OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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A.3 補助キーパッドの ACL 編集キー(LK201 シリーズ ・ キーボード)

LK201 シリーズ・キーボードの補助キーパッドを使用すれば, 1 つの ACL 内のある部分から別の部分にテキストの一部を移動することができます。ただし,Insert Here,Remove,Select などの補助編集キーでは,省略時には許可されない PASTE バッファが必要です。現在の編集セッションで PASTE バッファを許可する方法は,次のとおりです。

  1. Ctrl/D を押す。

  2. プロンプト TPU command: に対し,次の文を入力する。


    TPU command: ACLEDIT$X_PASTE_BUFFER:=1
    

  3. もう一度 Ctrl/D を押し,次の文を入力する。


    TPU command: ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY:=0
    


    ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY 変数の値に 0 を設定すると,変更可能な ACE が存在するかどうかを ACL はチェックしません。この PASTE のサポートと変更可能 ACE のチェックという 2 つの機能は,互いに互換性がありません。

すべての ACL 編集セッションに対して PASTE バッファを許可するには, ACL エディタ・セクション・ファイルの ACLEDIT$X_PASTE_BUFFER と ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY の変数値を変更し,このファイルを再コンパイルします。 付録 B を参照してください。

表 A-3 は,ACL エディタで使用できる補助キーパッド・キーの一覧です。

表 A-3 補助キーパッドの ACL 編集キー
キーまたは
キー・シーケンス
説明
Find FIND 動作の最初のステップとして,プロンプト Search for: を出力する。このプロンプトに対して検索文字列を入力し,Do キーまたは Enter キーを押すと,検索処理が開始する。キーパッド・コマンド FIND と同じ機能である。
Insert Here ACE を挿入する場所を指示する。 PASTE バッファのサポートが許可されている場合,選択した PASTE バッファ内テキストを挿入する行を指示する。
Remove 選択したテキストを PASTE バッファに移動する。Remove キーを押すたびに,ACL エディタは PASTE バッファの以前の内容を削除する。
GOLD-Remove (COPY) 選択したテキストを PASTE バッファにコピーする。COPY コマンドを実行するたびに,ACL エディタは PASTE バッファの以前の内容を削除する。
Select PASTE バッファに移動またはコピーするテキストの先頭にカーソルを移動し,Select キーを押し,テキスト末尾にカーソルを移動する。Remove または GOLD-Remove (COPY) を押すと,移動またはコピーの動作が終了する。
Prev Screen 直前の画面にカーソルを移動する。省略時の画面は,表示行数の 3 分の 2 に相当する。
Next Screen 1 画面前方にカーソルを移動する。省略時の画面は,表示行数の 3 分の 2 に相当する。


付録 B
ACL エディタのカスタマイズ

ACL セクション・ファイル SYS$LIBRARY:ACLEDIT.TPU を変更して再コンパイルすることにより,ACL (アクセス制御リスト) エディタを変更することができます。 SYS$LIBRARY:ACLEDIT.TPU ファイルは,コンパイル済みの ACL セクション・ファイル SYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION.TPU$SECTION のソース・ファイルです。独自の ACL セクション・ファイルを作成することもできます。

セクション・ファイルの作成と処理の詳細については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。

B.1 ACL セクション・ファイルに格納されている変数の変更

表 B-1 は,ACL セクション・ファイルの変数と省略時の値の一覧です。

表 B-1 ACL セクション・ファイルの変数
変数 意味
ACLEDIT$X_CHECK_DUPLICATES 重複 ACE をチェックするかどうかを制御する。次の値を定義できる。

0 重複 ACE をチェックしない。
1 重複 ACE をチェックする。入力する ACE が既存 ACE と同じである場合,エラー・メッセージが出力される。省略時の値である。

ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY ACE の変更を許可または禁止する。次の値を定義できる。

0 ACE を変更できる。
1 ACE を変更できない。ACE を変更しようとした場合,オリジナルの ACE と置換される。省略時の値である。

ACLEDIT$X_DIRECTORY_FILE オブジェクトがディレクトリ・ファイルであるかどうかを示す。次の値を定義できる。

0 オブジェクトは,ディレクトリ・ファイルではない。
1 オブジェクトは,ディレクトリ・ファイルである。

ACLEDIT$X_PASTE_BUFFER VT200 シリーズ・ターミナルに対し, PASTE バッファのサポートを許可するかどうかを制御する。次の値を定義できる。

