日本語 OpenVMS Alpha
V7.3-2 インストレーション・ガイド


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1.10 システム・ディスクのバックアップ

インストレーション中に問題が発生したときのために,あらかじめシステム・ディスクのバックアップをとっておくことをお勧めします。バックアップ実行の詳細については,『 OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

1.11 日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 より前のバージョンからのアップグレード

日本語 OpenVMS Alpha V7.2,V7.2-1,V7.2-2,V7.3,V7.3-1 から日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 にアップグレードする場合は,必ず以下の手順で行うようにしてください。

  1. 日本語 DECwindows Motif の削除
    日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 がサポートする標準版 DECwindows Motif のバージョンは V1.3-1 以上です。これより古いバージョンの標準版 DECwindows Motif がインストールされている場合は,標準版 OpenVMS のインストレーション時に自動的に標準版 DECwindows Motif がアップグレードされます。この場合,あらかじめ日本語 DECwindows Motif を削除しておくことが必要になります。
    日本語版 DECwindows Motif の削除方法については,ご使用のバージョンの日本語 DECwindows Motif の『インストレーション・ガイド』を参照してください。

  2. SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM の編集
    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM をエディタで編集して,日本語 OpenVMS Alpha のスタートアップ・プロシージャの行を以下のようにコメント・アウトしてください。


        $! @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM    
    


    この作業を行わないと,後の作業で警告メッセージが表示されます。

  3. 標準版 OpenVMS Alpha V7.3-2 へのアップグレード
    標準版 OpenVMS Alpha V7.3-2 のキットを用いて,標準版 OpenVMS Alpha のアップグレードを行ってください。アップグレードの方法については『 OpenVMS Alpha Version 7.3-2 Upgrade and Installation Manual 』を参照してください。
    DECwindows Motif のアップグレードを行う場合は,オペレーティング・システムのアップグレードと同時に行うことができます。

    注意

    日本語 TCP/IP をインストールしている場合は,標準版の TCP/IP はインストールしないようにしてください。

  4. XPG4 ロケール・データ・ファイル・キットのインストール
    ロケール・データ・ファイル・キット ALPVMSI18N04_073 のインストレーションを行ってください。インストレーションの手順は 第 1.5.2 項 を参照してください。

  5. 日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 へのアップグレード
    日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 のインストレーションを行ってください。以後の作業については, 第 2 章 およびそれ以降の章を参照してください。

  6. 日本語 DECwindows Motif のインストレーション
    日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 でサポートされる日本語 DECwindows Motif のバージョンは V1.3-1 以上です。日本語ウィンドウ環境が必要な場合は日本語 DECwindows Motif V1.3-1 以上をインストールしてください。

  7. 日本語 TCP/IP のインストレーション
    日本語 TCP/IP を使用する場合は,V5.4 をインストールしてください。


第 2 章
日本語版インストレーション

この章では,日本語 OpenVMS Alpha オペレーティング・システム V7.3-2 のインストレーションの手順について説明します。

2.1 インストレーション

日本語 OpenVMS Alpha オペレーティング・システム V7.3-2 は,標準版 OpenVMS Alpha の POLYCENTER ソフトウェア・インストレーション・ユーテリティ (PCSI) プロシージャでインストールされます。キットのファイル名は  DEC-AXPVMS-JVMS-V0703-2-1.PCSI$COMPRESSEDです。

日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 をインストールする前に,『 OpenVMS システム管理者マニュアル』の「POLYCENTER Software Installation ユーティリティ」の項を参照してください。

さらに,日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 をインストールする前に,次のことを確認してください。

  1. 標準版 OpenVMS Alpha が V7.3-2 である

  2. XPG4 ロケール・データ・ファイルがインストールされている ( 詳細は, 第 1.5.2 項 を参照 )

  3. 十分なディスク・スペースがある ( 詳細は, 第 1.8 節 を参照 )

  4. システムに十分なグローバル・ページとグローバル・セクションがある ( 詳細は, 第 1.9 節 を参照 )

  5. 日本語 OpenVMS Alpha V7.2,V7.2-1,V7.2-2,V7.3,V7.3-1 からのアップグレードの場合, 第 1.11 節 に示されている準備が終了している

2.2 インストレーションの手順

この節では,日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 のインストレーションの手順を説明します。

注意

日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 では, POLYCENTER ソフトウエア・インストレーション・ユーティリティを使用してインストールを行います。従来の VMSINSTAL ではインストールできませんのでご注意ください。

日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 をインストールするためには,システム・マネージャのアカウントにログインして,次のコマンドを入力し,POLYCENTER ユーティリティを実行します。


 
    $ PRODUCT INSTALL JVMS /SOURCE=device:[directory]    
 

ここで,device はキットの存在するデバイス, directory はキットの存在するディレクトリです。

/SOURCE 修飾子を指定しなかった場合, POLYCENTER ユーティリティは論理名 PCSI$SOURCE で指定された場所を検索します。 /SOURCE 修飾子も PCSI$SOURCE も指定しなかった場合は, POLYCENTER ユーティリティはデフォルト・ディレクトリを検索します。

キットを見つけると,POLYCENTER ユーティリティは以下のメッセージを表示します。


    The following product has been selected: 
        DEC AXPVMS JVMS  V7.3-2                      Layered Product    
 
    Do you want to continue? [YES] 
 

ここでインストールされるキットが正しく日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 を示していることを確認してください。

YES と答えると,次のメッセージが表示されます。


 Configuration phase starting ... 
 
