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2 OpenVMSレイヤード・プロダクトに関するリリース・ノート

この章では,OpenVMSレイヤード・プロダクトのインストールおよびサポート情報をまとめます。 コンパイラ,リンカ,実行時ライブラリ・ルーチンの使用に関する注意事項については, 第5章を参照してください。

2.1 レイヤード・プロダクトのサポート

Software Public Rollout Reports for OpenVMSには,OpenVMS AlphaおよびOpenVMS VAX のためのSoftware Products Libraryキット(CD-ROMコンソリデーション) に付属にしているCompaqのソフトウェア製品の情報が記載されています。

レポートには製品名とバージョン,製品をサポートするのに必要なオペレーティング・ システムのバージョン,製品のボリューム出荷日が示されています。 レポートの情報は今後も追加され,変更される可能性があります。 レポートは公開され,毎月更新されます。レポートの情報はたえず変化するので, リリース・ノートには示しません。

これらのレポートはWorld Wide WebのOpenVMSホーム・ページのOpenVMS Productsセクションから入手できます。OpenVMS Software Public Rollout Reports for OpenVMSにアクセスするには,次のURLを使用してください。


 http://www.openvms.digital.com/openvms/os/swroll/index.html

インターネットにアクセスできない場合は,四半期ごとに提供されるSoftware Products Libraries からオペレーティング・システム・サポート情報を検索できます。 このライブラリは,次のディレクトリにあります。

     [README]SW_COMPAT_MATRIX.PS (.TXT)

また,Software Public Rollout ReportsはCompaqのサポート担当者から入手することもできます。

2.2 Advanced Server V7.2 for OpenVMS (Alphaのみ)

V7.2

OpenVMSバージョン7.2でサポートされるOpenVMSファイル・サーバ製品は,Advanced Server V7.2 for OpenVMS とPATHWORKS V6.0B for OpenVMS だけです。これらの製品は従来のPATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server)バージョン6.0および6.0Aに代わるものであり,以前のバージョンはOpenVMS Version 7.2 でサポートされません。PATHWORKS V6.0B for OpenVMS (Advanced Server)はVAXおよびAlphaバージョン7.2システムで提供されます。

Advanced Server V7.2 for OpenVMSはOpenVMS Alphaバージョン7.2キットに添付されています(OpenVMS VAX ではサポートされません)。PATHWORKS for OpenVMSの以前のバージョンからAdvanced Server V7.2 for OpenVMS にアップグレードする場合は,最初にPATHWORKS V6.0Bにアップグレードしなければなりません。

PATHWORKS for OpenVMSからのアップグレードとAdvanced Server for OpenVMSのインストールの詳細については,ドキュメンテーション・ キットに同梱されているAdvanced Server for OpenVMS『Server Installation and Configuration Guide』を参照してください。

機能

Advanced Server for OpenVMSには次の機能があります。

必要条件

OpenVMSバージョン7.2でAdvanced Server for OpenVMSにアクセスするには, 新しいAdvanced Server V7.2ライセンスPAK: PWLMXXXCA07.02を使用して, クライアントにライセンスを提供しなければなりません。詳細については,Advanced Server for OpenVMS 『Guide to Managing Advanced Server Licenses』を参照してください。

Advanced Serverを使用するには,サーバの起動時にOpenVMSレジストリを使用できなければなりません。 レジストリ・サーバを使用できない場合は, サーバ・スタートアップ・プロシージャがレジストリ・サーバを起動します。Advanced Server for OpenVMS ソフトウェアをインストールして設定する前に,OpenVMS レジストリを設定し,起動するようにしてください。

2.3 DEC BASIC

ここでは,DEC BASICに関するリリース・ノートをまとめます。

2.3.1 問題点と制限事項

ここではDEC BASICバージョン1.2のビルドの制限事項について説明します。

2.3.1.1 BASIC$STARLET.TLBビルドの制限事項(Alpha のみ)

V7.0

このリリース・ノートで説明する制限事項は,OpenVMS Alphaバージョン7.0 以上でDEC BASICバージョン1.2を使用する場合に適用されます。DEC BASICバージョン1.3には適用されません。システム・サービスに対して64 ビットがサポートされるようになった結果,OpenVMS AlphaシステムでBASIC$STARLET.TLB を正しく作成したり,使用することができなくなりました。

STARLETからのシステム定義が必要ない場合には,DEC BASICをインストールするときに, 次の質問に対してデフォルトを使用してください。

     Do you want to install the OpenVMS AXP system definitions (10 min.) [NO]?

