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INITIALIZE/QUEUE

キューの作成または初期化を行います。このコマンドを使用してキューを作成し,名前とオプションを割り当てます。バッチ・キューの作成には,/BATCH 修飾子が必要です。

キューの作成には OPER ( オペレータ ) 特権,キューの変更には管理(M)アクセス権が必要です。


形式

INITIALIZE/QUEUE キュー名[:]


パラメータ

キュー名[:]

実行キューまたは汎用キューの名前を指定します。キュー名には,1 〜 31 の文字列を使用します。文字列には,大文字と小文字の英文字,数字,ドル記号 ($),アンダスコア (_) を使用できます。ただし,英文字を少なくとも 1 つ含めなければなりません。

説明

キューを作成するか,または終了している既存のキューのオプションを変更するには, INITIALIZE/QUEUE コマンドを使用します。

システムまたは OpenVMS Cluster システムをセットアップするときに,必要な INITIALIZE/QUEUE コマンドを実行して,出力キューとバッチ・キューを作成します。後から,必要に応じて INITIALIZE/QUEUE コマンドを使用して,キューを作成して追加することができます。 INITIALIZE/QUEUE コマンドでキューを作成すると,キューについての情報がキュー・データベースに格納されます。

キューの作成と起動を同時に行う場合は, INITIALIZE/QUEUE/START コマンドを使用します。キューの作成だけを行い,別の時にそれを起動する場合は, INITIALIZE/QUEUE コマンドだけを実行します。後から START/QUEUE コマンドを入力すると,キュー起動できます。

INITIALIZE/QUEUE,START/QUEUE,および SET QUEUE コマンドによってキュー・オプションを変更できます。キュー・オプションを変更すると,キュー・データベース内のキューに関する情報が更新されます。

INITIALIZE および START コマンドは,終了したキューに対してのみ使用できます。動作中のキューのオプションを変更するには,SET QUEUE コマンドを使用します。 SET QUEUE コマンドで変更できないキュー・オプションを変更するには,次の手順にしたがってください。

  1. STOP/QUEUE/NEXT コマンドでキューを終了します。

  2. START/QUEUE または INITIALIZE/QUEUE/START コマンドを使用してキューを再起動し,必要なオプションに合わせて適切な修飾子を指定します。

    指定しない修飾子はすべて,以前にキューの初期化,起動,または設定を行ったときのままです。

既存のキューを初期化しても,そのキューに登録されている現在処理中のジョブは削除されません。新しい INITIALIZE/QUEUE コマンドによって設定された新しいキューの設定はすべて,キューで待機中のすべてのジョブ,またはこれからキューに登録されるジョブに作用します。キューの終了時に,キューで実行中のジョブはすべて,古い設定で実行されます。

次の修飾子は,汎用キューと実行キューで使用できます。

/OWNER_UIC
/PROTECTION
/[NO]RETAIN
/[NO]START
/NAME_OF_MANAGER

次の修飾子は,すべての実行キューで使用できます。

/AUTOSTART_ON
/BASE_PRIORITY
/[NO]CHARACTERISTICS
/[NO]ENABLE_GENERIC
/[NO]NO_INITIAL_FF
/ON
/WSDEFAULT
/WSEXTENT
/WSQUOTA

次の修飾子は,バッチ実行キューにのみ使用できます。

/CPUDEFAULT
/CPUMAXIMUM
/[NO]DISABLE_SWAPPING
/JOB_LIMIT

次の修飾子は,プリンタ,端末,またはサーバの各実行キューにのみ指定できます。

/[NO]BLOCK_LIMIT
/[NO]DEFAULT
/FORM_MOUNTED
/[NO]LIBRARY
/[NO]PROCESSOR
/[NO]RECORD_BLOCKING
/[NO]SEPARATE

キューのタイプ

キューには,いくつかのタイプがあります。キューは,汎用キューと実行キューの 2 つに分類できます。実行キューにジョブが送られると,ジョブはそのキューで実行され,汎用キューでは実行されません。汎用キューは,実行キューで実行されるジョブを保留します。

汎用キュー

次に,汎用キューのいくつかのタイプを示します。

/GENERIC 修飾子は,キューを汎用キューとして指定します。次のいずれかの方法で,汎用キューがジョブを登録する実行キューを設定します。

実行キューと異なり,汎用キューはシステムがシャットダウンしたりキュー・マネージャが終了しても,自動的に終了しません。したがって,通常は,システムを再ブートするたびに汎用キューを再起動する必要はありません。

論理キュー

キューのもう 1 つのタイプは,論理キューです。論理キューは特別なタイプの汎用キューで, ASSIGN/QUEUE コマンドで指定した実行キューでだけ,ジョブを実行できます。実行キューと論理キューの関係は,DEASSIGN/QUEUE コマンドで割り当てを取り消すまで有効です。

