OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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STARTUP MODIFY

スタートアップ・データベース内のファイルに関係する情報を変更します。

スタートアップ・データベースへの読み込みアクセス権 (R) と書き込みアクセス権 (W) が必要です。


形式

STARTUP MODIFY FILE ファイル指定


パラメータ

FILE

スタートアップ・データベース内のレコードを変更します。省略時の設定では,SYSMAN が STARTUP$STARTUP_LAYERED を変更します。

ファイル指定

変更するスタートアップ・ファイルを選択します。ワイルドカード文字を使用できます。

修飾子

/CONFIRM

/NOCONFIRM (省略時の設定)

スタートアップ・データ・ファイルに格納されているスタートアップ特性を変更する前に各ファイルのファイル指定を表示するかどうか,また変更確認プロンプトを出力するかどうかを制御します。 /CONFIRM を指定した場合,Y (Yes) または T (True) を入力して Return を押さなければ,ファイルは変更されません。 N や NO などの他の文字を入力した場合,ファイルは変更されません。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

各ファイルのスタートアップ特性を変更した後,そのファイル指定を表示するかどうかを制御します。

/MODE=モード

スタートアップ・ファイルの実行モードを変更します。『OpenVMS システム管理者マニュアル』に記述された DIRECT,SPAWN,BATCH,ANY のモードを指定できます。

/NAME=ファイル指定

スタートアップ・ファイルの名前を変更します。スタートアップ・ファイルは,SYS$STARTUP に格納します。

/PARAMETER=(P1:引数1,P2:引数2,...,P8:引数8)

スタートアップ時にファイルに渡されるパラメータを変更します。パラメータを指定しなかった場合には,システム・パラメータ STARTUP_Pn によって定義される省略時のパラメータが渡されます。 STARTUP_Pnが空白の場合には,"FULL"がパラメータ1 (P1)として使用され, STARTUP.COMはこのパラメータを各スタートアップ・コンポーネント・ファイルに渡します。空白のP1パラメータを特定のコンポーネント・ファイルに渡す場合には,次のコマンドを使用してください。


SYSMAN> STARTUP MODIFY FILE component.com/PARAM=P1:""

/PHASE=フェーズ名

変更対象のスタートアップ・ファイルを,実行フェーズで指定します。 LPBEGIN,LPMAIN,LPBETA,END のフェーズを指定できます。省略時の値は LPMAIN です。

説明

STARTUP MODIFY コマンドは,スタートアップ・データベースの構成要素に関するスタートアップ情報を編集します。たとえば,ファイルをリネームしたり,スタートアップ時にファイルに渡すパラメータを変更したりできます。フェーズ指定を利用すれば,複数のファイルを選択できます。


SYSMAN> STARTUP MODIFY FILE DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM - 
_SYSMAN> /PARAM=(P3:TRUE,P4:FALSE) /CONFIRM 

このコマンドは,コマンド・プロシージャ DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM の 2 つのスタートアップ・パラメータを変更します。

STARTUP REMOVE

スタートアップ・データベース内のレコードを削除し,指定のスタートアップ・ファイルをスタートアップ時に実行しないようにします。

スタートアップ・データベースへの読み込みアクセス権 (R) と書き込みアクセス権 (W) が必要です。


形式

STARTUP REMOVE FILE ファイル指定


パラメータ

FILE

スタートアップ・データベース内から構成要素を削除します。省略時の設定では,SYSMAN が STARTUP$STARTUP_LAYERED を変更します。

ファイル指定

削除するスタートアップ・ファイルを選択します。ワイルドカード文字を使用できます。

修飾子

/CONFIRM

/NOCONFIRM (省略時の設定)

各ファイルのレコードを削除する前にそのファイル指定を表示するかどうか,また削除確認プロンプトを出力するかどうかを制御します。 /CONFIRM を指定した場合,Y (Yes) または T (True) を入力して Return を押さなければ,ファイルは削除されません。 N や NO などの他の文字を入力した場合,ファイルは削除されません。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

各ファイルのスタートアップ特性を削除した後,そのファイル指定を表示するかどうかを制御します。

/PHASE=フェーズ名

ファイルを削除するスタートアップ・フェーズを指定します。 LPBEGIN,LPMAIN,LPBETA,END のフェーズを指定できます。


SYSMAN> STARTUP REMOVE FILE DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM /LOG 

このコマンドは,スタートアップ・データベースからファイル DECSET$ENVMGR_STARTUP.COM を取り出します。

STARTUP SET DATABASE

現在のスタートアップ・データベースを設定します。

形式

STARTUP SET DATABASE データベース


パラメータ

データベース

設定するデータベースの名前を指定します。省略時のデータベース名は,STARTUP$STARTUP_LAYERED です。第 2 のデータベース STARTUP$STARTUP_VMS は,その内容を見ることはできますが,変更はしないようにしてください。

