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表 20-5 および 表 20-6 に,DECevent 修飾子の一覧を示します。 DECevent の修飾子は, DECevent が作成するレポートの形式を変更するものです。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ANALYZE | イベント・ログの解析,またはイベント・ログ・ユーティリティのリアルタイム解析を出力する。 |
/BINARY | バイナリ・エラー・ログ・レコードを ASCII テキストに変換するか,指定した出力ファイルにコピーするかを制御する。この修飾子は,レポート・タイプ修飾子 (/FULL,/BRIEF,/TERSE,/SUMMARY,および/FSTERR) または /OUTPUT 修飾子とは同時に使用しないこと。 |
/CONTINUOUS | オペレーティング・システムのイベント・ロガーがイベントを記録するときに,リアル・タイムでイベントを書式化するかどうかを指定する。 |
/DUMP | 簡略レポートの後に入力イベント・ログ・ファイルの情報のダンプを出力するかどうかを指定する。 |
/INTERACTIVE | コマンド行インタフェースを終了し, DECevent 会話式コマンド・シェルに入る。 |
/TRANSLATE (省略時の設定) | イベント・ログ・ファイルをレポートに変換する。 |
修飾子 | 説明 |
---|---|
/BEFORE | 指定した日付および時間より前のエントリだけを選択してイベント・レポートを作成する。 |
/BRIEF | 簡略レポートを作成する。 |
/ENTRY | 指定した範囲の,または指定した番号以降のエントリのレポートを作成する。 |
/EXCLUDE | 指定した装置クラス,装置名,エラー・ログ・エントリ・タイプ以外のイベントのレポートを作成する。 |
/FSTERR | ディスクおよびテープのイベント・ログ・エントリについて,エントリごとに 1 行ずつ簡潔に報告する。 |
/FULL (省略時の設定) | 詳細レポートを作成する。このレポートでは,イベント・ログ・エントリについて,使用できるすべての情報が報告される。 |
/INCLUDE | 指定した装置クラス,装置名,エラー・ログ・エントリ・タイプのイベントを含んだレポートを作成する。 |
/LOG | 各入力ファイルに対して,選択したエントリ数および拒否したエントリ数を指定する情報メッセージを, SYS$OUTPUT に送信するかどうかを制御する。 |
/NODE | OpenVMS クラスタ内の特定のノードのイベント・エントリからなるレポートを作成する。 |
/OUTPUT | レポートの出力ファイルを指定する。 |
/REJECTED | 拒否するエントリのバイナリ・レコードが格納されるファイル名を指定する。 |
/SINCE | 指定した日付および時刻より後のエントリを選択してレポートを作成する。 |
/SUMMARY | 統計的に要約したイベント・レポートを作成する。 |
/TERSE | バイナリ・イベント情報,凝縮された形式のレジスタ値,および ASCII メッセージからなるイベント・レポートを作成する。 |
/TERSE | バイナリ・イベント情報,レジスタ値,圧縮形式のASCII メッセージを含むイベント・レポートを生成する。 |
/BINARY 修飾子は,レポート・タイプ修飾子 (/FULL,/BRIEF,/TERSE,/SUMMARY,/FSTERR) または /OUTPUT 修飾子とともに使用しないでください。
20.5.4 その他の DECevent コマンドの使用方法
表 20-5 および 表 20-6 にリストした修飾子の他に, DECevent には一連の DIRECTORY コマンド・セット,および SHOW コマンド・セットがあります。
この項では,DECevent コマンドおよびレポートの例を示します。
20.5.5.1 詳細レポートの作成
詳細レポートを作成するには,/FULL 修飾子を指定します。詳細レポート形式では,イベント・ログ中のすべてのエントリの,使用できるすべての情報が変換されます。詳細レポートは,コマンド行でレポート・タイプを指定しなかった場合の省略時のレポート・タイプです。
次のコマンドは,両方とも詳細形式のレポートを作成します。
$ DIAGNOSE/FULL $ DIAGNOSE |
(/FULL は省略時の値です。)
例 20-1 に,詳細レポートの形式を示します。
例 20-1 詳細レポート形式 |
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******************************** ENTRY 1 ******************************** Logging OS 1. OpenVMS System Architecture 2. Alpha OS version V7.3 Event sequence number 1583. Timestamp of occurrence 18-APR-2000 09:21:18 System uptime in seconds 58004. Error mask x00000000 Flags x0001 Dynamic Device Recognition present Host name COGENT Alpha HW model DEC 3000 Model 400 System type register x00000004 DEC 3000 Unique CPU ID x00000002 mpnum x000000FF mperr x000000FF Event validity -1. Unknown validity code Event severity -1. Unknown severity code Entry type 100. Major Event class 3. IO Subsystem IO Minor Class 1. MSCP IO Minor Sub Class 5. Logged Message ---- Device Profile ---- Vendor Product Name RAID 0 - Host Based Unit Name COGENT$DPA Unit Number 10. Device Class x0001 Disk ---- IO SW Profile ---- VMS DC$_CLASS 1. VMS DT$_TYPE 175. ---- MSCP Logged Msg ---- Logged Message Type Code 22. RAID Message RAID Event Type 8. Remove Member Distinguished Member 0. Member Index 1. RAID Urgency 4. Global Disk Error RAID Status x00180009 Bit 00 - Reduced Bit 03 - Striped Bit 19 - FE Dis FE Bit 20 - BC Buff Copy Off RAIDset Name KGB **************************************************************************** |