実行キュー

次に,実行キューのいくつかのタイプを示します。

バッチ実行キューは,バッチ・ジョブを実行します。バッチ・ジョブは,バッチ・プロセスで 1 つまたは複数のコマンド・プロシージャの実行を要求します。

出力実行キューは,プリント・ジョブを処理します。プリント・ジョブは,シンビオント・プロセスで実行する 1 つのシンビオントによって, 1 つまたは複数のファイルの処理を要求します。省略時の設定のシステム・シンビオントは,ハードコピー装置 ( プリンタまたは端末 ) でファイルをプリントするように設計されています。ユーザが作成するシンビオントは,プリントまたは他のファイル処理を実行するように設計できます。サーバ・キューは, /PROCESSOR 修飾子で指定したサーバ・シンビオントを使用してジョブを処理します。サーバ・キュー・シンビオントは,ユーザが作成します。

/AUTOSTART_ON 修飾子または /ON 修飾子は,キューを実行キューとして指定して,キューを実行する場所を指定します。

/ON 修飾子を使用すると,キューを起動できる 1 つのノード ( バッチ・キューの場合 ),またはノードと装置 ( 出力キューの場合 ) を指定できます。 /ON 修飾子で初期化したキューは,明示的にキューを指定したコマンドで起動する必要があります。

/AUTOSTART_ON 修飾子を使用すると,キューを起動できる 1 つまたは複数のノード ( あるいはノードと装置 ) を指定できます。キュー・マネージャによってキューのノードが自動起動を許可されている場合は,そのキュー・マネージャによって, /AUTOSTART_ON 修飾子を使用して初期化したキューが自動的に起動します。

キューの自動起動

実行キュー ( バッチまたは出力のいずれか ) は,自動起動キューとして指定できます。ノードにあるキュー・マネージャの自動起動キューのすべてが 1 つのコマンドによって起動できるため,自動起動キューでは,長いキューのスタートアップ・プロシージャは必要ありません。

OpenVMS Cluster では,自動起動キューをいくつかのノードのうちの 1 つのノードで実行するように設定できます。この方法で設定したキューを実行しているノードがクラスタからはずれると,そのキューは,別のノードにフェールオーバし,クラスタ内でそのまま使用できます。

/AUTOSTART_ON 修飾子は,実行キューを自動起動キューとして指定します。


修飾子

/AUTOSTART_ON=(ノード::[装置][,...])

キューを自動起動実行キューとして指定し,キューを置くことができるノードまたはノードと装置を指定します。バッチ・キューの場合は,ノードだけ指定できます。

クラスタでは,ノードがキューを要求する順序で,キューが実行できる 2 つ以上のノード ( またはノードと装置 ) を指定できます。これによって,キューを実行しているノードがクラスタから離れると,別のノードにそのキューをフェールオーバできます。

/AUTOSTART_ON 修飾子を使用して INITIALIZE/QUEUE コマンドを実行する場合には, INITIALIZE/QUEUE コマンドで /START 修飾子を指定するか,または START/QUEUE コマンドを実行して,最初にキューの自動起動を有効にしなければなりません。ただし,キューを実行するノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドが実行されるまで,キューはジョブの処理を開始しません。

この修飾子は,/ON または /GENERIC 修飾子と同時に使用できません。ただし,既存のキューを再初期化する場合は,/ON 修飾子を指定して作成または起動してあったキューに対しては,/AUTOSTART_ON 修飾子を指定できます。これを実行すると,/ON 修飾子を無効になり,キューは自動起動キューになります。

自動起動キューについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』のキューについての章を参照してください。

/BASE_PRIORITY=n

バッチ実行キューからジョブが開始されるプロセスの基本優先順位を指定します。省略時の設定では,修飾子を省略すると,ジョブはシステム生成時に DEFPRI によって設定された基本優先順位と同じ優先順位で開始されます (通常は4)。基本優先順位指定子には,10 進数で 0 〜 15 の値を指定します。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。この場合は,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /BASE_PRIORITY 修飾子がシンビオント・プロセスの基本優先順位を設定します。

/BATCH

/NOBATCH ( 省略時の設定 )

バッチ・キューとしての初期化を指定します。既存のキューを再初期化する場合に,/BATCH 修飾子を使用できるのは,キューを最初にバッチ・キューとして作成した場合だけです。

バッチ・キューは,バッチ実行キューまたはバッチ汎用キューのいずれかに分類されます。省略時の設定では,/BATCH 修飾子はバッチ実行キューを初期化します。汎用バッチ・キューを指定するには, /GENERIC 修飾子を /BATCH 修飾子と同時に使用します。

/BATCH 修飾子と /DEVICE 修飾子は,同時に使用できません。 /NOBATCH 修飾子と /NODEVICE 修飾子も,同時に使用できません。

/BLOCK_LIMIT=([下限,]上限)

/NOBLOCK_LIMIT (省略時の設定)

出力実行キューで処理できるプリント・ジョブ・サイズを制限します。この修飾子を使用すると,特定のプリンタに対して,決まったサイズのジョブを予約できます。上限パラメータは必ず指定しなければなりません。