0 PASTE バッファ・サポートを禁止する。省略時の値である。
1 PASTE バッファ・サポートを許可する。

ACLEDIT$X_PROMPT 自動テキスト挿入 (プロンプト・モード) を許可するかどうかを制御する。次の値を定義できる。

0 プロンプト・モードを禁止する。
1 プロンプト・モードを許可する。省略時の値である。

ACLEDIT$X_USE_DEFAULT_OPT DEFAULT オプションをディレクトリ以外の ACE で使用できるかどうかを制御する。次の値を定義できる。

0 DEFAULT オプションを使用できるのは,ディレクトリ・ファイル (.DIR) の ACE だけである。省略時の値である。
1 DEFAULT オプションは,すべてのオブジェクト・タイプの ACE で使用できる。

ACLEDIT$C_WINDOW_SHIFT 指定方向で編集ウィンドウを移行するカラム数を指定する。左方向の移行には GOLD キーと左向き矢印キー,右方向の移行には GOLD キーと右向き矢印キーを使用する。省略時の値は,8 カラムである。

表 B-1 に示されている変数を変更した場合や ACL セクション・ファイルの他の部分を変更した場合,次のコマンドでセクション・ファイルを再コンパイルします。


$ EDIT/TPU/NOSECTION/COMMAND=SYS$LIBRARY:ACLEDIT

上記のコマンドは,コンパイル済み ACL セクション・ファイル
SYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION を作成するソース・コード・ファイル SYS$LIBRARY:ACLEDIT を直接変更する場合に使用します。既存の ACL セクション・ファイルにプライベート・コマンド・ファイルを追加する場合には,次のコマンドを使用します。


$ EDIT/TPU/SECTION=SYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION/COMMAND=CUSTOM_ACL.TPU

コンパイルされた DECtpu ACL セクション・ファイルは,現在のディレクトリに格納されます。このセクション・ファイルを実行するには,次のいずれかの作業を行います。

コンパイルする前のセクション・ファイル (ソース・ファイル) の省略時のファイル・タイプは TPU であり,コンパイル済みセクション・ファイルの省略時のファイル・タイプは TPU$SECTION です。

DECtpu セクション・ファイルの作成と処理の詳細については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。

B.2 ACL エディタ・ルーチン CALL_USER の使用法

ACL エディタ・ルーチン CALL_USER は,共用可能イメージ
SYS$LIBRARY:ACLEDTSHR.EXE の一部です。このルーチンは,その既存機能コードとともに ACL セクション・ファイルに含めることができます。また,別の機能コードを認識する CALL_USER ルーチンを,新たに作成することもできます。

ACL エディタ・ルーチン CALL_USER は,ACL エディタの DECtpu セクション・ファイルが使用する機能だけを認識します。その他の機能コードは,ユーザが提供する CALL_USER ルーチンに渡されます。ACL エディタ・ファシリティ・コード (10 進値 277 または 16 進値 115) を上位ワードに含んでいる CALL_USER 機能コードは,ACL エディタの CALL_USER ルーチンで処理されます。その他の機能コードの場合,ユーザが提供する CALL_USER ルーチンが使用されます。CALL_USER ルーチンの作成方法については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』の CALL_USER ルーチンの説明を参照してください。

表 B-2 は,ACL エディタがサポートする CALL_USER ルーチンの機能コードの一覧です。

表 B-2 CALL_USER 機能コード
機能
コード
ニーモニック 説明
18153473 ACLEDIT$C_PARSE_ACE 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーが存在しない場合は解析済み (バイナリ) ACE を戻す。エラーを検出した場合,最初の 2 文字が 0,入力 ACE の中で解析されなかった箇所を 3 文字目以降とする文字列を戻す。
18153474 ACLEDIT$C_CHECK_MODIFY ユーザが変更できる ACE の場合,文字列 "READ_WRITE" を戻す。変更できない ACE の場合,文字列 "READ_ONLY" を戻す。
18153475 ACLEDIT$C_PROMPT_MODE プロンプト・モードが指定されている場合,文字列 "PROMPT_MODE" を戻す。プロンプト・モードが指定されていない場合,文字列 "NOPROMPT_MODE" を戻す。
18153476 ACLEDIT$C_CHECK_ACE 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーが存在しない場合は解析済み (バイナリ) ACE を戻す。エラーを検出した場合,ACE テキストを強調表示し,エラーがある ACE であることを示す DECtpu 変数 ACLEDIT$X_RANGE_x を作成する。 "x" は,1 から始まる通し番号である。
18153477 ACLEDIT$C_CHECK_DIR 編集対象オブジェクトがディレクトリ・ファイルである場合,文字列 "DIRECTORY_FILE" を戻す。ディレクトリ・ファイルでない場合,文字列 "NODIRECTORY_FILE" を戻す。
18153478 ACLEDIT$C_SET_CANDIDATE 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーが存在しない場合は文字列 "PARSE_OK" を戻す。エラーを検出した場合,文字列 "PARSE_ERROR" を戻す。解析が正常終了した場合,CALL_USER の ACLEDIT$C_CHECK_DUP 機能が重複 ACE をチェックする。
18153479 ACLEDIT$C_CHECK_DUP 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーを検出した場合は文字列 "PARSE_ERROR" を戻す。エラーが存在しない場合,CALL_USER の ACLEDIT$C_SET_CANDIDATE 機能が設定した候補 ACE と解析済み (バイナリ) ACE とを比較する。 ACE が重複している場合は文字列 "DUPLICATE_ACE" を戻し,重複していない場合は文字列 "UNIQUE_ACE" を戻す。
18153482 ACLEDIT$C_MESSAGE 入力文字列がシステム・エラー・コードであると仮定し,そのエラー・コードに対応するメッセージ・テキストを ACL エディタのメッセージ・ウィンドウに戻す。


