OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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21.4 RAD の例

次のサンプル・プロシージャは, SYSMAN リソース・アフィニティ・ドメイン (RAD) の修飾子とオプションの使用例を示しています。

  1. 予約済みのメモリ・レジストリが存在しないことを示します。


    SYSMAN> reserved_memory list 
    %SYSMAN-I-NODERR, error returned from node PIPERI 
    -RMS-E-FNF, file not found 
    

  2. グループ・グローバル・セクション用の予約を追加し,新しい予約を表示します。


    SYSMAN> reserved_memory add ak_sec/gr=4711 /size=16 /zero /page_tables 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name             Group    RAD  Size (MB)  Pages  Attributes 
    AK_SEC                       4711     ANY         16   2048  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711                         2  PageTables Allocated 
    

  3. 4 つの RAD それぞれから割り当てられたメモリへの予約を変更し,その結果を表示します。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /new_rad=0 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory extend ak_sec/gr=4711 /rad=1 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory extend ak_sec/gr=4711 /rad=2 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory extend ak_sec/gr=4711 /rad=3 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name             Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                       4711       0          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711       1          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711       2          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711       3          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711                             2  PageTables Allocated 
    

  4. ブート時にゼロ割り当てされなくなったページに予約を変更します。 /ZERO,/ALLOCATE,/PAGE_TABLES などの属性を変更できるのは,予約全体に対してのみであり,特定の RAD に対しては変更できません。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /nozero 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name              Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                        4711       0          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711       1          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711       2          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711       3          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711                             2  PageTables Allocated 
    

  5. 特定の RADからメモリを要求しなくなるように予約を変更します。全体のサイズは変更されません。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /norad 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                     4711     ANY         16       2048  Allocated 
    AK_SEC                     4711                             2  PageTables Allocated 
     
    

  6. 複数の RAD に渡って割り当てられる予約を開始し,ブート時にメモリが割り当てられなくなることを要求します。これは,メモリが特定の RAD から割り当てられなくなることを意味しています。
    変更前の予約は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name   Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC             4711       0         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711       1         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711       2         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711       3         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711                            2  PageTables Allocated 
     
    


    ブート時に割り当てられなくするコマンドは次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /noalloc 
    


    予約の新しい状態は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                     4711     ANY         16       2048 
    AK_SEC                     4711                             2  PageTables 
    

  7. 割り当てられた RAD で予約のサイズを変更する,または,異なる RADを使用して予約を変更するには,現在の RAD を指定する必要があります。
    変更前の予約は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                     4711       2         16       2048  Allocated 
    AK_SEC                     4711                             2  PageTables Allocated 
    


    予約サイズを変更しようとするコマンドは次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory mod ak_sec/gr=4711 /size=20 
    %SYSMAN-I-NODERR, error returned from node PIPERI 
    -SMI-E-RMRNOMATCH, no records matched search criteria 
     
        正しいコマンドは次のとおりです。 
     SYSMAN> reserved_memory mod ak_sec/gr=4711 /rad=2 /size=20 
    


    予約の新しい状態は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)  Pages  Attributes 
    AK_SEC                      4711     2         20    2560  Allocated 
    AK_SEC                      4711                        3  PageTables Allocated 
    


第 22 章
XA Gateway Control Program ユーティリティ (XGCP)(Alpha のみ)

22.1 XGCP について

OpenVMS Alpha システムでは, XA Gateway Control Program ユーティリティ (XGCP) は, DECdtm XA Gateway との管理インタフェースを提供し, DECdtm XA Gateway で使用されるトランザクション・ログを作成します。また,XA Gateway サーバの停止と再起動にも使用できます。

DECdtm XA Gateway では, RMS Journaling または Oracle Rdb などの DECdtm 準拠のリソース・マネージャを XA 準拠のトランザクション・マネージャとともに使用できます。

22.2 XGCP のコマンド

次の表は XGCP コマンドの一覧です。

コマンド 説明
CREATE_LOG 新しい XA Gateway ログを作成する
EXIT XGCP を終了する
START_SERVER XA Gateway サーバを起動する
STOP_SERVER XA Gateway サーバを停止する

22.3 XGCP 使用法の要約


形式

RUN SYS$SYSTEM: XGCP


説明

XGCP を起動するには,DCL プロンプトに対して次のコマンドを入力します。


$ RUN SYS$SYSTEM:XGCP

XGCP から次のプロンプトが表示されるので,ここから XGCP コマンドを入力できます。


XGCP> 

XGCP を終了するには,XGCP> プロンプトに対して EXIT コマンドを入力するか, Ctrl/Z を押します。

CREATE_LOG

新しい XA Gateway ログを作成します。 SYSPRV 特権,または SYS$JOURNAL ディレクトリに対する読み込みと書き込みのアクセスが必要です。

形式

CREATE_LOG /GATEWAY_NAME=名前


パラメータ

なし。

修飾子

/GATEWAY_NAME=名前

この修飾子は必須です。 15 文字以内でゲートウェイ名を指定します。

SYS$JOURNAL:SYSTEM$name.DDTM$XG_JOURNAL というファイル名のゲートウェイ・ログが作成されます。 OpenVMS Cluster システムでは,各ノードごとに別個のログが作成されます。

