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表 7-5 に,復元処理の BACKUP コマンド形式と,復元処理に使用できる修飾子を示します。ここに示す例では,磁気テープとディスクにセーブ・セットがすでに存在していると仮定しています。
表 7-5 復元処理クィック・リファレンス コマンドの動作 コマンド形式と使用例 ディスク上のセーブ・セットから Files-11 ディスクに,元の UIC を付けて復元する BACKUP セーブ・セット指定子/SAVE_SET ddcu:[*...]/BY_OWNER=ORIGINAL $ BACKUP DBA2:[BACKUP]FEB2.BCK/SAVE_SET DBA1:[*...]-
_$/BY_OWNER=ORIGINAL
磁気テープ上のセーブ・セットから Files-11 ディスクに,元の UIC を付けて復元する BACKUP セーブ・セット指定子 ddcu:[*...]/BY_OWNER=ORIGINAL $ BACKUP MTA0:1618FEB2.BCK DBA1:[*...]/BY_OWNER=ORIGINAL
磁気テープ上のセーブ・セット内の選択したファイルを Files-11 ディスクに復元する BACKUP セーブ・セット指定子/SELECT=ファイル指定 ファイル指定 $ BACKUP MTA0:FEB2.BCK/SELECT=[POUDRE]UPLIFT.PAS -
_$ DBA1:[GEO.PAS]UPLIFT.PAS
特定の UIC を持つファイルを Files-11 ディスクに復元する BACKUP セーブ・セット指定子/BY_OWNER=[ユーザ識別コード] ファイル指定 $ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK/BY_OWNER=[360,052] -
_$ DBA1:[LYKINS...]
ファイルを新 UIC を付けて Files--11 ディスクに復元する BACKUP セーブ・セット指定子 ファイル指定 /BY_OWNER=[uic] $ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK -
_$ DBA1:[TESTS...]/BY_OWNER=[100,150]
ファイルを Files-11 ディスクに復元する。ファイルがすでに存在する場合,新バージョンを作成する BACKUP セーブ・セット指定子 ファイル指定/NEW_VERSION $ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK DBA1:[LYKINS...]/NEW_VERSION
ファイルを Files-11 ディスクに復元する。ファイルがすでに存在する場合,新バージョンと置換する BACKUP セーブ・セット指定子 ファイル指定/REPLACE $ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK DBA1:[LYKINS...]/REPLACE
特定のファイルを対象として,ファイルを Files-11 ディスクに復元する BACKUP セーブ・セット指定子/SELECT=ファイル指定 ファイル指定 $ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK/SELECT=[LYKINS.PAS] -
_$ DBA1:[LYKINS...]
ディレクトリ木構造を復元し,別のディレクトリ木構造にファイルを格納する BACKUP セーブ・セット指定子/SELECT=[ディレクトリ...] [ディレクトリ2...] $ BACKUP MTA0:1641FEB2.BCK/SELECT=[FIELD...] -
_$ DBA1:[LYKINS.NEWDATA...]
Files-11 ボリュームを物理セーブ・セットから復元する BACKUP/PHYSICAL セーブ・セット指定子 ddcu: $ BACKUP/PHYSICAL MTA0:26MAR.BCK DMA3:
Files-11 ボリュームをイメージ・セーブ・セットから復元する BACKUP/IMAGE セーブ・セット指定子 ddcu: $ BACKUP/IMAGE MTA0:17AUG.BCK DRA3:
DCL コマンド INITIALIZE で指定した初期化パラメータを保持して Files-11 ボリュームを復元する INITIALIZE ddcu: ボリューム名/新パラメータ MOUNT/FOREIGN ddcu:
BACKUP/IMAGE セーブ・セット指定子 ddcu:/NOINITIALIZE
$ INITIALIZE DBA1: UTTLPACK/CLUSTER=5
$ MOUNT/FOREIGN DBA1:
$ BACKUP/IMAGE MTA0:17AUG.BCK DBA1:/NOINITIALIZE
表 7-6 に,コピー処理の BACKUP コマンド形式と,コピー処理に使用できる修飾子を示します。
表 7-6 コピー処理クィック・リファレンス コマンドの動作 コマンド形式と使用例 ディレクトリ木構造を別のディレクトリ木構造にコピーする BACKUP [ディレクトリ...] [ディレクトリ...] $ BACKUP [DAKOTA...] [SUNDANCE...]