付録 C
プログラマのための会計情報

表 C-1 は,会計情報に関係するシステム・サービスを示しています。会計情報ファイルを読み込むシステム・サービスはありません。このため,読み込み処理を行うには,会計情報ファイルの構造を充分理解する必要があります。

表 C-1 会計情報システム・サービスの要約
システム・サービス 説明
$CREPRC 会計情報を禁止できるプロセスを作成する。
$SNDJBC どの資源を現在の会計情報ファイルに記録するかを制御する。または,ユーザが定義したレコードを現在の会計情報ファイルに記録する。

この付録では,会計情報ファイルの構造について説明します。会計情報データに直接アクセスしたいプログラマを対象としています。

注意

記載されている形式は,今後のリリースで断りなく変更する場合があります。

この付録で説明するシンボルとオフセットは,STARLET ライブラリの $ACRDEF マクロで定義します。

C.1 会計情報ファイル・レコードの形式

会計情報レコードは,1 つの会計情報レコード・ヘッダと複数の情報パケットで構成されます。情報パケットの数とタイプは,レコードのタイプによって異なります。

図 C-1 は会計情報レコードの標準形式, 表 C-2 はレコード・ヘッダのフィールドを示しています。レコード・ヘッダのタイプ・フィールドは, 表 C-3 に示す 5 つのフィールドに分割されます。

図 C-1 会計情報レコードの形式


表 C-2 会計情報レコード・ヘッダのフィールド
シンボリック・オフセット 説明
ACR$W_TYPE レコードのタイプを示す。 表 C-3 に示す 5 つのフィールドに分割される。(ワード)
ACR$W_LENGTH バイト単位によるレコード長。(ワード)
ACR$Q_SYSTIME 64 ビットの絶対時刻によるシステム時間。 (クォドワード)

表 C-3 会計情報レコード・ヘッダの ACR$W_TYPE フィールド
シンボリック・オフセット 説明
ACR$V_PACKET レコード・ヘッダであることを示す。 0 でなければならない。(1 ビット)
ACR$V_TYPE レコードのタイプを示す。現在, 表 C-4 に示す 8 つのレコード・タイプがある。(7 ビット)
ACR$V_SUBTYPE レコードを対応づけるプロセスのタイプを示す。次のタイプがある。(4 ビット)

シンボル 意味
ACR$K_BATCH バッチ・プロセス
ACR$K_DETACHED 独立プロセス
ACR$K_INTERACTIVE 会話型プロセス
ACR$K_NETWORK ネットワーク・プロセス
ACR$K_SUBPROCESS サブプロセス

このフィールドが適用されるのは, ACR$K_IMGDEL と ACR$K_PRCDEL のタイプのレコードだけである。

ACR$V_VERSION 会計情報ファイル・レコード構造のバージョンを示す。次のバージョンがある。(3 ビット)

シンボル 意味
ACR$K_VERSION2 VAX/VMS バージョン 2.0
ACR$K_VERSION3T VAX/VMS バージョン 3.0 フィールド・テスト
ACR$K_VERSION3 OpenVMS Alpha バージョン 1.0 と OpenVMS VAX バージョン 3.0,および Alpha と VAX のそれ以降のバージョン

ACR$V_CUSTOMER レコードの書き込みに使用したソフトウェアが,Compaq のソフトウェアとカスタマ・ソフトウェアのどちらであるかを示す。0 は Compaq のソフトウェア,1 はカスタマ・ソフトウェアを示す。(1 ビット)

注意

ACR$K_CURVER = 現在のバージョン。今回のリリースでは ACR$K_VERSION3 と同じに設定してください。


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