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SET KEYPAD WPS
WPS スタイルのキーパッドの使用を許可し,補助キーパッドや他のキーを定義し,カーソルをバウンド・カーソルに設定します。将来のセッションのために WPS キーパッドを保存する場合には, SET KEYPAD WPS コマンドを日本語 EVE イニシャライゼーション・ファイルに登録するか,または SAVE EXTENDED EVE コマンドを使用してセクション・ファイルを作成します。
SET KEYPAD WPS は「GOLD キーの編集」のために大部分の WPS キーパッド・キーを提供します。しかし,WPS を完全に実現したり,エミュレートしているわけではありません。日本語 EVE での WPS キーパッドと実際の WPS の相違点は次のとおりです。
- WPS キーパッドでは [ PF1 ] を GOLD キーとして設定しており, [ PF1 ] の現在の定義は無効となる。しかし,別のキーを GOLD キーとして設定した場合には(SET GOLD KEYコマンドによって),そのGOLD キーが使用される。一度に1つのキーだけを GOLD キーとして設定できる。
- WPS キーパッドを設定すると,WPS キーの他に,SET GOLD KEY コマンドの場合と同じ GOLD の組み合わせが定義される。ただし, [ GOLD-F13 ] は Delete Beginning Sentence として定義される。
- 繰り返しカウントのために GOLD と数値の組み合わせを使用できる。たとえば,次のキーストロークまたはコマンドを5回繰り返す場合には,[ GOLD-5 ] を使用できる。しかし,この方法で WPS の [ Paste ] キーを繰り返すことはできない。これは,WPS の Paste が [ GOLD-1 ] から [ GOLD-9 ] までを WPS スタイルの代替ペースト・バッファの指定として解釈するからである。
- [ KP5 ] や [ GOLD-R ] などのように,WPS が通常定義しているキーを定義した場合には,ユーザの定義が WPS の定義より優先する。
- 日本語 EVE コマンドを入力するために,[ GOLD-][ はDO として定義されており,[ GOLD-]> と[ Ctrl/K ] はどちらも LEARNとして定義されている。学習シーケンスを終了するには, REMEMBERとして定義されているキー( [ Ctrl/R ] )を押すか,または WPS の Halt キー( [ GOLD-' ] )を押す。
- [ Ctrl/J ] と [ F13 ] はどちらも Delete Previous Word として定義されている。
[ GOLD-F13 ] と [ GOLD-Ctrl/J ] はどちらも Delete Beginning Sentence として定義されている。- [ GOLD-PF3 ] と [ GOLD-PF4 ] はRESTOREとして定義されており,WPS の Delete Word キー( [ PF3 ] ),WPS の Delete Beginning Sentence キー,ERASE LINEコマンドなどによって最後に消去した内容を再挿入するが,最後に消去または削除した文字は復元されない。したがって,[ GOLD-PF3 ] をRESTORE WORD として定義し,[ GOLD-PF4 ] をRESTORE CHARACTERとして定義することが必要である。
- RESTORE SENTENCEコマンドは,Delete Beginning Sentence キー ( [ GOLD-F13 ] または [ GOLD-Ctrl/J ] )によって最後に消去した内容を再挿入する。WPS キーパッドを設定しても,RESTORE SENTENCE に対するキーは定義されない。したがって,RESTORE SENTENCEに対するキーを定義する必要がある。
- WPS キーパッドでは,エディタ・キーパッドの [ Select ] を押すか,またはキーパッドの [ PERIOD ] を押すと,バッファの方向が順方向に設定される。しかし,SELECTコマンドを入力した場合や,マウスを使用してテキストを選択した場合には,方向は変更されない。
- 現在の位置が Buffer List バッファの内部である場合には,WPS の Cut キー ( [ MINUS ] または [ Remove ] )を押すことにより,カーソルが現在設定されている名前のバッファを削除できる(REMOVEと同じ)。詳しい説明は,SHOW BUFFERSコマンドの説明を参照。
- WPS キーパッド・キーは DECwindows クリップボードを使用しない。たとえば WPS の Copy,Cut,Paste キーは日本語 EVE の Insert Here バッファを使用するか,または番号によってユーザが指定した WPS スタイルの代替ペースト・バッファ( [ GOLD-1 ] 〜 [ GOLD-9 ] )を使用する。日本語 EVE コマンドと EDT キーパッド・キーは設定に応じて,Insert Here バッファまたはクリップボードを使用する(SET CLIPBOARDコマンドの説明を参照)。