下限 パラメータは,プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最小のブロック数 (10進数) です。下限 値より少ないブロック数のプリント・ジョブがキューに登録されると,キューのブロック制限値の下限が変更されるまでジョブは待ち状態になります。ジョブは,キューのブロックの下限値がジョブのブロック数以下に減少された後に処理されます。

上限 パラメータは,プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最大のブロック数 (10進数) です。この値を超えるプリント・ジョブがキューに登録されている場合,キューのブロック制限値が変更されるまでジョブは待ち状態になります。ジョブは,キューのブロックの上限値がジョブのブロック数以上に増加された後に処理されます。

ジョブの上限値だけを指定する場合は,括弧を省略できます。たとえば,/BLOCK_LIMIT=1000 は,キューの中で 1000 以下のブロックを持つジョブだけが処理されます。ジョブの下限値だけを指定するには,空文字列 ("") を使用して,上限の指定子を示さなければなりません。たとえば,/BLOCK_LIMIT=(500,"") は,キューの中 500 以上のブロックを持つジョブはすべて処理されます。下限および上限の両方を指定することもできます。たとえば,/BLOCK_LIMIT= (200,2000) は,キューの中で 200 未満のブロックを持つジョブと,2001 以上のブロックを持つジョブは処理されないことを意味します。

/NOBLOCK_LIMIT 修飾子は,/BLOCK_LIMIT 修飾子を指定してこのキューに設定した前の設定を取り消します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])

/NOCHARACTERISTICS (省略時の設定)

実行キューでジョブを処理するための属性を,1 つまたは複数指定します。属性を1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。ジョブに指定した属性のすべてをキューが備えていない場合,ジョブは待ち状態のままになります。/CHARACTERISTICS 修飾子を指定するたびに,その前に設定された属性はすべて取り消されます。この修飾子で指定した属性だけが,キューに設定されます。

キューの属性は,それぞれのシステムによって異なります。 属性 パラメータは,0 〜 127 の値,または DEFINE/CHARACTERISTIC コマンドを使用して定義した属性名になります。

/NOCHARACTERISTICS 修飾子は,/CHARACTERISTICS 修飾子を指定してこのキューに設定していた前の設定をすべて取り消します。

/CLOSE

PRINT または SUBMIT コマンドによって,あるいは REQUEUE 操作の結果として,ジョブがキューに登録されないようにします。ジョブを登録可能するには, /OPEN 修飾子を使用します。キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは,キューの状態 ( 一時停止,終了,または止められている ) とは関係ありません。キューがクローズ状態の場合,実行中のジョブは継続されます。キューですでに待ち状態のジョブは,引き続き実行待ちになります。

/CPUDEFAULT=時間

このバッチ実行キューにあるすべてのジョブに対して,省略時の設定の CPU 時間制限値を定義します。時間には,デルタ時間,0, INFINITE,または NONE ( 省略時の設定 ) を指定できます。デルタ時間には,最高 497 日まで指定できます。

キューに時間制限値 CPUMAXIMUM が指定されていない場合や,利用者登録ファイル (UAF) に設定された値が CPU 時間制限値に NONE を指定している場合は,値 0 またはキーワード INFINITE を使用すると,CPU 時間の制限をなくすことができます。NONE を指定すると,UAFまたは SUBMIT コマンドで指定した値 (指定している場合) が CPU 時間値の省略時の設定になります。 CPU 時間値は,システム・パラメータ PQL_MCPULM で指定した値以上でなければなりません。この時間は,/CPUMAXIMUM 修飾子を使用して設定した CPU 時間制限を超えることができません。デルタ時間を指定する方法についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック ( Date_Time サブトピック ) を参照してください。 CPU 時間制限の指定についての詳細は, 表 DCLI-1 を参照してください。

/CPUMAXIMUM=時間

バッチ実行キューにあるすべてのジョブの最大 CPU 時間制限値を定義します。時間には,デルタ時間,0,INFINITE,またはNONE ( 省略時の設定 ) を指定できます。デルタ時間には,最高497日まで指定できます。

/CPUMAXIMUM 修飾子は,キューにジョブを登録するすべてのユーザに対して,利用者登録ファイル(UAF)で指定した時間制限を変更します。値 0 またはキーワード INFINITE を使用すると, CPU 時間の制限をなくすことができます。 NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値 ( 指定している場合 ) が CPU 時間値の省略時の設定になります。 CPU 時間値は,システム・パラメータ PQL_MCPULM で指定した値以上でなければなりません。

デルタ時間を指定する方法についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック ( Date_Time サブトピック ) を参照してください。 CPU 時間制限値を指定する方法についての詳細は,表 DCLI-1 を参照してください。

プロセスの CPU 時間制限値は,システムの UAF でのユーザ・レコードごとに指定します。また,省略時の設定の CPU 時間制限値,指定したキューに存在するすべてのジョブに対する最大 CPU 時間制限値,またはキューの各ジョブに対する省略時の CPU 時間制限値も指定できます。指定した各値にしたがって実行される処理と,指定の組み合わせを 表 DCLI-1 に示します。

