日本語 hp DECwindows Motif for hp OpenVMS
インストレーション・ガイド


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A.2.3.2.13 インストレーション・オプションの確認

インストレーション・ダイアログで選択したオプションを確認するかどうか問い合わせがあります。


Do you want to review the options? [NO] y 
 
DEC AXPVMS DWMOTIF  V1.3-0 : DECwindows Motif 
    DEC AXPVMS VMS V7.3-1 [Installed] 
    Install the DECwindows Motif Euro sign support: NO 
    Install Low Bandwidth X (LBX) Support: YES 
    Install the DECwindows Motif  V1.3-0  client software: YES 
      Install New Desktop: YES 
        Install Manual (reference) pages for the New Desktop: YES 
        Make the New Desktop the default desktop: YES 
      Install traditional DECwindows Desktop: YES 
      Programming Support for the C Language: YES 
      Programming Support for the Pascal Language: YES 
      Programming Support for the FORTRAN Language: YES 
      Programming Support for the New Desktop: YES 
      Programming examples: YES 
        Sound example files: YES 
        Programming examples for DECwindows: YES 
        Programming examples for the New Desktop: YES 
      Translated Image Support: YES 
 
Are you satisfied with these options? [YES] 

A.2.3.2.14 実行ダイアログ

この時点で,インストレーション・ダイアログのすべての問い合わせに答えたことになります。ここから実行段階に入ります。まず,インストールあるいは削除するすべての製品名が表示されます。インストレーションの進行状況が示されます。

注意

実行段階では,DECwindows Motif サポート・ファイルのチェックが行われます。これらのファイルが使用できない場合,処理を継続するかどうかの問い合わせがあります。詳細については, 付録 A.2.3.2.15 項 を参照してください。


Execution phase starting ... 
 
The following product will be installed to destination: 
    DEC AXPVMS DWMOTIF  V1.3-0               DISK$ALPHASYS:[VMS$COMMON.] 
The following product will be removed from destination: 
    DEC AXPVMS DWMOTIF V1.2-6              DISK$ALPHASYS:[VMS$COMMON.] 
 
Portion done: 0% 
...10% 
...20% 
...30% 
...40% 
...50% 
...60% 
...70% 
...80% 
...90% 

A.2.3.2.15 DECwindows Motifサポート・ファイルの確認

インストレーションのこの段階で, DECwindows Motifアプリケーションおよび実行時サポート・ファイルがオペレーティング・システムにインストールされていることがチェックされます (DECwindows Motifソフトウェアの実行に必要なトランスポート・ファイル,フォント・ファイルなどです)。


  **** DECwindows Motif application and run-time support files DETECTED **** 

OpenVMS Alphaシステムでは,必要なファイルがインストールされていない場合でも常に,ファイルがインストールされます。

次に,システムをワークステーションまたはワークステーション・ブート・サーバとして使用するために必要なサポート・ファイルがインストールされているかチェックされます。サポート・ファイルがインストールされていれば,次のメッセージが表示されます。


  **** DECwindows device support files DETECTED **** 

OpenVMS Alphaシステムで,ファイルがインストールされていない場合は,システムをワークステーションまたはワークステーション・ブート・サーバとして使用できないことを通知する次の警告メッセージが表示されます。


    The DECwindows device support files for using this machine as a workstation 
    or as a boot node for workstations have not been installed. 
 
    You can use the POLYCENTER Software Installation utility to change the 
    options selected when the OpenVMS Alpha software was installed. 
    See the POLYCENTER Software Installation Utility User's Guide for more 
    information. To add the support files and the 75DPI and/or the 100DPI font 
    files using the DECwindows save sets which are shipped with the OpenVMS 
    kit, use the PRODUCT RECONFIGURE command as follows: 
 
      $ PRODUCT RECONFIGURE VMS 
 
    You should add the "Support for DECwindows" subclass in the Utilities 
    class. 

次のような問い合わせがあります。


Do you wish to continue with this installation without the workstation support? 

