OpenVMS Alpha
オペレーティング・システム
パーティショニングおよび Galaxy ガイド


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9.6 ステップ 6: セカンダリ・コンソール装置の起動

イーサネット・ポートを使用する場合は,使用するメディアの種類と接続をコンソールに通知しなければなりません。つまり,AUI,UDP,ツイスト・ペアのいずれを使用するのかを指定する必要があります。コンソールとオペレーティング・システムはどのメディアを使用するかを判断しますが,次のコマンドを入力すれば,特定のメディア・タイプを割り当てることができます。


P00>>> SHOW NETWORK 
 
P00>>> SET EWA0_MODE TWISTED 

最初のコマンドは,使用可能なネットワーク装置の一覧を表示します。2 番目のコマンドは,指定された装置 (この例では EWA0) に対してデフォルト・メディア・タイプを設定します。これはセカンダリ・コンソールを初期化する前に,すべてのイーサネット装置に対して実行しなければなりません。

9.7 ステップ 7: セカンダリ・コンソールの初期化

Galaxy 変数を決定した後は,セカンダリ・コンソールを初期化するために次のコマンドを入力します。


P00>>> LPINIT 

コンソールに次の情報が表示されます。


P00>>>lpinit 
lp_count = 2 
lp_mem_size0 = 1800 (6 GB) 
CPU 0 chosen as primary CPU for partition 0 
lp_mem_size1 = 1800 (6 GB) 
CPU 4 chosen as primary CPU for partition 1 
lp_shared_mem_size = 1000 (4 GB) 
initializing shared memory 
partitioning system 
QBB 0 PCA 0 Target 0 Interrupt Count = 2 
QBB 0 PCA 0 Target 0 Interrupt CPU = 0 
Interrupt Enable = 000011110000d05a 
Sent Interrupts = 0000100000000010 
Enabled Sent Interrupts = 0000100000000010 
Acknowledging Sent Interrupt 0000000000000010 for CPU 0 
QBB 0 PCA 0 Target 0 Interrupt Count = 1 
QBB 0 PCA 0 Target 0 Interrupt CPU = 0 
Interrupt Enable = 000011110000d05a 
Sent Interrupts = 0000100000000000 Enabled Sent Interrupts = 0000100000000000 
Acknowledging Sent Interrupt 0000100000000000 for CPU 0 
 
 
OpenVMS PALcode V1.80-1, Tru64 UNIX PALcode V1.74-1 
 
system = QBB 0 1 2 3         + HS                            (Hard Partition 0) 
 QBB 0 = CPU 0 1 2 3 + Mem 0       + Dir + IOP + PCA 0 1     + GP  (Hard QBB 0) 
 QBB 1 = CPU 0 1 2 3 + Mem 0       + Dir + IOP + PCA 0 1     + GP  (Hard QBB 1) 
 QBB 2 = CPU 0 1 2 3 + Mem 0       + Dir + IOP + PCA         + GP  (Hard QBB 4) 
 QBB 3 = CPU 0 1 2 3 + Mem 0       + Dir + IOP + PCA         + GP  (Hard QBB 5) 
partition 0 
 CPU 0 1 2 3 8 9 10 11 
 IOP 0 2 
 private memory size is 6 GB 
 shared memory size is 4 GB 
micro firmware version is T5.4 
shared RAM version is 1.4 
hose 0 has a standard I/O module 
starting console on CPU 0 
QBB 0 memory, 4 GB 
QBB 1 memory, 4 GB 
QBB 2 memory, 4 GB 
QBB 3 memory, 4 GB 
total memory, 16 GB 
probing hose 0, PCI 
probing PCI-to-ISA bridge, bus 1 
bus 1, slot 0 -- dva -- Floppy 
bus 0, slot 1 -- pka -- QLogic ISP10x0 
bus 0, slot 2 -- pkb -- QLogic ISP10x0 
bus 0, slot 3 -- ewa -- DE500-BA Network Controller 
bus 0, slot 15 -- dqa -- Acer Labs M1543C IDE 
probing hose 1, PCI 
probing hose 2, PCI 
bus 0, slot 1 -- fwa -- DEC PCI FDDI 
probing hose 3, PCI 
starting console on CPU 1 
starting console on CPU 2 
starting console on CPU 3 
starting console on CPU 8 
starting console on CPU 9 
starting console on CPU 10 
starting console on CPU 11 
initializing GCT/FRU at 1fa000 
initializing pka pkb ewa fwa dqa 
Testing the System 
Testing the Disks (read only) 
Testing the Network 
AlphaServer Console X5.8-2842, built on Apr  6 2000 at 01:43:42 
P00>>> 

