日本語 Compaq OpenVMS
日本語ユーティリティ
利用者の手引き


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5.3.8 SHOW DICTIONARY

各サブコマンドにおいて辞書ファイル名の指定を省略した場合に使用する省略時設定の辞書ファイル名を表示します。省略時設定の辞書ファイルは,論理名 JSY$KOJIN が定義されているときはそのファイル,定義されていないときは SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO です。

<形式>

JDICEDIT> SHOW DICTIONARY

5.4 単語の読みと表記

この節では,単語の読みと表記について説明します。

単語の読み

単語の表記

5.5 単語の文法情報

単語の文法情報について 表 5-1 にまとめます。

表 5-1 文法情報キーワードと国文法との対応
キーワード 国文法
普通名詞,固有名詞(人名・地名を除く),代名詞,人称代名詞,数詞 万年筆,コンピュータ,あれ,私
サ名 サ変名詞 運転,テスト,プレイ
人名 苗字,名前 織田信長,シェークスピア
地名 地域の名前 シカゴ,デトロイト
副詞 とても,すっごく
感動 感動詞 ほんとー,ウワー
接続 接続詞 しかし,ばってん
連体 連体詞 あの,その,偉大なる
接頭 接頭語 純〜,初〜
形容 形容詞 白(い),寒(い),カワイ(い)
形動 形容動詞 静か(な),アンティック(な)
トタル 形容動詞トタル活用 堂々(たる),正々堂々(たる)
尾名 名詞に付く接尾語 〜制,〜仕込み
尾人 人名に付く接尾語 〜君,〜ちゃん
尾地 地名に付く接尾語 〜産
上下 上1段活用動詞,下1段活用動詞 落ち(る),起き(る)
サ変 サ行変格活用動詞で終止形が「する」 愛(する),決(する)
ザ変 サ行変格活用動詞で終止形が「ずる」 信(ずる),重ん(ずる)
カ変 カ行変格活用動詞 来(る),(来)た
カ5 カ行5段活用動詞 書(く),咲(く)
ガ5 ガ行5段活用動詞 泳(ぐ),漕(ぐ)
サ5 サ行5段活用動詞 指(す),示(す)
タ5 タ行5段活用動詞 立(つ),打(つ)
ナ5 ナ行5段活用動詞 死(ぬ)
バ5 バ行5段活用動詞 呼(ぶ),遊(ぶ)
マ5 マ行5段活用動詞 読(む),囲(む)
ラ5 ラ行5段活用動詞 乗(る),切(る)
ワ5 ワ行5段活用動詞 買(う),思(う)

5.6 単語ファイル

日本語エディタで単語ファイルを作り,これを APPEND サブコマンドで辞書ファイルに追加登録できます。

単語ファイルは以下の形式で作成します。


 
        [!]読み   "表記"   [文法情報キーワード,,,]      
        [!]読み   "表記"   [文法情報キーワード,,,]      
           ........................                     
           ........................                     
                                                        
 

5.7 制限事項

個人辞書編集ユーティリティには,次の制限事項があります。

  1. JDICEDIT ユーティリティをバッチ・ジョブで起動することはできません。

  2. 個人辞書に追加登録できる単語の数は,最大約 100,000 語です。ただし,登録単語数が多くなると,かな漢字変換ルーチンの単語検索に要する時間が増大しますので,ご注意ください。実用上の上限としては 30,000 語程度を目安としてください。

5.8 使用例

この節では,いくつかの使用例を示します。

  1. 辞書 (DICTIONARY.JISHO) に単語を登録する場合,単語を検索・削除する場合


     
    $ RUN JSY$SYSTEM:JDICEDIT 
    JDICEDIT> EDIT DICTIONARY.JISHO 
    ・・・・・ 
    辞書を更新しますか?(YES or NO) [YES]: YES 
    %JDICEDIT-I -UPDDIC,辞書を更新して DICTIONARY.JISHO;2 に
    出力しました。 
    JDICEDIT> EXIT 
    $ 
     
    