表 DCLI-1 CPU時間制限値の指定と処理
SUBMIT コマンドで CPU 時間制限値が指定されている キューで省略時の設定の CPU 時間制限値が指定されている キューで CPU 時間制限値が指定されている 処理
No No No UAFの値を使用します。
Yes No No SUBMITコマンドとUAF 値のうち,小さい方を使用します。
Yes Yes No SUBMITコマンドとUAF 値のうち,小さい方を使用します。
Yes No Yes SUBMIT コマンドとキューの最大値のうち,小さい方を使用します。
Yes Yes Yes SUBMIT コマンドとキューの最大値のうち,小さい方を使用します。
No Yes Yes キューの省略時の値と最大値のうち,小さい方を使用します。
No No Yes 最大値を使用します。
No Yes No UAFとキューの省略時の値のうち,小さい方を使用します。

/DEFAULT=(オプション[,...])

/NODEFAULT

PRINT コマンドの特定のオプションの省略時の値を設定します。省略時の設定の値は,オプションのリストで指定します。オプションを 1 つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。/DEFAULT 修飾子を使用してオプションをキューに設定した後は, PRINT コマンドにそのオプションを指定する必要はありません。 PRINT コマンドでこれらのオプションを指定すると,PRINT コマンドを使用して指定した値は,/DEFAULT 修飾子を使用してキューに設定した値を上書きします。

/DEFAULT および /GENERIC 修飾子は,同時に指定できません。

使用可能なオプションは,次のとおりです。

[NO]BURST[=キーワード] バースト・ページのバーを出力の前にプリントするかどうかを制御します。値 ALL (省略時の値) を指定すると,バースト・ページは,ジョブの各ファイルの前にプリントされます。値 ONE を指定すると,バースト・ページは,ジョブの最初のファイルの前に 1 度プリントされます。
[NO]FEED ページの最後で,自動的に改ページを行うかどうかを指定します。
[NO]FLAG[=キーワード] ファイル・フラグ・ページを,出力の前にプリントするかどうかを制御します。値 ALL ( 省略時の設定の値 ) を指定すると,フラグ・ページは,ジョブの各ファイルの前にプリントされます。値 ONE を指定すると,フラグ・ページは,ジョブで最初のファイルの前に 1 度プリントされます。
FORM=タイプ 出力実行キューの省略時のプリント形式を指定します。プリント形式を明示的に定義しないでジョブをキューに登録すると,このプリント形式がジョブの処理に使用されます。 FORM キーワードによるプリント形式タイプが明示的に指定されていない場合,システムは,プリント形式 DEFAULT をキューに割り当てます。 /FORM_MOUNTED=タイプ修飾子の説明も参照してください。
[NO]TRAILER[=キーワード] 出力に続けてファイル・トレーラ・ページをプリントするかどうかを制御します。値 ALL ( 省略時の設定の値 ) を指定すると,ジョブの各ファイルの後にファイル・トレーラ・ページがプリントされます。値 ONE を指定すると,トレーラ・ページは,ジョブのファイルの最後に 1 度プリントされます。

ファイルに BURST オプションを指定すると,[NO]FLAG オプションは,ファイルの前にプリントされる 2 つのフラグ・ページに対して,フラグ・ページの追加または削除を行いません。

必須のキュー・オプションの設定についての詳細は, /SEPARATE 修飾子の説明を参照してください。省略時のキュー・オプションの指定についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』のキューの章を参照してください。

/DESCRIPTION=文字列

/NODESCRIPTION (省略時の設定)

オペレータからのキューについての情報を提供するための,最大 255 文字の文字列を指定します。

文字列に英小文字,ブランク,またはその他の英数字以外 ( スペースを含む ) の文字列を含める場合は,文字列全体を二重引用符 (" ")で囲みます。

/NODESCRIPTION 修飾子は,そのキューに関する説明をすべて削除します。

/DEVICE[=オプション]

/NODEVICE

特定のタイプの出力キューを初期化するように指定します。既存のキューを再初期化する場合,出力キューとして作成したキューに対してのみ, /DEVICE 修飾子を使用できます。使用可能なオプションは,次のとおりです。

PRINTER プリント・キューを示します。
SERVER サーバ・キューを示します。サーバ・キューは,/PROCESSOR 修飾子に指定した,ユーザが変更したシンビオント,またはユーザが作成したシンビオントによって制御されます。
TERMINAL 端末キューを示します。

キュー・タイプなしで /DEVICE 修飾子を指定すると,省略時の設定により /DEVICE=PRINTER 修飾子が使用されます。

出力キューは,出力実行キューまたは汎用出力キューに分類されます。省略時の設定では,/DEVICE 修飾子によって,出力実行キューが初期化されます。汎用出力キューを指定するには, /DEVICE 修飾子と /GENERIC 修飾子を同時に使用します。

