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V7.1
DCL の TYPE や SEARCH コマンド等で /PAGE もしくは /PAGE=SAVE を指定して画面表示を行った場合, Find キーおよび /SEARCH 修飾子による日本語検索はできません。これは,論理名 UTIL$SMGSHR を JSY$SMGSHR と定義した場合でも同様です。
3.5 MAIL,JMAIL
3.5.1 PRINT コマンドの問題
MAILおよびJMAILコマンドには,次に示す制限事項があります。
/BURST=ONEの指定が有効でなく,すべてのコピーにバースト・ページがつきます。
/TRAILER=ONEの指定が有効でなく,すべてのコピーにトレーラ・ページがつきます。
DEC XTPU等でサポートされているSuper DEC Kanjiコードセットを使用した半角カナを含むメッセージを正しく入力/表示することはできません。
3.5.3 エディタの使用
VAX V6.1
日本語 OpenVMS VAX バージョン6.1では, JMAIL または MAIL で EDT を用いて日本語を表示することはできません。
また,JTPU に代わって XTPU がサポートされました。これに伴って JMAIL,MAIL から JTPU を使うことができなくなりました。代わりに XTPU をご使用ください。 JMAIL,MAIL で XTPU を使用するには次のようにします。
JMAIL> SET EDITOR XTPU MAIL> SET EDITOR XTPU |
V7.0
MAIL,JMAIL で DDIF 形式などのコンパウンド・ドキュメント・ファイルを送信したり,受信したファイルを EXTRACT/FOREIGN コマンドで取り出すことができません。 MAIL,JMAIL でコンパウンド・ドキュメントを取り扱う場合は, MAIL/OLD あるいは JMAIL/OLD コマンドでメール・ユーテリティを起動してください。
3.5.5 /PAGE=SAVE での FIND キーの扱い
V7.0
JMAIL の READ サブコマンドなどで /PAGE=SAVE を指定し画面操作モードに入った時, FIND キーを入力しても検索文字列に日本語文字列を入力することができません。日本語文字列を検索するには JMAILのSEARCH /JAPANESE サブコマンドを用いてください。
3.6 日本語ユーティリティでの半角カタカナと漢字の混在
日本語 OpenVMS の以下の機能では半角カタカナと漢字が混在したデータを扱えますが,これら以外の機能では扱うことができません。
Super DEC 漢字コード・セットの概要および上記機能における半角カタカナサポートの内容については『日本語 OpenVMS 概説書』および各々の機能のマニュアルを参照してください。
3.7 かな漢字変換
3.7.1 全角の記号を含む単語の登録
JDICEDIT や DEC XTPU/日本語EVE などで,以下のような記号を含んだ単語を個人辞書に登録する場合,いくつかの制限事項がありますので注意してください。
全角アスタリスク | * |
句読記号 | 。.,、・!?:;(「[{’〜/)」]}” |
空白文字 | 半角スペース,全角スペース,タブ |
全角の "*" は,かな漢字変換内部で特殊記号として使用しているため,表記に "*" を含む単語は,変換時に "*" が取り除かれます。個人辞書に,表記に全角の "*" を含む単語を登録しても,変換結果に "*" は出てきません。
【例】
読み | こめんと |
表記 | *コメント* |
上のような単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換を行なうと以下のようになります。
読み | こめんと |
表記 | コメント |
このように,表記に "*" は出てきません。
句読記号,空白文字を含む単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換の時に句読記号,空白文字が取り除かれた候補がでることがあります。句読記号,空白文字に含まれるのは以下の文字です。
句読記号 | 。.,、・!?:;(「[{’〜/)」]}” |
空白文字 | 半角スペース,全角スペース,タブ |
かな漢字変換では,文節から句読記号,空白文字を取り除いたものを文節学習辞書に学習します。したがって,句読記号,空白文字を含む単語を個人辞書に登録した場合,句読記号,空白文字が取り除かれた表記が変換結果に現れることがあります。
【例】
