OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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6.4.5 GENFILES

GENFILESフェーズでは,新しいページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンブ・ファイルがシステムに作成されます。このフェーズでは,AUTOGENの処理に従ってファイル・サイズを変更します。

サイズの変更量が既存ファイル・サイズの 10 パーセント以内である場合, GENFILES はファイルに変更を施しません。 GENFILES の処理対象ファイルは,PAGEFILE.SYS,SWAPFILE.SYS, SYSDUMP.DMP をはじめ,現在インストールされているすべてのページ・ファイルとスワップ・ファイルです。詳細については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』のページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの管理に関する説明を参照してください。

GENFILES は,終了フェーズとしてだけ使用することができます。 GENFILES では,SYSPRV 特権が必要です。

6.4.6 SETPARAMS

SETPARAMS フェーズは,GENPARAMS フェーズで作成された SETPARAMS.DAT ファイルを入力として使用します。このフェーズの AUTOGEN は SYSMAN を実行し,省略時のパラメータ・ファイルに格納されているシステム・パラメータ値を更新します。

VAX システムの省略時のパラメータ・ファイルは,
SYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.PAR です。SYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.PAR に格納されている値は,現在のシステム・パラメータを
SYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.OLD ファイルに格納した後で更新されます。新しいパラメータ値は,SYS$SYSTEM:AUTOGEN.PAR にもセーブされます。

Alpha システムの省略時のパラメータ・ファイルは,
SYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR です。SYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR に格納されている値は,現在のシステム・パラメータを
SYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.OLD ファイルに格納した後で更新されます。新しいパラメータ値は,SYS$SYSTEM:AUTOGEN.PAR にもセーブされます。

SETPARAMS フェーズは,開始フェーズとしても終了フェーズとしても使用できます。 SETPARAMS では,SYSPRV と OPER の特権が必要です。

6.4.7 SHUTDOWN

SHUTDOWN は,システムをシャットダウンし,手作業による再ブートを待機します。SETPARAMS フェーズで出力された新しいシステム・パラメータ値を使用するには,SHUTDOWN または REBOOT を終了フェーズとして指定します。 DCL の DEFINE コマンドを実行して論理名 AGEN$SHUTDOWN_TIME を定義すれば,シャットダウンするまでの時間を分単位で指定することができます。

SHUTDOWN では,SETPRV 特権が必要です。

6.4.8 REBOOT

REBOOT は,システムを自動的にシャットダウンし再ブートすることによって,新しいパラメータ値をインストールします。 SETPARAMS フェーズで出力された新しいシステム・パラメータ値をインストールするには,SHUTDOWN または REBOOT を終了フェーズとして指定します。DCL の DEFINE コマンドを実行して論理名 AGEN$SHUTDOWN_TIME を定義すれば,シャットダウンするまでの時間を分単位で指定することができます。

REBOOTを実行するには,SETPRV特権が必要です。

6.4.9 HELP

HELPはAUTOGENに関するヘルプ情報を画面に表示します。HELPフェーズは監視フェーズ・コマンド行パラメータとしてのみ使用できます。監視フェーズに対して HELPを指定した場合には,終了フェーズと実行モード・パラメータは無視されます。

6.5 実行モード

実行モードは,AUTOGENがフィードバックを使用する方法を制御するために, AUTOGENの起動時に指定します。 表 6-4 は実行モード・オプションの一覧を示しています。

表 6-4 AUTOGEN 実行モード
オプション 説明
FEEDBACK AUTOGEN をフィードバック・モードで実行し,SAVPARAMS フェーズで収集された動的なフィードバックをもとに計算を行うことを指定する。
NOFEEDBACK フィードバックを使用しないで計算することを指定する。SAVPARAMS フェーズからのフィードバックは無視される。 NOFEEDBACK モードは,システムのインストール時やアップグレード時に使用する。オペレーティング・システムの以前のバージョンにおける実行モード・オプション INITIAL に相当する。
CHECK_FEEDBACK フィードバックが正しい内容である場合,フィードバックをもとに計算することを指定する。フィードバックの内容がまちがっている恐れがある場合,フィードバックは使用しないが, AUTOGEN は終了フェーズまで動作を続ける。
ブランク 実行モードを指定しない場合,フィードバックをもとに計算する。ただし,GENFILES,SETPARAMS, SHUTDOWN,REBOOT のいずれかを終了フェーズとして指定している場合でも,フィードバックの内容がまちがっている恐れがあれば,計算を行ってフィードバック・レポートを出力した後,パラメータやシステム・ファイルを変更しないまま AUTOGEN は終了する。

6.6 AUTOGEN で使用するファイル

表 6-5 は,AUTOGEN が各フェーズで使用するファイルの一覧です。

表 6-5 AUTOGEN が使用するファイル
AUTOGEN フェーズ 入力ファイル1 出力ファイル1
SAVPARAMS なし AGEN$FEEDBACK.DAT
GETDATA NEWPARAMS.DAT 2
CLU$PARAMS.DAT
CLU$PARAMS.DAT
  AGEN$FEEDBACK.DAT
CLU$PARAMS.DAT
MODPARAMS.DAT
PARAMS.DAT 3
GENPARAMS PARAMS.DAT SETPARAMS.DAT
VMSIMAGES.DAT
AGEN$PARAMS.REPORT
TESTFILES PARAMS.DAT SYS$OUTPUT
GENFILES PARAMS.DAT PAGEFILE.SYS
SWAPFILE.SYS
(および二次ページ・ファイルと
二次スワップ・ファイル)
SYSDUMP.DMP
AGEN$PARAMS.REPORT
SETPARAMS SETPARAMS.DAT +VAXVMSSYS.PAR
++ALPHAVMSSYS.PAR
AUTOGEN.PAR
+VAXVMSSYS.OLD
++ALPHAVMSSYS.OLD
SHUTDOWN なし なし
REBOOT なし なし