情報用には,/DEVICE 修飾子にキュー・タイプを指定します。出力実行キューが起動すると,キューに対応したシンビオントによって,実際のキュー・タイプが決まります。標準のシンビオントは,装置の特性をチェックして,キューがプリンタ・キューまたは端末キューのいずれであるかマークをつけるよう設定します。通常は,ユーザ変更シンビオントおよびユーザ作成シンビオントは,サーバ・キューとしてキューをマークします。汎用出力キューの装置タイプは,出力実行キューの装置タイプと一致する必要はありません。

/DEVICE 修飾子と /BATCH 修飾子は,同時に使用できません。また,/NODEVICE 修飾子と /NOBATCH 修飾子も,同時に使用できません。

/DISABLE_SWAPPING

/NODISABLE_SWAPPING (省略時の設定)

キューから実行するバッチ・ジョブが,メモリへスワップ・イン,およびメモリからスワップ・アウトできるかどうかを指定します。

/ENABLE_GENERIC (省略時の設定)

/NOENABLE_GENERIC

/GENERIC 修飾子にキューの名前を指定していない汎用キューに登録されたファイルを,このキューに移してよいかどうかを指定します。詳細は,/GENERIC 修飾子の説明を参照してください。

/FORM_MOUNTED=タイプ

出力実行キュー用にマウントされたプリント形式を指定します。

プリント形式タイプを明示的に指定しない場合,システムは,DEFAULT のプリント形式をキューに割り当てます。

プリント形式を明示的に指定してジョブがキューに登録され,明示的なプリント形式のストックがマウントされたプリント形式のストックと一致しない場合は,このジョブは待ち状態に入ります。そしてその状態は,このキューのマウントされたプリント形式のストックが,ジョブに対応したプリント形式のストックと一致するまで続きます。

プリント形式のタイプを指定するには, DEFINE/FORM コマンドで定義した数値またはプリント形式名を使用します。プリント形式のタイプは,それぞれのシステムによって異なります。 /FORM_MOUNTED 修飾子と /GENERIC 修飾子は,同時に使用できません。

/GENERIC[=(キュー名[,...])]

/NOGENERIC (省略時の設定)

汎用キューを指定します。このキューに置かれたジョブを互換性のある実行キューへ移動して処理できることも指定します。 /GENERIC 修飾子には,ターゲット・キューとして,既にある実行キューの名前 ( 複数可 ) を指定することができます。汎用バッチ・キューの場合は,これらのターゲット・キューは,バッチ実行キューでなければなりません。汎用出力キューの場合は,これらのターゲット・キューは,出力実行キューでなければなりませんが,どのようなタイプ ( プリンタ,サーバ,または端末 ) でもかまいません。たとえば,汎用出力キューのターゲットにプリント・キューと端末キューといった種類の違う出力キューを指定したとしても,両方にジョブを転送できます。

/GENERIC 修飾子を使用してターゲット実行キューを指定しない場合,ジョブは,/ENABLE_GENERIC 修飾子で初期化されていて,かつ,汎用キューと同じタイプ (バッチまたは出力) の任意の実行キューに移動できます。

キューを汎用バッチ・キューまたは出力キューとして定義するには, /GENERIC 修飾子と同時に,/BATCH 修飾子または /DEVICE 修飾子を指定します。汎用キューの作成に,/BATCH 修飾子および /DEVICE 修飾子のいずれも指定しないと,省略時の設定により,キューは汎用出力キューになります。

/SEPARATE 修飾子は,/GENERIC修飾子と同時に使用できません。

/JOB_LIMIT=n

キューから同時に実行できるバッチ・ジョブの数を指定します。 1 〜 255 の値を指定します。省略時の設定の値は 1 です。

/LIBRARY=ファイル名

/NOLIBRARY

装置制御ライブラリのファイル名を指定します。出力実行キューを初期化する場合は, /LIBRARY 修飾子を使用すると,他の装置制御ライブラリを指定できます。省略時の設定のライブラリは,SYS$LIBRARY:SYSDEVCTL.TLBです。 /LIBRARY 修飾子のパラメータには,ファイル名だけを指定することができます。システムは常に,そのファイルが SYS$LIBRARY に置かれていて,ファイル・タイプが .TLB であると仮定します。

/NAME_OF_MANAGER=名前

キューを制御するキュー・マネージャの名前を示します。いったんキューが作成されると,キュー・マネージャの割り当ては変更できません。

/NAME_OF_MANAGER 修飾子を省略した場合は,省略時の設定の名前の SYS$QUEUE_MANAGER が使用されます。

INITIALIZE/QUEUE コマンドを使用してキューの変更を行う場合や,そのキューが省略時の設定のキュー・マネージャで制御されていない場合は, /NAME_OF_MANAGER 修飾子に制御キュー・マネージャの名前を指定する必要があります。または,論理名 SYS$QUEUE_MANAGER を正しいキュー・マネージャとするように定義して,そのキュー・マネージャを,現在処理中のプロセスの省略時の値にできます。

