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SPAWN コマンドを使用すると,現在のプロセスのサブプロセスを作成できます。 SPAWN コマンドは,サブプロセスのコンテキストを現在のプロセスからコピーします。これにより,LANCP を一時的に終了しても,再開時に LANCP を再起動する必要はありません。
SPAWN コマンドの形式は次のとおりです。
SPAWN [コマンド文字列] |
LANCP ユーティリティを設定して, LANCP 内でコマンド・ファイルからコマンドを実行できます。 LANCP ユーティリティは,コマンド・ファイルを頭に @ の付くファイル名として認識します。省略時のファイル名の拡張子は .COM です。
24.5 LAN 装置の管理
LAN 装置の管理には,装置の特性の表示と,デバイス・パラメータの設定が含まれます。 LANCP ユーティリティを使用して, 表 24-7 に示す LAN 装置のタイプに対してパラメータを設定することができます。
LAN | 装置例 | 説明 |
---|---|---|
イーサネット | DE425, DE434, DE435, DE436, DE500, DECchip 21040, DEMNA | 媒体のタイプ (接続ケーブルのタイプ) および接続速度 (イーサネットまたは FastEthernet) の選択を可能にする。
全二重操作 (同様の装置間または装置とスイッチ間のポイント・ツー・ポイント操作) を可能にする。 |
FDDI | DEFTA, DEFPA, DEFAA, DEFEA, DEMFA | 全二重操作を可能にする。 |
トークン・リング++ | DETRA, DW300, DW110, TC4048 | トークン・リング・パラメータの設定,およびソース・ルーティングと機能アドレス・マッピングの定義を可能にする。 |
全タイプ | 任意 | 受信バッファ数などの汎用パラメータの設定を可能にする。 |
ATM++ | DGLTA, DGLPA, DGLPB, DAPBA, DAPCA | Emulated LAN (ELAN) パラメータの設定を可能にする。 |
システム上の LAN 装置を表示するには,次の形式で SHOW CONFIGURATION コマンドを入力します。
SHOW CONFIGURATION |
LANCP> SHOW CONFIGURATION LAN Configuration: Device Medium Default LAN Address Version ------ ------ ------------------- ------- EWA0 CSMA/CD 08-00-2B-E4-00-BF 02000023 EWB0 CSMA/CD 08-00-2B-92-A4-0D 02000023 IRA0 Token Ring 00-00-93-58-5D-32 20000223 |
この例は,3 つの LAN 装置,つまり,2 つの DE435 と 1 つの DETRA を持つノードで SHOW CONFIGURATION コマンドを入力したときの出力を示します。
バージョンは,装置固有の実際のバージョンを示します。この例では,PCI バスの 2 つの装置で,実際のバージョンは下位バイトに示されています (DE435 アダプタでは 2.3)。読み取り可能なバージョンを持たない装置は,バージョン・ゼロと示されます。
装置の特定ハードウェアまたはファームウェアで返されるバージョンの相互関係を調べるには,装置付属のマニュアルを参照してください。
24.5.2 デバイス特性の表示
(運用時デバイス・データベース内の) LAN 装置についての情報を表示するには,次の形式で SHOW DEVICE コマンドを入力します。
SHOW DEVICE 装置名 [/修飾子,...] |
表 24-8 に, SHOW DEVICE コマンドの修飾子を簡単に説明します。
修飾子を指定しなければ,ユーティリティは情報を追加せずに一致する装置を表示します。 |
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ALL | 装置名が一致するすべての装置を表示する。 |
/CHARACTERISTICS | /PARAMETERS 修飾子と同じ。 |
/DLL | ダウンライン・ロード特性を表示する。 |
/COUNTERS | デバイス・カウンタを表示する。 |
/INTERNAL_COUNTERS | 内部カウンタを表示する。省略時の設定では,ゼロ・カウンタは表示しない。ゼロ・カウンタを含むすべてのカウンタを表示するには,追加の修飾子 /ZERO を使用する。デバッグ・カウンタを表示するには,追加の修飾子 /DEBUG を使用する。 |
/MAP | 機能アドレス・マッピング・テーブルの現在の構成を表示する。 |
/MOPDLL | /DLL 修飾子と同じ。 |
/OUTPUT++ | 指定されたファイル名に出力する。 |
/PARAMETERS | 装置について状態と関連情報を表示する。 |
/REVISION | アダプタの現在のファームウェア・リビジョンを表示する (可能な場合)。 |
/SR_ENTRY | 現在のソース・ルーティング・キャッシュ・テーブルの内容を表示する。 |
/TRACE | LAN ドライバのトレース・データを表示する。 |