STARLETからのシステム定義が必要な場合は,次の2種類の回避方法が考えられます。

2.4 DEC CとDEC C++

ここでは,DEC CおよびDEC C++に関連するリリース・ノートをまとめます。

2.4.1 変更点と強化された機能

ここでは,OpenVMS VAXでSTARLETヘッダ・ファイルが提供される方法の変更について説明します。

2.4.1.1 STARLETヘッダ・ファイルはOpenVMS VAXに添付される

V7.1

バージョン7.1以降,OpenVMS VAXではDEC CとDEC C++のSTARLETヘッダ・ ファイルがSYS$LIBRARY:SYS$STARLET_C.TLBに直接提供されるようになりました。OpenVMS Alpha システムでは,以前のバージョンからこの方法で提供されていました。STARLET ヘッダにアクセスするには,DEC CおよびDEC C++ コンパイラ・バージョン5.2以上が必要です。OpenVMS VAXバージョン7.1 以上で以前のDEC CおよびDEC C++コンパイラ・バージョンをインストールする場合の警告については, 第2.4.2.1 項を参照してください。

バージョン7.1より以前のリリースのDEC CおよびDEC C++コンパイラで提供されていたバージョンの問題点を修正するために,STARLET ヘッダの内容も変更されています。

2.4.2 問題点と制限事項

ここでは,DEC CおよびDEC C++の問題点について説明します。

2.4.2.1 バージョン5.2より以前のキットはSYS$STARLET_C.TLB を削除することがある(VAXのみ)

V7.1

OpenVMS VAXバージョン7.1以上でバージョン5.2より以前のDEC C またはDEC C++コンパイラのバージョンをインストールすると, SYS$LIBRARY:SYS$STARLET_C.TLBが破損または削除される可能性があります(OpenVMS VAX バージョン7.1以上でDEC C++バージョン5.3をインストールする場合の他の警告については, 第2.4.2.2 項を参照してください)。

2.4.2.2 DEC C++バージョン5.3のインストールの失敗(VAX のみ)

V7.1

OpenVMSバージョン7.1以上を稼動しているVAXシステムでDEC C++バージョン5.3 をインストールしようとすると,バージョン5.3キットがOpenVMSバージョン7.1 以上のシステムにシステム・ヘッダをインストールできないので, インストールは失敗します。

DEC C++バージョン5.4では,これらの問題は修正されています。

2.5 DEC Pascal

ここではDEC Pascalのリリース・ノートをまとめます。

2.5.1 問題点と制限事項

ここではDEC Pascalの以前のバージョンの問題点について説明します。

2.5.1.1 アップグレード後のDEC Pascalバージョン5.5 のインストール(Alphaのみ)

V7.1

OpenVMS Alphaバージョン7.1以上にアップグレードした後,アップグレードしたシステムとの対応をとるために,STARLET.PAS とその他の定義ファイルの新しいバージョンを作成するには,DEC Pascal を再インストールしなければなりません。

OpenVMS Alphaバージョン7.1以上にアップグレードした後,DEC Pascalを再インストールしなかった場合でも, コンパイラはシステムで正常に動作します。 しかし,STARLET.PASや他の定義ファイルには,バージョン7.1以上で追加された新しい定義が格納されません。

OpenVMSの変更により,DEC Pascalバージョン5.5キットをOpenVMS Alpha バージョン7.1以上にインストールした場合は,無限ループに入る可能性があります。 この問題はDEC Pascalバージョン5.6で解決されます。

2.6 DEC PL/I

ここではDEC PL/I for OpenVMSのリリース・ノートをまとめます。

2.6.1 問題点と制限事項

ここではDEC PL/Iの制限事項について説明します。

2.6.1.1 OpenVMSに対するRTLのサポート

V7.2

OpenVMSバージョン7.2に添付されているRTLは,OpenVMSバージョン7.1または7.2 でテストされていないので,サポートされません。

しかし,DEC PL/Iバージョン4.2以上に添付されているRTLは,OpenVMSバージョン7.1 および7.2でサポートされます。

2.7 DECdfs for OpenVMS

ここではDECdfsのリリース・ノートをまとめます。

2.7.1 問題点と制限事項

ここでは,DECdfs for OpenVMSの旧バージョンを使用した場合の問題について説明します。

2.7.1.1 OpenVMS Alphaではバージョン2.3が必要

V7.2

OpenVMS Alphaバージョン7.2でDECdfs for OpenVMSを実行する場合は,バージョン2.3 をインストールしなければなりません。OpenVMS Alphaバージョン7.2 にDECdfsの以前のバージョンをインストールしないでください。 以前のバージョンをインストールすると,システムがクラッシュします。 DECdfs for OpenVMSバージョン2.3はOpenVMSバージョン7.2に添付されています。

