前へ | 次へ | 目次 | 索引 |
LAN MOP へ移行するには,次の手順を実行します。
MCR LANCP DEFINE DEVICE/UPDATE |
MCR LANCP DEFINE DEVICE 装置名/MOPDLL=ENABLE |
DECnet MOP に永久的に戻すには,次の手順に従ってください。
MCR LANCP SET DEVICE 装置名/MOPDLL=DISABLE |
MCR LANCP DEFINE DEVICE 装置名/MOPDLL=DISABLE |
LAN MOP でのブート時に追加したノードは,ダウンライン・ロードのターゲットとして DECnet ノード・データベースには入力されず, DECnet MOP に戻った時に更新する必要があります。 |
サテライトの LAN MOP ブートを行う上で, LANCP を簡単に使用できることを目的として,クラスタ管理コマンド・プロシージャが提供されています。このコマンド・プロシージャが CLUSTER_CONFIG_LAN.COM で,SYS$MANAGER 内にあり, OpenVMS Cluster システムの構成および再構成を行うためにクラスタ管理者が使用する CLUSTER_CONFIG.COM と,まったく同じ目的を持ちます。この 2 つのプロシージャは同じ機能を実行しますが, CLUSTER_CONFIG.COM がダウンライン・ロードに DECnet MOP を使用するのに対して, CLUSTER_CONFIG_LAN.COM は LAN MOP を使用して,DECnet を使用しません。このため,新たなノードを追加した場合,CLUSTER_CONFIG_LAN.COM がノードの DECnet ノード名とアドレスを求めることはありません。代わりに,SCS ノード名と SCS ノード ID 番号を求めます。
便宜上,CLUSTER_CONFIG.COM をこれまで通り実行することもできます。 CLUSTER_CONFIG.COM を実行すると, LANACP の MOP ブートが実行されているかどうかをチェックします。また,DECnet が実行されているかどうかについてもチェックします。 LANACP が実行されていて,DECnet が実行されていない場合, CLUSTER_CONFIG.COM は CLUSTER_CONFIG_LAN.COM にディスパッチします。また,CLUSTER_CONFIG.COM が, LANACP と DECnet の両方とも実行されていることを検出すると, LAN MOP が使用されているかどうか,および CLUSTER_CONFIG_LAN.COM をユーザに対して呼び出すかどうかについて,ユーザに問い合わせてきます。
24.8.4 サテライト・ロードのサンプル
MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可し,ノード ZAPNOT を定義するための, LANCP ユーティリティに対するコマンドの実行方法を次に示します。
set acp/opcom set device eza0/mopdll=enable set node ZAPNOT/addr=08-00-2B-33-FB-F2/file=APB.EXE- /root=$64$DIA24:<SYS11.>/boot=Alpha |
次に,LANACP LAN サーバ・プロセスを起動したときに表示される OPCOM メッセージを示します。
%%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:47:35.18 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP Downline Load Service Found LAN device EZA0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1C %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:47:35.25 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP Downline Load Service Found LAN device EZB0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1D %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:47:54.80 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP V3 Downline Load Service Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT Requested file: $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:48:02.38 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP V3 Downline Load Service Load succeeded for ZAPNOT on EZA0 System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE (Alpha image) |
LAN$ACP.LOG ファイルの内容を次に示します。
