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通常,連続表示は,省略時の間隔または指定された間隔で更新またはリフレッシュされます。 SHOW CLUSTER は,ソフトウェア・データベースを検索し,各フィールドのデータを抽出して保存し,新しいデータまたは変更されたデータがあれば表示し,時刻を更新します。コンパック・ターミナルまたはコンパック互換ターミナルでは,変更されたデータが反転表示されます。
次のいずれかの方法を使用すると,いつでも画面をリフレッシュすることができます。
SHOW CLUSTER ではフィールドおよびクラスを追加できるため,作成したレポートがターミナルの画面に表示しきれなくなることがあります。そのような場合には,必要に応じてレポートの書式を変更することができます。
変更方法 | 参照箇所 |
---|---|
レポートからの情報の削除 | 第 22.3.5.1 項 |
フィールドと画面サイズの変更 | 第 22.3.5.2 項 |
レポートの移動 | 第 22.3.5.3 項 |
レポートのスクロール | 第 22.3.5.4 項 |
レポートが画面に収まるように,フィールドまたはクラスを削除して,レポートの幅を小さくすることができます。また,省略時の設定で表示されるフィールドやクラスの中にはそれほど重要でないものもあります。特定の種類のデータを削除して,レポートを短くすることもできます。
複数のフィールドまたはクラス全体を削除するには,REMOVE コマンドを使用します。1 つのフィールドまたは 1 つのクラスを削除する場合には,REMOVE コマンドに適切な修飾子を指定して使用します。この形式で使用するクラス名および修飾子については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SHOW CLUSTER の節を参照してください。
Command> REMOVE SOFTWARE |
このコマンドは, 図 22-1 で示した SHOW CLUSTER レポートから SOFTWARE フィールドを削除する。
使用可能なフィールド名については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の ADD (フィールド) コマンドの説明を参照。
Command> REMOVE MEMBERS |
このコマンドは, 図 22-1 で示した SHOW CLUSTER レポートから MEMBERS クラスを削除する。
レポートが画面に収まるようにするため,レポートの特定のフィールドの幅を小さくすることができます。たとえば,考えられるすべての値が入るようにその幅が設定されているフィールドでも,実際にはそれほどのスペースが必要ない場合があります。そのようなときは,SET (フィールド) コマンドを使用して,そのフィールドの幅を調整することができます。
また,SHOW CLUSTER では,ターミナルの画面のサイズを調整することができます。ターミナルがコンパック互換で幅の広いレポートをサポートしている場合, SET SCREEN コマンドに適切な値を指定することにより,画面の幅を最大 511 カラムまで増やすことができます。
Command> SET TRANSITION_TYPE/WIDTH=10 |
この例は,TRANSITION_TYPE フィールドの幅を 10 に設定する。その結果,フィールドには日付だけが表示され,時刻は表示されなくなる。
Command> SET SCREEN=132 |
画面の幅を 132 に設定する。
SET (フィールド) コマンドおよび SET SCREEN コマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
22.3.5.3 レポートの移動
省略時の設定では,SHOW CLUSTER ユーティリティは AUTO_POSITIONING ON で動作します。すなわち,画面のスペースをできるだけ有効に利用するように, SHOW CLUSTER によってレポートの位置が自動的に調整されます。しかし,MOVE コマンドを使用すると,レポートの位置を手動で調整することができます。 MOVE コマンドを使用すると, AUTO_POSITIONING は暗黙に OFF に設定されます。
画面に複数のレポートを表示させる場合は,まず位置を変更するレポートを選択します。 SELECT ウインドウ名コマンドに位置を変更するレポートの名前を指定します。たとえば,次のようにします。
省略時の SCS レポートに含まれないクラスを選択するとき,そのクラスが画面に含まれていない場合は, SELECT コマンドを実行する前にそのクラスを画面に表示させる必要があります。たとえば,次のコマンド行を入力します。
|
別の方法として, Select ファンクション・キーあるいはキーパッド上のピリオド・キーを繰り返し押すことによって,レポートを順番に表示させることもできます。選択されたレポートは強調表示されます。
レポートを移動する場合は,次のいずれかの操作を行います。
Command> SET FUNCTION MOVE |