OpenVMS VAXバージョン7.2システムの場合も,DECdfs for OpenVMSバージョン2.3 を使用してください。DECdfs for OpenVMSの以前のバージョンを使用しても,OpenVMS VAX システムはクラッシュしませんが,DECdfsの機能が制限がされます。

2.8 DECforms

ここではDECformsのリリース・ノートをまとめます。

2.8.1 問題点と制限事項

ここではDECformsのサポートの問題点について説明します。

2.8.1.1 OpenVMSバージョン7.0以上でのサポート(Alpha のみ)

V7.0

DECthreadsが変更されたため,DECformsバージョン2.1はOpenVMS Alphaバージョン7.0 以上で動作しなくなりました。OpenVMS Alphaバージョン7.0 以上をインストールすると,DECformsバージョン2.1をもとにしていた既存のアプリケーションは正常に動作しなくなります。DECforms バージョン2.1 をOpenVMS Alphaバージョン7.0以上にインストールすることもできません。 どちらの場合も次のエラー・メッセージが出力されます。

     %CMA-F-USE_ERROR, requested operation is inappropriate for the
     specified object

DECformsベースのアプリケーションがOpenVMS Alphaバージョン7.0以上で正常に動作するには,DECforms バージョン2.1A以上を実行しなければなりません。

2.9 DECnetレイヤード・プロダクト

ここではDECnetレイヤード・プロダクトに関するリリース・ノートをまとめます。

2.9.1 問題点と制限事項

DECnetレイヤード・プロダクトにはいくつかの制限事項があり,本書の他の章で説明しています。 次の項目を参照してください。

2.9.2 ドキュメントの変更点と修正点

ここでは,DECnet-Plus for OpenVMS Network Managementマニュアルの修正点について説明します。

2.9.2.1 DECnet-Plus for OpenVMS Network Management

V7.2

DECnet-Plus for OpenVMS Network Management』マニュアルの8.4.2.1 項に,DECnet-Plus for OpenVMSが最大16のサーキットをサポートすると説明されていますが, これは誤りです。実際に作成できるサーキットの最大数は4 であり,これはSoftware Product Descriptionに説明されています。Configuration ユーティリティ(NET$CONFIGURE.COM)では,サーキットの上限は4 に設定されています。

2.10 DECpresent

ここではDECpresentのインストールに関するリリース・ノートをまとめます。

2.10.1 問題点と制限事項

ここではDECpresentのインストールの依存関係について説明します。

2.10.1.1 OpenVMS VAXバージョン6.1以上でのインストールの依存関係

V6.1

OpenVMS VAXバージョン6.1以上でDECpresentバージョン1.0Aを実行するには,CDA Converter Library をバージョン1.1からバージョン2.0にアップグレードしなければなりません。

OpenVMS VAXバージョン6.1以上にDECpresentバージョン1.0Aをインストールする場合は,CDA Converter Library バージョン1.1がDECpresentにバンドルされているものの,OpenVMS VAX バージョン6.1以上で動作しないので, システム管理者はこのバージョンに対するIVP障害を無視してもかまいません。

DECpresentバージョン1.0AをOpenVMS VAXバージョン6.1以上にインストールするか,DECpresent バージョン1.0AがすでにインストールされているシステムでVMS バージョン5.5-2からバージョン6.1以上にアップグレードした後, システム管理者はCDA Converter Libraryバージョン2.0をインストールしなければなりません。

2.11 DECram

ここではDECramのサポートのリリース・ノートをまとめます。

2.11.1 問題点と制限事項

ここではDECramのサポートの制限事項について説明します。

2.11.1.1 DECramバージョン2.3が必要(Alphaのみ)

V7.2

OpenVMS Alphaバージョン7.2では,DECramバージョン2.3が必要です。 DECramの以前のバージョンをOpenVMS Alphaバージョン7.2にインストールしないでください。

表 2-1にOpenVMSでのDECramのサポートをまとめます。

表 2-1 OpenVMSでのDECramのサポート

OpenVMS プラットフォーム/バージョン 必要最低限のバージョン 推奨されるバージョン
Alphaバージョン7.2 バージョン2.3 同じ
Alphaバージョン6.2〜7.1- 1Hx バージョン2.2F バージョン2.3
VAXバージョン6.2〜7.2 バージョン2.2C バージョン2.2F

さらに,DECramバージョン2.2Cまたはそれ以前のバージョンがインストールされている場合は,OpenVMS Alpha バージョン6.2からバージョン7.0にアップグレードしないでください。 アップグレードしようとすると,システムをブートできなくなります。 この問題を回避するには,次の手順を実行します。

