21 will shut down in 15 minutes; back up later. Please log off NODE21.
         SOFTWARE UPGRADE
    
         SHUTDOWN message on NODE22, from user SYSTEM at NODE22$0PA0: 12:00:00:22
         NODE22 will shut down in 15 minutes; back up later. Please log off NODE22.
         SOFTWARE UPGRADE
    
         SHUTDOWN message on NODE23, from user SYSTEM at NODE23$0PA0: 12:00:00:24
         NODE23 will shut down in 15 minutes; back up later. Please log off NODE23.
         SOFTWARE UPGRADE
    

  2. SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=0
    Password:
    SYSMAN> SHUTDOWN NODE/MINUTES=120
    %SYSMAN-I-SHUTDOWN, SHUTDOWN request sent to node
    SYSMAN> EXIT
    $ LOGOUT
    
    この例では,2時間でシャットダウンされます。環境をローカル・ノードに設定している限り,SMISERVER システム独立プロセスのサブプロセスによってシャットダウンが実行されるため, シャットダウン中にユーザがシステムにログインする必要はありません。 環境をローカル・ノードに設定していない場合には, シャットダウンは現在のプロセスのサブプロセスを通じて実行されるため, シャットダウン・サイクルでログインしなければなりません。

SPAWN

現在のプロセスのサブプロセスを作成します。現在のプロセスのコンテキストが, サブプロセスでも使用されます。SPAWNコマンドにより,SYSMAN から一時的に出て他の作業を行い(ディレクトリ・リストの表示やファイルの印刷など) ,またSYSMANに戻ることができます。

SPAWNの動作対象は,ローカル・ノードだけです。DCLコマンドやコマンド・ プロシージャを環境全体で実行するには,DOコマンドを使用します。

ユーザ特権TMPMBXまたはPRMMBXが必要です。ターミナル特性は管理しません。 ターミナルにメールボックスがある場合,SPAWNコマンドとATTACHコマンドは使用できません。

形式

    SPAWN   [コマンド文字列]

パラメータ

コマンド文字列

作成したサブプロセスのコンテキストで実行する132文字未満のコマンド文字列を指定します。 指定したコマンドが実行されると,サブプロセスは終了し, 制御は親プロセスに戻ります。コマンド文字列と/INPUT修飾子の両方を指定した場合, まずコマンド文字列が実行され,次に/INPUTから取り出したコマンドが実行されます。

修飾子

/INPUT=ファイル指定
サブプロセスで実行させるDCLコマンド文字列を格納する入力ファイルを指定します。 入力ファイル以外にコマンド文字列を指定した場合,このコマンド文字列がまず実行され, 次に,入力ファイルに含まれているコマンドが実行されます。 処理が終了すると,サブプロセスは終了します。

/LOGICAL_NAMES (省略時の設定)
/NOLOGICAL_NAMES
親プロセスの論理名をサブプロセスで使用することを指定します。 親プロセスの論理名をサブプロセスで使用しない場合には,/NOLOGICAL_ NAMES修飾子を指定します。

/OUTPUT=ファイル指定
動作結果を書き込む出力ファイルを指定します。/NOWAIT修飾子を指定する場合は,SYS$OUTPUT 以外の出力を指定するようにしてください。こうすることにより, コマンドを指定しているときに出力が同時に表示されてしまうことを防止できます。/OUTPUT 修飾子を省略した場合,現在のSYS$OUTPUT 装置に出力されます。

/PROCESS=サブプロセス名
作成するサブプロセスの名前を指定します。省略時のサブプロセス名の形式は,USERNAME_n です。

/SYMBOLS (省略時の設定)
/NOSYMBOLS
DCLのグローバル・シンボルとローカル・シンボルをサブプロセスに渡すかどうかを指定します。

/WAIT (省略時の設定)
/NOWAIT
サブプロセスが終了するまで他のコマンドを指定できないようにするかどうかを指定します。/NOWAIT 修飾子を指定すると,サブプロセスが実行している間に他のコマンドを指定できます。/NOWAIT 修飾子は/OUTPUT 修飾子を付けて指定し,画面上ではなくファイルに出力させます。この結果, 複数のプロセスが同時にターミナルを使用することを防止できます。