 You will be asked to choose options, if any, for each selected product and for 
 any products that may be installed to satisfy software dependency requirements. 
 
 DEC AXPVMS JVMS  V7.3-2 : HP OpenVMS/Japanese Operating System for Alpha 
 
   (C) Copyright 2004 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 
 
 * This Product does not have any configuration options. 

日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 のインストレーションが開始されます。


 
 Execution phase starting ... 
 
 The following product will be installed to destination: 
     DEC AXPVMS JVMS  V7.3-2                      DISK$ALPHASYS:[VMS$COMMON.] 
 
 Portion done: 0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%...100% 
 

ゲージが 100% に達すると,ファイルをシステムに転送する作業は完了です。以下のメッセージが表示され,IVP が実行されます。


 
The following product has been installed: 
    DEC AXPVMS JVMS  V7.3-2                      Layered Product 
 
%PCSI-I-IVPEXECUTE, executing test procedure for DEC AXPVMS JVMS  V7.3-2  ... 
 

IVP が正常に完了すると,以下のメッセージが表示され,インストレーションは完了です。


    %PCSI-I-IVPSUCCESS, test procedure completed successfully 
 
    DEC AXPVMS JVMS  V7.3-2 : HP OpenVMS/Japanese Operating System for Alpha 
 
        This product requires the following SYSGEN parameters: 
            TTY_CLASSNAME value TT 
 
        This product requires the following SYSGEN parameters: 
            GBLPAGES add 12000 
 
        This product requires the following SYSGEN parameters: 
            GBLSECTIONS add 64 
 
        Insert the following lines in SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM:    
            @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM 
    $ 
 

POLYCENTER ユーティリティが終了したら,インストレーション後の作業を行い,システムをリブートしてください。

インストレーション後の作業については, 第 4 章 を参照してください。

また,インストレーションや IVP でエラーが起きたときは, 第 5 章 を参照して対処してください。


第 3 章
インストレーションの検証

この章では,日本語 OpenVMS Alpha オペレーティング・システムがうまくインストールされたかどうかを検証する方法について説明します。

3.1 インストレーション検証プロシージャ(IVP)

日本語 OpenVMS Alpha のキットには,日本語 OpenVMS Alpha が正しくインストールされたかどうか確認するための,インストレーション検証プロシージャ(IVP)が含まれています。 IVP (JSY$IVP.COM) は,SYS$TEST に置かれます。

IVP は,日本語 OpenVMS Alpha の主な 14 個のユーティリティについてのテストから構成されており,このコマンド・プロシージャが正常終了した場合は,日本語 OpenVMS Alpha が正しくインストールされたことを示します。

IVP は,日本語 OpenVMS Alpha のインストレーション時に自動的に実行されます。

また,日本語 OpenVMS Alpha のインストレーション後に PAK を登録しロードした後に,単独でIVPを実行することもできます。その場合には,次のように入力して IVP を起動します。ただし,この操作には SYSPRV 特権が必要です。


    $ @SYS$TEST:JSY$IVP.COM    

IVP は,日本語 OpenVMS Alpha の 14 個のユーティリティが,それぞれインストールされているかどうかを判断し,インストールされていたならば,そのユーティリティについてのテストを実行します。

各ユーティリティそれぞれについてのテストが終了した時点で,そのユーティリティに問題が発見された場合,エラー・メッセージが出力されます。そして,14 個のテストすべてが終了した後に,日本語 OpenVMS Alpha のインストレーションが成功したかどうかのメッセージが出力されます。エラー・メッセージはJSY$TEST:ERROR.DAT にも出力されます。

すべてのユーティリティについてのテストの実行ではなく, 1 つのユーティリティについてだけテストを実行することができます。その場合には,次のように入力してください。


    $ @JSY$TEST:IVP_SETUP.COM [ユーティリティ・テスト名]    

たとえば,KCODE ユーティリティの場合には,次のように入力します。


    $ @JSY$TEST:IVP_SETUP.COM IVP_KCODE    

上記の @SYS$TEST:JSY$IVP.COM は,すべてのユーティリティのテストを実行します。これらのユーティリティのユーティリティ・テスト名を実行する順番に示します。

IVP_CMGR
IVP_FIP
IVP_JCOBOL
IVP_JDICEDIT
IVP_JMAIL
IVP_JSORT
IVP_KANJIGEN
IVP_KCODE
IVP_KCONVERT
IVP_KINQUIRE
IVP_NCOBOL
IVP_TMH
IVP_XTPU
IVP_JSNA