No (省略時の値)と応答して Returnキーを押すと,インストレーションは中止します。必要なサポート・ファイルを追加してください。必要なサポート・ファイルを追加した後,インストレーションを再開します。

Yesと応答して Returnキーを押すと,インストレーションがそのまま進行します。

A.2.3.2.16 インストレーションの最終メッセージの確認

インストレーションが無事完了すると,インストールまたは削除された製品のリストが表示されます。最後に,DECwindows Motif製品のインストレーション完了を通知する最終メッセージが表示されます。


...100% 
 
The following product has been installed: 
    DEC AXPVMS DWMOTIF  V1.3-0               Layered Product 
The following product has been removed: 
    DEC AXPVMS DWMOTIF V1.2-6              Layered Product 
 
DEC AXPVMS DWMOTIF  V1.3-0 : DECwindows Motif 
 
    System reboot will be required following upgrade of language variants. 
 
    A system reboot will be required to install the new DECwindow Motif 
    images. If this is a new installation you should execute AUTOGEN 
    using the following command: 
 
            $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT CHECK_FEEDBACK 
 
    This command adjusts your system parameters and reboots the system. 
 
    If you wish to use DECwindows with any language other than English, 
    install the appropriate DECwindows Motif  Version 1.3  language 
    variant product before using AUTOGEN or rebooting the system. 
  
                                                                     
    Installation Verification Procedure can be run after reboot. 
 
    Run the Installation Verification Procedure (IVP) after the installation 
    is completed and the system is rebooted. The IVP is located in the 
    following directory: SYS$TEST:DECW$IVP.COM. 
 

A.2.4 エラーからの回復

インストレーション中に,以下のいずれかの状況が存在する場合はエラーが発生する可能性があります。

これらの状態により発生したエラー・メッセージの説明については,「まえがき」の「関連ドキュメント」に示したドキュメントを参照してください。これらのドキュメントにエラーの分析と対処方法が示されています。

なんらかの理由によりインストレーションに失敗した場合, POLYCENTERソフトウェア・インストレーション・ユーティリティは,次のようなメッセージを表示します。


%PCSIUI-INSFAIL, The installation of DECwindows Motif  Version 1.3  for 
OpenVMS has failed. 

インストレーションに失敗した場合は,問題を解決してからインストレーションを再度実行してください。

A.2.5 インストレーション後のパラメータの調整

CD-ROM から OpenVMSオペレーティング・システムおよび DECwindowsを同時にインストールまたはアップグレードした場合は,この時点でシステム・パラメータ値がチェックされます ( 表 1-2 および 表 A-6 を参照)。

注意

DECwindows の新規インストレーションの場合は,このメッセージは表示されません。

インストレーションが正常に完了した場合は, DECwindows Motif の起動時に次のようなメッセージが表示されます。


%DECW-W-BADVALUE, SYSGEN parameter GBLPAGES is 120000, should be at least 150000 
%DECW-W-BADVALUE, Free GBLPAGES is 75040 should be at least 92000 
%DECW-W_BADVALUE, SYSGEN parameter CLISYMTBL is 256, should be at least 512 
Some SYSGEN parameters must be reset for DECwindows to start. If you type 
YES, AUTOGEN will change these parameters and reboot your system. If you type 
NO, AUTOGEN will not be run or cause a reboot but DECwindows will not start. 
Do you want the system to run AUTOGEN for you [YES] 

ここで,RETURNキーを押してください。自動的に AUTOGEN を実行してシステム・パラメータを調整し,システムを再ブートした後に DECwindows のログイン画面が表示されます。

A.3 ソフトウェア・インストレーション完了後の作業

ここでは, DECwindows Motif のインストレーションが完了後に実行する必要がある作業について説明します。

A.3.1 DECwindows Motifソフトウェアの起動

DECwindows Motifのインストレーション後にシステムを再ブートすると,システムの再起動時に DECwindowsのスタートアップ・プロシージャが自動的に実行されます。 OpenVMS Alphaシステムでは, DECW$START_NEW_DESKTOP グローバル・シンボルの値に応じて, New Desktop のログイン・ダイアログ・ボックスあるいはDECwindowsデスクトップのセッション開始ダイアログ・ボックスのいずれかが表示されます (詳細は 付録 A.3.4 項 を参照してください)。

