OpenVMS
システム管理者マニュアル


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  1. LANCP> SET DEVICE/CONTENDER/MEDIA=UTP/NOEARLY/SOURCE ICA0
    


    このコマンドで,モニタのコンテンション,UTP ケーブル・メディア,ソース・ルーティングが使用可能になり,トークン・リング・デバイス ICA0 の Early Token Release が使用不能になる。


  2. LANCP> SET DEVICE/MEDIA=TWIST EWB0
    


    このコマンドは,媒体のタイプを 2 番目の Tulip イーサネット・デバイスのツイストペアに設定する。


  3. LANCP> SET DEVICE/ALL/MIN_BUFFERS=12
    


    このコマンドは,全 LAN 装置の受信バッファ数を 12 以上に設定する。


  4. LANCP> DEFINE DEVICE EXA0/MOPDLL=(ENABLE,EXCLUSIVE)
    


    このコマンドは LAN 装置 EXA0 を定義して,排他的モードで LANACP MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可する。 KNOWNCLIENTSONLY および SIZE 特性の設定値は変更されない。デバイス・エントリが LAN パーマネント・デバイス・データベースに現在存在しない場合には,この設定値が省略時の値に設定される。


  5. LANCP> DEFINE DEVICE/ALL/MOPDLL=NOEXCLUSIVE
    


    このコマンドは,LAN パーマネント・デバイス・データベースに定義されている全装置に対して,非排他的モードの LANACP MOP ダウンライン・ロード・サービスを設定する。


  6. LANCP> SET DEVICE EXA0/MOPDLL=(ENABLE,NOEXCLUSIVE)
    LANCP> SET DEVICE FXA0/MOPDLL=(ENABLE,EXCL,KNOWN)
    


    このコマンドは次の状態の LANACP MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可する。

24.6 LAN デバイス・データベースの管理

LAN の運用時およびパーマネント・デバイス・データベースには,システムに存在する LAN 装置ごとに 1 つのエントリがあります。 LAN 運用時デバイス・データベースの各エントリは,装置情報および MOP ダウンライン・ロード・カウンタ情報を含みます。 LAN パーマネント・デバイス・データベースの各エントリに含まれる装置情報は, LANACP LAN サーバ・プロセスの起動時に運用時データベースを作成するのに使用されます。

通常,各データベースは同じ装置を含んでいます。ただし,パーマネント・データベースには,システムにまだ構成されていない,またはインストールされていない装置のエントリが含まれる場合があります。 LANACP LAN サーバ・プロセスは,運用時デバイス・データベースを管理します。 LANCP ユーティリティは,パーマネント・デバイス・データベースを管理します。どちらのデータベースも LANCP ユーティリティ・コマンドで操作できますが,次に示すように,操作できる内容はユーザ特権によって異なります。

以降の各項では,LAN パーマネント・デバイス・データベースおよび運用時デバイス・データベースへの装置の入力と削除の方法,および MOP ダウンライン・ロード・サービスの許可と禁止の設定方法について説明します。

24.6.1 LAN デバイス・データベース内の装置の表示

LAN パーマネント・デバイス・データベースの情報を表示するには, LIST DEVICE コマンドを次の形式で入力します。


LIST DEVICE 装置名 [/修飾子,...] 

LAN 運用時デバイス・データベースの情報を表示するには, SHOW DEVICE コマンドを次の形式で入力します。


SHOW DEVICE 装置名 [/修飾子,...] 