簡略レポートを作成するには,/BRIEF 修飾子を指定します。簡略レポート形式では,イベント・ログ中のすべてのエントリの重要な情報だけが変換されます。次に例を示します。
$ DIAGNOSE/BRIEF |
例 20-2 に,簡略レポートの形式を示します。
例 20-2 簡略レポート形式 |
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******************************** ENTRY 1 ******************************** Logging OS 1. OpenVMS System Architecture 2. Alpha OS version V7.3 Event sequence number 1583. Timestamp of occurrence 18-APR-2000 09:21:18 System uptime in seconds 58004. Error mask x00000000 Host name COGENT Alpha HW model DEC 3000 Model 400 System type register x00000004 DEC 3000 Unique CPU ID x00000002 mpnum x000000FF mperr x000000FF Event validity -1. Unknown validity code Event severity -1. Unknown severity code Major Event class 3. IO Subsystem IO Minor Class 1. MSCP IO Minor Sub Class 5. Logged Message ---- Device Profile ---- Vendor Product Name RAID 0 - Host Based Unit Name COGENT$DPA Unit Number 10. Device Class x0001 Disk Logged Message Type Code 22. RAID Message RAID Event Type 8. Remove Member Distinguished Member 0. Member Index 1. RAID Urgency 4. Global Disk Error RAID Status x00180009 Bit 00 - Reduced Bit 03 - Striped Bit 19 - FE Dis FE Bit 20 - BC Buff Copy Off RAIDset Name KGB ***************************************************************************** |
簡潔レポートを作成するには, /TERSE 修飾子を指定します。簡潔レポート形式では,バイナリ・イベント情報が提供され,凝縮された形式のレジスタ値および他の ASCII メッセージが表示されます。次に例を示します。
$ DIAGNOSE/TERSE |
例 20-3 に,簡潔レポートの形式を示します。
例 20-3 簡潔レポート形式 |
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******************************** ENTRY 1 ******************************** Logging OS 1. System Architecture 2. OS version V7.3 Event sequence number 1583. Timestamp of occurrence 2000041809211800 System uptime in seconds 58004. Error mask x00000000 Flags x0001 Host name COGENT Alpha HW model DEC 3000 Model 400 System type register x00000004 Unique CPU ID x00000002 mpnum x000000FF mperr x000000FF Event validity -1. Event severity -1. Entry type 100. Major Event class 3. IO Minor Class 1. IO Minor Sub Class 5. ---- Device Profile ---- Vendor Product Name RAID 0 - Host Based Unit Name COGENT$DPA Unit Number 10. Device Class x0001 ---- IO SW Profile ---- VMS DC$_CLASS 1. VMS DT$_TYPE 175. ---- MSCP Logged Msg ---- Logged Message Type Code 22. RAID Event Type 8. Distinguished Member 0. Member Index 1. RAID Urgency 4. RAID Status x00180009 RAIDset Name KGB ********************************************************************** |
要約レポートを作成するには,/SUMMARY 修飾子を指定します。要約レポート形式では,イベント・ログ中のイベント・エントリが統計的に要約されます。次に例を示します。
$ DIAGNOSE/SUMMARY |
例 20-4 に,要約レポートの形式を示します。
例 20-4 要約レポート形式 |