/NO_INITIAL_FF

/NONO_INITIAL_FF (省略時の設定)

キューを起動する時に,プリンタ・デバイスにフォーム・フィードを送るかどうか,指定することができます。初期フォーム・フィードを抑止するには, /NO_INITIAL_FF 修飾子を指定します。

/NONO_INITIAL_FF 修飾子を指定すると,出力装置にフォーム・フィードが送られ,紙の一番上から印刷が開始されます。

/ON=[ノード::]装置[:] (プリンタ,端末,サーバ・キュー)

/ON=ノード:: (バッチ・キュー)

この実行キューを置くノードまたは装置,あるいはその両方を指定します。バッチ実行キューの場合は,ノード名だけを指定できます。出力実行キューの場合は,ノード名と装置名の両方を指定できます。省略時の設定では,キューは,起動されたノードと同じノードで実行されます。省略時の設定の装置パラメータは,キュー名と同じです。

このノード名の指定は,OpenVMS Cluster システムで使用します。このノード名の指定は,キューが実行される OpenVMS システムのシステム・パラメータ SCSNODE によって指定されたノード名と一致しなければなりません。

/ON 修飾子は, /AUTOSTART_ON 修飾子または /GENERIC 修飾子と同時に使用できません。ただし,既存のキューを再初期化する場合, /AUTOSTART_ON 修飾子を使用して前に作成または起動していたキューに対しては, /ON 修飾子を指定できます。これを行うと,/AUTOSTART_ON オプションが変更され,キューが非自動起動キューになります。

/OPEN (省略時の設定)

PRINT または SUBMIT コマンドによって,あるいは REQUEUE 操作の結果として,ジョブをキューに登録できます。ジョブがキューに登録されないようにするには, /CLOSE 修飾子を使用します。キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは,キューの状態 ( 一時停止,終了,または止められている ) とは関係ありません。

/OWNER_UIC=uic

キューの利用者識別コード(UIC)を変更します。『OpenVMS Guide to System Security』の説明に従って,標準形式を使用して UIC を指定します。省略時の設定の UICは,[1,4]です。

/PROCESSOR=ファイル名

/NOPROCESSOR

出力実行キューに標準以外のプリント・シンビオントを指定できます。 /PROCESSOR 修飾子のパラメータには,任意の有効なファイル名を指定することができます。システムは,装置およびディレクトリ名の SYS$SYSTEM とファイル・タイプ .EXE を追加します。出力キューにこの修飾子を使用すると,実行するシンビオント・イメージは SYS$SYSTEM:filename.EXE になります。

省略時の設定では,SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXE が,出力実行キューに対応したシンビオント・イメージです。

/NOPROCESSOR 修飾子を指定すると,/PROCESSOR 修飾子を使用して設定した前の設定はすべて取り消され,SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXE が使用されます。

/PROTECTION=(所有権[:アクセス],...)

キューの保護を指定します。

アクセス・パラメータの指定がない時は,アクセスできないことを意味します。省略時の設定の保護は,(SYSTEM:M,OWNER:D,GROUP:R,WORLD:S)です。保護コードを 1 つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。UIC に基づいた保護によるキュー操作の制御についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』のキューの章を参照してください。

/RAD=n (Alpha のみ)

キューに割り当てられたバッチ・ジョブを実行する RAD 番号を指定します。 RAD 値の有効な値は,0 から $GETSYI 項目コード, SYI$_RAD_MAX_RADS によって返される値までの正の整数です。

AlphaServer GS シリーズ・システム上でのみサポートされます。

/RECORD_BLOCKING (省略時の設定)

/NORECORD_BLOCKING

シンビオントが,出力装置へ転送する出力レコード連結 ( ブロック化 ) できるかどうかを決めます。/NORECORD_BLOCKING 修飾子を指定すると,シンビオントは,入出力要求ごとに各レコードを出力装置に送信します。標準の OpenVMS プリント・シンビオントの場合は,レコードをブロック化すれば,シングル・レコード・モードよりも性能を大幅に向上させることができます。

/RETAIN[=オプション]

/NORETAIN (省略時の設定)

実行後のジョブを保持状態でキューに保留します。/NORETAIN 修飾子を使用すると,そのキューを省略時の設定に再設定できます。使用可能なオプションは,次のとおりです。

ALL (省略時の設定) 実行後,キューのジョブをすべて保留します。
ERROR 正常に終了できなかったジョブだけを保留します。

PRINT,SUBMIT,または SET ENTRY コマンドに /RETAIN 修飾子を指定すると,ジョブに対するジョブ保持オプションを要求できます。ただし,キューに指定したジョブ保持オプションは,そのキューに要求されたすべてのジョブの保持オプションを無効にします。

/SCHEDULE=SIZE (省略時の設定)

/SCHEDULE=NOSIZE

出力キューで待ち状態にあるジョブが,ジョブの大きさに基づいてスケジュールされてプリントされるかどうかを指定します。省略時の設定の修飾子 /SCHEDULE=SIZE が有効な場合は,小さいジョブから大きいジョブの順にプリントされます。

/SCHEDULE=NOSIZE 修飾子が有効な場合には,サイズに従ったジョブのスケジュール化は行われません。

キューのいずれかに待ち状態のジョブがあるときにこのコマンドを実行すると,その後のジョブの順序は予測できなくなります。

/SEPARATE=(オプション[,...])