ファイルを別のファイルにコピーする BACKUP ファイル指定 ファイル指定 $ BACKUP LOGIN.COM [.SAVE]OLDLOGIN.COM
ディスク・ボリュームを別のディスク・ボリュームにコピーする BACKUP/IMAGE ddcu: ddcu: $ BACKUP/IMAGE DBA1: DBA2:
/PHYSICAL 修飾子を使用して,ディスク・ボリュームを別のディスク・ボリュームにコピーする BACKUP/PHYSICAL ddcu: ddcu: $ BACKUP/PHYSICAL DYA1: DYA2:
/IMAGE 修飾子を使用して,2 つのディスク・ボリューム・セットをコピーする BACKUP/IMAGE ボリュームセット名 ddcu:,ddcu: $ BACKUP/IMAGE USER$: DBA1:,DBA2:
表 7-7 に,比較処理の BACKUP コマンド形式と,比較処理に使用できる修飾子を示します。
表 7-7 比較処理クィック・リファレンス コマンドの動作 コマンド形式と使用例 2 つの Files-11 ファイルを比較する BACKUP/COMPARE ファイル指定 ファイル指定 $ BACKUP/COMPARE UPLIFT.EXE;3 UPLIFT.EXE;2
セーブ・セットから選択したファイルを Files-11 ファイルと比較する BACKUP/COMPARE セーブ・セット指定子/SELECT=ファイル指定 ファイル指定 $ BACKUP/COMPARE MTA0:FEB2.BCK/SELECT= -
_$ [POUDRE]UPLIFT.PAS UPLIFT.PAS
イメージ・セーブ・セットを Files-11 ファイルと比較する BACKUP/COMPARE/IMAGE セーブ・セット指定子 ddcu: $ BACKUP/COMPARE/IMAGE MTA0:12OCT.BCK DRA3:
表 7-8 に,リスト処理の BACKUP コマンド形式と,リスト処理に使用できる修飾子を示します。
表 7-8 リスト処理クィック・リファレンス コマンドの動作 コマンド形式と使用例 セーブ・セット内のファイルをターミナルにリストする BACKUP/LIST セーブ・セット指定子 $ BACKUP/LIST MTA0:1618FEB2.BCK
セーブ・セット内のファイルをリストし,ファイルに書き込む BACKUP/LIST=ファイル指定 セーブ・セット指定子 $ BACKUP/LIST=NEWLIST.LIS MTA0:1618FEB2.BCK
セーブ・セット内のファイルを詳細形式でリストする BACKUP/LIST/FULL セーブ・セット指定子 $ BACKUP/LIST/FULL MTA0:1618FEB2.BCK
選択したファイルをジャーナル・ファイルにリストする BACKUP/LIST/JOURNAL=ジャーナル名/選択修飾子 $ BACKUP/LIST/JOURNAL=SYS$MANAGER:INCBACKUP -
_$ /SELECT=[LYKINS.WORK...]/SINCE=1-JAN-2000
8.1 CLUE について (VAX のみ)
VAXシステムでは,Crash Log Utility Extractor (CLUE)を使用することにより,
クラッシュ履歴ファイルの内容を表示することができます。クラッシュ履歴ファイルは, CLUEによって作成および更新されるファイルであり,クラッシュ・ダンプ・ファイルから抽出した重要なパラメータが格納されます。クラッシュ・ダンプはシステム障害(クラッシュ)が発生するたびに上書きされるため,通常は最後に発生した障害に対してのみ有効ですが,クラッシュ履歴ファイルはシステム障害を永続的に記録したファイルです。CLUE/DISPLAYコマンドを使用してクラッシュ履歴ファイルの内容を確認すれば,クラッシュの原因を突き止め,解決するのに役立ち,また,その他にも役立つデータを入手できます。
Alphaシステムでは,CLUEと同様の機能をSystem Dump Analyzer (SDA) ユーティリティのコマンドによって行うことができます。詳細については,『OpenVMS Alpha System Dump Analyzer Utility Manual』を参照してください。
8.2 CLUEの使用法の要約 (VAX のみ)
システム障害が発生すると,物理メモリの内容はクラッシュ・ダンプ・ファイルにコピーされ,CLUEは関連パラメータをCLUE$OUTPUT:CLUE$HISTORY.DATAという名前のファイルに自動的に追加します。 CLUEを使用すれば,このファイルに記録されたデータを表示し,確認できます。
CLUE /DISPLAY
なし。
CLUEを実行する前に,次のようにCLUEコマンドを定義します(会話で定義するか,またはログイン・コマンド・プロシージャなどのプロシージャで定義します)。
$ CLUE :== $CLUE
CLUEを起動するには,CLUE/DISPLAYコマンドを使用します。CLUEを終了するには, CLUE_DISPLAY>プロンプトに対してEXITコマンドを入力するか,またはCtrl/Zを押します。