10-JAN-2001 06:47:35.02 Found LAN device EZA0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1C 10-JAN-2001 06:47:35.18 Found LAN device EZB0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1D 10-JAN-2001 06:47:35.25 LANACP initialization complete 10-JAN-2001 06:47:45.39 Enabled LAN device EZA0 for MOP downline load service in exclusive mode 10-JAN-2001 06:47:54.70 Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT Requested file: $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE 10-JAN-2001 06:48:02.23 Load succeeded for ZAPNOT on EZA0 MOP V3 format, System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE Packets: 2063 sent, 2063 received Bytes: 519416 sent, 4126 received, 507038 loaded Elapsed time: 00:00:07.42, 68276 bytes/second |
LAN の機能拡張によって, OpenVMS Cluster システム内でのクロス・アーキテクチャ・ブートが可能になりました。 VAX ブート・ノードは,Alpha サテライトに対してブート・サービスを提供することができ, Alpha ブート・ノードは VAX サテライトに対してブート・サービスを提供することができます。なお,各アーキテクチャとも,インストールおよび更新に使用するシステム・ディスクを持つ必要があることに注意してください。
24.9 LAN MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理
LANACP LAN サーバ・プロセスは, LAN 運用時ノード・データベースおよびデバイス・データベースを保守します。 LANCP ユーティリティには,次の機能を持つコマンドが用意されています。
カウンタおよび状態情報は,ノードおよび装置ごとに保守されます。カウンタ情報には,送受信されたバイトおよびパケット数,送信エラー,プロトコル違反やタイムアウトなどの論理エラー,ロード要求数が含まれます。状態情報には,最終ロード時刻および最終ロード状態が含まれます。
24.9.1 MOP ダウンライン・ロード・サービスの許可
MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可するには,次の形式で SET DEVICE コマンドを入力します。
SET DEVICE 装置名/DLL=ENABLE |
このコマンドでは,装置名パラメータで LAN コントローラの装置名を指定します。
このコマンドについての詳細は, 第 24.6.2 項 を参照してください。
24.9.2 MOP ダウンライン・ロード・サービスの禁止
MOP ダウンライン・ロード・サービスを禁止するには,次の形式で SET DEVICE コマンドを入力します。
SET DEVICE 装置名/DLL=DISABLE |
このコマンドでは,装置名パラメータで LAN コントローラの装置名を指定します。
このコマンドについての詳細は, 第 24.6.2 項 を参照してください。
24.9.3 状態データとカウンタ・データの表示
MOP ダウンライン・ロード状態を表示するには,次の形式で SHOW DLL コマンドを入力します。
SHOW DLL |
次の例は,特定のノードについてのカウンタ情報を示しています。
LAN MOP DLL Status: EXA enabled in exclusive mode for known nodes only, data size 1482 bytes FXA disabled #Loads Packets Bytes Last load time Last loaded ------ ------- ----- -------------------- ----------------- EXA 5 1675 4400620 10-JAN-2001 10:27.51 GALAXY FXA 0 0 0 |
このノードには EXA (DEMNA) および FXA (DEMFA) という 2 つの LAN 装置があります。 MOP ダウンライン・ロード・サービスは,EXA 上で排他的モードで許可されます。
LANACP ノード・データベースで定義されているノードに限って,要求が応答されます。ロード・メッセージ内のイメージ・データのサイズは 1482 バイトです。 5 つのダウンライン・ロードがあり,最後のダウンライン・ロードは,ノード GALAXY 上で 10:27 に起こりました。最終的に,FXA に対してダウンライン・ロードは記録されません。これは,ダウンライン・ロード・サービスが現在禁止されているためです。
LAN$ACP.LOG ファイルに記録されている最新のダウンライン・ロード処理を表示するには,次の形式で SHOW LOG コマンドを入力します。
SHOW LOG |
LAN パーマネント・ノード・データベース内のノードについて, MOP ダウンライン・ロード情報を表示するには,次の形式で LIST NODE コマンドを入力します。
LIST NODE ノード名 [/修飾子,...] |
LAN 運用時ノード・データベース内のノードについて, MOP ダウンライン・ロード状態とカウンタ情報を表示するには,次の形式で SHOW NODE コマンドを入力します。
SHOW NODE ノード名 [/修飾子,...] |
表 24-12 に, LIST NODE および SHOW NODE コマンド修飾子について簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ALL | データベース内の全ノードについて情報を表示する。 |
/OUTPUT=
ファイル名 |
