OpenVMS
DCL ディクショナリ


前へ 次へ 目次 索引



DELETE/QUEUE/MANAGER

1 ノードまたは OpenVMS Cluster システムからキュー・マネージャを削除します。削除するキュー・マネージャが管理しているキューおよびジョブはすべて削除されます。最初にキュー・マネージャを止めます。 /NAME_OF_MANAGER 修飾子は省略できません。

OPER (オペレータ) および SYSNAM (システム論理名) 特権が必要です。


形式

DELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGER=キュー・マネージャ名


パラメータ

なし


説明

キュー・マネージャを削除するには,次の手順に従ってください。

  1. STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER/NAME_OF_MANAGER= キュー・マネージャ名 コマンドを使用して,指定されたキュー・マネージャを停止します。

  2. キュー・マネージャの名前を指定して, DELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGER コマンドを入力します。


修飾子

/NAME_OF_MANAGER=文字列

削除するキュー・マネージャを指定します。 /NAME_OF_MANAGER 修飾子は省略できません。キュー・マネージャには,最大 31 文字の文字列または論理名を指定します。

#1

$ DELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGER=BATCH_MANAGER
 

この DELETE/QUEUE/MANAGER/NAME_OF_MANAGER コマンドは, BATCH_MANAGER というキュー・マネージャを削除します。キュー・データベースの共有マスタ・ファイルからの指定キュー・マネージャへの参照を削除し, BATCH_MANAGER に関係付けられたキューおよびジャーナル・ファイルを削除します。


DELETE/SYMBOL

ローカル・シンボル・テーブル,またはグローバル・シンボル・テーブルから, 1 つまたはすべてのシンボル定義を削除します。/SYMBOL 修飾子は省略できません。

形式

DELETE/SYMBOL [シンボル名]


パラメータ

シンボル名

削除するシンボルの名前を指定します。/ALL 修飾子が指定されていない限り,シンボル名パラメータは必ず指定しなければなりません。シンボル名パラメータを指定する場合には,/ALL 修飾子は指定できません。シンボル名は,1 文字から 255 文字までの長さです。省略時の設定では, DELETE/SYMBOL コマンドは,シンボルが現在のコマンド・プロシージャのローカル・シンボル・テーブルに登録されていると仮定します。

説明

DELETE/SYMBOL コマンドは,シンボル・テーブルからシンボル定義を削除します。グローバル・シンボル・テーブルもローカル・シンボル・テーブルも指定しないと,ローカル・シンボル・テーブルからシンボルが削除されます。 /GLOBAL 修飾子と /LOCAL 修飾子の両方を指定した場合は,最後に指定した修飾子だけが有効になります。 /SYMBOL 修飾子は,必ず DELETE コマンドの直後に指定しなければなりません。

修飾子

/ALL

指定されたシンボル・テーブルの,すべてのシンボル名が削除されることを指定します。/LOCAL または /GLOBAL 修飾子を指定しない場合には,現在のコマンド・レベルで定義された,すべてのシンボルが削除されます。 /ALL 修飾子を指定する場合には,シンボル名パラメータは指定できません。

/GLOBAL

シンボル名が,現在のプロセスのグローバル・シンボル・テーブルから削除されることを指定します。

/LOCAL (省略時の設定)

シンボル名が,現在のプロセスのローカル・シンボル・テーブルから削除されることを指定します。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

削除された各シンボルを示す,情報メッセージが表示されるか否かを制御します。

#1

$ DELETE/SYMBOL/ALL

この DELETE/SYMBOL コマンドは,現在のコマンド・レベルのすべてのシンボル定義を削除します。

#2

$ DELETE/SYMBOL/LOG KUDOS
%DCL-I-DELSYM, LOCAL symbol KUDOS has been deleted

この DELETE/SYMBOL コマンドは,現在のプロセスのローカル・シンボル・テーブルから,シンボル FOO を削除します,さらに,/LOG 修飾子が指定されているため,削除されたシンボルを示す情報メッセージが表示されます。

#3

$ DELETE/SYMBOL/GLOBAL PDEL

この DELETE/SYMBOL コマンドは,現在のプロセスのグローバル・シンボル・テーブルから, PDEL という名前のシンボルを削除します。


DEPOSIT

仮想メモリ中の指定した位置の内容を置換し,新しい内容を表示します。

DEPOSIT コマンドと同時に EXAMINE コマンドを使用すると,会話型でプログラムをデバッグすることができます。 DCL コマンドの DEPOSIT コマンドは, OpenVMS Debugger の DEPOSIT コマンドに似ています。

内容を変更したい仮想メモリ位置へのユーザ・モード読み込み(R)権および書き込み(W) アクセス権が必要です。


形式

DEPOSIT 位置=データ[,...]