このコマンドは プライマリ Galaxy コンソール から入力しなければなりません。Galaxy パーティションが正しく定義されており,ハードウェア・リソースが正しく構成されている場合は,各インスタンスのプライマリ CPU が起動しているはずです。

1 つ以上のコンソールの初期化が失敗した場合は,ハードウェアの取り付け,Galaxy パーティションの定義,ハードウェアの割り当てを二重にチェックする必要があります。

9.8 ステップ 8: OpenVMS Galaxy のブート

Galaxy ファームウェアを正しくインストールし,コンソールを構成した後,次の方法で初期 Galaxy 環境をブートできます。

各 Galaxy インスタンスに対して,次の操作を実行します。


P00>>> B -FL 0,1 DKA100 // or whatever your boot device is. 
 
SYSBOOT> SET GALAXY 1 
 
SYSBOOT> CONTINUE 
 

構成はこれで終了です。これで OpenVMS Galaxy が構築されました。


第 10 章
Alpha システムでのシングル・インスタンス Galaxy の使用

OpenVMS Alpha バージョン 7.2 以降,どの Alpha プラットフォームでもシングル・インスタンス Galaxy を実行できるようになりました。 この機能により,早い段階で OpenVMS Galaxy の機能を評価することができ,最も重要なこととして,OpenVMS の複数のインスタンスを実行できるシステム ( たとえば AlphaServer 8400 ) で完全なスケールの Galaxy コンピューティング環境を設定する前に,Galaxy 対応アプリケーションを開発し,テストすることができます。

Alpha システムで動作するシングル・インスタンス Galaxy はエミュレータではありません。これは Galaxy インタフェースと基礎になるオペレーティング・システム機能を備えた OpenVMS Galaxy コードです。シングル・インスタンス Galaxy には,すべての Galaxy API が備わっています ( たとえばリソース管理,共用メモリ・アクセス,イベント通知,同期のためのロック,グローバル・セクションのための共用メモリなど ) 。

シングル・インスタンス Galaxy で動作するアプリケーションは,マルチインスタンス Galaxy システムと同じオペレーティング・システム・コードを実行します。この機能は,構成ファイル SYS$SYSTEM:GLX$GCT.BIN を作成することで実現されます。OpenVMS はこのファイルをメモリに読み込みます。Galaxy プラットフォーム ( たとえば AlphaServer 8400 ) で,コンソールは使用する OpenVMS 用のメモリに構成データを格納します。構成データがメモリに格納されると,それがどこからロードされたかとは無関係に,OpenVMS は Galaxy インスタンスとしてブートされます。

Galaxy Configuration Utility (GCU) を使用して Alpha システムでシングル・インスタンス Galaxy を作成するには,次の手順を実行します。

  1. シングル・インスタンス Galaxy を使用する OpenVMS Alpha システムで GCU を実行します。

  2. GCU が Galaxy 以外のシステムで実行された場合は,シングル・インスタンス Galaxy を作成するかどうか質問されます。 OK をクリックします。

  3. 次に GCU は共用メモリの容量を質問します。適切な値 (8MB の倍数) を入力します。Galaxy インスタンスとしてブートする場合は,少なくとも 8MB の共用メモリを指定しなければなりません。

  4. 一度 GCU が構成を表示したら,その時点ですでにファイル GLX$GCT.BIN がカレント・ディレクトリに書き込まれています。この時点で GCU を終了できます。操作ミスした場合や,構成を変更する場合は,現在のモデルを終了し,処理を繰り返すことができます。

システムを Galaxy インスタンスとして再ブートするには,次のようにします。

  1. GLX$GCT.BIN ファイルを SYS$SYSROOT:[SYSEXE]GLX$GCT.BIN にコピーします。

  2. システムをシャットダウンします。

  3. 会話型ブート・コマンドを使用して再ブートします。次に例を示します。


    >>> B -FL 0,1 device 
    

  4. 次のコマンドを入力します。


    SYSBOOT> SET GALAXY 1 
    SYSBOOT> CONTINUE 
    

  5. GALAXY=1 を SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に追加します。


第 11 章
OpenVMS Galaxy に関するヒントと手法

この章には OpenVMS エンジニアリング・グループが OpenVMS Galaxy 環境の作成と実行で役に立つと見なした情報を記載します。

11.1 システム・オート・アクション

システムの電源投入時に,AUTO_ACTION コンソール環境変数がインスタンス 0 に対して BOOT または RESTART に設定されている場合,GALAXY コマンドが自動的に実行され,インスタンス 0 がブートしようとします。