修飾子

なし


SYSMAN> STARTUP SET DATABASE STARTUP$STARTUP_LAYERED 
%SYSMAN-I-NEWCOMPFIL, current component file is now STARTUP$STARTUP_LAYERED 
SYSMAN> STARTUP SHOW FILE 
%SYSMAN-I-COMPFIL, contents of component database on node LUCERN
Phase    Mode    File            
-----    ----    ---------------------------  
LPBEGIN  DIRECT  VMS$LPBEGIN_070_STARTUP.COM
LPMAIN   DIRECT  FOR$LPMAIN_070_STARTUP.COM
 

このコマンドは,レイヤード製品データベースを設定し,表示できるようにしています。

STARTUP SET OPTIONS

スタートアップ時にクラスタ内の 1 つ以上のノードの情報のログと表示を制御します。

ディスクの現在のシステム・パラメータ・ファイルに対して読み込み(R)アクセス権と書き込み(W)アクセス権が必要です。このファイルは,VAX システムの場合は SYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.PAR, Alpha システムの場合は SYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR です。


形式

STARTUP SET OPTIONS


パラメータ

なし

修飾子

/CHECKPOINTING

/NOCHECKPOINTING

各スタートアップ・フェーズとコンポーネント・プロシージャの時刻および状態を示す情報メッセージを表示します。

/OUTPUT=CHECKPOINTING に対応するシステム・パラメータ STARTUP_P2 の値は "C" です。

/OUTPUT=FILE,CONSOLE

/VERIFY修飾子を使用して作成された出力をファイルまたはシステム・コンソールに送ります。FILEオプションを選択した場合には,SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]STARTUP.LOGが作成されます。

/OUTPUT=FILE に対応するシステム・パラメータ STARTUP_P2 の値は "D" です。

/VERIFY=FULL,PARTIAL

/NOVERIFY

スタートアップ・プロシージャを実行時に表示します。この修飾子はSYSGENのシステム・パラメータ STARTUP_P2 を定義し,選択したオプションに応じて適切な値を割り当てます (/VERIFY の後ろに値が何も付かないものは, /VERIFY=full と同じになります)。

次の表は /VERIFY のオプションの一覧です。

説明
FULL スタートアップ・コンポーネント・プロシージャとSTARTUP.COMが実行する各DCL行を表示する。

このオプションに対応するシステム・パラメータ STARTUP_P2 の値は "V" である。

PARTIAL スタートアップ・コンポーネント・プロシージャが実行する各DCL行を表示するが,STARTUP.COMが実行するDCLは表示しない。

このオプションに対応するシステム・パラメータ STARTUP_P2 の値は "P" である。

重要

SYSMAN STARTUP OPTIONS で変更したすべての STARTUP_P2 パラメータは,AUTOGEN コマンド・プロシージャによって上書きされます。SYSMAN を使ってパラメータに加えた変更を保存したい場合は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』の説明に従って, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルを編集してください。


説明

STARTUP SET OPTIONSコマンドを使用すれば,スタートアップ時にロギング(記録)とチェックポイントを制御できます。(完全にまたは部分的に)記録される情報の量を制御でき,情報をどこに表示するか(ファイルまたはコンソール)も制御できます。また,スタートアップ時に各フェーズの時刻と状態を示す情報メッセージを表示するために,チェックポイントを選択することもできます。

省略時のオプションは,/NOCHECKPOINTING,/OUTPUT=CONSOLE,および /NOVERIFY です。

SYSMANでは,ターゲット環境を定義できるため,スタートアップ・ロギングはローカル・ノード,クラスタ,クラスタ内のノードの一部に対して実行できます。詳しくは SET ENVIRONMENT コマンドを参照してください。



SYSMAN> STARTUP SET OPTIONS/VERIFY=FULL/OUTPUT=FILE/CHECKPOINTING

この例では,完全なチェックを実行するためにスタートアップ・ロギングを要求し,結果をSYS$SPECIFIC:[SYSEXE]STARTUP.LOGに出力し,チェックポイントも要求します。システム・パラメータ STARTUP_P2 の対応する値は "VDC" です。

STARTUP SHOW

現在のスタートアップ・データベースの名前またはその構成要素,および STARTUP SET OPTIONSコマンドを使用して選択されたスタートアップ・ロギング・オプションを表示します。

形式

STARTUP SHOW DATABASE


FILE
OPTIONS


パラメータ

DATABASE

現在のスタートアップ・データベースの名前を表示します。スタートアップ・データベースには,STARTUP$STARTUP_LAYERED と STARTUP$STARTUP_VMS の 2 つがあります。 STARTUP$STARTUP_VMS は,変更しないようにしてください。

FILE

現在のスタートアップ・データベースの内容を表示します。各構成要素について,ファイル名,フェーズ,実行モードが表示されます。

OPTIONS

STARTUP SET OPTIONSコマンドを使用して選択したオプションを表示します。

修飾子

/FULL

データベースの各構成要素について,詳細情報を表示します。構成要素のフェーズ,ファイル名,実行モードをはじめ,ファイルが実行されるノードとファイルに渡されるパラメータが表示されます。FILE パラメータに付けて指定します。