このコマンドを実行すると,矢印キーは次のように再定義される。
矢印キー | 対応するコマンド |
---|---|
上向き矢印 | MOVE UP 1 |
下向き矢印 | MOVE DOWN 1 |
右向き矢印 | MOVE RIGHT 1 |
左向き矢印 | MOVE LEFT 1 |
MOVE コマンドを入力すると,表示部分はカラム単位 (水平方向),あるいは行単位 (垂直方向) にその位置を変える。たとえば,コマンド MOVE LEFT 5 を入力すると,表示される部分は 5 カラム分左に移動する。この時,新たに表示された部分にデータは表示されない。
レポートの位置が決まったら DESELECT コマンドを入力する。このコマンドを入力すると,レポートは新しい位置に移動する。また,このコマンドを入力する前に別の SELECT コマンドを入力すると,それまでの MOVE 操作は確定され,レポートは新しい位置に移動する。
Command> SELECT CLUSTER Command> MOVE RIGHT 10 Command> DESELECT |
この例の各コマンドの意味は次のとおりです。
詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SELECT, SET FUNCTION,および DESELECT の各コマンドの説明を参照してください。
作業が終了したら,次のコマンドを入力して矢印キーの設定を元に戻しておきます。
Command> SET FUNCTION EDIT |
SCROLL コマンドを使用すると,カラム・ヘッダを表示したままレポートをスクロールさせることができます。このコマンドにより,レポートをフィールド単位で水平方向に移動したり,行単位で垂直方向に移動することができます。垂直方向にスクロールする場合,カラム・ヘッダは固定されたままになります。
画面に複数のレポートが表示されている場合は,最初に SELECT コマンドを入力してスクロール対象のレポートを選択する必要があります。選択されたレポートは強調表示されます。
レポートをスクロールするためには,次のいずれかの方法を使用します。
Command> SET FUNCTION SCROLL |
このコマンドにより,矢印キーは次のように再定義される。
矢印キー | 対応するコマンド |
---|---|
上向き矢印 | SCROLL UP 1 |
下向き矢印 | SCROLL DOWN 1 |
右向き矢印 | SCROLL RIGHT 1 |
左向き矢印 | SCROLL LEFT 1 |
Command> SELECT SCS Command> SET FUNCTION SCROLL |
この例では,まず SCS レポートを選択して強調表示し,次に矢印キーをスクロール機能に設定します。詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SET FUNCTION コマンドおよび SCROLL コマンドの説明を参照してください。
作業が終了したら,次のコマンドを入力して矢印キーの設定を元に戻しておきます。
Command> SET FUNCTION EDIT |
22.3.6 SHOW CLUSTER スタートアップ初期化ファイルの作成
スタートアップ初期化ファイルを作成して, SHOW CLUSTER の表示内容をカスタマイズすることができます。 SHOW CLUSTER を起動すると,最初にこのファイルが実行されます。 SHOW CLUSTER ユーティリティは元の省略時の表示内容から,このファイルの指定に従ってクラスおよびフィールドを追加または削除します。この結果の表示形式が,ユーザの表示形式になります。スタートアップ初期化ファイルの書式は次のとおりです。
! !Startup Initialization File ! ! INITIALIZE REMOVE MEMBERS ADD RP_REVISION,RP_TYPE,SYS_ID SET SCREEN=132 |
このスタートアップ・プロシージャ (スタートアップ初期化ファイル) を使用すると, SHOW CLUSTER は省略時の表示内容から MEMBERS の情報を削除ます。さらに,CIRCUITS クラスの RP_REVISION フィールドと RP_TYPE フィールド,および SYSTEMS クラスの SYS_ID フィールドを追加します。このプロシージャの最後の行により,画面の幅が 132 カラムに設定されます。
DEFINE SHOW_CLUSTER$INIT DEVA:[JONES]SHCINI |
SHOW CLUSTER はその起動時に SHOW_CLUSTER$INIT で定義されたファイルを検索する。この例では,SHOW CLUSTER は起動時に DEVA:[JONES]SHCINI.INI を探す。初期化ファイルが見つかると, SHOW CLUSTER は表示を開始する前にプロシージャを実行する。
SHOW_CLUSTER$INIT が定義されていない場合,または定義にディレクトリ指定が含まれていない場合は,SHOW CLUSTER は現在の省略時のディレクトリで SHOW_CLUSTER.INI と名付けられたファイルを探す。