説明

SPAWNコマンドは,現在のプロセスのサブプロセスを作成し,親プロセスの属性をサブプロセスに与えます。 与えられるプロセス属性は,次のとおりです。

現在のコマンド・テーブルなど,サブプロセスで使用されない属性もあります。

親プロセスのプロセス永久オープン・ファイルをはじめ,イメージ・コンテキストやプロシージャ・ コンテキストは,サブプロセスでは使用されません。 サブプロセスは,コマンド・レベル0 (現在のプロンプトを使用するDCL レベル)に設定されます。

/PROCESS修飾子を指定しない場合,サブプロセス名は,親プロセスと同じ名前に一意番号を加えたものとなります。 たとえば,親プロセス名がSMITH であれば,サブプロセス名は,SMITH_1,SMITH_2 ...となります。

コンテキストは別々にコピーされるので,親プロセスのLOGIN.COMファイルはサブプロセスに対しては実行されません。 この結果,サブプロセスを迅速に初期化できます。/WAIT 修飾子を指定した場合,サブプロセスが終了するまで, またはATTACHコマンドで親プロセスに制御が戻るまでの間, 親プロセスはハイバネート状態となります。

複数のプロセスが入力または出力ストリームを共用しているときに次のいずれかを行うと, これらのプロセスはストリームを同時に使用します。

サブプロセスを終了して親プロセスに戻るには,LOGOUTコマンドを使用してください。ATTACH コマンドを実行すれば,サブプロセスの木構造(親プロセスも含まれる) の中の別のプロセスにターミナルの制御を渡すこともできます。SHOW PROCESS/SUBPROCESSES コマンドを入力すると,サブプロセスの木構造に存在するプロセスが表示され, 現在のプロセスが示されます。


注意
SPAWNコマンドは,複数のサブプロセスで構成される木構造を作成する可能性があるので, 木構造内のプロセスを終了する場合は, 充分に注意する必要があります。あるプロセスを終了すると, その下位のサブプロセスは,すべて自動的に終了されます。

SPAWNコマンドで使用する修飾子は,コマンド動詞の直後に入力してください。 コマンド文字列のパラメータは,最後の修飾子の後からコマンド行の終わりまでです。

  1. SYSMAN> SPAWN DIR SYS$MANAGER:SIGHT*.*
    
    Directory CLU$COMMON:[SYSMGR]
    
    SIGHT$STARTUP.COM;5
    
    Total of 1 file.
    
    SYSMAN>
    
    このコマンドは,DCLのDIRECTORYコマンドを実行し,サイト別スタートアップ・ ファイルがディレクトリに存在するかどうかを調べています。 DIRECTORYコマンドが終了すると,制御は親プロセスに戻ります。

  2. SYSMAN> SPAWN
    $ EDIT SIGHT$STARTUP.COM
       .
       .
       .
    $ LOGOUT
    Process SYSTEM_1 logged out at 28-JUN-1998 10:05:17.24
    SYSMAN>
    
    この例は,SYSMANから離れてファイルを編集しています。LOGOUTコマンドによって,SYSMAN に戻ります。

  3. SYSMAN> SPAWN /NOLOGICAL_NAMES SET HOST
    _Node: NODE21
       .
       .
       .
    $ LOGOUT
    
    %REM-S-END, control returned to node _NODE22::
    
    SPAWN>
    
    この例は,SPAWNコマンドを使用してサブプロセスを作成し,このサブプロセスでSET HOST コマンドを実行しています。NODE21から出るには, LOGOUTを実行します。/NOLOGICAL_NAMES修飾子が指定されているので,親プロセスの論理名はサブプロセスに使用されません。

STARTUP ADD

スタートアップ・データベースに構成要素を追加します。

スタートアップ・データベースに対する読み込みアクセス権(R)と書き込みアクセス権(W) が必要です。

形式

    STARTUP ADD   FILEファイル指定

パラメータ

FILE

スタートアップ・データベースに構成要素を追加します。省略時の設定では,STARTUP$STARTUP_LAYERED が変更されます。

ファイル指定

スタートアップ・データベースに追加するファイルを指定します。 スタートアップ・データベースの構成要素は,.COMまたは.EXEのファイル・ タイプを持っており,かつSYS$STARTUPに常駐している必要があります。