/NODE

ファイルが実行される,クラスタ内のノードを表示します。省略時の設定では,環境内のすべてのノードでスタートアップ・ファイルが実行されます。FILE パラメータに付けて指定します。

/OUTPUT=ファイル指定

SYS$OUTPUT から指定ファイルに,出力先を変更します。ファイルを指定しない場合,現在のディレクトリの SYSMAN.LIS に出力されます。

/PARAMETERS

スタートアップ・ファイルを実行するときに使用するパラメータを表示します。パラメータを省略した場合には,システム・パラメータ STARTUP_Pn によって定義される省略時の設定が与えられます。STARTUP_Pnが空白の場合には,"FULL"がパラメータ1 (P1)として使用され,STARTUP.COMはこのパラメータを各スタートアップ・コンポーネント・ファイルに渡します。特定のコンポーネント・ファイルに空白のP1パラメータを渡す場合には, STARTUP MODIFY コマンドの /PARAMETER修飾子の説明を参照してください。

/PHASE=フェーズ名

特定のスタートアップ・フェーズで実行されるすべての構成要素を表示します。 LPBEGIN,LPMAIN,LPBETA,END のフェーズを指定できます。省略時の値は LPMAIN です。FILE パラメータに付けて指定します。


SYSMAN> STARTUP SET DATABASE STARTUP$STARTUP_VMS
SYSMAN> STARTUP SHOW FILE
%SYSMAN-I-COMPFIL, contents of component database on node LUCERN
Phase        Mode    File              
-----        ----    --------------------------------
BASEENVIRON  DIRECT  VMS$BASEENVIRON_050_LIB.COM
BASEENVIRON  CALLED  VMS$BASEENVIRON_050_SMISERVER.COM
BASEENVIRON  DIRECT  VMS$BASEENVIRON_050_VMS.COM
. 
. 
. 
 

VMS スタートアップ・データベースの内容を表示しています。

SYS_LOADABLE ADD

システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX に,エントリを追加します。

重要

SYS_LOADABLE ADD コマンドは,汎用コマンドではありません。使用するのは,上級システム・プログラマだけに限定してください。


形式

SYS_LOADABLE ADD 製品イメージ


パラメータ

製品

ロード可能イメージを一意で指定する 8 文字以内の製品ニーモニック。ユーザが作成したイメージの場合, _LOCAL_ という文字列が通常含まれます。

イメージ

追加するロード可能システム・イメージのファイル名。このパラメータに指定できる値は,ファイル名だけです。装置,ディレクトリ,ファイル・タイプ,ワイルドカード文字は,指定しないようにしてください。

修飾子

/LOAD_STEP

イメージをロードするブート・プロセスのステップを指定します。システム初期化コードでイメージをロードする INIT と,SYSINIT プロセスでイメージをロードする SYSINIT のいずれかを指定します。

省略時の値は SYSINIT です。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

エントリを追加したことを示すメッセージを表示するかどうかを制御します。

/MESSAGE

条件を満たしたときに表示するメッセージ・テキストを指定します。/SEVERITY 修飾子を参照してください。省略時のメッセージは, "system image load failed" です。

/SEVERITY

イメージ・ロード状態によるコンソール出力とブート状態への影響を指定します。次の値を指定できます。

FATAL イメージのロード時にエラーが発生した場合,エラー・メッセージと BUGCHECK 情報を表示する。
INFORMATION メッセージを表示し,処理を続行する。
SUCCESS イメージのロード時にエラーが発生しても,処理を続行する。メッセージは表示しない。
WARNING イメージのロード時にエラーが発生した場合,エラー・メッセージを表示し,処理を続行する。

省略時の値は,WARNING です。


説明

SYS_LOADABLE ADD コマンドは,システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX にエントリを追加します。このファイルは,コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.COM で処理します。この処理の結果,システムがブート時に使用するシステム・イメージ・データ・ファイルが作成されます。

SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX ファイルが存在しない場合,新たに作成されます。

SYS_LOADABLE REMOVE

システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX からエントリを削除します。

重要

SYS_LOADABLE REMOVE コマンドは,汎用コマンドではありません。使用するのは,上級システム・プログラマだけに限定してください。


形式

SYS_LOADABLE REMOVE 製品


イメージ


パラメータ

製品

ロード可能イメージを一意で指定する 8 文字以内の製品ニーモニック。ユーザが作成したイメージの場合, _LOCAL_ という文字列が通常含まれます。

イメージ

削除するロード可能システム・イメージのファイル名。このパラメータに指定できる値はファイル名だけです。装置,ディレクトリ,ファイル・タイプ,ワイルドカード文字は,指定しないようにしてください。

修飾子

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

エントリを削除したことを示すメッセージを表示するかどうかを制御します。

説明

SYS_LOADABLE REMOVE コマンドは,システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX からエントリを削除します。このファイルは,コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.COM で処理します。この処理の結果,システムがブート時に使用するシステム・イメージ・データ・ファイルが作成されます。

SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX ファイルが存在しない場合,空のファイルが作成されます。


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