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この付録では,特定のハードウェア製品についての情報を示します。
V7.1
ここでは,ALPHAbook 1 ノートブック・コンピュータ固有のリリース・ノートをまとめます。
B.1.1 SCSI_MODE ユーティリティの使用
OpenVMS Alpha オペレーティング・システムでは,汎用的な SCSI_MODE ユーティリティが提供され,特権ユーザは SCSI デバイスのモード・ページを変更できます。このユーティリティを使用して自動ディスク・スピンダウン機能(automatic disk spindown)を有効にしておけば,約 2 ワットの電力を節約できます。モード・ページはディスク・ドライブに保存されるので,電源をオフにしてもこの状態は保存されます。
次の例に,1 分間のタイムアウトが経過した後,自動的に SCSI ディスク・スピンダウン機能を有効に設定する方法を示します(1 分以外のスピンダウン時間を選択するには,"- offset f" の後の "01" を適切な分数に変更します。値は 2 桁の 16 進数で指定します)。この手順は,ALPHAbook 1 ノートブック・コンピュータの内蔵ドライブでのみ使用してください。この例に示したパラメータ値は DVAS-2810 デバイスにのみ適用されます。システムの SCSI ディスク装置を確認するには,SHOW DEVICE/FULL DK コマンドを使用します。
$ define dcl$path sys$etc $ scsi_mode -devnam dka0 -devtyp DVAS-2810 -offset f 01 -page 38 -mount -save $! $! Processing Page #38h $! $! Cur 00______ 04______ 08______ 0C______ 10______ 14______ 18______ 1C______ $! 0000 11000008 001829D0 00000200 B80400B4 0000 $! $! Chng 00______ 04______ 08______ 0C______ 10______ 14______ 18______ 1C______ $! 0000 11000008 001829D0 00000200 B80400FF 0000 $! $! Sel 00______ 04______ 08______ 0C______ 10______ 14______ 18______ 1C______ $! 0000 00000008 001829D0 00000200 38040001 0000 $! Perform MODE SELECT to page 38h [y/n] ? y |
コンソール環境変数をグラフィックに設定して,ALPHAbook 1 ノートブック・コンピュータを起動すると,シリアル・ラインの名前(COM1)は変化します。ALPHAbook 1 では,COM1 デバイスの名前は TTA0 になります。
COM1 デバイスは SYS$OPDRIVER ではなく,SYS$YSDRIVER で制御されます。
コンソールがシリアルに設定されている場合には,デバイス名は OPA0 になります。
B.1.3 グラフィック表示モード
ALPHAbook 1 ノートブック・コンピュータには,Western Digital 90C24A グラフィック・コントローラが内蔵されており,10.4 インチのアクティブ・マトリックス TFT(Thin Film Transistor)ディスプレイに表示されます。
ビデオ・モニタ(CRT)が接続されている場合は,DECwindows ディスプレイ・サーバ・ソフトウェア(接続されているビデオ・モニタを自動的に検出します)は,解像度を 1024 x 768 に設定し,TFT ディスプレイを無効にします。モニタが接続されていないとサーバが判断した場合は,表示サイズは LCD(800 x 600)に対応するように強制的に設定され,CRT 出力は無効になります(コンピュータがバッテリで動作している場合は,電力を節約できます)。
B.1.4 グラフィック表示のカスタマイズ
SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを変更すれば,サイズの選択を変更できます。
また,次の論理名に対して DCL コマンド DEFINE/SYSTEM を使用することによって,他のパラメータも変更することができます。
これが TRUE に定義されている場合には,システムのブート時に画面のサイズの入力が要求されます。10 秒間何も応答しないと,(プライベート・サーバ・セットアップでデフォルトの設定を変更していない限り)デフォルトの値に設定されます。
次の値のいずれかを指定できます。
値 | 結果 |
---|---|
1 | LCD のみの動作 |
2 | CRT のみの動作 |
3 | LCD と CRT 両方の動作 |
次の条件に注意してください。
この論理名はヘルツ単位で別の垂直リフレッシュ速度を(たとえば 60 Hz などのように)選択します。デフォルトの設定は次のとおりです。
モード | 解像度 | 垂直リフレッシュ速度(Hz) |
---|---|---|
LCD のみ | 800 x 600 | 56 |
CRT のみ | 640 x 480 | 72 |
800 x 600 | 72 | |
1024 x 768 | 70 | |
他の CRT | 640 x 480 | 60 |
640 x 480 | 70 | |
800 x 600 | 56 | |
800 x 600 | 60 1 | |
1024 x 768 | 60 | |
1024 x 768 | 75 |
この論理名が 1 に設定されている場合には,次のことに注意してください。
ここでは,PCMCIA バスに関する注意事項をまとめます。
ALPHAbook 1 システムの PCMCIA バスで OpenVMS がサポートするカードは,次のカードに限定されます。
OpenVMS オペレーティング・システムでは,最大でイーサネット・カード 1 枚と FAX モデム・カード 1 枚を設定できます。
PCMCIA カードのホット・スワップ(コンピュータの稼動中のカードの取り外しと取り付け)は,サポートされていません。OpenVMS オペレーティング・システムが稼動しているときに,PCMCIA カードを挿入したり,取り外したりすると,システムのハング(システムは応答しなくなります)または障害が発生します。OpenVMS オペレーティング・システムの将来のリリースでは,PCMCIA カードのホット・スワップがサポートされるようになる予定です。