  1. 次の例に示すように,DCLコマンドRENAMEを使用して,DECram 実行可能イメージの名前を変更します。
         $ RENAME SYS$SPECIFIC:[SYS$LDR]DECRAM$EXECLET.EXE -
         _$ SYS$SPECIFIC:[SYS$LDR]OLD_DECRAM$EXECLET.EXE
    

  2. OpenVMS Alphaをアップグレードします。

  3. DECramバージョン2.3をインストールします。


注意
この制限事項はOpenVMS VAXには適用されません。 しかし,オペレーティング・システムのバージョンやアーキテクチャ(VAX またはAlpha)とは無関係に,DECramの最新のバージョンを使用するようにしてください。 最新のバージョンではOpenVMS Alpha バージョン7.2がサポートされるだけでなく,どちらのアーキテクチャでも従来の問題点が解決されています。

DECramバージョン2.3とサポートに関するドキュメントは,OpenVMSバージョン7.2 キットに同梱されているOpenVMSバージョン7.2のCD-ROMの次のディレクトリに格納されています。

     [.DECRAM_023]

DECramのこのバージョンは2つのアーキテクチャに共通です。つまり, OpenVMS Alphaを稼動するシステムでも,OpenVMS VAXを稼動するシステムでも使用できます。

DECramディレクトリの内容の詳細については,『Guide to OpenVMS Version 7.2 CD-ROMs』を参照してください。

2.12 DECwindows Motif for OpenVMS

ここでは,DECwindows Motif for OpenVMSレイヤード・プロダクトのリリース・ ノートをまとめます。

2.12.1 変更点と強化された機能

ここではDECwindows Motif for OpenVMSレイヤード・プロダクトのサポートに関する情報をまとめます。

2.12.1.1 バージョン1.2-5には西暦2000年対応の拡張機能が添付されている

V7.2

OpenVMSバージョン7.2のインストール・スクリプトでは,DECwindows Motif for OpenVMSバージョン1.2-5をインストールするかどうか質問されます。 このバージョンには,西暦2000年に対応するための変更点も含めて, いくつかの拡張機能が含まれています。

DECwindows Motif for OpenVMSバージョン1.2-3および1.2-4もサポートされますが, 西暦2000年に対応する拡張機能を利用するには,キットを適用しなければなりません( 詳細については,第2.12.1.2 項を参照)。

2.12.1.2 バージョン1.2-3および1.2-4のためのYear 2000キット

V7.2

次のキットには,西暦2000年に対応するための変更点とDECwindows Motif のその他の拡張機能が含まれています。

バージョン プラットフォーム キット名
バージョン1.2-4 VAX VAXMOTF02_U4012

Alpha ALPMOTF03_ U4012
バージョン1.2-3 VAX VAXMOTF08_U3012

Alpha ALPMOTF08_ U3012
バージョン1.2-3
(worldwide)
VAX VAXDWMW02_ U3012

Alpha ALPDWMW02_U3012

これらのキットはOpenVMSバイナリCD-ROMのDECwindowsディレクトリにあり, 次のSoftware Patch (ECO) Access Webページも含めて,通常のサービス・ チャネルから入手することもできます。


http://www.service.digital.com/html/patch_service.html

Search and Downloadユーティリティを使用してVAXMOTFとALPMOTFというキーワードを検索します。 サービス契約を結んでいるお客様は,バージョン1.2-3 キットにアクセスできます。

西暦2000年に対応するための拡張機能はすべて,バージョン1.2-5 に含まれており,OpenVMSバージョン7.2キットに付属しています(第2.12.1.1項を参照)。

2.12.1.3 Adobe Display PostScriptのサポート

V7.2

1998年8月1日以降,Compaq Computer CorporationはDECwindows Motif for OpenVMS製品でAdobe Display PostScript ソフトウェアをサポートしません( 詳細については,第A.1 節を参照)。

2.12.1.4 Spyglass Enhanced Mosaicのサポート

V7.2

OpenVMSバージョン7.2に添付されているDECwindows Motif for OpenVMSバージョン1.2-5 以降,Compaq Computer CorporationはDECwindows Motif for OpenVMS製品でSpyglass Enhanced Mosaic をサポートしません。 Spyglass Enhanced MosaicはDECwindows Motifバージョン1.2-3および1.2-4. に含まれていました。Spyglass Enhanced Mosaicを使用しているお客様はNetscape Navigator に移行されることをお勧めします(第A.8節を参照)。