パラメータ

位置

内容を変更したい仮想メモリ中の仮想アドレスの開始点,または仮想アドレスの範囲 (2 番目に指定するアドレスは,最初に指定したアドレスより大きくなければなりません ) を指定します。ここでは整数値,シンボル名,レキシカル関数,またはこれらの任意の組み合わせを含む,有効な整数式を指定します。基数修飾子は,アドレスを解釈する基数を決めます。省略時の設定は 16 進形式です。シンボル名は常に,それが定義された基数で解釈されます。基数演算子 %X,%D,または %O は,位置の前に指定できます。 16 進値は数字 ( または前に %X をつけた数字 ) で始めなければなりません。

ここで指定する位置は,プロセスで現在実行中のイメージの,仮想アドレス領域内でなければなりません。

DEPOSIT および EXAMINE コマンドは,現在のメモリ位置へのポインタを保守します。 DEPOSIT コマンドはこのポインタを,修正した最後のバイトの次のバイトに設定します。後続の EXAMINE および DEPOSIT コマンドでピリオド(.) を使用すると,このポインタを参照することができます。 DEPOSIT コマンドを使用して指定したデータを格納できない場合は,ポインタは変更しません。 EXAMINE コマンドは,ポインタの値を変更しません。

データ[,...]

指定した位置に格納するデータを指定します。省略時の設定では,データは 16 進形式で指定されているとみなします。あとで 2 進形式に変換したり,指定した位置に書き込むことができます。

複数のデータを指定する場合は,各データをコンマ (,) で区切ります。 DEPOSIT コマンドは,指定されたアドレスから連続的な位置にデータを書き込みます。

ASCII 以外のデータを格納する場合は,有効な整数式を使用して複数のデータ項目を指定することができます。

ASCII データを格納する場合は,データ項目は 1 つしか指定できません。等号の右にあるすべての文字は,文字列であるとみなされます。これらの文字は大文字に変換され,空白は圧縮されます。


説明

DEPOSIT コマンドの実行が終了すると,データが格納された仮想メモリアドレスと,その位置の新しい内容が表示されます。次の例を参照してください。


address:  contents 

現在のアクセス・モードで,指定したアドレスの読み込みはできても書き込みができない場合,DEPOSIT コマンドはその位置の元の内容を表示します。指定したアドレスからの読み込みも書き込みもできない場合は, DEPOSIT コマンドはデータ・フィールドにアスタリスク (*) を表示します。DEPOSIT コマンドは,その位置 ( 修正した最後のバイトの次のバイト ) にポインタを設定します。

数値のリストを指定すると,アクセス違反が発生する前に,いくつかの値は正常に格納されます。ASCII データを格納している間にアクセス違反が発生すると,何も格納されません。

基数修飾子: DEPOSIT または EXAMINE コマンドで,コマンド・インタプリタが数値リテラルを解釈する基数です。省略時の基数は, 16 進です。この場合,コマンド行に指定されたすべての数値リテラルは, 16 進数であるとみなされます。コマンド行で基数修飾子を変更すると,その基数が,後続の EXAMINE および DEPOSIT コマンドの省略時の基数になります。これは,他の修飾子でその設定を変更するまで続きます。次の例を参照してください。


$ DEPOSIT/DECIMAL 900=256
00000384:  256

DEPOSIT コマンドは,位置 900 と値 256 の両方を,10 進数として解釈しています。後続のすべての DEPOSIT および EXAMINE コマンドは,アドレスやデータに指定した数字を 10 進数とみなします。DEPOSIT コマンドは,常にアドレス位置を 16 進数で表示することに注意してください。