修飾子

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
スタートアップ・データベースに追加する前に各ファイルのファイル指定を表示するかどうか, また,追加の確認を行うかどうかを制御します。/CONFIRM を指定した場合,プロンプトに対してY (Yes)またはT (True) と入力してReturnを押さなければ,ファイルは追加されません。N やNOなど,他の文字を入力した場合,指定ファイルは追加されません。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
指定ファイルを追加した後に,そのファイル指定を表示するかどうかを制御します。

/MODE=モード
ファイルの実行モードを指定します。モードの種類は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』に記述されたDIRECT ,SPAWN,BATCH,ANYです。

/NODE=(ノード1, ノード2,...,ノードn)
スタートアップ時にファイルを実行する,クラスタ内のノードを指定します。 省略時の設定では,クラスタ内のすべてのノードでスタートアップ・ ファイルが実行されます。

/PARAMETER=(P1:引数1,P2:引数2,...,P8: 引数8)
スタートアップ時にファイルに渡すパラメータを指定します。指定しなかったパラメータに対しては, システム・パラメータSTARTUP_Pnよって定義される省略時のパラメータが渡されます。STARTUP_Pn が空白の場合には,"FULL" がパラメータ1 (P1)として使用され,STARTUP.COMはこのパラメータを各スタートアップ・ コンポーネント・ファイルに渡します。空白のP1 パラメータを特定のコンポーネント・ファイルに渡す場合には,次のコマンドを使用してください。
     SYSMAN> STARTUP MODIFY FILE component.com/PARAM=P1:""

/PHASE=フェーズ名
ファイルを実行するときのスタートアップにおけるフェーズを指定します。LPBEGIN ,LPMAIN,LPBETA,ENDのフェーズを指定できます。省略時の値は,LPMAIN です。

説明

STARTUP ADDコマンドは,スタートアップ・データベースに構成要素を追加します。 構成要素とは,実際にスタートアップを行うコマンド・ プロシージャや実行可能ファイルです。オペレーティング・システム, サイト別プログラム,レイヤード製品を,これらのファイルが始動します。 スタートアップ・データベース構成要素は,STARTUP$STARTUP_VMSとSTARTUP$STARTUP_LAYERED に格納されています。

通常,1つのスタートアップ・データベースを1つのOpenVMS Clusterで使用するので,1 つのクラスタまたはクラスタ内の1つのノードとしてSYSMAN 環境を定義することができます。

    SYSMAN> STARTUP ADD FILE /MODE=DIRECT /PHASE=LPMAIN -
    _SYSMAN> DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM
    
    このコマンドは,DECset環境マネージャ・ソフトウェアを起動するスタートアップ・ データベースにレコードを追加します。

STARTUP DISABLE

スタートアップ・データベースに格納されているファイルの実行を禁止します。

スタートアップ・データベースへの読み込みアクセス権(R)と書き込みアクセス権(W) が必要です。

形式

    STARTUP DISABLE   FILEファイル指定

パラメータ

FILE

スタートアップ・データベースの構成要素を禁止します。省略時の設定では,SYSMAN がSTARTUP$STARTUP_LAYEREDを変更します。

ファイル指定

スタートアップ・データベース構成要素の名前を指定します。スタートアップ・ ファイルは,SYS$STARTUPに格納し,ファイル・タイプは.COM または.EXEとします。ワイルドカード文字のアスタリスク( * )とパーセント( % ) を使用できます。

修飾子

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
各ファイルを禁止する前にそのファイル指定を表示するかどうか,また禁止確認プロンプトを出力するかどうかを制御します。/CONFIRM を指定した場合,Y (Yes) またはT (True)を入力してReturnを押さなければ,ファイルは禁止されません。N やNOなどの他の文字を入力した場合,ファイルは禁止されません。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
各ファイルを禁止した後,そのファイル指定を表示するかどうかを制御します。

/NODE=(ノード1,ノード2,...,ノードn)
スタートアップ時にファイルを実行しない,クラスタ内のノードを指定します。 省略時の設定では,クラスタ内のすべてのノードでスタートアップ・ ファイルが禁止されます。