表 24-10 に, LIST DEVICE 修飾子と SHOW DEVICE 修飾子について簡単に説明します。

表 24-10 LIST DEVICE および SHOW DEVICE コマンド修飾子
修飾子 説明
/ALL 装置名が一致するすべての装置をリスト,または表示します。
/CHARACTERISTICS /PARAMETER 修飾子と同じ。
/COUNTERS+ デバイス・カウンタを表示する。
/DLL ダウンライン・ロード特性をリスト,または表示します。
/MAP 機能アドレス・マッピング・テーブルの現在の構成を表示する。
/MOPDLL DLL と同じ。
/PARAMETERS 装置についての状態および関連情報を表示する。
/OUTPUT= ファイル名 指定されたファイルを作成し,そのファイルに出力する。
/REVISION+ アダプタの現在のファームウェア・リビジョンを表示する (可能な場合)。
/SR_ENTRY 現在のソース・ルーティング・キャッシュ・テーブルの内容を表示する。


+SHOW DEVICE のみ

注意

修飾子を指定しなければ,一致する装置が追加情報を伴わずに表示されます。

24.6.2 LAN デバイス・データベースへの装置の入力

LAN パーマネント・デバイス・データベースに装置を入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で DEFINE DEVICE コマンドを入力します。


DEFINE DEVICE 装置名 [/修飾子,...] 

LAN 運用時デバイス・データベースに装置を入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で SET DEVICE コマンドを入力します。


SET DEVICE 装置名 [/修飾子,...] 

24.6.3 LAN デバイス・データベースからの装置の削除

LAN パーマネント・デバイス・データベースから装置を削除するには,次の形式で PURGE DEVICE コマンドを入力します。


PURGE DEVICE 装置名 [/ALL] 

LAN 運用時デバイス・データベースから装置を削除するには,次の形式で CLEAR DEVICE コマンドを入力します。


CLEAR DEVICE 装置名 [/ALL] 

PURGE DEVICE コマンドと CLEAR DEVICE コマンドの場合, /ALL 修飾子を指定すると,LAN パーマネント・デバイス・データベース内のすべての LAN 装置が削除されます。



  1. LANCP> PURGE DEVICE/ALL
    


    このコマンドは,LAN パーマネント・デバイス・データベースから全装置を削除します。


  2. LANCP> CLEAR DEVICE EXA0
    


    このコマンドは,LAN 運用時デバイス・データベースから装置 EXA0 を削除します。

24.7 LAN ノード・データベースの管理

LAN 運用時ノード・データベースおよびパーマネント・ノード・データベースには,定義された各 LAN ノードに対して 1 つのエントリがあります。 LAN 運用時ノード・データベースの各エントリは,ノード情報と MOP ダウンライン・ロード・カウンタ情報を含みます。 LAN パーマネント・ノード・データベースの各エントリに含まれるノード情報は, LANACP LAN サーバ・プロセスの開始時に,運用時データベースを作成するのに使用されます。

通常,各データベースは同じノードを含んでいます。 LANACP LAN サーバ・プロセスは運用時ノード・データベースを管理します。 LANCP ユーティリティはパーマネント・ノード・データベースを管理します。どちらのデータベースも LANCP ユーティリティ・コマンドで操作できます。ただし次に示すように,操作できる内容はユーザ特権によって異なります。

以降の各項では,LAN パーマネント・ノード・データベースおよび運用時ノード・データベースへのノードの入力と削除の方法について説明します。

24.7.1 LAN ノード・データベース内のノードの表示

LAN パーマネント・ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式で LIST NODE コマンドを入力します。


LIST NODE ノード名 [/ALL] 

LAN 運用時ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式で SHOW NODE コマンドを入力します。


SHOW NODE ノード名 [/ALL] 

LIST NODE コマンドと SHOW NODE コマンドの場合,/ALL 修飾子を指定すると, LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全ノードの情報が表示されます。

24.7.2 LAN ノード・データベースへのノードの入力

LAN パーマネント・ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で DEFINE NODE コマンドを入力します。


DEFINE NODE ノード名 [/修飾子,...] 

LAN 運用時ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で SET NODE コマンドを入力します。


SET NODE ノード名 [/修飾子,...] 