次の例に示すように,CLUE/DISPLAYコマンドはDCLレベルから直接入力することもできます。
$ CLUE/DISPLAY = DIR/TYPE=INVEXCEPTN/SINCE=21-NOV-2000/OUT=CLUE.LIS
この節では,CLUE /DISPLAYコマンドについて説明し,使用例を示します。あいまいにならない範囲内であれば,コマンド,キーワード,修飾子は短縮できます。ユーザ名,ノード名,UICを指定する場合,アスタリスクとパーセント記号をワイルドカード文字として使用できます。
次の表は,この節で説明するコマンドを示しています。
コマンド | 説明 |
---|---|
DELETE | クラッシュ履歴ファイルからエントリを削除する。 |
DIRECTORY | クラッシュ履歴ファイルからエントリのリストを表示する。 |
EXIT | CLUEを終了する。 |
EXTRACT | クラッシュ履歴ファイル内のエントリからデータをファイルに書き込む。 |
HELP | CLUE/DISPLAYコマンドに関するオンライン・ヘルプを表示する。 |
SHOW | クラッシュ履歴ファイル内のエントリの特定の情報を表示する。 |
リストからエントリを削除し,残りのエントリをバイナリ・ファイルに書き込みます。
DELETE n
n
クラッシュ履歴ファイルから削除するエントリの番号。エントリ番号は, DIRECTORYコマンドで表示されるエントリ番号に対応します。
CLUE.BINファイル内のエントリは,DELETEコマンドを使用して永久的に削除できます。このコマンドは,指定されたエントリを削除し,残りのエントリを出力ファイルに書き込みます。エントリをクラッシュ履歴ファイルから削除すると,新しい履歴ファイル(既存のファイルよりバージョン番号の大きいファイル)が作成されます。
CLUE_DISPLAY> DELETE 4 |
4番目のエントリを削除します。
クラッシュ履歴ファイル内の各エントリを簡略形式で表示します。
DIRECTORY
/MODULE=
指定したモジュールに対応するすべての障害(つまり,指定した文字列から始まる障害)を表示します。/OFFSET=
指定したオフセットに対応するすべての障害(つまり,指定した文字列から始まる障害)を表示します。/SINCE=
指定した日付以降に発生したすべての障害を表示します。/SINCE修飾子を使用し,日付を指定しなかった場合には,現在の日付に発生したすべての障害が表示されます。/TYPE=
指定したタイプに対応するすべての障害(つまり,指定した文字列から始まる障害)を表示します。
DIRECTORYコマンドは,最新のエントリから順に,クラッシュ履歴ファイル内のレコード・エントリを表示します。各エントリに対して,次の6つの見出しが表示されます。
- エントリ番号
- クラッシュの日時
- タイプ
- プロセス
- モジュール
- オフセット
DIRECTORYコマンドに1つ以上の修飾子を指定すれば,表示するクラッシュ・エントリを制限できます。また,同じコマンド行に複数の修飾子を指定できます。たとえば, DIRECTORY/SINCE=18-APR-2000/MODULE=NETACP コマンドを使用した場合には, 2000年4月18日以降に発生し,モジュールがNETACPであるクラッシュ・エントリだけが表示されます。
#1 | |
---|---|
CLUE_DISPLAY> DIRECTORY
|
この例では,クラッシュ履歴ファイル内のすべてのエントリが表示されます。
#2 | |
---|---|
CLUE_DISPLAY> DIRECTORY /MODULE=SYSLOA
|
この例では,モジュールがSYSLOAであるエントリが表示されます。
CLUEを終了します。
EXIT
このコマンドはCLUEを終了し,DCLレベルに戻ります。
CLUE_DISPLAY> EXIT $ |
この例はCLUEを終了します。
クラッシュ履歴ファイル内のエントリから,すべてのデータをASCIIファイルまたはバイナリ・ファイルに書き込みます。
EXTRACT n
n
ファイルに抽出するエントリ番号。エントリ番号は,DIRECTORYコマンドで表示されるエントリ番号に対応します。
/BINARY=ファイル名.bin
出力をバイナリ・ファイルに書き込みます。/OUTPUT=ファイル名.txt
出力をASCIIファイルに書き込みます。省略時の設定は/OUTPUT修飾子です。
EXTRACTコマンドは,クラッシュ履歴ファイル内のレコード・エントリをASCIIファイルまたはバイナリ・ファイルに保存します。修飾子を指定しなかった場合には,エントリは CLUE$HISTORY.TXTという名前のテキスト・ファイルに書き込まれます。
CLUE_DISPLAY> EXTRACT 3 /OUTPUT=15MAYCRASH.TXT |
このコマンドでは,クラッシュ履歴ファイル内のエントリ番号3のデータが 15MAYCRASH.TXTという名前のASCIIファイルに書き込まれます。
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