/PHASE=フェーズ名
指定ファイルが実行されるときのシステム・スタートアップ・フェーズを指定します。LPBEGIN ,LPMAIN,LPBETA,ENDのフェーズを指定できます。 省略時の値はLPMAINです。

説明

STARTUP DISABLEコマンドは,スタートアップ・データベースに格納されているファイルの実行を禁止します。 スタート・データベース内のレコードを編集し, 一時的にファイルを禁止します。

    SYSMAN> STARTUP DISABLE FILE /NODE=NODE21 DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM
    
    このコマンドは,DECset環境マネージャがNODE21にインストールされないように, スタートアップ・データベースを変更します。

STARTUP ENABLE

スタートアップ・データベースの中の禁止されていたファイルの実行を可能にします。

スタートアップ・データベースへの読み込みアクセス権(R)と書き込みアクセス権(W) が必要です。

形式

    STARTUP ENABLE   FILEファイル指定

パラメータ

FILE

スタートアップ・データベースの構成要素を使用可能にします。省略時の設定では,SYSMAN がSTARTUP$STARTUP_LAYEREDを変更します。

ファイル指定

使用可能にするスタートアップ・ファイルの名前を指定します。ワイルドカード文字を使用できます。

修飾子

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
各ファイルを使用可能にする前にそのファイル指定を表示するかどうか, また使用可能にする確認プロンプトを出力するかどうかを制御します。/CONFIRM を指定した場合,Y (Yes)またはT (True)を入力してReturn を押さなければ,ファイルは使用可能になりません。NやNOなどの他の文字を入力した場合, ファイルは許可されません。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
各ファイルを使用可能にした後,そのファイル指定を表示するかどうかを制御します。

/NODE=(ノード1,ノード2,...,ノードn)
クラスタ内で,ファイルを使用可能にするノードを指定します。省略時の設定では, クラスタ内のすべてのノードでスタートアップ・ファイルが使用可能になります。

/PHASE=フェーズ名
指定ファイルが実行されるときのシステム・スタートアップ・フェーズを指定します。LPBEGIN ,LPMAIN,LPBETA,ENDのフェーズを指定できます。 省略時の値はLPMAINです。

説明

STARTUP ENABLEコマンドは,禁止されていたファイルをスタートアップ時に実行することを許可します。

    SYSMAN> STARTUP ENABLE FILE /NODE=NODE22 DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM
    
    このコマンドはスタートアップ・データベースを変更します。NODE22 には,スタートアップ時にDECset環境マネージャがインストールされます。

STARTUP MODIFY

スタートアップ・データベース内のファイルに関係する情報を変更します。

スタートアップ・データベースへの読み込みアクセス権(R)と書き込みアクセス権(W) が必要です。

形式

    STARTUP MODIFY   FILEファイル指定

パラメータ

FILE

スタートアップ・データベース内のレコードを変更します。省略時の設定では,SYSMAN がSTARTUP$STARTUP_LAYEREDを変更します。

ファイル指定

変更するスタートアップ・ファイルを選択します。ワイルドカード文字を使用できます。

修飾子

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
スタートアップ・データ・ファイルに格納されているスタートアップ特性を変更する前に各ファイルのファイル指定を表示するかどうか, また変更確認プロンプトを出力するかどうかを制御します。/CONFIRM を指定した場合,Y (Yes) またはT (True)を入力してReturnを押さなければ,ファイルは変更されません。N やNOなどの他の文字を入力した場合,ファイルは変更されません。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
各ファイルのスタートアップ特性を変更した後,そのファイル指定を表示するかどうかを制御します。

/MODE=モード
スタートアップ・ファイルの実行モードを変更します。『OpenVMSシステム管理者マニュアル』に記述されたDIRECT ,SPAWN,BATCH,ANYのモードを指定できます。

/NAME=ファイル指定
スタートアップ・ファイルの名前を変更します。スタートアップ・ファイルは,SYS$STARTUP に格納します。

/PARAMETER=(P1:引数1,P2:引数2,...,P8: 引数8)
スタートアップ時にファイルに渡されるパラメータを変更します。パラメータを指定しなかった場合には, システム・パラメータSTARTUP_Pnによって定義される省略時のパラメータが渡されます。STARTUP_Pn が空白の場合には,"FULL" がパラメータ1 (P1)として使用され,STARTUP.COMはこのパラメータを各スタートアップ・ コンポーネント・ファイルに渡します。 空白のP1パラメータを特定のコンポーネント・ファイルに渡す場合には, 次のコマンドを使用してください。
     SYSMAN> STARTUP MODIFY FILE component.com/PARAM=P1:""