表 24-11 で, DEFINE NODE および SET NODE コマンド修飾子について簡単に説明します。

表 24-11 DEFINE NODE および SET NODE コマンド修飾子
修飾子 説明
/ADDRESS= ノード・アドレス LAN アドレスをノード名に対応付ける。
/ALL LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全ノードに対してデータを定義する。
/BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE| ALPHA_SATELLITE|OTHER ダウンライン・ロード要求に必要な処理のタイプを指定する。
/FILE= ファイル指定 ダウンライン・ロード要求にファイル名が含まれない場合,提供するファイル名を指定する。
/PERMANENT_DATABASE
(SET コマンドのみ)
LAN 運用時ノード・データベース内のノード・エントリを,パーマネント・データベースに現在設定されているデータで更新する。
/ROOT= ディレクトリ指定 ファイル名に関連するディレクトリ指定を指定する。
/SIZE= 各ダウンライン・ロード・メッセージのファイル・データ部分のサイズをバイト数で指定する。
/V3 このノードからの MOP バージョン 3 のブート要求に限って応答することを,サーバに対して設定する。
/VOLATILE_DATABASE
(DEFINE コマンドのみ)
LAN パーマネント・ノード・データベース内のノード・エントリを,運用時データベースに現在設定されているデータで更新する。



  1. DEFINE NODE GALAXY/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - 
                      /FILE=NISCS_LOAD.EXE - 
                      /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> - 
                      /BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE
    


    このコマンドは,LAN パーマネント・ノード・データベース内のノード GALAXY を, OpenVMS Cluster システムの VAX サテライトとしてブートすることを設定する。
    NISCS_LOAD.EXE ファイルは実際には
    $64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSLIB>にある。
    <SYSCOMMON.SYSLIB> は LANACP LAN サーバ・プロセスによって提供され,ルート定義には含まれない。


  2. DEFINE NODE ZAPNOT/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - 
                      /FILE=APB.EXE - 
                      /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> - 
                      /BOOT_TYPE=ALPHA_SATELLITE
    


    このコマンドは,ノード ZAPNOT を OpenVMS Cluster システムの Alpha サテライトとしてブートすることを設定する。
    APB.EXE ファイルは実際には $64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSEXE>にある。 <SYSCOMMON.SYSEXE> は LANACP LAN サーバ・プロセスによって提供され,ルート定義には含まれない。


  3. SET NODE CALPAL/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - 
                  /FILE=APB_061.EXE
    


    このコマンドは,ノード CALPAL を,InfoServer イメージのブート用に設定する。また,ノード CALPAL から受信したロード要求にファイル名がない場合,ロードされるファイルを定義する。
    ファイルにディレクトリ指定が含まれないため,論理名 LAN$DLL でファイルの位置が定義される。ファイル名の使用,または /ROOT 修飾子の使用によって,ディレクトリ指定を指定することができる。
    ブート・コマンドの中で明示的にファイル名を指定すると,ノード・データベース・エントリに指定されるファイル名が上書きされることに注意。

24.7.3 LAN ノード・データベースからのノードの削除

LAN パーマネント・ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式で PURGE NODE コマンドを入力します。


PURGE NODE ノード名 [/ALL] 

LAN 運用時ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式で CLEAR NODE コマンドを入力します。


CLEAR NODE ノード名 [/ALL] 

PURGE NODE コマンドと CLEAR NODE コマンドの場合,/ALL 修飾子を指定すると, LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全 LAN ノードを削除します。

24.8 LAN MOP

LANCP および LANACP では,数多くのユーティリティとスタートアップ・コマンド・ファイルを備えており, MOP ダウンライン・ロード・サービスに必要な機能を実現します。これらのユーティリティとファイルは,クラスタ・サテライト,ターミナル・サーバ,コンソール更新イメージやシステム・ソフトウェア更新イメージ (Inforserver ロードの場合) などの,特殊イメージのダウンライン・ロードを求めるシステムをロードします。

24.8.1 DECnet MOP との共存

LAN MOP 環境は,DECnet で提供される機能に類似した機能を実現します。この結果,システム管理者は, DECnet MOP と LAN MOP のいずれかの機能を選択できます。 OpenVMS Cluster システムの場合,LAN MOP を選択すると, DECnet を使用せずにクラスタを操作することができます。

LAN MOP は,次の状態で DECnet MOP と共存できます。


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