Apex Data ClipperCom V.34 International Data/FAX Modem カードで推奨される最高ボー・レートは 9600 です。モデムにアクセスするには,次の DCL コマンドとモデム・コマンドを使用してください。
$ SET TERM/PERM/SPEED=9600/ALT/MODEM TTB0: $ SET HOST/DTE TTB0: at*ncxx at&k6 at&s1 at\g1 at\q1 at\x1) |
(xx は国番号です。たとえば,米国は 22 です。国番号の一覧については,Apex Data ClipperCom V.34 のマニュアルを参照してください。)
Megahertz 28.8 FAX/Modem カードで推奨される最高ボー・レートは 9600 です。モデムにアクセスするには,次の DCL コマンドとモデム・コマンドを使用してください。
$ SET TERM/PERM/SPEED=9600/ALT/MODEM TTB0: $ SET HOST/DTE TTB0: at&s1 at&r1 |
PCMCIA モデムでサポートされるオーディオ・フィードバック
オーディオ・フィードバックを利用すると,電話呼び出しのステータスを示すことができます。
Apex Data ClipperCom V.34 International Data/FAX Modem は,PMDF FAX および Gold-FAX ソフトウェアと正しく連動して,データを転送します。
Megahertz 28.8 FAX/Modem は PMDF FAX ソフトウェアと正しく連動して,最高で 19.2 ボーのライン速度でデータを送受信します。しかし,Gold-FAX ソフトウェアを使用してファックスを送信する場合には,Megahertz 28.8 FAX/Modem カードで可能な最高ボー・レートは,9600 ボーになります。
B.1.6 オーディオのサポート
DECwindows Motif Version 1.2-3 に付属している DECsound ユーティリティは,ALPHAbook 1 システムのサウンド・プロセッサをサポートしません。オーディオのサポートは OpenVMS Multimedia サービス・キットで提供されますが,これは Compaq から別途ライセンス供与されるレイヤード・プロダクトです。
B.1.7 キーボードのマッピング
ALPHAbook 1 のキーボードは,88 個のキーがある PC レイアウト・キーボードです。ここではキーボードの設定方法と,特定のキーの機能を有効にする方法について説明します。
キーの表示どおりに動作するようにキーボードを設定することも,OpenVMS ユーザにとって使いやすいようにキーをマッピングすることもできます。キーボードをこのどちらかに設定するには,次の操作を実行します。
キーボードを設定する手順は,現在のすべての AlphaServer システムや AlphaStation システムの場合と同じです。ただし,ALPHAbook 1 のキーボードには,他のシステムにある一部のキーがありません(不足しているキーを生成する方法については,次の節で説明します)。
また,ミニドッキング・ステーションを使用すれば,LK411(LK401 レイアウト)互換キーボードや PCXAL(PS2 レイアウト)キーボードを AlphaBOOK 1 コンピュータに直接接続することもできます。
LK スタイルのキーボードにマッピングする場合は,次のことに注意してください。
デフォルトでは,右側の ALT キーは, ALPHAbook 1 User Guide で説明している特殊な機能(たとえば,ディスプレイの輝度を上下する機能など)のためのものです。LK スタイルのキーボードをエミュレートできるように,右側の ALT キーを設定して別の機能を実行するには,コンソール・プロンプトに対して次のコマンドを入力して,コンソール・レベルでこの設定を変更しなければなりません。
|
LK スタイルのキー | ALPHAbook キーの組み合わせ |
---|---|
PF1 | [SHIFT] [grey Numlock] |
PF2 | [RIGHT ALT] [grey /] |
PF3 | [RIGHT ALT] [grey *] |
PF4 | [RIGHT ALT] [0] |
KP, | [RIGHT ALT] [P] |
KP- | [LOCK] [RIGHT ALT] [P] |
KP_ENTER | [RIGHT ALT] [ENTER] |
KP. | [RIGHT ALT] [grey .] |
KP0 | [RIGHT ALT] [grey 0] |
KP1 | [RIGHT ALT] [grey 1] |
KP2 | [RIGHT ALT] [grey 2] |
KP3 | [RIGHT ALT] [grey 3] |
KP4 | [RIGHT ALT] [grey 4] |
KP5 | [RIGHT ALT] [grey 5] |
KP6 | [RIGHT ALT] [grey 6] |
KP7 | [RIGHT ALT] [grey 7] |
KP8 | [RIGHT ALT] [grey 8] |
KP9 | [RIGHT ALT] [grey 9] |
FIND | INS |
INS | HOME |
REMOVE | PAGE UP |
SELECT | DEL |
PREV | END |
NEXT | PAGE DOWN |
HELP | PRINT SCREEN |
DO | SCROLL LOCK |
PCMCIA イーサネット・カードのコントローラには制限があるため,ALPHAbook 1 コンピュータはクラスタ環境でクラスタ・ブート・ノードとしてではなく,サテライト・ノードとしてだけ使用するようにしてください。
B.2 AlphaServer 1000A
ここでは,AlphaServer 1000A コンピュータに関するリリース・ノートをまとめます。
B.2.1 BUS_PROBE_ALGORITHM のデフォルトの設定
AlphaServer 1000A コンピュータでコンソール変数 BUS_PROBE_ALGORITHM を OLD に設定することはできません。デフォルトの設定は NEW です。BUS_PROBE_ALGORITHM を OLD にリセットすると,OpenVMS システムは正しくブートされません。
B.2.2 DEFPA アダプタでのインストールの障害
DEFPA アダプタを使用している AlphaServer 1000A コンピュータで OpenVMS オペレーティング・システムをインストールしようとすると,インストールは失敗し, KERNEL STACK NOT VALID HALTエラー・メッセージが出力されることがあります。このエラーが発生した場合は,システムの電源をいったんオフにした後,オンにして,インストールを再開してください。
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