/PHASE=フェーズ名
変更対象のスタートアップ・ファイルを,実行フェーズで指定します。LPBEGIN ,LPMAIN,LPBETA,ENDのフェーズを指定できます。省略時の値はLPMAIN です。

説明

STARTUP MODIFYコマンドは,スタートアップ・データベースの構成要素に関するスタートアップ情報を編集します。 たとえば,ファイルをリネームしたり, スタートアップ時にファイルに渡すパラメータを変更したりできます。 フェーズ指定を利用すれば,複数のファイルを選択できます。

    SYSMAN> STARTUP MODIFY FILE DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM -
    _SYSMAN> /PARAM=(P3:TRUE,P4:FALSE) /CONFIRM
    
    このコマンドは,コマンド・プロシージャDECSET$ENVMGR_STARTUP.COMの2 つのスタートアップ・パラメータを変更します。

STARTUP REMOVE

スタートアップ・データベース内のレコードを削除し,指定のスタートアップ・ ファイルをスタートアップ時に実行しないようにします。

スタートアップ・データベースへの読み込みアクセス権(R)と書き込みアクセス権(W) が必要です。

形式

    STARTUP REMOVE   FILEファイル指定

パラメータ

FILE

スタートアップ・データベース内から構成要素を削除します。省略時の設定では,SYSMAN がSTARTUP$STARTUP_LAYEREDを変更します。

ファイル指定

削除するスタートアップ・ファイルを選択します。ワイルドカード文字を使用できます。

修飾子

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
各ファイルのレコードを削除する前にそのファイル指定を表示するかどうか, また削除確認プロンプトを出力するかどうかを制御します。 /CONFIRMを指定した場合,Y (Yes)またはT (True)を入力してReturnを押さなければ, ファイルは削除されません。NやNOなどの他の文字を入力した場合, ファイルは削除されません。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
各ファイルのスタートアップ特性を削除した後,そのファイル指定を表示するかどうかを制御します。

/PHASE=フェーズ名
ファイルを削除するスタートアップ・フェーズを指定します。 LPBEGIN,LPMAIN,LPBETA,ENDのフェーズを指定できます。

    SYSMAN> STARTUP REMOVE FILE DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM /LOG
    
    このコマンドは,スタートアップ・データベースからファイルDECSET$ENVMGR_STARTUP.COM を取り出します。

STARTUP SET DATABASE

現在のスタートアップ・データベースを設定します。

形式

    STARTUP SET DATABASE   データベース

パラメータ

データベース

設定するデータベースの名前を指定します。省略時のデータベース名は,STARTUP$STARTUP_LAYERED です。第2のデータベースSTARTUP$STARTUP_ VMSは,その内容を見ることはできますが,変更はしないようにしてください。

修飾子

なし

    SYSMAN> STARTUP SET DATABASE STARTUP$STARTUP_LAYERED
    %SYSMAN-I-NEWCOMPFIL, current component file is now STARTUP$STARTUP_LAYERED
    SYSMAN> STARTUP SHOW FILE
    %SYSMAN-I-COMPFIL, contents of component database on node LUCERN
    Phase    Mode    File
    --    --    ---------
    LPBEGIN  DIRECT  VMS$LPBEGIN_070_STARTUP.COM
    LPMAIN   DIRECT  FOR$LPMAIN_070_STARTUP.COM
    
    このコマンドは,レイヤード製品データベースを設定し,表示できるようにしています。

STARTUP SET OPTIONS

スタートアップ時にクラスタ内の1つ以上のノードのスタートアップ状態を表示します。

ディスクの現在のシステム・パラメータ・ファイルに対して読み込み(R) アクセス権と書き込み(W)アクセス権が必要です。このファイルは,VAX システムの場合はSYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.PAR,Alphaシステムの場合はSYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR です。