/NOSEPARATE (省略時の設定)

出力実行キューに必須のキュー・オプション,またはジョブ区切りオプションを指定します。ジョブ区切りオプションは,PRINTコマンドでは変更できません。

/SEPARATE 修飾子と /GENERIC 修飾子は,同時に使用できません。

ジョブの区切りに関するオプションは次のとおりです。

[NO]BURST バースト・ページのバーを各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]FLAG ジョブのフラグ・ページを各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]TRAILER ジョブのトレーラ・ページを各ジョブの末尾にプリントするかどうかを指定します。
[NO]RESET=(モジュール[,...]) このキューで使用するジョブ・リセット・シーケンスを装置制御ライブラリ (SYS$LIBRARY:SYSDEVCTL) の中から指定します。指定されたモジュールが装置制御ライブラリから取り出されて,各ジョブの終わりに装置をリセットします。リセット動作はファイル・トレーラの後とジョブ・コントローラの前に行われます。したがって,ジョブの区切りのためのページはすべて,装置がリセット状態においてプリントされることになります。

/SEPARATE=BURST 修飾子を指定すると,[NO]FLAG オプションは,ジョブの前にプリントされる 2 つのフラグ・ページに対して,影響を及ぼしません。

変更できるキュー・オプションの設定についての詳細は, /DEFAULT 修飾子の説明を参照してください。

必須のキュー・オプションの指定についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』のキューの章を参照してください。

/START

/NOSTART (省略時の設定)

INITIALIZE/QUEUE コマンドでキューを初期化し,そのキューを起動します。

自動起動キューの場合,この修飾子は,キューを自動起動として動かします。キューを動作できるいずれかのノードで,ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドを使用して自動起動を有効にすると,キューはジョブの処理を開始します。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セットの省略時の設定の値,つまりジョブが使用できる物理ページ数の省略時の設定の値を定義します。

この修飾子を指定すると,UAF に指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

Alpha システムの場合はページレット単位 (1 ページレットは 512 バイト) で,VAX の場合はページ単位 (1 ページは 512 バイト) で, nの値を指定します。この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1 ページの大きさは,CPU によって異なることがあります),Alpha システムでは,実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

0 または NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値 ( 指定している場合 ) がワーキング・セットの省略時の設定の値になります。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSDEFAULT 修飾子は,実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

ワーキング・セットの省略時の設定の値による,バッチ・ジョブへの影響についての詳細は,表 DCLI-2 を参照してください。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット超過値,つまりジョブが使用できる物理メモリの最大値を定義します。システムにフリー・ページが十分にある場合にのみ,ジョブは最大量の物理メモリを使用します。この修飾子を指定すると, UAF に指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

Alpha システムの場合はページレット単位 (1 ページレットは 512 バイト) で, VAX システムの場合はページ単位 (1 ページは 512 バイト) で, n の値を指定します。この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1 ページの大きさは, CPU によって異なることがあります),Alpha システムでは,実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。

0 または NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値がワーキング・セットの省略時の設定になります(WSEXTENT値が含まれている場合)。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSEXTENT 修飾子は出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

ワーキング・セット超過値によるバッチ・ジョブへの影響についての詳細は, 表 DCLI-2 を参照してください。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット制限値,つまりジョブに対して保証される物理メモリの量を定義します。

この修飾子を指定すると,UAF に指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

OpenVMS Alpha の場合はページレット単位 ( 1 ページレットは 512 バイト) で, OpenVMS VAX の場合はページ単位 ( 1 ページは 512 バイト ) で, n の値を指定します。この値は,内部でページ単位に切り上げられるため ( 1 ページの大きさは,CPU によって異なることがあります ), Alpha システムでは,実際に使用できる物理メモリ量は指定したものより大きくなる可能性があります。詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

0 または NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値がワーキング・セットの省略時の設定の値になります (WSQUOTA値が含まれている場合)。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSQUOTA修飾子は出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

ワーキング・セットの省略時の設定の値,ワーキング・セット制限値,およびワーキング・セット超過値は,システム UAF の各ユーザ・レコードに含まれています。ワーキング・セット値は,与えられたキューの各ジョブまたはすべてのジョブに指定できます。ワーキング・セット値を含むさまざまな組み合わせの指定と,その処理を 表 DCLI-2 に示します。

表 DCLI-2 ワーキング・セット省略時の値,超過値,および制限値の決定
SUBMITコマンドによって値が指定されている キューに値が指定されている 処理
No No UAF値を使用します。
No Yes キューの値を使用します。
Yes Yes 2つの値のうち小さい方を使用します。
Yes No 指定した値とUAFを比較して,小さい方を使用します。