指定されたファイルに対して,出力が行われることを指示する。ファイル名拡張子が .com である場合,出力は, DEFINE NODE または SET NODE コマンドのリスト形式になる。作成されたコマンド・ファイルは,LAN ノード・データベースを作成するのに使用できる。 |
/TOTAL (SHOW NODE コマンドのみ) | カウンタ合計だけを表示する。 |
次の例は,3 つのノード (GALAXY,ZAPNOT,CALPAL) が定義されているローカル・ノードで発行されたコマンドからの出力を示します。 CALPAL は 2 つのロード要求を出しています。
Node Listing: GALAXY (08-00-2B-2C-51-28): MOP DLL: Load file: APB.EXE Load root: $64$DIA24:<SYS11.> Boot type: Alpha satellite ZAPNOT (08-00-2B-18-7E-33): MOP DLL: Load file: NISCS_LOAD.EXE Load root: LAVC$SYSDEVICE:<SYS10.> Boot type: VAX satellite CALPAL (08-00-2B-08-9F-4C): MOP DLL: Load file: READ_ADDR.SYS Last file: LAN$DLL:APB_X5WN.SYS Boot type: Other 2 loads requested, 1 volunteered 1 succeeded, 0 failed Last request was for a system image, in MOP V4 format Last load initiated 10-jan-2001 09:11:17 on EXA0 for 00:00:06.65 527665 bytes, 4161 packets, 0 transmit failures Unnamed (00-00-00-00-00-00): Totals: Requests received 2 Requests volunteered 1 Successful loads 1 Failed loads 0 Packets sent 2080 Packets received 2081 Bytes sent 523481 Bytes received 4184 Last load CALPAL at 10-jan-2001 09:11:17.29 |
全ノードおよび装置で MOP ダウンライン・ロード・カウンタをクリアするには,次の形式で CLEAR DLL コマンドを入力します。
CLEAR DLL |
省略時の設定では,OPCOM メッセージが許可されています。メッセージは,装置状態が変化したとき,ロード要求を受信したとき,およびロードが完了したとき,LANACP LAN サーバ・プロセスによって生成されます。これらのメッセージは,オペレータのコンソールに表示され, LANACP によって作成されるログ・ファイル SYS$MANAGER:LAN$ACP.LOG に書き込まれます。
OPCOM メッセージを許可するには,次の形式で SET ACP/OPCOM コマンドを入力します。
SET ACP/OPCOM |
ロード要求について LANACP LAN サーバ・プロセスが出力するエラー・データでは,ロードの失敗の理由が十分に判断できない場合,サーバ・プロセスに対して,トレース・データの記録を指示することができます。データは,サーバによって行われる送受信ごとの,送受信パケット情報で構成され,ロードのたびにログ・ファイルに書き込まれます。ログ・ファイル名は SYS$MANAGER:LAN$nodename.LOG です。全パケット・データ,または各パケットの先頭の 32 バイトだけ,のいずれかを記録できます。
一般的なロードの流れを次に示します。
クラスタ・サテライト・ロードの場合,最後の Memory Load メッセージには,クラスタ・パラメータが含まれます。このメッセージ,および最後の Load with Transfer Address メッセージは,部分的なトレース・エコーだけが許可されている場合であっても,すべて表示されます。
パケット・データの部分トレースを許可するには,次の形式で SET ACP/ECHO コマンドを入力します。
SET ACP/ECHO |
パケット・データの完全トレースを許可するには,/FULL 修飾子を追加します。
SET ACP/ECHO/FULL |
コンソール・キャリアは, MOP コンソール・キャリア・プロトコルを使用して管理インタフェースを実現している,ターミナル・サーバなどの LAN 装置に接続するメカニズムを備えています。 LANCP ユーティリティは,この機能を CONNECT NODE コマンドの形式で提供します。
コマンド形式は次のとおりです。
CONNECT NODE ノード指定 [/修飾子,...] |
表 24-13 に, CONNECT NODE コマンド修飾子について,簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/DEVICE= 装置名 | 接続に使用する LAN コントローラの装置名を指定する。 |
/DISCONNECT= 切断文字 | 遠隔ノードとの接続終了に使用できる文字を指定する。 |
/PASSWORD=16 桁の 16 進数 | 接続を開始するときに使用されるパスワードを指定する。 |
/V3 または /V4 | それぞれ MOP バージョン 3 またはバージョン 4 で書式化されたメッセージを使用して接続を行うように指定する。 |
CONNECT NODE GALAXY/DEVICE=EWA0 |
このコマンドは,イーサネットの装置 EWA0 を使用して,ノード GALAXY へのコンソール・キャリア接続を試みる。
CONNECT NODE 08-00-2B-11-22-33/DEVICE=EWA0/PASSWORD=0123456789ABCDEF |
このコマンドは,イーサネット・デバイス EWA0 を使用し,パスワードを指定して,任意のノード・アドレスへのコンソール・キャリア接続を試みる。
前へ | 次へ | 目次 | 索引 |