読み | こんぱっく |
表記 | (コンパックコンピュータ) |
上のような単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換を行うと以下のようになります。
2-1.第1回めの変換
登録した単語に句読記号 "。"を付けて変換します。
読み こんぱっく。 表記 (コンパックコンピュータ)。
ここで確定すると,句読記号 "。" と共に句読記号 "( " および " )" が取り除かれた単語が学習されます。
学習される読み こんぱっく 学習される表記 コンパックコンピュータ
2-2.第2回めの変換第 1 回めの変換を確定した時に句読記号を取り除いた表記を学習してしまったために,以下のような変換結果になります。
読み こんぱっく。 変換結果 コンパックコンピュータ。 次候補 (コンパックコンピュータ)。
次候補にはユーザが個人辞書に登録した単語が現れます。
句読記号,空白文字を表記に含む単語を個人辞書から削除したい場合には削除したい単語の削除を行った後,文節学習辞書に学習されたデータを消すために句読記号,空白文字を除いた表記に対しても単語削除の操作を行ってください。削除したい単語に句読記号/空白文字が含まれていない場合には,従来どおり 1 回の操作で単語削除を行うことができます。
文節学習辞書に学習されたデータのうち,古い文節学習データは自動的に消えるように設計されていますが,短い読みで学習された文節が増えた場合,不適切な読みに一致して変換結果に悪影響を与えることがあるので注意してください。文節学習辞書ファイル (JSY$LEARN.DAT) を消すと,文節学習データは失われますが,変換できなくなることはありません。
3.8 日本語入力プロセス(FIP)
3.8.1 横スクロールの問題
表示エリアが 8 文字以下の場所に FIP で入力を行う場合,横スクロール機能が正しく動作しません。
3.8.2 入力バッファサイズ限界での問題
アプリケーションの QIO 入力バッファサイズと同じ長さのデータを FIP で入力した場合,最後の文字が次の入力バッファに再入力されてしまうことがあります。
3.8.3 1 バイトのバッファでの問題
アプリケーションの QIO 入力バッファサイズが1バイトの場合, FIP で入力すると入力文字列の表示が乱れることがあります。
3.8.4 JIS カナ使用の指定
ユーザ・キー定義 PROFILE 中で,JIS カナ(半角カナ)コードを使用しない設定の場合でも,半角カナ変換を実行すれば JIS カナの入力ができます。
3.9 漢字ターミナル・ドライバ
3.9.1 漢字ターミナル・ドライバの罫線変換機能
KANJIGENユーティリティ で,DEC 漢字 1978 年版に設定されている端末に対しては,漢字ターミナル・ドライバが 8 区の罫線を拡張漢字 94 区の罫線に変換して出力しますが,この変換処理には以下のような制限事項があります。
3.9.2 マルチ・セッション時のオンデマンド・ローディング
1 つの端末からターミナル・サーバ経由で,複数のセッションを使ってオンデマンド・ローディングを行う場合は次の制限事項があります。
3.10 PRINT
3.10.1 /WRAP と /WIDTH の組み合せ
PRINT で,/FORM 修飾子に指定されたフォームにおいて, /WIDTH と /WRAP が同時に指定されていた場合, /WIDTH で指定された印字数よりも長いラインを印刷すると,ラップされた部分が改行されず,重ねて印字されてしまいます。必ず /NOWRAP を指定したフォームを使用してください。
3.11 ヘルプの制限事項
日本語 OpenVMSでは,日本語 OpenVMS が提供するユーティリティ用のヘルプ・ライブラリとして,ディレクトリ JSY$HELPにJSYHELP.HLB を提供しています。日本語 OpenVMS 上で動作するアプリケーション・ソフトウェアの中には,そのソフトウェアのヘルプを,JSY$HELP に日本語で提供するものもあります。
これらのヘルプを,DCL のヘルプ・コマンドから簡単に参照できるように,日本語 OpenVMS では JSY$HELP:JSYHELP を論理名 HLP$LIBRARY に割り当てています。この論理名に割り当てられたヘルプ・ライブラリは, MAIL ユーティリティなどの HELP サブコマンドからも参照されるようになります。この結果,たとえば,MAILユーティリティの中で,HELP KCODE と入力すると日本語ヘルプの KCODE コマンドについての説明が表示されます。