- WPS の Ruler キー([ GOLD-R ] )を使用する場合には,一度に1つのルーラだけを有効にできる。ルーラを文書の内部に組み込むことはできない。マージンや段落字下げを設定した場合,テキストが自動的に再ラップされたり,テキストの書式が変更されることはない。したがって,テキストの書式を変更するには, FILLコマンドを使用する。
- WPS キーパッド・キーによるスクロール操作は,WPS の Halt キー ( [ GOLD-' ] )だけでなく,他のどのキーを押した場合にも停止する。スクロールを停止するためにキーを押すと,そのキーに割り当てられている機能も実行される。
- WPS キーパッドを設定すると,カーソルは自動的にバウンド・カーソルに設定され,バッファの使用されていない部分には移動しない。フリー・カーソルを使用しなければならない場合には,SET CURSOR FREEコマンドを実行する。これは日本語 EVE の省略時の設定である。カーソルの移動タイプは次の WPS キーパッド・キーに影響を与える。
Advance( [ KP0 ] )
Backup( [ KP1 ] )
Scroll Advance( [ GOLD-KP0 ] )
Scroll Backup( [ GOLD-KP1 ] )- WPS キーパッドはソフト・ページ区切り挿入のために次のキーを定義している。
キー 定義 [ PF2 ] MOVE BY PAGE。バッファの方向に応じて,次のページ区切り又は前のページ区切りにカーソルを移動する。 [ GOLD-PF2 ] PAGINATE。1 頁 54 行でソフト・ページ区切りを挿入する。これはフォーム・フィードと空 (null) 文字の組み合わせであり,小さい FF , NL として表示される。 [ GOLD-N ] INSERT PAGE BREAKN。ハード・ページ区切りを挿入する。これはフォーム・フィードであり,小さい FF として表示される。 [ Ctrl/L ] と同じ。 [ GOLD-P ] WPS Page Marker。ソフト・ページ区切りを挿入する。
短縮形またはライブラリ文書
プリントのための制御コマンド
エディタ算術演算
脚注,段落の番号付け,目次
ハイフン挿入とノンブレーキング・スペース
ASCII 以外の出力ファイル
肩文字,添字,合成文字
VIEW モード
TDE (2 次元エディタ)
UDP (ユーザ定義 WPS プロシージャ)
ワード・ラップ・リターン (日本語 EVE では,行はすべてハード・リターンで終了する)
SET KINSOKU
- OVERFLOW number
- DEFAULT
OVERFLOW number
ぶら下がり禁則のカラム数を指定します。行頭禁則文字がこのカラム数より多く連続すると,ぶら下がり禁則でなく押し出し禁則になります。指定できる数値は0以上の整数です。
DEFAULT
禁則処理の指定を日本語 EVE の標準設定に戻します。
禁則処理の動作を変更します。日本語 EVE 標準の行頭禁則文字,および行末禁則文字は以下のとおりです。
- 行頭禁則文字
,、。.:;!?ー・’゜゛”]})」〉〕》】』ヽヾゝゞ々〃
- 行末禁則文字
‘“[{(「〈〔《【『〜
ぶら下がり禁則のカラム数の標準値は "2" です。
SET LEFT MARGIN integer
integer
左マージンを設定するカラム。右マージンより小さい値でなければなりません。値を指定しなかった場合には,日本語 EVE は値を要求するプロンプトを表示します。プロンプトに対して [ Return ] キー,または [ Do ] キーだけを押し,値を指定しなかった場合には,操作は取り消されます。省略時の左マージンは1(左端のカラム)です。
現在のバッファの左マージンをユーザが指定したカラムに設定します。このコマンドを実行しても,既存のテキストは変更されませんが,新しいテキストや, CENTER LINEコマンドまたは FILLコマンドによって書式を変更するテキストには影響があります。[ Return ] を押すか,または FILLコマンドを使用した場合や,日本語 EVE が自動的にテキストをラップする場合には,各行は左マージンから開始されます。左マージンはバッファ固有の設定であり,各バッファに対して異なる左マージンを設定できます。バッファの現在のマージンを確認するには,SHOW コマンドを使用します。
すべての編集セッションまたは大部分の編集セッションに対して特定の左マージンを設定する場合には,SET LEFT MARGINコマンドをイニシャライゼーション・ファイルに登録します。そのイニシャライゼーション・ファイルを使用して日本語 EVE を起動した場合には,その設定がメイン・バッファ(または最初のバッファ)と$DEFAULTS$ という名前の日本語 EVE システム・バッファに適用されます。したがって,ユーザが作成する各バッファは同じ左マージンになります。
SET PARAGRAPH INDENTコマンドを使用する場合には,左マージンと段落字下げの合計は右マージンより小さくなければならず,少なくとも1 でなければなりません。たとえば,段落字下げが−4の場合には,左マージンは少なくとも5でなければなりません。