LANCP> SHOW DEVICE/COUNTERS EXA0 Device Counters EXA0: Value Counter ----- ------- 259225 Seconds since last zeroed 5890496 Data blocks received 4801439 Multicast blocks received 131074 Receive failure 764348985 Bytes received 543019961 Multicast bytes received 3 Data overrun 1533610 Data blocks sent 115568 Multicast packets transmitted 122578 Blocks sent, multiple collisions 86000 Blocks sent, single collision 189039 Blocks sent, initially deferred 198120720 Bytes sent 13232578 Multicast bytes transmitted 7274529 Send failure 0 Collision detect check failure 0 Unrecognized frame destination 0 System buffer unavailable 0 User buffer unavailable |
この SHOW DEVICE コマンドは,イーサネット・デバイス EXA0 のカウンタを表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/MAP ICA0 Multicast to Functional Address Mapping ICA0: Multicast address Functional Address Bit-Reversed ----------------- ------------------ ------------ 09-00-2B-00-00-04 03-00-00-00-02-00 C0:00:00:00:40:00 09-00-2B-00-00-05 03-00-00-00-01-00 C0:00:00:00:80:00 CF-00-00-00-00-00 03-00-00-08-00-00 C0:00:00:10:00:00 AB-00-00-01-00-00 03-00-02-00-00-00 C0:00:40:00:00:00 AB-00-00-02-00-00 03-00-04-00-00-00 C0:00:20:00:00:00 AB-00-00-03-00-00 03-00-08-00-00-00 C0:00:10:00:00:00 09-00-2B-02-00-00 03-00-08-00-00-00 C0:00:10:00:00:00 09-00-2B-02-01-0A 03-00-08-00-00-00 C0:00:10:00:00:00 AB-00-00-04-00-00 03-00-10-00-00-00 C0:00:08:00:00:00 09-00-2B-02-01-0B 03-00-10-00-00-00 C0:00:08:00:00:00 09-00-2B-00-00-07 03-00-20-00-00-00 C0:00:04:00:00:00 09-00-2B-00-00-0F 03-00-40-00-00-00 C0:00:02:00:00:00 09-00-2B-02-01-04 03-00-80-00-00-00 C0:00:01:00:00:00 09-00-2B-02-01-07 03-00-00-02-00-00 C0:00:00:40:00:00 09-00-2B-04-00-00 03-00-00-04-00-00 C0:00:00:20:00:00 09-00-2B-02-01-00 03-00-00-00-08-00 C0:00:00:00:10:00 09-00-2B-02-01-01 03-00-00-00-10-00 C0:00:00:00:08:00 09-00-2B-02-01-02 03-00-00-00-20-00 C0:00:00:00:04:00 03-00-00-00-00-01 03-00-00-00-00-01 C0:00:00:00:00:80 03-00-02-00-00-00 03-00-02-00-00-00 C0:00:40:00:00:00 |
この SHOW DEVICE コマンドは,トークン・リング・デバイス ICA0 のマッピング情報を表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/PARAM IRA0 Device Parameters IRA0: Value Parameter ----- --------- Normal Controller mode External Internal loopback mode 00-00-93-58-5D-32 Hardware LAN address Token Ring Communication medium Enabled Functional address mode No Full duplex enable No Full duplex operational 16 Line speed (megabits/second) 16 Mbps Ring speed STP Line media Enabled Early token release Disabled Monitor contender 200 SR cache entries 2 SR discovery timer 60 SR Aging Timer Enabled Source routing 3 Authorized access priority AA-00-04-00-92-FF Upstream neighbor 0 Ring number |
この SHOW DEVICE コマンドは,トークン・リング・デバイス IRA0 の状態とパラメータ情報を表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/REVISION FXA0 Device revision FXA0: 05140823 |
