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DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアでは,ANSIファイル内でプリンタの給紙トレイを選択するエスケープ・シーケンスが使用できます。
DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアは,ANSIファイル内のプリンタ給紙トレイを選択するエスケープ・シーケンスを識別します。使用しているプリンタに存在しない給紙トレイを選択するように設定された日本語テキスト・ファイルを印刷する場合には,そのプリント・ジョブは実行できず,次のエラー・メッセージが表示されます。
%DCPS-W-RANGECHK, rangecheck: Argument out of bounds - offending command is setpapertray. |
この場合には,PostScript セットアップ・モジュールを作成して,それをプリント・ジョブとともにキューに登録し,給紙トレイの設定を再定義してください。たとえば,次のような PostScript セットアップ・モジュールを作成します。
/settoptray {statusdict begin 2 setpapertray end} def /setbottomtray {statusdict begin 1 setpapertray end} def |
この例では,上段給紙トレイ(settoptray)の代わりにプリンタのトレイ2を選択し,下段給紙トレイ(setbottomtray)の代わりにトレイ1を選択しています。 PostScript セットアップ・モジュールを作成するときに,日本語テキスト・ファイルで指定されている給紙トレイに対応するオペレータを 表 6-2 から選択し,そのオペレータを使用してください。また,プリンタの給紙トレイに対応する setpapertray 引数の値を選択してください。プリンタでサポートされる給紙トレイ番号については,プリンタのオーナーズ・マニュアルを参照してください。
PRINTコマンドを使用してANSIファイルとともにセットアップ・モジュールをジョブに指定します。たとえば,OVERHEAD.TXTというファイルを印刷するためにTRAYDEF.PS というセットアップ・モジュールを使用するには,次のコマンドを入力します。
$ PRINT /NOTIFY /SETUP=TRAYDEF OVERHEAD.TXT |
ANSI給紙トレイ選択シーケンス,および対応する PostScript オペレータについては, 表 6-2 を参照してください。 setpapertrayの省略時の値は,他の値が定義されていないときにトランスレータで使用される値です。セットアップ・モジュールに別の値を指定した場合には,その値の方が省略時の値より優先します。
ANSIシーケンス | ユーザ定義オペレータ | setpapertrayの省略時の値 |
---|---|---|
CSI ! v | [なし] | [なし] |
CSI 0 ! v | [なし] | [なし] |
CSI 1 ! v | settoptray | 1 |
CSI 2 ! v | setbottomtray | 2 |
CSI 3 ! v | setlcittray | 3 |
CSI 4 ! v | setmanualfeedtray | 0 |
CSI 99 ! v | setmanualfeedtray | 0 |
片面あるいは両面印刷を行うには,ファイルに ANSI エスケープ・シーケンスを追加します。 ANSI 両面印刷シーケンスは, 表 6-3 に示すとおりです。エスケープ・シーケンスをANSIファイルに追加する場合には,この表の sp をスペース・コード(10進数の32)に置き換えてください。
ANSIシーケンス | 両面印刷 |
---|---|
CSI 0 sp x | true simplex normal |
CSI 1 sp x | true simplex normal |
CSI 2 sp x | true simplex tumbled |
CSI 3 sp x | true duplex normal |
CSI 4 sp x | true duplex tumbled |
CSI 5 sp x | duplex master normal |
CSI 6 sp x | duplex master tumbled |
CSI 7 sp x | simplex compressed normal |
CSI 8 sp x | compressed tumbled |
DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアは,これまで使用されていた DEC Image Print-PLUS Client Servicesに代わる製品であり 1 ,Imageインタプリタを使用して,PrintServer 17,PrintServer 20, PrintServer 32 プリンタで DDIF 2値イメージ・ファイルを高速で印刷できるようになりました。
PostScript レベル2インタプリタが存在する場合には,Imageインタプリタは使用されません。 |
ただし,プリント・ジョブに次のいずれかのパラメータが含まれている場合には,文書を印刷するためにImageインタプリタは使用されません。
/PARAMETERS=LAYUP_DEFINITION /PARAMETERS=NUMBER_UP |
この場合,パラメータ値によって指定された機能を提供できるように,ファイルが PostScript に変換されます。
1 DECprint Supervisor for OpenVMS 製品は,以前にインストールされている DEC Image Print-PLUS Client Servicesのすべてのバージョンと互換性がありません。 |
標準的なネットワーク環境では,次の 2 つの理由により,イメージの印刷にかなり時間がかかります。
DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアでは,次の理由により,イメージ印刷がこれまでより高速になります。
次のPRINTコマンドを使用すると,イメージ・ファイルはプリンタに直接送信されます。
$ PRINT/QUEUE=queue/NOTIFY file.DDIF |
次のPRINTコマンドでは,イメージ・ファイルは PostScript に変換されて印刷されます。
$ PRINT/QUEUE=queue/NOTIFY/PARAMETERS=NUMBER_UP=1 file.DDIF |
日本語 PCL はサポートされていません。 |
PCL ファイルは次のいずれかの方法で印刷されます。
$ PRINT /PARAMETERS=DATA_TYPE=PCL MYFILE.PRN |
