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OSF/Motif リリース 1.2では, XmNindicatorOnが偽のときに XmNfillOnSelectを真に設定すると, XmToggleButtonセットの背景を XmNselectColorで満たすようになっています。
XmNfillOnSelectの省略時設定値は,
XmNindicatorOnの状態に適合するような動的な値です。
A.5 Motif ウィンドウ・マネージャの改良
この節では,Motif ウィンドウ・マネージャ (MWM)に対して行なわれた改良について要約します。
A.5.1 MWMに対する変更
OSF/Motif リリース 1.2では,MWMに対して次の改良が加えられています。
OSF/Motif リリース 1.2 ウィンドウ・マネージャには,次の新規または改良されたリソースが含まれています。
OSF/Motif リリース 1.2には,新規および改良された次のMWM機能があります。
OSF/Motif リリース 1.2には,新しいMWM動作がひとつあります。
OSF/Motif リリース 1.2では,ユーザ・インタフェース言語(UIL)に次のような変更がされています。
-sフラグがある二重引用符で囲まれた文字列の構文解析には重大な問題があります。二重引用符で囲まれた文字列の構文解析でこのフラグを使用する必要がある場合は,OSFからパッチを入手しなければなりません。 |
この付録では,OSF/Motif ツールキットに関連する注意事項,制限事項,修正点について説明します。
B.1 OSF/Motif リリース 1.2.2 と X11R5 またはそれ以降の共有可能ライブラリ
OSF/Motif リリース 1.2.2 ツールキットと OSF/Motif リリース 1.1.3 ツールキットの間にはバイナリ互換性がありません。アプリケーションはどちらか別々のツールキットでリンクする必要があります。 OSF/Motif リリース 1.2.2のアプリケーションのリンクには, OSF/Motif 1.2.2 および X11 R5 をベースとする共有可能ライブラリしか使用できません。また,OSF/Motif リリース 1.1.3のアプリケーションのリンクには, OSF/Motif 1.1.3 および X11 R4 をベースにする共有可能ライブラリしか使用できません。
OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにする共有ライブラリと OSF/Motif リリース1.1.3 をベースにする共有可能ライブラリの両方のライブラリを提供するために,リリース 1.1.3をベースにするライブラリには DECwindows Motif バージョン 1.1と同じファイル名が,リリース1.2.2をベースにするライブラリには後ろに "R5"または "12"の付くファイル名が使用されています。
OSF/Motif リリース 1.1.3ツールキットまたは OSF/Motif リリース 1.2.2 ツールキットとともに使用される共有可能ライブラリのファイル名には,接尾辞は付きません。このようなライブラリには,次のものがあります。
V1.2--6
Xt ツールキットのリリース 5 またはそれ以降とリンクされた共有可能ライブラリには, "R5"の接尾辞が付きます。 XUI ツールキットをベースにするライブラリには R5 に相当するライブラリがなく, X11R5,X11R6.6,または OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにしたリンカ・オプション・ファイルに含めることはできません。これらのファイル名については 表 B-1 を参照してください。
DECW$XLIBSHR.EXE ファイルは Xlib の X11R5 バージョンであり, X11R4 バージョンの Xlib ではありません。 |
R4 準拠ファイル名 | R5 またはそれ以降の準拠ファイル名 |
---|---|
DECW$DWTLIBSHR.EXE | (なし) |
DECW$DWTSHR.EXE | (なし) |
DECW$XMULIBSHR.EXE | DECW$XMULIBSHRR5.EXE |
DECW$XTRAPLIBSHR.EXE | DECW$XTRAPLIBSHRR5.EXE |
DECW$XTSHR.EXE | DECW$XTLIBSHRR5.EXE |
リリース 5 またはそれ以降では DECW$DWTLIBSHR.EXE または DECW$DWTSHR.EXEに相当するファイルは用意されていません。リリース 5 またはそれ以降用に作成されたアプリケーションは,これらのファイルとリンクすることはできません。
OSF/Motif リリース 1.2.2 とリンクされた共有可能ライブラリには, "12"の接尾辞が付きます。これらのファイルは X11R5 または X11R6.6 および OSF/Motif リリース 1.2.2 と互換性のあるライブラリだけにリンクされる必要があります。これらのファイル名については, 表 B-2 の一覧を参照してください。
リリース 1.1.3準拠ファイル名 | リリース 1.2.2準拠ファイル名 |
---|---|
DDIF$VIEWSHR.EXE | DDIF$VIEWSHR12.EXE |
DECW$BKRSHR.EXE | DECW$BKRSHR12.EXE |
DECW$DXMLIBSHR.EXE | DECW$DXMLIBSHR12.EXE |
DECW$MAILSHR.EXE | DECW$MAILSHR12.EXE |
(なし) | DECW$MRMLIBSHR12.EXE |
DECW$PRINTWGTSHR.EXE | (なし) |
DECW$TERMINALSHR.EXE | DECW$TERMINALSHR12.EXE |
DECW$XMLIBSHR.EXE | DECW$XMLIBSHR12.EXE |
DGIT$LIBSHR.EXE | DGIT$LIBSHR12.EXE |
IMG$SHRLIB.EXE | IMG$SHRLIB12.EXE |
LWK$DXMSHR.EXE | LWK$DXMSHR12.EXE |
XNL$SHR.EXE | XNL$SHR12.EXE |
DECW$PRINTWGTSHR12.EXE ファイルはありません。プリント・ウィジェットは DECW$DXMLIBSHR12.EXE ファイルの一部です。
DECW$MRMLIBSHR12.EXE ファイルは,以前にはDECW$XMLIBSHR.EXEの一部であった Motif Resource Manager (Mrm)ルーチンを含む新しいイメージです。 OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにして, .UIDファイルにアクセスするために Mrmルーチンを呼び出すプログラムはすべて,このライブラリとリンクする必要があります。
たとえば,OSF/Motifリリース 1.1.3をベースにする典型的なリンカ・オプション・ファイルは,次のようなものです。
SYS$SHARE:DECW$XLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$XTSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$DWTLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$XMLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$DXMLIBSHR/SHARE |