2.12.1.5 以前のOpenVMSリリースでのバージョン1.2-5のインストール

V7.2

DECwindows for OpenVMSバージョン1.2-5をOpenVMSバージョン6.2,6.2- 1H1,6.2-1H2,6.2-1H3,7.1,7.1-1H1,7.1-1H2システムにインストールする場合は, その前にOpenVMSバージョン7.2キットのCD-ROM 1の[PCSI]ディレクトリにあるPOLYCENTER Software Installation ユーティリティ・キットをインストールしておく必要があります。 この手順が必要なのは, DECwindows Motif for OpenVMSバージョン1.2-5で,新しいPOLYCENTER Software Installationユーティリティの機能が使用されるからです。この新しい機能はOpenVMS バージョン7.1-2および7.2に統合されているので, これらのシステムではPOLYCENTERキットをインストールする必要がありません。POLYCENTER キットが以前のシステムにインストールされると, POLYCENTER Software Installationユーティリティ,関連コマンド・プロシージャ, ヘルプ・テキスト,ドキュメンテーションが更新されます。

以前のOpenVMSシステムにDECwindows for Open VMSバージョン1.2-5をインストールする場合の詳細については, 『DECwindows Motif Version 1.2-5 for OpenVMS Installation Guide』 と『Guide to the DECwindows Motif Version 1.2-5 for OpenVMS CD-ROM』 を参照してください。

2.12.1.6 DECwindows Motif for OpenVMSバージョン1.2 はサポートされない

V7.1

OpenVMSバージョン7.1以降,OpenVMSオペレーティング・システムはDECwindows Motif for OpenVMS バージョン1.2 (およびそれ以前のバージョン) をサポートしなくなりました。OpenVMSバージョン7.1以上でDECwindows を使用するには,DECwindows Motifバージョン1.2-3以上をインストールしなければなりません。DECwindows Motif の英語バージョンを使用する場合は, バージョン1.2-5をインストールしてください。言語バリアントをインストールする場合は, 第2.12.2.2 項を参照してください。

DECwindows Motifバージョン1.2-3以上では,DECwindowsおよびDECwindows Motif の以前のバージョンで作成されたプログラムに対して, 実行時サポートが提供されます。詳細については,バージョン1.2-3 以上のDECwindows Motif for OpenVMS Release Notesを参照してください。

OpenVMS Alphaシステムでは,修正キットをインストールした場合にだけ ,DECwindows Motifバージョン1.2-3がサポートされます。修正キットはOpenVMS VAX システムに対しても提供されます。両方のプラットフォームの修正キットの詳細については, 第2.12.2.3 項を参照してください。

2.12.2 問題点と制限事項

ここでは,DECwindows Motif for OpenVMSレイヤード・プロダクトの問題点と制限事項について説明します。

2.12.2.1 インストールに必要なシステム・パラメータ値

V7.2

GBLPAGES,FREE_GBLPAGES,CLISYMTBLシステム・パラメータの値が低すぎる場合は,DECwindows Motif for OpenVMS バージョン1.2-4および1.2-5のインストール・ プロシージャが失敗することがあります。

インストールは次のエラーで終了します。

     %SYSTEM-W-NOSUCHFILE, no such file
     \sys$library:decw$xlibshr.exe\

インストールが失敗した場合は,これらのパラメータを次の表に示す最低限の値に設定してください。 その後,製品を再インストールしてください。


GBLPAGES 未使用のGBLPAGES CLISYMTBL
Alpha 150000 92000 512
VAX 62000 47000 265

2.12.2.2 一部のバージョンで使用できない言語バリアント

V7.2

DECwindows Motifバージョン1.2-5では,言語バリアントをまだ使用できません。 現在,DECwindows Motifバージョン1.2-4に対しては日本語とヘブライ語のみが提供されます。 詳細については,Compaqのサポート担当者にお問い合わせください。

2.12.2.3 DECwindows Motifバージョン1.2-3の修正キット

V7.1

OpenVMS Alphaバージョン7.1以降,DECwindows Motifバージョン1.2-3 は,適切な修正キットをインストールした場合にだけサポートされます。OpenVMS VAX バージョン7.1以上では,DECwindows Motifバージョン1.2-3 がサポートされますが,修正キットをインストールしなければ解決できない問題があります。

修正キットをインストールしなければならない理由

DECwindows Motifバージョン1.2-3をOpenVMSバージョン7.1以上のシステムで実行するときに, この後説明する修正キットのいずれかをインストールしていない場合は,OpenVMS Alpha では次のすべての問題が発生し,VAX では最初の3つの問題を除く他のすべての問題が発生します。

インストールする修正キットは,DECwindows Motifバージョン1.2-3のU.S. バージョンを実行しているのか,ワールドワイド・バージョンを実行しているのかに応じて異なります。