ただし,テストはインストールされているユーティリティについてだけ実行されます。 IVP が正しく実行されるためには, JSY$TEST:F_[ ユーティリティ名].DAT が JSY$TEST に存在していなければなりません。もし,それらがないとエラー・メッセージが出力されます。また,ファイル F_NECESSARY.DAT も存在しなければなりません。

IVP の実行を途中で止めたい時は [Ctrl/Y] を押してください。

IVP が,正常に終了した場合の出力メッセージについては, 付録 C を参照してください。


第 4 章
インストレーション後の作業

この章では,日本語 OpenVMS Alpha オペレーティング・システムのインストレーション後の作業について説明します。

4.1 イニシャル・インストール後の作業

日本語 OpenVMS Alpha を初めてシステムにインストールした場合は,インストール後に次の作業を行ってください。なお,日本語 OpenVMS Alpha V7.2,V7.2-1,V7.2-2,V7.3,V7.3-1 からアップグレードを行った場合は, 第 4.2 節 を参照してアップグレード後の作業を行ってください。アップグレードの場合は,以下の作業は必要ありません。

4.1.1 システムのスタートアップ

日本語 OpenVMS Alpha を使用する前に,論理名やノウン・イメージなどの初期化が必要です。標準版 OpenVMS Alpha を立ち上げたときに,日本語 OpenVMS Alpha も自動的に初期化されるように以下の作業を行ってください。

  1. 日本語スタートアップの追加
    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に次のように日本語 OpenVMS スタ−トアップ・プロシージャを実行する行を追加してください。


         $ @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM    
    


    なお,テンプレート・ファイル JSY$STARTUP.TEMPLATE を編集することにより,ユーザ独自のスタートアップ・ファイル JSY$STARTUP.COM を作成することも可能です。

  2. 日本語ロケールの設定
    システムの省略時のロケールを設定する時は,次のコマンドを
    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に追加してください。


        $ DEFINE/SYSTEM/EXEC SYS$LANG "ja_JP.sdeckanji"     
     
    


    この例では省略時のロケールを ja_JP.sdeckanji に設定しています。設定可能な日本語ロケールは次の 5 つのいずれかです。

    ja_JP.deckanji
    ja_JP.sdeckanji
    ja_JP.deckanji2000
    ja_JP.eucJP
    ja_JP.sjis

  3. 日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 のスタート
    システムをリブートしてください。日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 がスタートします。 OpenVMS Cluster システムで,ライセンスがロードされていないために日本語 OpenVMS Alpha が実行できないときは,LICENSE LOAD コマンドでライセンスをロードしてください。
    詳細は,『 OpenVMS License Management Utility Manual 』を参照してください。

4.1.2 漢字ターミナルの設定

実際に日本語ユーティリティを使用する前に,漢字ターミナルの設定を行わなければなりません。

詳細は,『日本語 OpenVMS   概説書』を参照してください。

4.2 アップグレード後の作業

日本語 OpenVMS Alpha V7.2,V7.2-1,V7.2-2,V7.3,V7.3-1 から日本語 OpenVMS Alpha

  1. SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM の復旧
    アップグレードの作業を行う前にコメント・アウトをした
    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM 中の日本語 OpenVMS Alpha のスタートアップ・プロシージャをもとにもどし,システムのブート時に日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 が起動するようにしてください。


        $ @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM 
    


  2. 日本語ロケールの設定
    システムの省略時のロケールを設定する時は,次のコマンドを
    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に追加してください。


        $ DEFINE/SYSTEM/EXEC SYS$LANG "ja_JP.deckanji2000"  
    


    この例では省略時のロケールを ja_JP.deckanji2000 に設定しています。設定可能な日本語ロケールは次の 5 つのいずれかです。

    ja_JP.deckanji
    ja_JP.sdeckanji
    ja_JP.deckanji2000
    ja_JP.eucJP
    ja_JP.sjis

  3. 日本語 DECwindows Motif の言語設定
    ワークステーションで日本語 DECwindows Motif を実行していて,日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 へのアップグレード前に SYSTEM アカウントのセッション・マネージャの言語設定を「日本語」から「US English」に変更した場合は,「日本語」に戻してください。

  4. 日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 のスタート
    システムをリブートしてください。システムの設定が変更され日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 がスタートします。

  5. 日本語 TCP/IP のインストール
    日本語 TCP/IP を使用する場合には,以下の作業を行ってください。

    1. 英語版 TCP/IP がインストールされている場合は削除する


        例: 
       
            $ product remove tcpip 
      

    2. 日本語 TCP/IP V5.4 をインストールする


        例: 
       
            $ product install tcpipja /source=<disk>:[directory] 
      


    詳しくは『日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS インストレーション / コンフィギュレーション・ガイド』を参照してください。

4.3 問題点の通知

本ソフトウェアについては,弊社所定のソフトウェア保証基準に定められた保証が提供されますので,その内容にしたがった処置を取ってください。

なお,ご不明な点につきましては,弊社の各支店/営業所にお問い合わせください。


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