= ( 割り当て文 ) コマンドで定義されたシンボル値は,常にそれが定義された基数で解釈されます。

格納位置または格納データとして指定する 16 進数値は,数字 (0 〜 9) で始めなければなりません。数字 (0 〜 9) で始めないとコマンド・インタプリタは,シンボル名が入力されたとみなし,シンボルを置換しようとします。

DEPOSIT コマンドを入力する時に基数演算子 %X,%D,または %O を使用すると,現在の省略時の設定を変更することができます。次の例を参照してください。


$ DEPOSIT/DECIMAL %X900=10

このコマンドは, 16 進数 900 として指定した位置を,10 進数値 10 として格納します。

長さ修飾子: DEPOSIT コマンドの,省略時の長さの単位はロングワードです。データ値のリストを指定した場合,データは指定した位置から始まる連続したロングワードに格納されます。コマンド行で長さ修飾子を変更すると,その長さが,後続の EXAMINE および DEPOSIT コマンドの省略時の長さになります。これは,他の修飾子でその設定を変更するまで続きます。

ASCII 値を格納する場合,長さ修飾子は無視されます。

修飾子の位置に関する制限事項: DEPOSIT コマンドは,式を算術的に分析します。そのため,前にスラッシュ (/) が必要な修飾子は,正確に解釈されるためには,コマンド名の直後に指定しなければなりません。


修飾子

/ASCII

指定したデータが ASCII であることを示します。

データ項目は 1 つだけ指定できます。等号(=)の右にあるすべての文字は,文字列であるとみなされます。引用符(" ") で囲まないと,メモリに書き込まれる前にこれらの文字は,すべて大文字に変換され複数の空白は 1 つ空白に圧縮されます。

DEPOSIT コマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを 2 進形式に変換します。 /ASCII が指定されている場合,または省略時の設定が ASCII モードの場合,ユーザが指定した位置は 16 進形式であるとみなされます。

/BYTE

一度に 1 バイトずつデータを格納するよう要求します。

/DECIMAL

データが 10 進形式であることを示します。 DEPOSIT コマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを 2 進形式に変換します。

/HEXADECIMAL

データが 16 進形式であることを示します。 DEPOSIT コマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを 2 進形式に変換します。

/LONGWORD

一度に 1 ロングワードずつデータを格納するよう要求します。

/OCTAL

データが 8 進形式であることを示します。 DEPOSIT コマンドは,仮想メモリに格納する前に,データを 2 進形式に変換します。

/WORD

一度に 1 ワードずつデータを格納するよう要求します。

#1

$ RUN MYPROG
   .
   .
   .
 
[Ctrl/Y]
$ EXAMINE %D2145876444
7FE779DC:  0000000000
$ DEPOSIT .=17
7FE779DC:  0000000017
$ CONTINUE
 

RUN コマンドで,イメージ MYPROG.EXE を実行します。次に Ctrl/Y を押してプログラムを中断します。 /HEXADECIMAL および /LONGWORD 修飾子の省略時の設定が有効であるとみなされ, DEPOSIT コマンドは仮想メモリ位置 2145876444 にロングワード値 17(10 進数で 23)を格納します。

EXAMINE コマンドは,現在のメモリ位置 ( ここでは仮想アドレス 2145876444 ) にポインタを設定しているので,DEPOSIT コマンドでピリオド (.) を使用して,この位置を参照することができます。

CONTINUE コマンドで,イメージの実行を再開させます。

#2

$ DEPOSIT/ASCII   2C00=FILE: NAME: TYPE:
00002C00:  FILE: NAME: TYPE:...
 

この例で DEPOSIT コマンドは,16 進形式で位置 2C00 に文字データを格納し,修正した後でこの位置の内容を表示します。現在の省略時の長さはロングワードなので,DEPOSIT コマンドからの応答は,完全なロングワードを表示します。反復記号 (...) は, DEPOSIT コマンドにより修正されなかった情報を含むデータの,最後のロングワードより後にロングワードがあることを示します。