図 8-1 に, DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアが PCL ファイルを処理する方法を示しています。
図 8-1 DCPS の PCL ファイルの処理方法
プリンタ固有の機能を犠牲にすることなく,プリンタでネイティブPCLモードを利用するために, DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアは次のような動作をします。
プリント・ジョブに PostScript セットアップ・モジュールと PCLセットアップ・モジュールの両方を含めることができますが,その効果は変換されたプリント・ジョブに応じて異なります。 PostScript セットアップ・モジュールの大部分の設定は PCL印刷に影響を与えません。 PCLセットアッブ・モジュールの設定は,それがプリント・ジョブ・ファイルに含まれているかのように,出力に影響します。
セットアップ・モジュールは/SETUPを使用して明示的に起動することができます。また,/FORMやキューの省略時の設定を使用することにより,暗黙のうちに起動することもできます。
8.2.1 ネイティブ PCL の使用を禁止する PRINT パラメータ
ネイティブ PCL モードでサポートされるプリンタに PCL ファイルを印刷する場合は,プリント・ジョブで特殊な PostScript 処理を要求しないかぎり,ファイルはプリンタに直接送信されます。プリント・ジョブに次の PRINT パラメータの1つあるいは複数が含まれている場合は, PCL ファイルをネイティブ PCL モードのプリンタに直接印刷することはできません。
/PARAMETERS=LAYUP_DEFINITION
/PARAMETERS=NUMBER_UP
/PARAMETERS=SHEET_COUNT(1 よりも大きな値)
/PARAMETERS=PAGE_LIMIT(開始ページが 1 よりも大きな場合,あるいは最終ページを指定した場合)
次の方法を使用すると, Hewlett-Packard LaserJet プリンタのフロント・パネルの設定をエミュレートすることができます。
8.3.1 PRINT パラメータを使用した PCL プリント・ジョブの変更
表 8-1 に,PCL プリント・ジョブを変更するために使用することができる PRINT パラメータを示します。
LaserJet IIDフロント・ パネル選択 |
PRINTパラメータ | 参照項目 |
---|---|---|
#copies | /PARAMETERS=SHEET_COUNT | 第 1.5 節 |
duplex | /PARAMETERS=SIDES 1 | 第 1.3 節 |
orientation | /PARAMETERS=PAGE_ORIENTATION 1 | 第 1.4 節 |
tray selection | /PARAMETERS=INPUT_TRAY | 第 3.1 節 |
paper size | /PARAMETERS=SHEET_SIZE | 第 11.4 節 |
manual feed | /PARAMETERS=INPUT_TRAY | 第 3.1 節 |
ページ・サイズは, /PARAMETERS=PAGE_SIZEパラメータを使用して選択することができます。 PCLファイルに対しては次のページ・サイズがサポートされます。
7_envelope あるいは Monarch
A4
A3
Business_envelope あるいは COM10
C5_envelope
DL_envelope
Executive
Letter (A)
Legal
Ledger (B)
上記以外のページ・サイズを指定した場合には, PCLトランスレータはサポートするサイズのうち,指定されたサイズに最も近いサイズを選択します。
PCL ファイル内のページ・サイズ・コマンドは, PRINT パラメータに指定したページ・サイズよりも優先されます。変換されるファイルに適用される PostScript セットアップ・モジュールを作成し,ページ・サイズ・オペレータを再定義することで,印刷時にそのオペレータを無効とすることができます。セットアップ・モジュールの作成についての詳細は, 第 8.3.3 項 を参照してください。 |
サポートされるプリンタのネイティブ PCL 機能を使用して PCL ファイルを印刷する場合, DCPS は次の PRINT パラメータを無効とします。
INPUT_TRAY
OUTPUT_TRAY
PAGE_ORIENTATION
PAGE_SIZE
SHEET_SIZE
SIDES
この場合,プリンタの省略時の設定が有効となります。出力するファイルあるいはセットアップ・モジュールに適切な PCL エスケープ・シーケンスを挿入することにより, PCL プリンタのトレイ選択を操作することができます。
あるいは,ホスト上で PostScript に強制的に変換することにより,上記のパラメータがジョブに有効となるようにすることができます。強制的に変換するには,PAGE_LIMIT あるいは NUMBER_UP などの変換を強制的に行う DCPS 機能を使用します。
8.3.2 エスケープ・シーケンスを使用した PCL プリント・ジョブの変更
フロント・パネル・モード・エスケープ・シーケンスの形式は次のとおりです。
エスケープ・シーケンスの形式:
ESC ! ` value P |
10進数の値:
027 033 096 080 |
この形式では,わかりやすくするためにコマンドの要素間にスペースを表示しています。しかし,実際のコマンドにはスペースを入力しないでください。 |
フロント・パネル設定は,次の操作で指定します。
フロント・パネル・モードはPCLリセット・エスケープ・シーケンス(ESC E)によって禁止することもできます。
PCL エスケープ・シーケンスを指定して,次のプリント属性を設定することができます。
PCLエスケープ・シーケンスを使用すれば,主フォントと副フォントの両方を指定することができます。省略時のフォントを選択するためのフロント・パネル・モード・エスケープ・シーケンスに両方のフォント・タイプのエスケープ・シーケンスを指定することができます。
たとえば,ピッチを16.66文字/インチ(cpi)に設定し,シンボル・セットを ISO 17 Spanishに設定するPCLエスケープ・シーケンスを有効にするためのフロント・パネル・モード・コマンド形式は次のとおりです。
ESC ! ` 1 P ESC (s16.66H ESC (2S ESC ! ` 0 P |
この形式では,わかりやすくするためにコマンドの要素間にスペースを表示しています。しかし,実際のコマンドにはスペースを入力しないでください。 |
このコマンドには次のエスケープ・シーケンスが含まれています。
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