日本語 hp DECwindows Motif for hp OpenVMS Alpha
リリース・ノート


前へ 次へ 目次 索引


4.6.1 xnl_parsedatetime

V1.2--5

xnl_parsedatetime (およびそのVAXバインディング,XNL$PARSE_DATE_ TIME) は,入力の引数 XmString s (構文解析される日付時刻) に 2桁または4桁の年数を受け付けます。 2桁形式での有効な年数の値は70〜99の範囲で,1970〜1999年を意味します。値00〜69は無効です。 2000年以降は4桁形式が必須です。

4.6.2 xnl_langinfo

V1.2--5

xnl_langinfo (およびそのVAXバインディング,XNL$LANGINFO)は, item引数にD_FMTまたはD_T_FMTを指定すると,日付時刻フォーマッティング用の文字列を返します。下記のロケールで,この関数は%yを含むフォーマッティング文字列を返します。 %yは2桁年数形式を意味するので,このフォーマッティング文字列は2000年以降は慎重に使用する必要があります。

4.7 Motif に対する DECwindows 拡張 (DXm)

この節では,Motif ツールキットに対する DECwindows 拡張について説明します。

4.7.1 DXmNlayoutDirection リソース定数リストの訂正

V1.2--3

『DECwindows Extensions to Motif』の第 2 章の「DXmNlayoutDirection リソース」の節に,次の定数がリストされています。

現在,次の定数は DXmNlayoutDirection リソース用に使用できないことに注意してください。

また,表 2-1 の説明が誤っていました。表2-1は,定数 DXmLAYOUT_LEFT_DOWN および DXmLAYOUT_RIGHT_DOWN の関数への影響について説明したものです。

V1.2

『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 拡張機能説明書』の第 2.2 節の DXmChildren の説明で,「ルーチンを使用して widget_list の長さを知ることができます。」と記述しています。

この記述は間違いです。この部分は「DXmChildrenによって返されるウィジェット・リストの長さは DXmNumChildrenルーチンを使用して知ることができます。」という意味です。

4.7.2 DXmFormSpaceButtonsEquallyの制限

V1.1

ウィジェットやガジェットが XmLabel または XmLabelGadget のいずれかのサブクラスを持っている場合は, DXmFormSpaceButtonsEqually (便宜ルーチン) がすべて平等にそのサイズとスペースを決定します。しかし,ウィジェットやカジェットが XmLabel や XmLabelGadget のサブクラスではない場合は,結果は不確定です。

4.7.3 水平方向のライブ・スクロールをサポートしていない SVN ウィジェット

V1.0

水平方向のライブ・スクロールは, SVN ウィジェットではサポートされていません。

4.8 アプリケーション・プログラミング

この節は, DECwindows Motif 環境用のアプリケーションの開発に関するリリース・ノートです。

4.8.1 CDA ビューアのプログラミング

この項では,CDA アプリケーションおよびランタイム・サービスに関するプログラミング情報を説明します。

4.8.1.1 SYS$LIBRARY:DDIF$VIEWSHR.EXE のイメージ ident の修正

V1.3

DECwindows Motif V1.2--6 の SYS$LIBRARY:DDIF$VIEWSHR.EXE には,誤ったイメージ ident が含まれています。 V1.2--6 のイメージにリンクされているプログラムはロードできず, SHRIDMISMATCH エラーが報告されます。この問題が修正され,イメージ ident は元の値に戻されました。

DECwindows Motif のV1.2--6 のイメージをリンクしているアプリケーションは,修正後のイメージと再度リンクする必要があります。この事項は, DDIF (Notes for OpenVMS への DECwindows インタフェースなど) の V1.1--3 互換バージョンにリンクしているイメージにのみ影響し,現在の DDIF$VIEWSHR12 イメージを使用しているイメージには影響しません。

4.8.1.2 スタイル・ガイドのフォールバックのメッセージ

V1.2

ローカルのスタイル・ガイドが見つからない場合は,次のメッセージが表示されます。

STYGDEFBK, Fallback to nonlocale-specific style guide: file-spec

レベル: 通知
説明: ロケール固有のスタイル・ガイドが見つからなかったため,ロケール固有ではないバージョンのスタイル・ガイドが代わりに使用されます。

4.8.1.3 CONVERT コマンドでの論理名の使用

V1.2

ドキュメント変換中に,論理名を使用して1次ドキュメントのディレクトリを指定し,ドキュメント・ファイルの拡張子を省略すると,相対ファイル指定を含む外部参照によって変換が失敗します。

これは,フロントエンド・コンバータが入力ファイルをオープンするにもかかわらず,バックエンド・コンバータがコンバータ処理オプションを調べるために発生します。コンバータ・ソフトウェアは,フロントエンド・コンバータが適用する省略時のファイル拡張子を予測できないため, OpenVMS ファイル・サービスを使用して論理名を解決し,実際のファイル指定を見つける必要があります。こうすれば,ディレクトリのオペランド解析ができ,相対指定を展開することができます。