形式

    STARTUP SET OPTIONS

パラメータ

なし

修飾子

/CHECKPOINTING
/NOCHECKPOINTING
各スタートアップ・フェーズとコンポーネント・プロシージャの時刻および状態を示す情報メッセージを表示します。

/OUTPUT=FILE,CONSOLE (省略時の設定)
/VERIFY修飾子を使用して作成された出力をファイルまたはシステム・ コンソールに送ります。FILEオプションを選択した場合には, SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]STARTUP.LOGが作成されます。

/VERIFY=FULL(省略時の設定),PARTIAL
/NOVERIFY
スタートアップ・プロシージャを実行時に表示します。この修飾子はSYSGEN のシステム・パラメータSTARTUP_P2を定義し,選択したオプションに応じて適切な値を割り当てます。


重要
SYSMAN STARTUP OPTIONSで変更したすべてのSTARTUP_P* パラメータは,AUTOGENコマンド・プロシージャによって上書きされます。SYSMAN を使ってパラメータに加えた変更を保存したい場合は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』の説明に従って,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルを編集してください。

説明

STARTUP SET OPTIONSコマンドを使用すれば,スタートアップ時にロギング( 記録)とチェックポイントを実行できます。(完全にまたは部分的に) 記録される情報の量を制御でき,情報をどこに表示するか(ファイルまたはコンソール) も制御できます。また,スタートアップ時に各フェーズの時刻と状態を示す情報メッセージを表示するために, チェックポイントを選択することもできます。

SYSMANでは,ターゲット環境を定義できるため,スタートアップ・ロギングはローカル・ ノード,クラスタ,クラスタ内のノードの一部に対して実行できます。 詳しくはSET ENVIRONMENTコマンドを参照してください。

    SYSMAN> STARTUP SET OPTIONS/VERIFY=FULL/OUTPUT=FILE/CHECKPOINTING
    
    この例では,完全なチェックを実行するためにスタートアップ・ロギングを要求し, 結果をSYS$SPECIFIC:[SYSEXE]STARTUP.LOGに出力し,チェックポイントも要求します。

STARTUP SHOW

現在のスタートアップ・データベースの名前またはその構成要素,およびSTARTUP SET OPTIONS コマンドを使用して選択されたスタートアップ・ロギング・ オプションを表示します。

形式

    STARTUP SHOW   DATABASE
                  FILE
                  OPTIONS

パラメータ

DATABASE

現在のスタートアップ・データベースの名前を表示します。 スタートアップ・データベースには,STARTUP$STARTUP_LAYEREDとSTARTUP$STARTUP_VMS の2つがあります。STARTUP$STARTUP_VMSは,変更しないようにしてください。

FILE

現在のスタートアップ・データベースの内容を表示します。各構成要素について, ファイル名,フェーズ,実行モードが表示されます。

OPTIONS

STARTUP SET OPTIONSコマンドを使用して選択したオプションを表示します。

修飾子

/FULL
データベースの各構成要素について,詳細情報を表示します。構成要素のフェーズ, ファイル名,実行モードをはじめ,ファイルが実行されるノードとファイルに渡されるパラメータが表示されます。FILE パラメータに付けて指定します。

/NODE
ファイルが実行される,クラスタ内のノードを表示します。省略時の設定では, 環境内のすべてのノードでスタートアップ・ファイルが実行されます。FILE パラメータに付けて指定します。

/OUTPUT=ファイル指定
SYS$OUTPUTから指定ファイルに,出力先を変更します。ファイルを指定しない場合, 現在のディレクトリのSYSMAN.LISに出力されます。

/PARAMETERS
スタートアップ・ファイルを実行するときに使用するパラメータを表示します。 パラメータを省略した場合には,システム・パラメータSTARTUP_Pn によって定義される省略時の設定が与えられます。 STARTUP_Pnが空白の場合には,"FULL"がパラメータ1 (P1)として使用され,STARTUP.COM はこのパラメータを各スタートアップ・コンポーネント・ ファイルに渡します。特定のコンポーネント・ファイルに空白のP1パラメータを渡す場合には,STARTUP MODIFY コマンドの/PARAMETER修飾子の説明を参照してください。