U.S.バージョンの修正キット

次の言語を使用する場合は,DECwindows MotifのU.S.バージョンをインストールしなければなりません。


フランス語
ドイツ語
ヘブライ語
イタリア語
スペイン語
スウェーデン語

DECwindows Motifバージョン1.2-3のU.S.バージョンを使用する場合は, 次の修正キットをインストールします。

これらのキットには,DECwindows Motifバージョン1.2-3を西暦2000年対応にするための拡張機能も含まれています。 これらのキットはOpenVMSバージョン7.2 オペレーティング・システムのCD-ROMに格納されており, Compaqのサポート部門から入手することもできます。

ワールドワイド・バージョン用の修正キット

DECwindows Motifのワールドワイド・バージョンには,次の言語が含まれています。


チェコ語
ハングル語
ハンユー語
ハンジ語
ハンガリー語
日本語
ポーランド語
ロシア語
スロバキア語
タイ語

DECwindows Motifバージョン1.2-3のワールドワイド・バージョンを使用する場合は, 次の修正キットをインストールします。

これらのキットには,DECwindows Motifバージョン1.2-3のワールドワイド・ バージョンを西暦2000年対応にするための拡張機能も含まれています。 これらのキットはOpenVMSバージョン7.2オペレーティング・システムのCD-ROM に格納されており,Compaqのサポート部門から入手することもできます。

2.12.2.4 コンソール・ブロードキャストの無効化

V7.1

DECwindows Motifバージョン1.2-3のU.S.バージョンでは,ワークステーション・ システムでもワークステーション以外のシステムでも, DECwindowsスタートアップ・プロシージャによってコンソール・ブロードキャストがデフォルトで無効に設定されます。

DECwindows Motifバージョン1.2-3のU.S.バージョンでOPA0:にブロードキャストをできるようにするには, ファイルSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_ APPS_SETUP.COMを編集し(このファイルがない場合は作成します),次のグローバル・ シンボル定義を追加します。

     $ DECW$CONSOLE_SELECTION == "ENABLE"

その後,次のコマンドを入力してDECwindowsを再起動します。

     $ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART

ワークステーション・システムでは,DECW$CONSOLE_SELECTIONをENABLEではなく,WINDOW に設定してください。このように設定すると,コンソール出力はグラフィックス画面のオペレータ・ ウィンドウではなく,Console Windowアプリケーションに送られます(これはDECwindows Motifバージョン1.2-3 の新機能です)。


注意
ワークステーションでQvision グラフィックス・ボードを使用している場合は,DECW$CONSOLE_SELECTION をWINDOWに設定しなければなりません (Qvisionグラフィックス・ ボードに関連する他のリリース・ノートについては,第1.12.1.1項を参照してください)。

ワークステーション以外のシステムで,コンソール・ブロードキャストをデフォルトで無効にしないように設定するには, 次の修正キットをインストールします。 このキットはOpenVMSオペレーティング・システムのCD-ROM に格納されており,Compaqのサポート部門から入手することもできます。

この修正キットをインストールしても,ワークステーションではコンソール・ ブロードキャストはデフォルトで無効になります。

2.12.2.5 起動時にシステム・ファイルがパージされる

V7.1

DECwindows Motifバージョン1.2-3のU.S.バージョンでは,DECwindows Motifを起動するたびに,次のDECwindowsファイルがパージされます。


SYS$LIBRARY:DECW$*.EXE
SYS$SYSTEM:DECW$SETSHODIS.EXE

この問題はバージョン1.2-4で修正されています。DECwindows Motifバージョン1.2-3 のU.S.バージョンを実行している場合には,次の修正キットをインストールしてこの問題を解決することができます。 このキットはOpenVMS オペレーティング・システムのCD-ROMに格納されており,Compaq のサポート部門から入手することもできます。

2.12.3 ドキュメントの変更点と修正点

ここでは『Getting Started With the New Desktop』マニュアルのファイル指定に関する修正点を示します。

2.12.3.1 Getting Started With the New Desktop (Alphaのみ)

DECwindows Motif V1.2-4

Getting Started With the New Desktop』(AA-QUW1A-TE)でコマンド・プロシージャのファイル指定が正しくありません。 ファイル指定は3.4.9項の第5段落に次のように示されています。

"Optional DECwindows applications, such as DECwindows Notes, may not provide any information and therefore are not restarted. For such cases, there is a command procedure called disk$:[user.DT]SESSIONETC.COM that you can use to start any applications that cannot be restarted automatically. This procedure is analogous to the DECW$LOGIN.COM procedure in the traditional DECwindows environment."