/SIZE=サイズ

ログの初期サイズをブロック単位で指定します。この修飾子を省略した場合は,ログは初期サイズ 242 ブロックで作成されます。ログ・ファイルのサイズは必要に応じて自動的に拡張されます。


XGCP> CREATE_LOG/GATEWAY_NAME=MYLOG1/SIZE=150

SYS$JOURNAL:SYSTEM$MYLOG1.DDTM$XG_JOURNAL というゲートウェイ・ログが作成されます。初期サイズは 150 ブロックです。

EXIT

XGCP を終了します。Ctrl/Z を押すことでも XGCP を終了できます。

形式

EXIT


パラメータ

なし。

修飾子

なし

START_SERVER

XA Gateway サーバを起動します。 IMPERSONATE 特権が必要です。

形式

START_SERVER


パラメータ

なし。

修飾子

なし


XGCP> START_SERVER

DCL コマンド・ファイル SYS$STARTUP:DDTM$XG_STARTUP.COM を実行し,このファイルが DDTM$XG_SERVER というサーバ・プロセスを起動します。

STOP_SERVER

XA Gateway サーバ・プロセス DDTM$XG_SERVER を停止します。 OPERATOR 特権が必要です。

形式

STOP_SERVER


パラメータ

なし。

修飾子

なし


XGCP> STOP_SERVER

サーバ・プロセス DDTM$XG_SERVER を停止します。


付録 A
ACL エディタのキーパッド編集コマンド

省略時の設定では,ACL (アクセス制御リスト) エディタは,各ACE (アクセス制御エントリ) についてプロンプトを出力し,一部の ACE フィールドの値を提供します。ACE フィールドの操作は, FIELD や ITEM などのキーパッド・コマンドで行うことができます。

この付録では,ACL エディタに用意されているすべてのキーパッド編集コマンドについて,説明します。キー定義は, ACL エディタ・セクション・ファイル SYS$LIBRARY:ACLEDIT.TPU を変更し再コンパイルすることによって変更できます。詳細については, 付録 B を参照してください。ACL エディタのキーパッド・コマンドのヘルプ情報を表示するには,PF2 を押します。

A.1 ACL エディタのキーパッド・コマンド

図 A-1 は,LK201 キーボードにおける省略時の ACL エディタ・キーパッド・コマンドを示しています。 VT100 シリーズ・ターミナルの数字キーパッドも,この図のキーボードと同じです。ただし,VT100 には,補助編集キーパッド (キー E1 〜 E6) がありません。

図 A-1 LK201 シリーズ・キーボードのキーパッド


表 A-1 は,ACL エディタで使用できるキーパッド・コマンドの一覧です。KPn は, n という数字が付いたキーパッド・キーです。たとえば,KP4 は,4 の数字が付いたキーパッド・キーを指します。

表 A-1 ACL エディタのキーパッド・コマンド
コマンド キーまたは
キー・シーケンス
説明
ADVANCE KP4 FIND,FNDNXT,MOVE SCREEN,OVER ACE,WORD の現在の方向を設定する。ACL の終わりに向かって進める。
ADV FIELD GOLD-KP7 現在の ACE フィールドを終了し,次の ACE フィールドにカーソルを移動する。
BACKUP KP5 FIND,FNDNXT,MOVE SCREEN,OVER ACE,WORD のキーの現在の方向を逆転する。ACL の始めに向かって進める。
BOTTOM GOLD-KP4 最後の ACE の最後の行の後にカーソルを位置づける。追加したエントリは,すべて ACL の終わりに格納される。
DEL ACE PF4 カーソルが位置している ACE 全体を削除し,削除 ACE バッファに格納する。
DEL C コンマ カーソルが位置している文字を削除し,削除文字バッファに格納する。
DEL EOL GOLD-KP2 現在のカーソル位置から行の末尾までのテキストを削除し,削除行バッファに格納する。
DEL W マイナス 現在のカーソル位置から次のワードの先頭までのテキストを削除し,削除ワード・バッファに格納する。
ENTER Enter 現在の ACE が終了したことを示す。 ACL エディタは挿入を終了し,ACE の構文が正しいことをチェックする。 ACE 内にカーソルが位置しているとき,Enter キーを押すことができる。 Return キーを押しても,効果は同じである。
EOL KP2 現在の行の末尾にカーソルを移動する。
FIELD KP7 現在の ACE フィールドを終了して次の ACE フィールドまたはサブフィールドにカーソルを移動し,適宜テキストを挿入する。プロンプト・モードでない場合, ACL エディタは現在の ACE の中の次のフィールドに移動する。
FIND GOLD-PF3 文字列のオカレンスを検索する。 FIND キーを押し,メイン・キーボードから文字列を入力する。現在の方向で文字列を検索する場合は ENTER キーを押し,検索方向を変更する場合は ADVANCE キーまたは BACKUP キーを押す。
FNDNXT PF3 FIND キーで入力されている文字列の次のオカレンスを現在の方向で検索する。
GOLD PF1 直後に押すキーの代替機能 (キーパッド図に示されている下側の機能) を指定する。
HELP PF2 編集キーパッドの使用方法に関する情報を表示する。
HELP FMT GOLD-PF2 ACE 形式に関する情報を表示する。
INSERT GOLD-KP0 現在の行のすべてのテキストを 1 行下に移動し,ACE を挿入するためのブランク行 1 行を残す。
ITEM ピリオド 現在の ACE フィールドにおける次の項目を選択する。プロンプト・モードでない場合,このキーは無視される。
MOVE SCREEN KP8 カーソルを現在の方向で 1 画面移動する。 ADVANCE または BACKUP を参照。1 画面は,表示される行数の 3 分の 2 に相当する。
OVER ACE KP0 ADVANCE が方向に設定されている場合,次の ACE の先頭にカーソルを移動し,BACKUP が方向に設定されている場合,直前の ACE の先頭にカーソルを移動する。
TOP GOLD-KP5 アクセス制御リストの最初の ACE の先頭文字に,カーソル位置を移動する。
UND ACE GOLD-PF4 現在カーソルが位置している ACE の前に,削除 ACE バッファの内容を挿入する。
UND C GOLD-コンマ 削除文字バッファの内容を,カーソルの前に直接挿入する。
UND W GOLD-ハイフン 削除ワード・バッファの内容を,カーソルの前に直接挿入する。
WORD KP1 ADVANCE が方向に設定されている場合,カーソルを 1 ワード前方に移動し,BACKUP が方向に設定されている場合,カーソルを 1 ワード後方に移動する。