/PHASE=フェーズ名
特定のスタートアップ・フェーズで実行されるすべての構成要素を表示します。LPBEGIN ,LPMAIN,LPBETA,ENDのフェーズを指定できます。省略時の値はLPMAIN です。FILEパラメータに付けて指定します。

    SYSMAN> STARTUP SET DATABASE STARTUP$STARTUP_VMS
    SYSMAN> STARTUP SHOW FILE
    %SYSMAN-I-COMPFIL, contents of component database on node LUCERN
    Phase        Mode    File
    --        --    -----------
    BASEENVIRON  DIRECT  VMS$BASEENVIRON_050_LIB.COM
    BASEENVIRON  CALLED  VMS$BASEENVIRON_050_SMISERVER.COM
    BASEENVIRON  DIRECT  VMS$BASEENVIRON_050_VMS.COM
    .
    .
    .
    
    VMSスタートアップ・データベースの内容を表示しています。

SYS_LOADABLE ADD

システム・イメージ・ファイルSYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDXに,エントリを追加します。


重要
SYS_LOADABLE ADDコマンドは, 汎用コマンドではありません。使用するのは,上級システム・プログラマだけに限定してください。

形式

    SYS_LOADABLE ADD   製品イメージ

パラメータ

製品

ロード可能イメージを一意で指定する8文字以内の製品ニーモニック。 ユーザが作成したイメージの場合,_LOCAL_という文字列が通常含まれます。

イメージ

追加するロード可能システム・イメージのファイル名。このパラメータに指定できる値は, ファイル名だけです。装置,ディレクトリ,ファイル・ タイプ,ワイルドカード文字は,指定しないようにしてください。

修飾子

/LOAD_STEP
イメージをロードするブート・プロセスのステップを指定します。システム初期化コードでイメージをロードするINIT と,SYSINITプロセスでイメージをロードするSYSINIT のいずれかを指定します。

省略時の値はSYSINITです。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
エントリを追加したことを示すメッセージを表示するかどうかを制御します。

/MESSAGE
条件を満たしたときに表示するメッセージ・テキストを指定します。 /SEVERITY修飾子を参照してください。省略時のメッセージは,"system image load failed"です。

/SEVERITY
イメージ・ロード状態によるコンソール出力とブート状態への影響を指定します。 次の値を指定できます。

FATAL イメージのロード時にエラーが発生した場合, エラー・メッセージとBUGCHECK情報を表示する。
INFORMATION メッセージを表示し, 処理を続行する。
SUCCESS イメージのロード時にエラーが発生しても,処理を続行する。メッセージは表示しない。
WARNING イメージのロード時にエラーが発生した場合,エラー・メッセージを表示し, 処理を続行する。

省略時の値は,WARNINGです。

説明

SYS_LOADABLE ADDコマンドは,システム・イメージ・ファイルSYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX にエントリを追加します。このファイルは, コマンド・プロシージャSYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.COMで処理します。 この処理の結果,システムがブート時に使用するシステム・イメージ・ データ・ファイルが作成されます。

SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDXファイルが存在しない場合,新たに作成されます。

SYS_LOADABLE REMOVE

システム・イメージ・ファイルSYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDXからエントリを削除します。


重要
SYS_LOADABLE REMOVEコマンドは, 汎用コマンドではありません。使用するのは,上級システム・プログラマだけに限定してください。

形式

    SYS_LOADABLE REMOVE   製品
                         イメージ

パラメータ

製品

ロード可能イメージを一意で指定する8文字以内の製品ニーモニック。 ユーザが作成したイメージの場合,_LOCAL_という文字列が通常含まれます。

イメージ

削除するロード可能システム・イメージのファイル名。このパラメータに指定できる値はファイル名だけです。 装置,ディレクトリ,ファイル・ タイプ,ワイルドカード文字は,指定しないようにしてください。

修飾子

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
エントリを削除したことを示すメッセージを表示するかどうかを制御します。

説明

SYS_LOADABLE REMOVEコマンドは,システム・イメージ・ファイルSYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX からエントリを削除します。このファイルは, コマンド・プロシージャSYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.COMで処理します。 この処理の結果,システムがブート時に使用するシステム・イメージ・ データ・ファイルが作成されます。

SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDXファイルが存在しない場合,空のファイルが作成されます。


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