#1

$ INITIALIZE/QUEUE/BATCH/START -
_$ /AUTOSTART_ON=(DATA::, WARF::, DEANNA::) BATCH_1

この例で INITIALIZE/QUEUE コマンドは,バッチ・キュー BATCH_1 を作成し,それをノード DATA,WARF,または DEANNA で実行できる自動起動キューとして指定します。 /START 修飾子を指定すると,自動起動キューが有効になります。このキューは,ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドが実行される最初のノード ( 指定されたノードのリストにある ) で実行を開始します。

BATCH_1 を実行しているノードが OpenVMS Cluster からはずれると,キューはそのノードで終了し,キュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGER の自動起動が有効になっているノードのリスト中の,使用できる最初のノードにフェールオーバします。

リストにあるノードの 1 つで自動起動が有効になっている限り,このキューを起動してバッチ・ジョブを実行できます。例にある 3 つのノードがすべてシャットダウンされている場合,または自動起動が無効な場合は,ノード・リストにある 3 つのノードの 1 つが,クラスタに参加して ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドを実行するまで,キューは終了したままになります。

/NAME_OF_MANAGER 修飾子が指定されていないために, ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドと INITIALIZE/QUEUE コマンドは,省略時の設定のキュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGER が管理するキューにだけ作用します。

#2

$ INITIALIZE/QUEUE/START/BATCH/JOB_LIMIT=3 SYS$BATCH
$ INITIALIZE/QUEUE/START/BATCH/JOB_LIMIT=1/WSEXTENT=2000 BIG_BATCH
 

この例で最初の INITIALIZE/QUEUE コマンドは,すべてのバッチ・ジョブに使用できる SYS$BATCH というバッチ・キューを作成します。 /JOB_LIMIT 修飾子を使用して, 3 つのジョブを同時に実行できるよう指定します。 2 番目の INITIALIZE/QUEUE コマンドは,大きなジョブに使用する BIG_BATCH という 2 番目のバッチ・キューを作成します。一度に 1 つのジョブだけを実行できます。ワーキング・セット超過値は, OpenVMS Alpha ( 8KB ページを備えたシステム ) では 125 ページまで, OpenVMS VAX では 2000ページまでになることがあります。

#3

$ INITIALIZE/QUEUE/START/DEFAULT=(FLAG,TRAILER=ONE)-
_$ /ON=LPA0: LPA0_PRINT
$ INITIALIZE/QUEUE/START/DEFAULT=(FLAG,TRAILER=ONE)-
_$ /BLOCK_LIMIT=(1000,"")/ON=LPB0: LPB0_PRINT
$ INITIALIZE/QUEUE/START/GENERIC=(LPA0_PRINT,LPB0_PRINT) SYS$PRINT
$ INITIALIZE/QUEUE/START/FORM_MOUNTED=LETTER-
_$ /BLOCK_LIMIT=50/ON=TXA5: LQP
 

この例で最初の 3 つの INITIALIZE/QUEUE コマンドは,プリント・キューを設定します。キュー LPA0_PRINT と LPB0_PRINT は,ジョブ内の各ファイルの前にフラグ・ページを,ジョブの最後のページの後にトレーラ・ページを配置するように設定されています。さらに,LPB0_PRINT には最小ブロック・サイズの 1000 が指定されています。したがって,そのキューでは,1000 ブロック以上のプリント・ジョブだけを実行できます。 SYS$PRINT は,LPA0_PRINT または LPB0_PRINT のいずれかにジョブを転送できる汎用キューとして設定されます。小さすぎて LPB0_PRINT で実行できないジョブは, SYS$PRINT から LPA0_PRINT に登録されます。

最後の INITIALIZE/QUEUE コマンドは,TXA5で端末キューを設定します。プリント形式 LETTER のストック・タイプ以外のストック・タイプのプリント形式でキューに登録されたジョブは,同じストック・タイプの形式がキューにマウントされるか,または,エントリがキューから削除されるか,別のキューに移動されるまで,キューで待ち状態となります。 LETTER は,専用のレターヘッド紙を示すよう,このサイトで設定されています。ブロック・サイズの上限は 50 で,このキューが 51ブロックより小さいジョブのために用意されることを示します。

#4

$ INITIALIZE/QUEUE/ON=QUEBID::/BATCH/RAD=0   BATCHQ1
 
$ SHOW QUEUE/FULL BATCHQ1
Batch queue BATCHQ1, stopped, QUEBID::
 /BASE_PRIORITY=4 /JOB_LIMIT=1 /OWNER=[SYSTEM]
 /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S) /RAD=0
 

この例は,ノード QUEBID 上で実行されるバッチ・キュー BATCHQ1 を作成または再初期化します。このキューに割り当てられたジョブはすべて,RAD 0 上で実行されます。


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