他のインスタンスに対するコンソール環境変数の AUTO_ACTION の設定は,GALAXY コマンドの入力時にそれぞれの動作を行います ( 自動的に実行される場合も,ユーザがコンソールから実行する場合も )。

この機能を使用するようにシステムを設定するには,各インスタンスでコンソール環境変数 AUTO_ACTION を RESTART または BOOT を設定しなければなりません。BOOT_OSFLAGS 環境変数と BOOTDEF_DEV 環境変数に適切な値を指定しなければなりません。

11.2 コンソール環境変数の変更

OpenVMS Galaxy 操作用の LP_* 環境変数の初期セットを設定し,ソフト・パーティションを起動した後で環境変数値を変更するには,まずコンソール・システムを初期化してソフト・パーティションを停止し,値を変更してから,もう一度コンソール・システムを初期化する必要があります。新しい値をすべてのパーティションに適切に行き渡らせるには,2 度の初期化のあいだに変更を終えておく必要があります。その後でソフト・パーティションの起動を行います。

注意

AlphaServer 4100 システムでは起動に INIT コマンドは必要ありませんが,両方のインスタンスでこれらの変数を変更しなければなりません。

11.3 コンソールに関するヒント

AlphaServer 8400 および 8200 システムは,Galaxy ソフトウェア・アーキテクチャが開発される以前に設計されているため,OpenVMS Galaxy コンソール・ファームウェアとシステム・オペレーションで,いくつかの制限事項に対応しなければなりません。

ここでは,認識しておかなければならない事項と回避しなければならない事項について説明します。

11.4 Galaxy モードのオフ設定

OpenVMS Galaxy ソフトウェアをオフに設定する場合は,LP_COUNT 環境変数を次のように変更し,次のコマンドを入力します。


>>> SET LP_COUNT 0   ! Return to monolithic SMP config 
>>> INIT                      ! Return to single SMP console 
>>> B -fl 0,1 device          ! Stop at SYSBOOT 
SYSBOOT> SET GALAXY 0 
SYSBOOT> CONTINUE 


第 12 章
OpenVMS Galaxy Configuration ユーティリティ

Galaxy Configuration ユーティリティ (GCU) は DECwindows Motif アプリケーションであり,システム管理者は GCU を使用することで,1 つのワークステーション・ウィンドウから OpenVMS Galaxy システムを構成し,管理することができます。

GCU を使用すると,システム管理者は次の操作を実行できます。

GCU は SYS$SYSTEM ディレクトリにあり,このディレクトリには構成に関する情報を格納したファイルもいくつかあります。

GCU は次のファイルで構成されます。

ファイル 説明
SYS$SYSTEM:GCU.EXE GCU 実行可能イメージ
SYS$MANAGER:GCU.DAT オプションの DECwindows リソース・ファイル
SYS$MANAGER:GALAXY.GCR Galaxy 構成ルールセット
SYS$MANAGER:GCU$ACTIONS.COM システム管理プロシージャ
SYS$MANAGER:xxx.GCM ユーザ定義構成モデル
SYS$HELP:GALAXY_GUIDE.DECW$BOOK Bookreader 形式のオンライン・ヘルプ

GCU はどの Galaxy インスタンスからも実行できます。システムでグラフィックス出力が直接サポートされない場合は,DECwindows ディスプレイを外部ワークステーションまたは適切な構成の PC に設定できます。しかし,GCU アプリケーション自体は,常に Galaxy システム上で動作していなければなりません。

GCU が起動されると,リソース・ファイル ( GCU.DAT ) から検出したカスタマイゼーションがロードされます。その後,Galaxy 構成ルールセット ( GALAXY.GCR ) がロードされます。ルールセット・ファイルには,GCU がさまざまなシステム・コンポーネントを表示する方法を指定する文 ( statement ) が格納されており,ユーザが構成表示と会話する方法を管理するルールも含まれています。ルールセット・ファイルの構造に精通しているか,または Compaq のサービス・エンジニアから依頼された場合を除き,ユーザがルールセット・ファイルを変更することはありません。

GCU ディスプレイが表示可能になると,GCU はシステムが現在 OpenVMS Galaxy として構成されているのか,Galaxy 以外のプラットフォームでシングル・インスタンス Galaxy として構成されているのかを判断します。システムが Galaxy として構成されている場合は,GCU はアクティブ Galaxy 構成モデルを表示します。メイン・ウィンドウには Galaxy の構成が階層構造で表示されます。システムが Galaxy として構成されていない場合は,シングル・インスタンス Galaxy を作成するかどうかが質問されます。GCU はどの Alpha システムでもシングル・インスタンス Galaxy を作成できますが,マルチインスタンス OpenVMS Galaxy 環境は,コンソール・コマンドとコンソール環境変数を使用して作成されることに注意してください。