この SHOW DEVICE コマンドは FDDI 装置 FXA0 のリビジョン情報を表示する。
LANCP> SHOW DEVICE/SR_ENTRY ICA0 Source Routing Cache Table ICA0: LAN address State XmtTmo RcvTmo StaleTmo DiscvTmo ----------------- ----- -------- -------- -------- -------- AA-00-04-00-92-FF LOCAL 00000028 00000028 00000245 00000000 |
この SHOW DEVICE コマンドは,トークン・リング・デバイス ICA0 のソース・ルーティング・エントリ情報を表示する。
LAN 装置はすべて,パラメータの集まりで特徴付けられます。パラメータは,装置が接続されている媒体の LAN 装置の操作特性を定義します。
LAN 装置のパラメータを直接設定するには, LANCP> プロンプトで SET DEVICE コマンドを入力します。 LANCP ユーティリティは,LANACP サーバ・プロセスにこのコマンドを発行し, LANCP サーバ・プロセスは適切な QIO を発行してドライバ特性を設定します。
SET DEVICE コマンドの形式は次のとおりです。
SET DEVICE 装置名 [/修飾子,...] |
表 24-9 に, LAN 装置に直接適用される SET DEVICE コマンドの修飾子を簡単に説明します。
修飾子 | 説明 | ||||||||
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/AGING_TIMER= 値 | ソース・ルーティング・キャッシュ・エントリが無効とされるまでの秒数を設定する。 | ||||||||
/ALL | 全 LAN 装置のデータを設定する。 | ||||||||
/ATMADDRESS=LES++ | ATM のための LAN エミュレーション・サーバ (LES) アドレスを設定する。通常このアドレスはユーザ指定のアドレスではなく,この修飾子も特定のアドレスが必要になった場合のみ使用する。省略時の設定では,アドレスは LES の構成サーバからソフトウェアにより決定される。
/ATMADDRESS=LES 修飾子は次の形式で使用する。
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/ATMADDRESS=ARP++ | ATM を介した Classical IP のためのアドレス解決プロトコル (ARP) サーバ・アドレスを設定する。ローカル・ホストが ARP サーバでない場合は, LIS を使用可能にする前にこの修飾子を指定する。
/ATMADDRESS=ARP 修飾子は次の形式で使用する。
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/AUTONEGOTIATE (省略時)
/NOAUTONEGOTIATE |
リンク設定を決定するための自動ネゴシエーションを使用可能または使用不可能にする。自動ネゴシエーションをサポートしていないスイッチまたはデバイスに接続される場合には,リンクの自動ネゴシエーションを使用不可能にしておく必要がある場合がある。 | ||||||||
/CACHE_ENTRIES = 値 | ソース・ルーティング・アドレス・エントリのキャッシュ用のエントリ数を設定する。 | ||||||||
/CLIP ++ | ATM (RFC1577) を介した Classical Internet Protocol (CLIP) を設定する。 CLIP 修飾子は,データ・リンク・レベルのデバイスを,論理 IP サブネット (LIS) のクライアントまたはサーバあるいはその両方としてインプリメントする。これにより,IP プロトコルが, ATM ネットワークを介してイーサネット・フレームを送信できるようになる。 /CLIP = ENABLE コマンドを使用すると,システムが LIS に参加できるようになる。 /CLIP = DISABLE コマンドを使用すると,クライアントは論理 IP サブネットではなくなる。
LIS ではサーバが必要になるが,サーバは 1 つのサブネットにつき 1 つだけになる。サブネット間の通信は,ルータ経由でのみ可能になる。クライアントは 1 つの ATM アダプタにつき 1 つだけ対応することになる。 /CLIP 修飾子の形式は,標準のインターネット・ドット表記法で次のようになる。
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/CLIP の形式の意味を次に示す。
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/CLIP のキーワードとその意味を次に示す。
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/CONTENDER
/NOCONTENDER |
トークン・リング・デバイスがリングに加わるときに,モニタ・コンテンション・プロセスに加わることを指定する。 /NOCONTENDER 修飾子は,このデバイスが現在のリング・サーバにチャレンジしないよう指定する。 | ||||||||
/DEVICE_SPECIFIC=
FUNCTION="xxxx", VALUE=n |
デバイス固有のパラメータを調整できるよう設定する。
次のリストは,コマンドとその意味を示す。 FUNCTION="CCOU"---すべてのデバイスとドライバ・コンテンツをクリアする。値が入力されても,無視される。 |