(DECwindows NotesなどのオプションのDECwindowsアプリケーションは, 情報をまったく提供しないため,再起動されないことがあります。このような場合は, disk$:[user.DT]SESSIONETC.COMというコマンド・ プロシージャを使用して,自動的に再起動できないアプリケーションを起動することができます。 このプロシージャは,従来のDECwindows環境のDECW$LOGIN.COM プロシージャに類似しています。)

正しいファイル指定は次のとおりです。


     disk$:[user.DT.SESSIONS]SESSIONETC.COM

2.13 Digital Distributed Computing Environment (DCE) for OpenVMS

ここでは,Digital Distributed Computing Environment (DCE) for OpenVMS VAXおよびOpenVMS Alphaをすでにご利用のユーザのための重要なリリース・ ノートをまとめます。

OpenVMSバージョン7.2以降,Remote Procedure Call (RPC)機能がオペレーティング・ システムに統合されました。RPC機能の詳細については,『OpenVMS V 7.2新機能説明書』を参照してください。


重要
OpenVMSバージョン7.2にDigital DCE for OpenVMS バージョン1.4をインストールしないでください 。このようなインストールを行うと,新しいRPCファイルにバージョン1.4 のファイルが上書きされます。この問題はDigital DCE for OpenVMSバージョン1.5では発生しません(関連する注意事項については, 第2.13.2.1項を参照してください)。

Digital DCE for OpenVMSの詳細については,次のマニュアルを参照してください。

2.13.1 変更点と強化された機能

ここでは,DCEの変更点について説明します。

2.13.1.1 DCEシステム管理コマンド・プロシージャ

V7.2

RPCデーモンがOpenVMSバージョン7.2に統合されたため,DCEシステム管理コマンド・ プロシージャ(DCE$SETUP.COM)で次の機能が強化されました。

2.13.2 問題点と制限事項

ここではDCE for OpenVMSバージョン1.5の制限事項について説明します。

2.13.2.1 認証されたRPC機能は使用できない

V7.2

NT Lan Manager (NTLM)プロトコルによる認証や偽装(impersonation)も含めて,DCE for OpenVMS バージョン1.5の新しい認証されたRPC機能はOpenVMS バージョン7.2に含まれていません。

DCE for OpenVMSバージョン1.5をインストールした後,既存の機能を使用することができますが,NTLM と偽装の使用に関連するすべての新機能は使用できません。

CompaqはOpenVMSバージョン7.2の後,新しいDCE for OpenVMS機能をサポートする予定です。 サポートが提供可能になりましたら,ソフトウェアの入手方法が通知されます。

OpenVMSバージョン7.2に添付されているDigital DCE for OpenVMS VAXおよびOpenVMS Alpha のドキュメントには,NTLMに関する情報は,Digital DCE for OpenVMS Alphaの将来のバージョンで提供されるようになる機能のプレビューとして示されています。 この記述は将来の計画を立てるのに役立ちます。

2.14 DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS

ここでは,DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSのリリース・ノートをまとめます。

2.14.1 変更点と強化された機能

ここでは,DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSバージョン5.0の変更点について説明します。

2.14.1.1 バージョン5.0の変更点

V7.2

OpenVMSバージョン7.2以降,DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSバージョン5.0 がそれまでのバージョン4.2 (UCXとも呼びます)の代わりに使用されます。 製品名がULTRIX Connection (UCX)からDIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSに変更されて以来,数リリース前から数々の変更が行われてきましたが, これらの変更はバージョン5.0で完了します。

次の項目でUCXはTCP/IPに変更されます。

このリリースでは,すべてのUCX論理名とも下位互換性を維持しており, UCXコマンドをサポートします。

現時点で,UCX名を使用するアプリケーションやコマンド・プロシージャをアップグレードする必要はありません。UCX$DEVICE は今後も正常に動作します。 しかし,できるだけすみやかに新しい名前を使用するようにしてください。 以前の名前のサポートは今後のリリースでは保証されません。


注意
マニュアルに示されていない論理名やファイル名は, 将来のリリースでサポートされる保証がありません( マニュアルに説明されていない機能の場合)。

LMF (License Management Facility) Product Authorization Keyを変更する必要はありません。

このリリースの変更点は次のとおりです。

新機能の概要は『OpenVMS V 7.2新機能説明書』を参照してください。 詳細については,DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSバージョン5.0キットに添付されているリリース・ ノートを参照してください。

DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSのインストールの詳細については, 『DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Installation and Configuration』を参照してください。

2.15 PATHWORKS for OpenVMS

ここでは,PATHWORKS for OpenVMSのリリース・ノートをまとめます。

2.15.1 変更点と強化された機能

ここでは,PATHWORKS for OpenVMS製品のサポートの変更点をまとめます。

2.15.1.1 PATHWORKS Advanced Server V6.0/6.0Aのサポートの廃止

V7.2

PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server)バージョン6.0とバージョン6.0A はOpenVMSバージョン7.2でサポートされません。