このプログラムを OSF/Motif リリース 1.2.2 とリンクするには,リンカ・オプション・ファイルを次のように変更します。
SYS$SHARE:DECW$XLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$XTLIBSHRR5/SHARE SYS$SHARE:DECW$XMLIBSHR12/SHARE SYS$SHARE:DECW$MRMLIBSHR12/SHARE SYS$SHARE:DECW$DXMLIBSHR12/SHARE |
このように変更することで,XUI ツールキット (DECW$DWTLIBSHR.EXE)を参照せず,また,Motif リソース・マネージャ(DECW$MRMLIBSHR12.EXE)とリンクします。
B.2 OSF/Motif リリース 1.1.3 プログラミング・サポートとXUI
V1.2
日本語 DECwindows Motif for OpenVMS V1.2 ソフトウェアに付いてくる X Window と OSF/Motif ライブラリは,以前のバージョンで配布されたものとは互換性がありません。ランタイムの互換性は維持されていますが,プログラミング環境には互換性はありません。
DECwindows Motifの旧バージョンで提供されていた XUIあるいはMotif リリース 1.1.3のプログラミング環境は,日本語 DECwindows Motif for OpenVMS V1.2 ではサポートされていません。しかし,インストレーションの際にすでに使用しているシステムに入っているプログラミング・ファイルを保管するオプションがあります。既存のプログラミング・ファイルの保管を選択する場合,これらのファイルはサブディレクトリに移され,プログラミングを行う際にアクセスすることができます。具体的にいうと,インストレーションの過程で, 表 B-3 の表に記載された各ディレクトリに [.DECW$113]というサブディレクトリが作成されて,既存のファイルをこの新しいサブディレクトリに移動します。
既存のプログラミング・ファイルの保管についての詳細は,『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS インストレーション・ガイド』を参照してください。
ディレクトリ | 内容 | 新しい位置 |
---|---|---|
DECW$INCLUDE | C ヘッダ・ファイル | SYS$SYSROOT:[DECW$INCLUDE.DECW$113] |
SYS$SYSTEM | UIL コンパイラ | SYS$SYSROOT:[SYSEXE.DECW$113] |
SYS$LIBRARY | 非 C 言語バインディング | SYS$SYSROOT:[SYSLIB.DECW$113] |
これらのファイルを使用してプログラミングを行うには,新しい[.DECW$113]サブディレクトリを各論理名の検索パスに含めます。次の例を参照してください。
$ SHOW LOGICAL DECW$INCLUDE "DECW$INCLUDE" = "SYS$SYSROOT:[DECW$INCLUDE]" (DECW$LOGICAL_NAMES) = "SYS$SYSROOT:[DECW$INCLUDE.EXTENSIONS]" $ DEFINE/EXECUTIVE/TABLE=DECW$LOGICAL_NAMES DECW$INCLUDE - SYS$SYSROOT:[DECW$INCLUDE.DECW$113], - SYS$SYSROOT:[DECW$INCLUDE], - SYS$SYSROOT:[DECW$INCLUDE.EXTENSIONS] |
今回のリリースで更新されたファイルには, [.DECW$113]サブディレクトリに移されたファイルと同じ名前を持っているものも多くあります。したがって,まず検索リストに新しいサブディレクトリ[.DECW$113]を入れます。これによって[.DECW$113]の中のファイルをソフトウェア開発用に使用することができます。
SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMのコマンド・プロシージャで DECW$INCLUDE が再定義された場合は,それに従って上記の指示を変更してください。
XUI または OSF/Motif リリース 1.1.3 で UIL コンパイラを使用するには,次のようにします。
define type trace_keywords keyword tokens keyword symbols define type warning_keywords keyword nowarnings keyword noinformationals define type version_keywords keyword V1, syntax=xui_uil keyword V2, syntax=xui_uil, default keyword MOTIF11, syntax=motif_uil define syntax xui_uil image decw$uilcompiler define syntax motif_uil image decw$uilmotif define verb uil image decw$uilcompiler parameter p1, label=source_file, prompt="File", value(required,noconcatenate,type=$infile) qualifier trace, label=trace_qual, value(list,noconcatenate,type=trace_keywords), nonnegatable qualifier warnings, label=warnings_qual, value(list,noconcatenate,type=warning_keywords) qualifier list, label=listing_file, batch, value(type=$outfile) qualifier machine, label=machine_qual, qualifier output, label=resource_file, default, value(type=$outfile) qualifier version, label=version_qual, default, value(type=version_keywords), nonnegatable qualifier XUI, default, nonnegatable, syntax=xui_uil qualifier MOTIF, nonnegatable, syntax=motif_uil qualifier widget_meta_description, label=widget_qual, value(required, noconcatenate, type=$infile) disallow XUI and MOTIF |
$ SET COMMAND SYS$SYSROOT:[SYSEXE.DECW$113]DECW$UILCOMPILER.CLD |
UIL コマンドの定義を前の状態に戻すには,次のコマンドを実行します。
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