変換が失敗するのは,外部参照が次のようなフォーマットになっている場合だけです。


sys$login:mydoc 

この場合参照は解決されません。次の例のように,これ以外の場合は,参照はすべて解決されます。


sys$login:mydoc.doc 
disk$:[smith]mydoc 
disk$:[smith]mydoc.doc 

4.8.2 漢字端末エミュレータ・プログラミング

この項では,漢字端末エミュレータ・アプリケーションと実行時サービスのプログラミングに関する情報を説明します。

4.8.2.1 DECCRA シーケンス

V1.2

漢字端末エミュレータでは, DECCRA (Copy Rectangular Area --- 方形領域複写) シーケンスに対するサポートには制限があります。ページ全体を一度に複写する必要があり,複写元のページも複写先のページも現在のページでなければなりません (たとえば,画面外のページを別のページに複写することはできません)。

4.8.2.2 DECLFKC シーケンス

V1.2

漢字端末エミュレータには F5 (Break) キーを再定義するためのユーザ・インタフェースがありません。したがって,変更するキーを選択するために "0" (all keys) を使用すると, DECLFKC (Local Function Key Control --- ローカル・ファンクション・キー制御) シーケンスで F5 キーが再定義されます。


第 5 章
関連ドキュメントに関するリリース・ノート

この章では, DECwindows Motif ドキュメントの訂正について,簡単に説明しています。 DECwindows Motif ドキュメント・セットへの追加や変更の完全なリストについては, hp DECwindows Motif for hp OpenVMS Alpha Documentation Overview を参照してください。

5.1 『New Desktop 使用概説書』

この節では,『New Desktop 使用概説書』の記載の誤りを訂正します。

5.1.1 ファイル指定の訂正

V1.2--5

『New Desktop 使用概説書』のコマンド・プロシージャのファイル指定の記述に誤りがあります。同マニュアルの第3.4.9項の5段落で,ファイル指定は次のように記載されています。

「DECwindows Notesなどの, DECwindowsのオプション・アプリケーションは,情報を提供しないため自動再起動されない場合があります。その場合, disk$:[user.DT]SESSIONETC.COM のコマンド・プロシージャを使用して,自動起動されないアプリケーションを起動することができます。このプロシージャは,従来のDECwindows環境ではDECW$LOGIN.COMプロシージャに相当します。」

正確な記述は次のとおりです。

disk$:[user.DT.SESSIONS]SESSIONETC.COM

5.2 『DECwindows Motif for OpenVMS Applications Guide』

この節では,『DECwindows Motif for OpenVMS Applications Guide』の記載の誤りを訂正します。

5.2.1 ロゴの変更例の訂正

V1.2

『DECwindows Motif for OpenVMS Applications Guide』の「Changing Your Logo」に記述されている例は間違っています。手順 1 に出てくる次のコード例を変更してください。


$ COPY SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - 
_$ SYS$SPECIFIC:[SYSMANAGER]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM/LOG 

正しいコード例は,次のとおりです。


$ COPY SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - 
_$ SYS$SPECIFIC:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM/LOG 

5.3 『Using DECwindows Motif for OpenVMS』

この節では,『Using DECwindows Motif for OpenVMS』の訂正および補足事項について説明します。

5.3.1 [印刷終了] オプションの明確化

V1.2--3

『Using DECwindows Motif for OpenVMS』の漢字端末エミュレータに関する章の「印刷情報」の節では, [印刷] メニューについての情報を提供しています。「印刷終了」の節に記載されている情報をさらに理解するために,次のことに注意してください。

[印刷] メニューの [印刷終了] オプションを選択した場合,プリント・ジョブをクローズし,自動印刷モードを通常印刷モードに戻します。

5.3.2 アプリケーション・メニュー項目へのターゲット画面オプションの追加についての例の訂正

V1.2

『Using DECwindows Motif for OpenVMS』の「Adding Target Screen Options to Application Menu Items」に記述されている例は間違っています。最初に出てくる次の行を削除してください。


$ select_qualifiers: 

5.4 『DECwindows Motif for OpenVMS Guide to Non-C Bindings』

この節では,『DECwindows Motif for OpenVMS Guide to Non-C Bindings』への補足と訂正を行います。

5.4.1 GET_CHAR_STRUCT 関数へのアクセスについての訂正

V1.2--3

『DECwindows Motif for OpenVMS Guide to Non-C Bindings』では, XLIB GET_CHAR_STRUCT 関数の char_struct 引数に関するアクセスの記述が間違っていました。正しいアクセスはwrite (書き込み)です。

5.5 『DECwindows Motif Guide to Application Programming』

この節では,『DECwindows Motif Guide to Application Programming』への訂正について説明します。

5.5.1 OpenVMS DECburger サンプル・アプリケーションの UIL ソース・コードの位置

V1.2--3

『DECwindows Motif Guide to Application Programming』の第 4 章の「UIL による Help ウィジェットの作成」の節の説明では, OpenVMS DECburger アプリケーションの完全な UIL ソース・コードが OpenVMS システムの DECW$EXAMPLES に含まれていることを明確に記述していません。