A.2 その他の ACL 編集キーとキー・シーケンス

ACL エディタでは,キーパッド編集だけではなく,他のキーボード・キーやキー・シーケンスを利用して編集機能を実行することができます。それらの編集キーとキー・シーケンスを, 表 A-2 に示します。括弧内のキーは,LK201 シリーズのキーボードにおけるキーです。

表 A-2 その他の ACL 編集キーとキー・シーケンス
キーまたはシーケンス キーまたはシーケンスを押したときの動作
1 行下の文字にカーソルを直接移動する。カーソルが位置している ACE が新しい ACE である場合, ACL エディタは,カーソルを移動する前にこの ACE を処理する。エントリが不完全であるか形式がまちがっている場合はエラーとなり,カーソルは移動しない。
1 文字左にカーソルを移動する。左マージンにカーソルが位置している場合,1 行上の右端の文字にカーソルを移動する。
1 文字右にカーソルを移動する。右マージンにカーソルが位置している場合,1 行下の左端の文字にカーソルを移動する。
1 行上の文字にカーソルを直接移動する。カーソルが位置している ACE が新しい ACE である場合, ACL エディタは,カーソルを移動する前にこの ACE を処理する。エントリが不完全であるか形式がまちがっている場合はエラーとなり,カーソルは移動しない。
GOLD--← 表示ウィンドウ内のテキストを 8 文字左に移行する。
GOLD--→ 表示ウィンドウ内のテキストを 8 文字右に移行する。
バックスペース (F12) 現在の行の先頭にカーソルを移動する。
Ctrl/A 挿入モードから上書きモードに,または上書きモードから挿入モードに,現在のモードを変更する。省略時のモードである挿入モードでは,現在の文字の左に文字を挿入する。上書きモードでは,現在の文字が置換される。
Ctrl/D TPU コマンドを 1 つ実行する。
Ctrl/H 行の先頭にカーソルを移動する。バックスペース・キーと同じ機能である。
Ctrl/J カーソルからワードの先頭までのテキストを削除する。Linefeed キーと同じ機能である。
Ctrl/R 画面表示をリフレッシュする。画面をクリアして再描画する。編集している ACL の一部ではない,外部からの文字やメッセージが表示されている場合,それらをすべて削除する。Ctrl/W と同じ機能である。
GOLD-Ctrl/R ACL エディタを始動する前の状態に ACL を戻す。GOLD-Ctrl/W と同じ機能である。
Ctrl/U カーソルから行の先頭までのテキストを削除する。
GOLD-Ctrl/U 削除行バッファの内容を,現在の位置の行に挿入する。行は自動的にラップする場合がある。
Ctrl/W Ctrl/R を参照。
GOLD-Ctrl/W GOLD Ctrl/R を参照。
Ctrl/Z 編集セッションを終了し,ACL を更新する。原則として,回復ファイルとジャーナル・ファイルは,すべて削除される。
GOLD-Ctrl/Z ACL に行った変更内容をセーブしないまま編集セッションを終了する。原則として,回復ファイルとジャーナル・ファイルは,すべて削除される。
Delete (< X|) カーソルの左の文字を削除する。
Linefeed (F13) カーソルからワードの先頭までのテキストを削除する。カーソルがワードの先頭文字に位置している場合,直前のワードの先頭まで削除する。
Tab カーソルの右にあるテキストを次のタブ・ストップまで移動する。


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