システムにDW-MOTIFの有効なライセンスが登録されていない場合は,コンソール端末にその旨のメッセージが表示され, DECwindows Motifは自動的には起動されません。この場合は,システムにログインして有効なライセンスを登録してから DECwindows Motif ソフトウェアを起動してください。 LMF を使用してライセンスを登録する方法についての詳細は,『 VMS License Management Utility Manual 』を参照してください。 DECwindows の起動方法の詳細については『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 環境設定の手引き』を参照してください。

A.3.2 IVP (インストレーション検証プロシージャ)の実行

DECwindows Motif をインストールして起動した後, IVP(SYS$TEST:DECW$IVP.COM)を実行します。 IVPには,ソフトウェアのインストレーションが完全かつ正確に行われたかどうかを確認する 6つのテストが含まれています。

最初に,表示関連テストが2つ実行されます。 IVPを実行すると, IVPは現在使用しているハードウェアのタイプを確認します。

表示関連テストを行わない場合は,プロンプトでCtrl/Zを入力してください。これらのテストは,システムにイメージが存在する場合にのみ実行されます。イメージが存在しない場合は,テストを実行しないことを通知するメッセージが表示されます。

次に,表示関連のテストが選択され LBX 機能をサポートするように構成されている場合は, IVP は LBX プロキシ・サーバを使用して同じ表示関連のテストを繰り返します。 LBX 機能のサポートを構成する方法については, 『HP DECwindows Motif for HP OpenVMS Alpha New Features』 を参照してください。

最後に,表示関連以外のテストが2つ実行されます。

例 A-1 に,IVPの実行例を示します。

例 A-1 IVP実行例

 
$ @SYS$TEST:DECW$IVP
Copyright 2003 Compaq Information Technologies Group, L.P. 
 
 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Alpha  Installation Verification Procedure (IVP) 
 
This IVP is intended to test some of the functionality of DECwindows Motif 
and to provide a quick method of verifying the installation. 
 
This machine is not a workstation.  Please provide the nodename of a 
workstation on which to display the IVP tests.  You must be sure that this 
account and node have security access to the display node, or the IVP will 
fail. 
 
To skip the display-oriented tests, press Ctrl/Z at the following prompt. 
 
_Display: NODE33::0.0
%DECW-I-IVP, The IVP will display on NODE33::0.0 
%DECW-I-IVP, Running DECW$EXAMPLES:ICO.EXE for up to a minute. 
%DECW-I-IVP, Press Ctrl/Y to interrupt test. 
%DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_ICO spawned 
%DECW-I-IVP, Running SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK for up to a minute. 
%DECW-I-IVP, Press Ctrl/Y to interrupt test. 
%DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_CLOCK spawned
%DECW-I-IVP, Server does not support LBX. Proxy test skipped.
%DECW-I-IVP, Invoking the UIL Motif compiler... 
%DECW-S-IVP, The UIL Motif compiler test completed successfully. 
%DECW-I-IVP, Beginning CONVERT/DOCUMENT IVP... 
%DECW-S-IVP, CONVERT/DOCUMENT IVP passed. 
%DECW-S-IVP, The IVP has completed. 
$

サーバが LBX プロキシをサポートする場合,上記の例の Server does not support LBXメッセージの代わりに,次のようなメッセージが表示されます。


%DECW-I-IVP, LBX Proxy tests, test will execute through a proxy 
%DECW-I-IVP, Running DECW$EXAMPLES:ICO.EXE for up to a minute. 
%DECW-I-IVP, Press Ctrl/Y to interrupt test. 
%DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_LBX spawned 
PROXY_MANAGER=local/MISATO:9999 
$ lbxproxy 
%DECW-I-ATTACHED, transport TCPIP attached to its network 
%DECW-I-ATTACHED, transport DECNET attached to its network 
%DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_ICO spawned 
%DECW-I-IVP, Running SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK for up to a minute. 
%DECW-I-IVP, Press Ctrl/Y to interrupt test. 
%DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_CLOCK spawned

A.3.3 代替コンソールの選択

DECwindows Motif ソフトウェアでは,メイン・コンソールからすべての構成をブートすることができます。オペレータ・ウィンドウを表示するかしないかは Ctrl/F2で切り替えることができます。メイン・コンソールは常にワークステーションの画面です。

メイン・コンソール(ワークステーション画面)にログインしている場合, DECwindowsを起動する前にログアウトする必要があります。メイン・コンソールから次のコマンドを実行してください。