JSY$SWITCH コマンド・プロシージャで JAPANESE に設定されている場合,日本語に翻訳された HELPLIB.HLB が最初に参照されるヘルプ・ライブラリになります。このヘルプには,通常よく参照されると思われるトピックの日本語版が入っていますが,すべてのトピックが日本語化されているわけではありません。日本語化されていないトピックについては,オリジナル(標準版)のヘルプが参照されるよう,オリジナルのヘルプ・ライブラリが論理名 HLP$LIBRARY に割り当てられます。この次に,前述の日本語 OpenVMS が提供するユーティリティ用の JSYHELP.HLB が割り当てられます。この場合もJSYHELPの場合と同様に,いくつかのユーティリティの HELPサブコマンドから,オリジナルのヘルプ・ライブラリが参照されます。
$ MAIL MAIL> HELP KINQUIRE KINQUIRE ローマ字/かな・漢字変換型 INQUIRE コマンド KINQUIRE は INQUIRE コマンドの「ローマ字/かな・漢字変換版」です。 ・ ・ $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH JAPANESE $ MAIL MAIL> HELP @HELPLIB SHOW SHOW Displays information about the current status of the process, the system, or devices in the system. Format: SHOW option ・ ・ |
3.12 DEC XTPU
3.12.1 XTPU で ISO-2022-JP コードセットを使用する場合
VAX 版 DEC XTPU では,ISO-2022-JP コードセットに無い文字を ISO-2022-JP コードセットで強制的にファイルに出力しようとすると, Access Violation を起こして XTPU がクラッシュします。
ISO-2022-JP コードセットを使う場合は, JIS ローマ字 (ASCII) と漢字 (JIS X0208) のみを使用してください。
3.12.2 XTPU で UCS-2 コードセットを使用する場合
UCS-2 では文字が 2 バイトで表現されるため,OpenVMS では改行文字を正確に処理することができません。そのため Windows NT との間で UCS-2 テキストを交換すると,複数の行が1行に繋がってしまったり,行頭に不正な文字が追加される等の問題が発生する場合があります。
3.12.3 個人辞書の指定
DEC XTPU では,使用する個人辞書を /KANJI_DICTIONARY 修飾子で指定することができますが,個人辞書の論理名 JSY$KOJIN を使用して以下のような指定を行うことはできません。
$ EDIT/XTPU/KANJI_DICTIONARY=JSY$KOJIN |
この指定を行った場合,「%XTPU-E-OPENDIC,error opening the dictionary file」のエラー・メッセージが表示されます。
3.13 日本語画面管理ライブラリに関する制限事項
3.13.1 ルーチンの制限事項
日本語画面管理ライブラリ (日本語 SMG) では,次のルーチンに,以下に述べる制限事項があります。
SMG$READ_COMPOSED_LINE
SMG$READ_STRING
SMG$READ_VERIFY
3.13.2 英語版 SMG対応のアプリケーションで日本語SMG を使用する場合の制限事項
日本語 SMG は,英語版 SMG に対して,基本的に上位互換となっていますが,英語版 SMG を前提に作られているアプリケーションに対して日本語 SMG を使用することはできません。使用した場合,問題が発生することがあります。これは一部サポートされない機能,あるいは動作が異なる場合があるためです。具体的には,
$ DEFINE SMGSHR JSY$SMGSHR |
と論理名を定義してある場合に,英語版のアプリケーションでも日本語の使用が一部可能となります。ただし,これらは結果としてそうなるだけで,サポートされている使用方法ではありません。上記のように論理名を定義してご使用中に,なんらかの問題が生じた場合には,SMGSHR の論理名を以下のように解除してください。
$ DEASSIGN SMGSHR |
日本語 SMG を使用する場合は,日本語 SMG が提供する機能に応じて,アプリケーションを JSY$SMGSHR.EXE とリンクして使用してください。
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