PATHWORKS V6.0B for OpenVMS (Advanced Server)またはAdvanced Server V7.2 for OpenVMSは実行できます。どちらもOpenVMSバージョン7.2システムでサポートされます。

PATHWORKS V6.0B for OpenVMS (Advanced Server)はOpenVMS Alphaバージョン7.2 システムまたはOpenVMS VAXバージョン7.2システムで動作します。 クラスタまたはスタンドアロンでOpenVMS VAXバージョン7.2システムからファイル・ サービスとプリント・サービスを提供する場合は, PATHWORKS V6.0Bを実行できます。

Advanced Server V7.2 for OpenVMS (第2.2節を参照) は,OpenVMS Alphaバージョン7.2システムでのみ動作します。キットに含まれている外部認証VAX モジュールを使用すれば,Advanced Server V7.2 for OpenVMSを複合アーキテクチャ・クラスタで実行できます。

2.15.1.2 PATHWORKS V5 for OpenVMS (LAN Manager)はサポートされない

V7.2

PATHWORKS V5 for OpenVMS (LAN Manager)はOpenVMSバージョン7.2でサポートされません。

PATHWORKS V5 for OpenVMS (LAN Manager)を実行しており,OpenVMSバージョン7.2 をインストールした後,ファイル・サービスとプリント・ サービスを提供する場合は,OpenVMSバージョン7.2をインストールする前に, ファイル/プリント・サーバをPATHWORKS V6.0B for OpenVMS (Advanced Server)にアップグレードする必要があります。PATHWORKS V5 for OpenVMS (LAN Manager)からPATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server)へのアップグレードの詳細については,キットに添付されている『PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) Server Migration Guide』を参照してください。

PATHWORKS V5 for OpenVMS (LAN Manager)からAdvanced Server V7.2 for OpenVMSに直接アップグレードすることはできません。

2.16 POSIX for OpenVMS

ここではPOSIX for OpenVMSのリリース・ノートをまとめます。

2.16.1 問題点と制限事項

ここではPOSIX for OpenVMSのサポートの制限事項について説明します。

2.16.1.1 POSIX for OpenVMSはサポートされない

V7.2

POSIX for OpenVMSはOpenVMSバージョン7.2でサポートされません。POSIX for OpenVMS 製品は廃止されました。詳細については第A.6節を参照してください。


重要
OpenVMSバージョン7.2システムでPOSIX for OpenVMS を起動しないでください。システムがクラッシュします。

2.17 Process MultiNet for OpenVMS

ここではProcess MultiNet for OpenVMS製品のリリース・ノートをまとめます。

2.17.1 変更点と強化された機能

ここでは必要なバージョン更新について説明します。

2.17.1.1 OpenVMS Alphaバージョン7.2で必要な更新

V7.2

OpenVMS Alphaバージョン7.2でProcess MultiNet for OpenVMSを使用する場合は,MultiNet バージョン4.1Bにアップグレードするか,バージョン4.1A のパッチKERNEL-UPDATE-30_A041をインストールする必要があります。 このパッチは匿名FTPを使用して次の場所からアクセスできます。

     ftp://ftp.multinet.process.com/patches/multinet041/kernel-update-30_a041.zip

MultiNetとTCPwareを使用しているお客様は,OpenVMS Alphaバージョン7.2 を稼動しているシステムに適用しなければならないProcess Software for ECOキットを確認してください。問い合わせ先は次のとおりです。

2.18 Wind/U for OpenVMS製品

V7.1

Bristol TechnologyのWind/U製品は,複数のコンピューティング環境で運用できるWindows ベースのアプリケーションの開発のために,独立系ソフトウェア・ ベンダ(ISV)や開発者によって使用されています。

Bristol TechnologyのWind/U Run-Time Library for OpenVMSはOpenVMS バージョン7.2キットに添付されています。しかし,Wind/U Developer's Kitについてと,Run-Time LibraryおよびDeveloper's Kitのライセンスおよびサポートについては,Bristol Technology に直接お問い合わせください。

Wind/U for OpenVMSにアクセスするためにproduct authorization key (PAK)を入手する方法については,Bristol Technologyにお問い合わせください。 連絡先は次のとおりです。


Bristol Technology Inc.
241 Ethan Allen Highway, Ridgefield, CT 06877 USA
(203) 438-6969
email: info@bristol.com

Wind/U for OpenVMSの詳細については,次のURLにアクセスしてください。
Bristol Technology web site:

http://www.bristol.com


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