  2. 辞書A(DIC_A.JISHO)の利用者登録語だけを辞書B(DIC_B.JISHO)に登録する場合


     
    $ RUN JSY$SYSTEM:JDICEDIT 
    JDICEDIT> EXTRACT/OUTPUT=DIC_A.TANGO/USER  DIC_A.JISHO;1 
    %JDICEDIT-I -EXTUSR,DIC_A.JISHO;1 の単語を XX語 DIC_A.TANGO
    に出力しました。 
    JDICEDIT> APPEND/INPUT=DIC_A.TANGO  DIC_B.JISHO;1 
    %JDICEDIT-I -UPDDIC,辞書を更新して DIC_B.JISHO;2 に出力しました。
    JDICEDIT> EXIT 
    $ 
    


  3. 日本語エディタで単語ファイル (TANGO_FILE.TANGO) を作り,これをもとにして新規に辞書を作成する場合


     
    $ JEDIT TANGO_FILE.TANGO  
    ・・・・・ 
    $ RUN JSY$SYSTEM:JDICEDIT 
    JDICEDIT> CREATE NEW_DIC.JISHO 
    %JDICEDIT-I -CREDIC,新たに辞書  NEW_DIC.JISHO;1 を作成しました。
    JDICEDIT> APPEND/INPUT=TANGO_FILE.TANGO NEW_DIC.JISHO;1 
    %JDICEDIT-I -UPDDIC,辞書を更新して NEW_DIC.JISHO;2 に出力しました。
    JDICEDIT> EXIT 
    $ 
    


第 6 章
漢字コード変換ユーティリティ (KCODE)

この章では,漢字コード変換ユーティリティ (KCODE) について説明します。

6.1 機能概要

漢字コード変換ユーティリティは DEC漢字コードから他コード体系,他コード体系から DEC漢字コードへの漢字コード変換を行います。他コード体系から他コード体系への変換および DEC漢字コードから DEC漢字コードへの変換はできません。変換可能なコード体系は次の9種類です。

6.2 KCODE コマンド

この節では,KCODE コマンドの形式,パラメータ,修飾子について説明します。


KCODE

漢字コード変換ユーティリティを起動します。

形式

KCODE 入力ファイル指定 [ 出力ファイル指定 ]


パラメータ

入力ファイル指定

漢字コード変換を行うファイル名を指定します。RMS が日本語モードの場合には,最大 118 文字までの日本語ファイル名を指定できます。

出力ファイル指定

変換結果を出力するファイル名を指定します。RMS が日本語モードの場合には,最大 118 文字までの日本語ファイル名を指定できます。出力ファイル名を省略した場合の出力ファイル名は DECFILE.DAT となります。

修飾子

/FIELD=(開始位置 [,終了位置 ])

1レコード内における変換領域の指定を行います。/FIELD修飾子の指定がない場合には, 1レコード全体を変換対象とします。以下の項目が指定できます。

開始位置 変換開始バイトを指定します。省略時設定値は1で,レコードの先頭から変換します。
終了位置 変換終了バイトを指定します。省略時にはレコードの最後まで変換します。

/FORMAT=コード体系

/FORMAT=DEC(省略時設定)

入力ファイルまたは出力ファイルのコード体系を指定します。
省略時の設定でDEC漢字コード体系に変換します。

コード体系には,次の9種類が指定できます。

DEC
JIS
IBM
JEF(FUJITSU)
HITACHI
NEC
NEC_DISKET
MSDOS
CPM

NECは,インテリジェント・ターミナルのOS,NCOS で使用するコード体系の場合に指定し,NEC_DISKET はNECコード体系のディスク媒体内部コードの場合に指定します。

/RECORD=(開始レコード [ ,終了レコード ])

入力ファイルの一部のレコードのみを変換するときに指定します。/RECORD修飾子の指定がない場合には,すべてのレコードを変換対象とします。以下の項目が指定できます。

開始レコード 変換開始レコードを指定します。省略時設定値は1で,先頭のレコードから変換します。
終了レコード 変換終了レコードを指定します。省略時には最後のレコードまで変換します。

6.3 制限事項

漢字変換ユーティリティには,次の制限事項があります。

  1. 入力文字列は,漢字コードと制御コードだけからなることを原則とします。


  2. 入力文字列と出力文字列のバイト数は変化しません。


  3. 出力された文字列を再び元の文字列に変換しようとした場合,次のような問題があります。


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