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/DISCOVERY_TIMER = 値 | ソース・ルーティング・ルート発見プロセスを実行しているときの,遠隔ノードからの応答待ち時間を秒数で設定する。 | ||||||||
/DLL= 許可オプション,排他オプション,サイズ・オプション,既知クライアント専用オプション | 装置に対して,MOP ダウンライン・ロード・サービス設定を提供する。
この修飾子で,次のものを指定できる。
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/EARLY | 装置上で Early Token Release を使用可能にする。 | ||||||||
/ELAN++ | LAN エミュレーションを設定する。 /ELAN 修飾子は,enable と disable のいずれかの値をとる。キーワード STARTUP とともに /ELAN=ENABLE を指定すると, LANACP が開始するときに LAN エミュレーションがロードされる。 /ELAN=DISABLE では,ENABLE の場合と同じパラメータを使用できる。 | ||||||||
/ELAN 修飾子は次の形式で使用する。
SET DEVICE/ELAN =(parent=parent device, /ELAN の形式の意味は次のとおり。
/ELAN で使用されるキーワードと意味は次のとおり。
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/FULL_DUPLEX
/NOFULL_DUPLEX |
LAN 装置の全二重操作を可能にする。この修飾子を使用することによる全二重操作の前に,追加の装置またはネットワーク・ハードウェアの設定が必要になる場合がある。装置によっては,省略時の設定で全二重操作が可能になっているものもある。設定を変更できない装置もある。
/NOFULL_DUPLEX 修飾子は,全二重操作を不可能にする。 |
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/JUMBO
/NOJUMBO (省略時) |
LAN 装置でのジャンボ・フレームの使用を可能にする。ギガビット・イーサネット NIC だけが,ジャンボ・フレームをサポートしている。 | ||||||||
/MAP=(MULTICAST_ADDRESS=アドレス,
FUNCTIONAL_ADDRESS=アドレス) |
機能アドレス・マッピング・エントリを定義する。 | ||||||||
/MAX_BUFFERS= 値 | LAN 装置に対して LAN ドライバが割り当てて使用する最大受信バッファ数を設定する。 | ||||||||
/MEDIA= 値 |
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/MIN_BUFFERS= 値 | LAN 装置に対して LAN ドライバが割り当てて使用する最小受信バッファ数を設定する。 | ||||||||
/PERMANENT_DATABASE (SET コマンドのみ) | LAN 運用時デバイス・データベースにある装置エントリを,パーマネント・データベースに現在設定してあるデータに更新する。 | ||||||||
/PVC(vci[,...])++ | パーマネント仮想サーキット (PVC)を定義する。これは省略可能な修飾子である。
PVC のリストは,CLIP クライアントでの使用のために定義される。このコマンドを使用した後で CLIP クライアントを有効にすること。 ATM スイッチでは,PVC は手動で設定する必要がある。 vci は, PVC の VCI (仮想サーキット ID) である。 |
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/NOPVC=(vci[,...])++ | パーマネント仮想サーキット (PVC) は設定しない。 | ||||||||
/RING_PURGER++ | FDDI 装置のリングのパージ処理を有効にする。 | ||||||||
/SOURCE_ROUTING++ | トークン・リング・デバイス上でのソース・ルーティングを可能にする。 | ||||||||
/SPEED= 値 | 複数の速度をサポートしている場合に,LAN の速度を設定する。 | ||||||||
/SR_ENTRY=(LAN_ADDRESS=
アドレス,
RI= ルーティング情報) |
特定のノードに対して,特定のソース経由のルートを静的に定義する。 | ||||||||
/TOKEN_ROTATION++ | FDDI リングに対して要求されたトークン・ローテーション時間を設定する。 | ||||||||
/TOKEN_TIMEOUT++ | FDDI リングに対して制限のあるトークン・タイムアウト時間を設定する。 | ||||||||
/TRANSMIT_TIMEOUT++ | FDDI 装置に対して有効な転送時間を設定する。 | ||||||||
/UPDATE++ | 現在,LAN デバイス・データベースのいずれにも入っていない LAN 装置を LAN デバイス・データベースに追加する。 DEFINE DEVICE コマンドはパーマネント・データベースに適用される。これに対して,SET DEVICE コマンドは運用時データベースに適用される。 | ||||||||
/VOLATILE_DATABASE (DEFINE コマンドのみ) | LAN パーマネント・デバイス・データベースにある装置エントリを,運用時データベースに現在設定してあるデータに更新する。 |
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