1VMSIMAGES.DAT 以外のすべてのファイルは, SYS$SYSTEM ディレクトリに常駐します。インストール済みイメージ・リストを格納する VMSIMAGES.DAT は,SYS$MANAGER ディレクトリに常駐します。
2ソフトウェア・インストール・キットから。
3収集したハードウェア構成情報も含みます。
+VAX のみ
++Alpha のみ

6.7 AUTOGEN 使用法の要約

AUTOGEN コマンド・プロシージャは,システムをインストールしたりアップグレードしたりするときに自動的に実行し,システム・パラメータの値とシステム・ページ・ファイル,システム・スワップ・ファイル,システム・ダンプ・ファイルのサイズを設定します。

AUTOGEN を実行すると,システム・パラメータ値とシステム・ファイル・サイズが再設定されます。新しいパラメータ値とファイル・サイズは,次回システムをブートしたときに有効となります。


形式

@SYS$UPDATE:AUTOGEN [開始フェーズ] [終了フェーズ] [実行モード]


パラメータ

開始フェーズ

AUTOGEN が実行を開始するフェーズを指定します。終了フェーズ パラメータのオプションは, 表 6-3 に一覧してあります。

開始フェーズに指定するフェーズのシーケンスは,終了フェーズと同じであるかそれより前でなければなりません。フェーズのシーケンスは, 表 6-3 に一覧してあります。開始フェーズ パラメータにオプションを指定しない場合,ヌルの引数 ("") を入力してください。省略時の開始フェーズは,GENPARAMS です。

終了フェーズ

AUTOGEN が実行を終了するフェーズを指定します。終了フェーズ パラメータのオプションは, 表 6-3 に一覧してあります。終了フェーズを指定しない場合,開始フェーズと同じ値が終了フェーズとして使用されます。

実行モード

次のいずれかの実行モード・オプションを指定し,AUTOGEN によるフィードバックの利用方式を制御します。

それぞれの実行モード・オプションについては, 表 6-4 で説明してあります。


説明

AUTOGEN を起動するには,DCL コマンド・プロンプトに対して,次の構文を使用してコマンドを入力します。


$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN [start-phase] [end-phase] [execution-mode] 

終了フェーズ・パラメータとして SHUTDOWN または REBOOT を指定した場合を除き,コマンドの処理が終了すると,DCL レベルに戻ります。


第 7 章
バックアップ・ユーティリティ (BACKUP)

7.1 BACKUP について

バックアップ・ユーティリティ (BACKUP) は,ファイル,ディレクトリ,ディスクのコピーを作成することにより,データの消失や破損を防止します。たとえばディスク・ドライブなどに障害が発生しても,バックアップ・コピーを復元して作業を続けることができます。

BACKUP でファイルをセーブすると,これらのファイルは, セーブ・セット と呼ばれる特殊ファイルに書き込まれます。セーブ・セットは,BACKUP だけが解釈できる形式で書かれています。ただし,Files-11 ディスクに格納されているセーブ・セットは OpenVMS 標準ファイルなので,コピー,名前の変更,削除,およびバックアップが行えます。磁気テープ上のセーブ・セットには必ず BACKUP コマンドを使用するようにし, DCL の COPY コマンドでディスクにコピーしないようにしてください。

BACKUP で行う作業は,次のとおりです。

これら作業の実行についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

注意

レイヤード製品には,独自のバックアップ・プロシージャを使用しているものがあります。詳細については,それぞれのマニュアルを参照してください。

BACKUP により,ディスクのフラグメンテーションも防止できます。ディスク上にファイルを作成し拡張していくと,フラグメンテーションが発生する恐れがあります。連続ブロックにファイルを格納できなくなると,ファイル・システムは,非連続ブロックにファイルを格納します。結果的に,ディスクのフラグメンテーションが進み,システムの性能が劣化します。このフラグメンテーションを避けるには,ディスクのイメージ・バックアップをとり,バックアップ・コピーを復元します。イメージ・バックアップを復元したとき,BACKUP がファイルを連続的にディスクに格納します。

通常のファイル,ディレクトリ,またはディスクだけでなく, OpenVMS システム・ディスクもバックアップするようにしてください。ユーザ各自が自分のシステム・ディスクのバックアップをとるようにしてもよいし,大規模なシステムでは,オペレータやシステム管理者の役割としてもよいでしょう。

システム・ディスクをバックアップするには,2 通りの方法があります。

スタンドアロン BACKUP およびメニュー方式のプロシージャについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

バックアップ処理には,次の種類があります。

BACKUP は,索引ファイルとストレージ・ビットマップのコピーを保持するために仮想メモリを割り当てます。より大きなビットマップの場合は,それに応じて,BACKUP ユーティリティのためにより多くの仮想メモリが必要になります。大きなビットマップがあるボリューム上で BACKUP を使用するには,ページ・ファイル・クォータを大きくする必要があります。 OpenVMS VAX システムの場合は,システム・パラメータ VIRTUALPAGECNT も大きくする必要があります。

ビットマップのために必要な仮想メモリ・サイズは,ビットマップのブロックごとに,VAX ページ (または Alpha 512-byte ページレット) です。 BACKUP ユーティリティでは,ビットマップのために必要な仮想メモリの量は,ボリューム・セット上の全索引ファイル・ビットマップのサイズの合計に等しくなります。このメモリの必要条件は,BACKUP ユーティリティの基本的なバッファ・プールに追加されるものであることに注意してください。

次に BACKUP コマンド行の形式について説明します。


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