Galaxy 構成モデルが表示された後,ユーザはアクティブ・モデルと会話することができ,モデルをオフラインにして,後で使用するために特定の構成を定義することもできます。この後の節では,これらの機能について詳しく説明します。

12.1 GCU の概略

GCU では次の 3 種類の操作を実行できます。

ほとんどの GCU 操作は,メインの監視ウィンドウおよび Galaxy コンポーネントを表す階層構造を中心にして行われます。監視ウィンドウは非常に大きな空間への入口として機能します。監視ウィンドウは,必要に応じて左右上下に移動したり,拡大 / 縮小することができ,Galaxy 構成全体またはその一部を監視することができます。メイン・ツールバーには,ワークスペース・ズーム操作を制御する複数のボタンが表示されます。ワークスペースのパン操作は,水平スクロール・バーと垂直スクロール・バーで制御されます。ワークスペースのスライドは,マウスの中央ボタンを押しながらワークスペースをドラッグすることで実行されます。このためには 3 ボタン・マウスを使用する必要があります。

さまざまな GCU 操作はプルダウン・メニューやポップアップ・メニューから起動されます。ファイルを開いたり閉じる操作,外部ツールを起動する操作などの全般的な操作は,メイン・メニュー・バー・エントリから実行できます。各 Galaxy コンポーネント固有の操作は,監視ウィンドウに表示されるコンポーネントの上でマウスの右ボタンをクリックしたときに表示されるポップアップ・メニューを使用して行うことができます。

多くの操作に対する応答として,GCU は追加ダイアログ・ボックスを表示します。このダイアログ・ボックスには情報,フォーム,エディタ,プロンプトなどが表示されます。エラーや情報メッセージは,エラーの重大度やメッセージの重要性に応じて,ポップアップ・ダイアログ・ボックスに表示されるか,ウィンドウの下部のステータス・バーに表示されます。

12.1.1 Galaxy 構成モデルの作成

GCU を使用すると,Galaxy 構成モデルを作成でき,Alpha システムでシングル・インスタンス Galaxy を作成することもできます。

アクティブ Galaxy 構成モデルを表示しているときに,表示オブジェクト ( コンポーネント ) を直接操作すると,動作中の構成が変更されることがあります。たとえば,CPU を現在の位置からドラッグして,別のインスタンス・コンポーネントの上にドロップすると,管理アクション・プロシージャが起動され,選択した CPU が新しいインスタンスに再割り当てされます。場合によっては,このような操作が適切なこともありますが,コンポーネントごとに構成を変更するのではなく,Galaxy 全体を再構成しなければならないこともあります。その場合は,オフラインの Galaxy 構成モデルを作成する必要があります。

Galaxy 構成モデルを作成するには,既存のモデル ( 通常はアクティブなモデル ) を使用して,そのモデルを必要に応じて変更し,ファイルに保存します。

アクティブな Galaxy 構成モデルの利用:

  1. ENGAGE ボタンを押すと,モデルは DISENGAGED ( 設定が解除された状態 ) になります。ボタンは赤から白に変わり,押されない状態になるはずです。DISENGAGED 状態になると,すべての CPU コンポーネントは赤になり,割り当てられていない状態であることを示します。CPU がシャットダウンされたわけではないので,驚かないでください。

  2. 各 CPU を適切なインスタンスにドラッグ・アンド・ドロップして,CPU の割り当てを変更します。

  3. 割り当ての変更が終了したら,そのモデルに再設定することができ,後で使用するためにモデルをファイルに保存することもできます。モデルに再び設定すると,モデルがアクティブ・モデルから作成された場合も,ファイルに保存されているモデルの場合も,GCU はアクティブ・システム構成をモデルから提案された構成と比較します。その後,システムを新しいモデルに再割り当てするのに必要な管理アクションの概要を示します。ユーザがそれらのアクションを承認すると,GCU は必要な管理アクションを実行し,作成されたモデルは,設定されているアクティブなモデルとして表示されます。

オフライン・モデルを作成するのは,大幅な構成の変更を自動化するためです。たとえば,この手順に従えば,適切な Galaxy 構成を表すモデルを必要に応じて作成しておき,会話しながらそのモデルに設定することができます。


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