次のコマンドは,左マージンを 5 に設定します。新しいマージンに従って既存のテキストの書式を変更する場合には,FILL コマンドを使用します。
Command: SET LEFT MARGIN 5
SET MUHENKAN KEY
- SPACE
- NOSPACE
SPACE
新日本語キーボード上の[ 無変換 ]キーをスペース・キーと同じ動きをするように設定します。すべてのキーパッドで[ 無変換 ]キーをスペース・キーとまったく同じように使用することができます。NOSPACE
SET MUHENKAN KEY SPACEの設定を解除します。新日本語キーボード上の[ 無変換 ]キーは本来の動作に戻ります。
新日本語キーボード上の[ 無変換 ]キーの動作を切り換えます。新日本語キーボード上では日本語変換用に[ 変換 ],[ ひらがな ], [ 無変換 ]の 3 つのキーが追加されました。そのため従来のキーボードに比べ,スペース・キーの長さが約 1/3 程度に縮小されています。このコマンドは追加された 3 つのキーのうち[ 無変換 ]キーをスペース・キーと同じ動きをするように設定します。
SET MUHENKAN KEY SPACEを実行すると[ 無変換 ]キーはすべてのキーパッドでスペース・キーとまったく同じように動作します。
[ 無変換 ]キーは,省略時には TARO キーパッドを除くすべてのキーパッドに共通に,次のように定義されています。
キー 定義 [ 無変換 ] 無変換 1 (入力領域すべてをその時のエコーに戻しそのまま確定) [ Shift/無変換 ] 無変換 2 (変換を解除し入力状態に復帰。確定せず。) [ Alt/無変換 ] 記号変換
新日本語キーボードを含む変換キーの一覧については,付録の B を参照してください。
[ 変換 ],[ ひらがな ],[ 無変換 ] の 3 つのキーの動作を同時に切り替えたい場合には,SET JAPANESE KEYSコマンドを使用してください。
SET NOCLIPBOAARD
テキストの複写,削除,回復のために DECwindows クリップボードを使用することを禁止し,日本語 EVE の Insert Here バッファを使用することを許可します(省略時の設定)。WPS キーパッド・キーの場合には,設定とは無関係に,クリップボードは使用されません。
クリップボードの使用を許可すると,日本語 EVE と他の DECwindows アプリケーションの間でテキストを転送できます。しかし,日本語 EVE の内部で編集する場合には,編集の対象となるテキストの量に応じて,Insert Here バッファを使用するほうが迅速に処理できます。
SET NODEFAULT COMMAND FILE
SET NODEFAULT COMMAND FILEコマンドは SET DEFAULT COMMAND FILEコマンドの設定をキャンセルします。このコマンドは起動時に使用されるコマンド・ファイルは規定せず,グローバル属性などを保存するときに使用されるコマンド・ファイルにだけ適用されます。この場合,省略時のコマンド・ファイルとして次のうちのどれかを使用します。
- 日本語EVE を起動したときに /COMMAND= 修飾子で指定したコマンド・ファイル
- 論理名 TPU$COMMAND に定義されたコマンド・ファイル
- ホーム・ディレクトリにある TPU$COMMAND.TPU という名前のファイル
SET NODEFAULT SECTION FILE
SET NODEFAULT SECTION FILEコマンドは SET DEFAULT SECTION FILEコマンドの設定をキャンセルします。このコマンドは起動時に使用されるセクション・ファイルは規定せず,グローバル属性などを保存するときに使用されるセクション・ファイルにだけ適用されます。これは省略時の設定です。表 4-11 は,SECTION FILE PROMPTINGの設定による SET NODEFAULT SECTION FILEコマンドの動きの違いをまとめたものです。
表 4-11 セクション・ファイルの設定によるSET NODEFAULT SECTION FILEコマンドの動き プロンプトの設定 SET NODEFAULT SECTION FILE コマンドの与える影響 SET SECTION FILE PROMPTING
(省略時の設定)セクション・ファイルに保存するかどうかきいてきます。もし Yes と答えた場合,日本語EVEはセクションファイル名をきいてきます。 SET NOSECTION FILE PROMPTING セクション・ファイルに保存するかを尋ねるプロンプトを出力せず,コマンド・ファイルに保存するかをきいてきます。
これらの設定は,SAVE ATTRIBUTESコマンドや SAVE SYSTEM ATTRIBUTESコマンドを使用したときか, exitまたはquit するときに属性を保存した場合に適用されます。
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