Command> SAVE SHOW_CLUSTER$INIT.INI |
SHOW_CLUSTER$INIT.INI は必ず指定する。このファイル名を省略すると, SAVE コマンドは省略時の設定で .COM ファイルを作成するので, SHOW CLUSTER ユーティリティは初期化ファイルを見つけることができない。 SHOW CLUSTER ユーティリティは,初期化ファイルの検索時にタイプが .INI のファイルを探す。
SAVE コマンドによって作成されたファイルにコメントを加えて読みやすくすることができます。詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SAVE コマンドの説明を参照してください。
SHOW CLUSTER ユーティリティを使用しないで,コマンド・プロシージャを作成するのと同じ方法で,初期化ファイルを作成することができます。その手順を次の項で説明します。
22.3.7 SHOW CLUSTER ユーティリティのコマンドを含むコマンド・プロシージャの使用
SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成することができます。そのようなファイルを使用すれば,会話形式でコマンドを入力しないで表示特性を変更することができます。 SHOW CLUSTER ユーティリティの連続表示セッション中にこのコマンド・プロシージャを使用して,たとえば出力をカスタマイズするための一連のコマンドを実行することができます。
次に,SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成するためのガイドラインを示します。
コマンド・プロシージャに EXIT コマンドを記述しないでください。プロシージャの最後にも記述することはできません。 EXIT コマンドがあると SHOW CLUSTER ユーティリティは終了し,レポートの内容を見る前にその内容が消去されます。 また,SHOW CLUSTER のコマンド・プロシージャをバッチ・ジョブから実行しないでください。 |
次に,レポートの表示項目をカスタマイズするコマンド・プロシージャの例を示します。
! ! Include only the node field from the default display; show votes ! and quorum for each node and for the cluster as a whole. ! INITIALIZE REMOVE SOFTWARE,STATUS ADD VOTES,QUORUM,CL_VOTES,CL_QUORUM |
このコマンド・プロシージャは,レポートから SOFTWARE フィールドと STATUS フィールドとを削除し,クラスタのクォーラムおよびボートに関する情報を示すフィールドを追加します。
SHOW CLUSTER の連続表示セッション中にコマンド・プロシージャを実行する場合は,プロシージャ実行コマンド(@) とともにプロシージャのファイル名を指定します。コマンド・プロシージャの省略時のファイル・タイプは .COM です。
SYSMOD.COM という名前のコマンド・プロシージャを実行します。
Command> @SYSMOD |
この例ではファイル・タイプが省略されているため,ファイル・タイプ .COM が使用されます。
コマンド・プロシージャの作成についての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SAVE コマンドの説明を参照してください。
22.4 SYSMAN ユーティリティと OpenVMS Cluster 管理について
SYSMAN では,次の 2 種類の方法で OpenVMS Cluster 管理をサポートしています。
SYSMAN のコマンドを使用するためには,適切な特権が必要になります。各コマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
22.5 システム管理ユーティリティ (SYSMAN) による機密保護の管理
システム管理ユーティリティ (SYSMAN) の CONFIGURATION コマンドにより, OpenVMS Cluster システムの機密保護データを管理することができます。 表 22-4 に CONFIGURATION 関連のコマンドとそれらの機能をまとめます。
コマンド | 機能 |
---|---|
CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION | ローカル・エリア・クラスタのグループ番号とパスワードを変更する。 |
CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION | ローカル・エリア・クラスタのグループ番号とマルチキャスト・アドレスを表示する。 |
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