$
@SYS$MANAGER:DECW$STARTUP

コマンド・プロシージャが完了したあと,メイン・コンソールからログアウトします。ログアウトしない場合は,サーバは起動せず,ログイン・ボックスは表示されません。

ターミナル・ポート経由でワークステーションに接続したターミナルを代替コンソールとして使用することができます。

メイン・コンソールからブートした場合, DECwindows Motifスタートアップ・コマンド・プロシージャを起動した際に代替コンソールに接続されます。

代替コンソールからシステムをブートする場合,コンソール・ウィンドウ・アプリケーションを起動することはできません。このアプリケーションについては,リリース・ノートに説明があります。

A.3.4 デスクトップの選択

OpenVMS Alphaシステムの場合, DECwindows Motif には, 2種類のデスクトップのオプションがあります。 CDE (共通デスクトップ環境) から派生したNew Desktop および従来のDECwindowsウィンドウです。

インストレーション中に, New Desktop および従来のDECwindowsウィンドウの両方をインストールする選択をした場合,どちらを省略時の設定にするか問い合わせがあります。

省略時の設定としてもう一方のデスクトップを選択する場合は,次の手順を実行してください。

  1. SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE APPS SETUP.COM ファイルが存在しない場合は DECW$PRIVATE APPS SETUP.TEMPLATEからコピーします (または,以前のバージョンの DECwindows Motifをシステムにインストールしていない場合は,新規に作成します)。次の例を参照してください。


    $ COPY SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - 
    _$ SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM 
    

  2. SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMを編集し, DECW$START_NEW_DESKTOPのシンボル定義を追加します。 New Desktop を省略時の設定にしたい場合は,次のグローバル・シンボル定義を入力します。


    $ DECW$START_NEW_DESKTOP == "TRUE" 
    


    DECwindowsデスクトップを省略時の設定にしたい場合は,次のグローバル・シンボル定義を入力します。


    $ DECW$START_NEW_DESKTOP == "FALSE" 
    

  3. 次のコマンドを実行して,DECwindowsを再起動します。


    $ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART 
    

A.4 DECwindows Motif ソフトウェアの管理

DECwindows Motif 製品のインストレーション後にシステムをチューニングすることにより,システムの性能を向上させ,システム・リソースの消費を低減し,特定のサーバ設定を行うことができます。ここでは, DECwindows Motif 環境の設定について説明します。システム管理についての詳細は,『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 環境設定の手引き』を参照してください。

この節の構成および内容は次のとおりです。

A.4.1 DECwindows X11ディスプレイ・サーバのスタートアップ・プロシージャ

DECwindows X11 ディスプレイ・サーバは,ディスプレイ,キーボード,マウスなどのワークステーションのグラフィックス装置を管理します。スタートアップ・コマンド・プロシージャは, DECwindows X11 ディスプレイ・サーバのほとんどの構成パラメータを自動的に決定します。ただし,次に示すように,コマンド・プロシージャが決定できない項目がいくつかあります。

サーバ・スタートアップ・ファイルを次のように変更することにより,これらのディスプレイ・サーバ設定を指定することができます。

  1. SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATEファイルのコピーを作成し,それを SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COMという名前に変更します。このサーバ・スタートアップ・ファイルに,各ワークステーション用のDCLコマンド部分を追加して,個々のワークステーションを設定する方法を明示します。

  2. サーバ・スタートアップ・ファイルの2つのセクションのいずれかにセットアップ・オプションを追加あるいは変更するためにファイルを編集します。これらのオプションの詳細は,『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 環境設定の手引き』, 『HP DECwindows Motif for HP OpenVMS Alpha New Features』 ,あるいはファイルそのものを参照してください。 "Cluster Common or Standalone Workstation Setup" セクションに追加したセットアップ・オプションは,クラスタ内のすべてのノードに対して有効となります。 "Cluster Member Workstation-Specific Setup" 部分に追加したセットアップ・オプションは,特定のノードに対してのみ有効となります。ワークステーション固有のオプションを追加した場合は,変数 node_listも変更しなければなりません。

  3. 次のコマンドを使用して,サーバ・スタートアップをカスタマイズしたワークステーション上で DECwindows Motif を再起動します。


    $ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
    


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