5.5.2 Help ウィジェットのドキュメントの訂正

V1.2--3

『DECwindows Motif Guide to Application Programming』には,次の訂正事項があります。


第 6 章
日本語機能に関するリリース・ノート

この章では,日本語機能に関する新規機能および制限事項について説明します。

6.1 日本語 DECwindows Motif V1.3 の新機能

6.1.1 X Window System Version 11 Release 6.6 のサポート

日本語 DECwindows Motif V1.3 は X Window System の最新の仕様である X Window System Version 11 Release 6.6 (X11R6.6) をサポートします。従来のバージョンの日本語 DECwindows Motif では X Window System Version 11 Release 5 (X11R5) をサポートしていました。

本バージョンの日本語 DECwindows Motif では XOpenOM(),XCreateOC(),XtOpenApplication() といった, X Window System Version 11 Release 6 (X11R6) 以降で新たに追加されたライブラリ関数を使用して日本語アプリケーションを開発・実行することができます。

一方 X11R6.6 は X11R5 からの上位互換が保たれているため,従来のバージョンの日本語 DECwindows Motif で開発した日本語アプリケーションは,再コンパイル・再リンクすることなく,そのまま本バージョンの日本語 DECwindows Motif 上で動作します。

6.1.2 DEC 日本語入力サーバのアップデート

本バージョンでは DEC 日本語入力サーバ DECW$JIM がアップデートされています。

詳しくは『日本語機能説明書』を参照してください。

6.1.3 日本語入力プロトコル

日本語アプリケーションは X ライブラリの国際化機能を使用して日本語入力サーバとの通信を行います。本バージョンの X ライブラリはテキスト入力 (IM) プロトコルとして X11R6 標準の R6 XIM プロトコルと Ximp IM プロトコルをサポートします。

これに対し本バージョンの DEC 日本語入力サーバは R6 XIM プロトコルと R5 DECXim プロトコルをサポートします。また WX3 for OpenVMS 日本語入力サーバは Ximp プロトコルをサポートします。

したがって,日本語アプリケーションは DEC 日本語入力サーバとは R6 XIM プロトコルで,WX3 for OpenVMS 日本語入力サーバとは Ximp IM プロトコルでそれぞれ通信します。

なお,日本語アプリケーションが日本語入力サーバとの接続を試みる場合,最初に R6 XIM プロトコルをサポートする日本語入力サーバーとの接続を試み,続いて Ximp IM プロトコルをサポートする日本語入力サーバーとの接続を試みます。従来のバージョンでは Ximp IM プロトコルを使用するには論理名 DECW$XVENDORLAYER の設定が必要でしたが,本バージョンからは必要ありません。

WX3 for OpenVMS 日本語入力サーバの詳細については,『WX3 日本語入力システム for OpenVMS (Alpha) ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

6.1.4 ja_JP.deckanji2000 ロケールのサポート

本バージョンから ja_JP.deckanji2000 日本語ロケールが新たにサポートされました。本バージョンでサポートする日本語ロケールは次のとおりです。

ja_JP
ja_JP.deckanji
ja_JP.deckanji2000
ja_JP.eucJP
ja_JP.sdeckanji

6.1.5 多国語対応

本バージョンの DECwindows Motifはひとつの DECwindows Motif 環境で日本語と中国語といった複数の言語を同時にサポートする多国語サポートに対応しています。

6.1.5.1 キットの構成

多国語対応のため,本バージョンから日本語 DECwindows Motifは国際化キットと日本語キットという2つのキットで構成されます。国際化キットには各国語共通部分が,日本語キットには日本語固有部分が含まれています。

他の言語の DECwindows Motif も同様の構成となります。たとえば,中国語 DECwindows Motifは国際化キットと中国語キットで構成されます。

ひとつの国際化キット上に複数の言語キットをインストールすることができます。これによって多国語環境を実現することができます。

本バージョンの日本語 DECwindows Motifは次の手順でインストールします。

  1. 標準版のインストール

  2. 国際化キットのインストール

  3. 日本語キットのインストール

詳しくは『インストレーション・ガイド』を参照してください。

6.1.5.2 システムのデフォルト言語

多国語環境では最後にインストールされた言語がシステムのデフォルト言語になります。以下の例では,最後にインストールされた中国語がデフォルト言語です。

  1. 標準版のインストール

  2. 国際化キットのインストール

  3. 日本語キットのインストール

  4. 中国語キットのインストール

インストール後にシステムのデフォルト言語を変更するには,コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:DECW$SET_LANG.COM を特権アカウントで実行します。


  $ @SYS$MANAGER:DECW$SET_LANG.COM <言語>

<言語> には次のいずれかを指定します。

言語
JDECW 日本語
KDECW 韓国語
CDECW 中国語(簡体字)
TDECW 中国語(繁体字)


前へ 次へ 目次 索引