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SUMMARY OF ALL ENTRIES LOGGED ON NODE COGENT IO Subsystem MSCP 9. Host Based RAID 3. DATE OF EARLIEST ENTRY 18-APR-2000 09:21:18 DATE OF LATEST ENTRY 12-MAY-2000 10:44:54 |
高速エラー・レポートを作成するには, /FSTERR 修飾子を指定します。次に例を示します。
$ DIAGNOSE/FSTERR |
高速エラー・レポートでは,さまざまなディスクおよびテープ装置のイベント・ログについて,エントリごとに 1 行ずつ報告されます。余分なイベント情報がないので,イベントの解析およびシステムのトラブルシューティングが簡単になります。次に例を示します。
$ DIAGNOSE/FSTERR [infile] |
例 20-5 に高速エラー・レポートの例を示します。
例 20-5 高速エラー (FSTERR) レポート形式 |
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Drive/ MSCP Physical HSC Volume Drive Name yymmdd hhmmss Entry Evnt LED LBN Cyl Hd Sec RA RP Serial ============= ============= ===== ==== === ======= ==== == === === == ====== LUKE$DUA070 921119 160754 3 00EB 255 70 71 V00717 LUKE$DUA070 921119 160754 4 00EB 255 70 71 V00717 HSC015$DUA028 910323 113204 5 00EB 70 51 V15039 HSC015$DUA028 910323 113204 6 00EB 71 51 V15039 BATES$DUA197 921118 002116 7 00EB 72 32 V17524 CHEWIE$DUA101 911205 114908 8 00EB 73 81 V 17 PMASON$DUA006 921207 165007 15 00EB 255 90 42 D23387 PMASON$DUA006 921207 165007 16 00EB 255 90 42 D23387 C3P0$DUA242 870218 060031 17 01AB 90 40 D48575 CHER$DU2132*901008 231053 18 00EB 92 81 D 2345 |
高速エラー・レポートには,弊社のサポート担当者がテープ装置またはディスク装置の問題を解決するのに必要な情報が入っています。
20.5.6 DECevent の制約
DECevent ユーティリティを使うときには,この項で説明する制約事項に注意してください。
ページ・ファイル・クォータを超えると,DECevent が終了し,システム・プロンプトが表示されます。このような場合には,最後のコマンドを実行してください。
DECevent は,ファイル名の検索リストとして定義された論理名を,入力とみなしません。次の例を参照してください。
$ DEFINE EVENT_LOG DISK1:[EVENTS]EVENT_LOG1.SYS,DISK1:EVENT_LOG.SYS $ DIAGNOSE/ANALYZE EVENT_LOG DECevent T1.0 FT2 _DIAGNOSE-FAT: Analyze - No files found ' event_log ' _DIAGNOSE-FAT: An error occurred while executing a command ruleset _DIAGNOSE-INF: No Error Messages to send in thread 1 |
DECevent は,ログ・ファイルを自動的にパージしません。次のように,必要に応じてファイルおよびディレクトリにバージョン制限を設定してください。
$ SET FILE/VERSION=3 DIA_ACTIVITY.LOG |
DECevent を実行するシステムをシャットダウンして再ブートすると, DECEVENT$STARTUP.COM は FMGPROFILE 論理名を定義しません。これにより,システム起動の呼び出しログ (SICL) の適切なログが,妨害されることがあります。これは,SICL メッセージ・テキストにあるカスタマ・プロファイル情報が失われるからです。
DIAGNOSE コマンドは,$SNDERR システム・サービスでログされたエラー・ログ・メッセージを認識しません。
20.6 オペレータ・ログ・ファイルの設定,管理,プリント
この節では,オペレータ・ログ・ファイルと,このファイルに記録される OPCOM メッセージについて説明し,次の表の作業手順を示します。これらの作業を行う場合は OPER 特権が必要になります。
作業 | 参照箇所 |
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オペレータ・ログ・ファイルの設定 | 第 20.6.3 項 |
オペレータ・ログ・ファイルの管理 | 第 20.6.4 項 |
オペレータ・ログ・ファイルのプリント | 第 20.6.5 項 |
オペレータ・ログ・ファイル (SYS$MANAGER:OPERATOR.LOG) には,システム・イベントと,オペレータ通信マネージャ (OPCOM) からオペレータ・ターミナルに送信されたユーザ要求が記録されます。記録は,すべてのオペレータ・ターミナルが使用不能になっている場合でも行われます。通常,OPCOM はシステムをブートすると起動します。OPCOM についての詳細は, 第 2.4 節 を参照してください。
オペレータ・ログ・ファイルにより,ハードウェアおよびソフトウェアの障害を予測してそれらを事前に防止したり,ディスクおよび磁気テープに対するユーザ要求を監視することもできます。オペレータ・ログ・ファイルを定期的に調べれば,今後障害につながる可能性がある問題を事前に見つけ,適切な処置をとることができます。
OPERATOR.LOG ファイル (または論理名 OPC$LOGFILE_NAME が指すファイル) のサイズとアクセスは,それが置かれているディスク装置のサイズとアクセスの制限を受けます。ディスク装置にログ・ファイルを書き込むだけの余裕がなかったり,他の方法での装置へのアクセスが制限されていたりすると,ログ・ファイルから記録が失われる可能性があります。
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