#3

$ EXAMINE 9C0             !  Look at Hex location 9C0
000009C0:  8C037DB3
$ DEPOSIT .=0             !  Deposit longword of 0
000009C0:  00000000
$ DEPOSIT/BYTE .=1        !  Put 1 byte at next location
000009C4:  01
$ DEPOSIT .+2=55          !  Deposit 55 next
000009C7:  55
$ DEPOSIT/LONG .=0C,0D,0E !  Deposit longwords
000009C8:  0000000C 0000000D 0000000E
 

上記の例の一連の DEPOSIT コマンドは,DEPOSIT コマンドで現在の位置ポインタを変更する方法を示しています。/BYTE 修飾子を指定した後,すべてのデータは格納されバイトで表示されます。これは /LONGWORD 修飾子がシステムの省略時の設定を格納するまで続きます。

#4

$ BASE=%X200               !  Define a base address
$ LIST=BASE+%X40           !  Define offset from base
$ DEPOSIT/DECIMAL LIST=1,22,333,4444
00000240:  00000001 00000022 00000333 00004444
$ EXAMINE/HEX LIST:LIST+0C !  Display results in hex
00000240:  00000001 00000016 0000014D 0000115C
 

割り当て文は基底アドレスを 16 進形式で定義し,基底アドレスから 16 進オフセットにラベルを定義します。 DEPOSIT コマンドは値のリストを読み込み,指定した位置から各値をロングワードに格納します。 EXAMINE コマンドは,これらの値を 16 進数で表示するよう要求しています。


DIAGNOSE (Alpha のみ)

DECevent 管理ユーティリティを起動し, 1 つまたは複数のログ・ファイルの内容を選択的にレポートします。このユーティリティは,OpenVMS Version 7.2* を実行しているシステムで出力されたエラー・ログで最も役立ちます。OpenVMS Version 7.3 以降のシステムで出力されたエラー・ログについては, ANALYZE/ERROR_LOG/ELV (Alpha のみ) コマンドを参照してください。 OpenVMS 7.2 より前のシステムで出力されたエラー・ログについては, ANALYZE/ERROR_LOG コマンドを参照してください。

DECevent ユーティリティについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』またはオンライン・ヘルプを参照してください。


形式

DIAGNOSE [修飾子...] [ファイル指定][,...]


DIFFERENCES

2 つのディスク・ファイルの内容を比較し,一致しないレコードのリストを表示します。

形式

DIFFERENCES 第1ファイル [第2ファイル]


パラメータ

第 1 ファイル

比較のために入力する最初のファイルの名前を指定します。ファイルには,ファイル名とファイル・タイプを指定しなければなりません。ファイルの中で,ワイルドカード文字は使用できません。

第 2 ファイル

比較のために 2 番目に入力するファイルの名前を指定します。省略したフィールドに対しては,第 1 ファイルの対応するフィールドが使用されます。ファイルの中で,ワイルドカード文字は使用できません。

第 2 ファイルを指定しない場合には,DIFFERENCES コマンドは,第 1 ファイルの 1 つ前のバージョンを使用します。


説明

2 つのファイルが同じかどうか,また異なる場合どのように異なるかを判定するには,DIFFERENCES コマンドを使用します。 DIFFERENCES コマンドは,指定された 2 つのファイルをレコードごとに比較し,異なる場合は差をリストする出力ファイルを生成します。

DIFFERENCES コマンドの修飾子は,次のように機能別に分類できます。

省略時の設定では,DIFFERENCES コマンドの出力は,現在の SYS$OUTPUT 装置に書き出されます。出力を別のファイルまたは装置に書き出すには, /OUTPUT 修飾子を使用します。

DIFFERENCES コマンドは,終了状態で終了します。比較の結果は,次の重大度で示されます。

SUCCESS ファイルは同じです。
INFORMATIONAL ファイルは異なります。
WARNING DIFFERENCESの利用者指定最大数を超えました。
ERROR 仮想メモリの不足のため,比較を完了できません。

SUCCESS 以外のすべての重大度は,2つの入力ファイルが異なることを表します。


修飾子

/CHANGE_BAR[=([変更バー文字][,[NO]NUMBER])]

指定された文字を使用して違いをマークします。/CHANGE_BAR 修飾子が表示する出力は,/CHANGE_BAR 修飾子を指定した位置により異なります。次の例では,/CHANGE_BAR 修飾子の位置による結果について説明します。

次の例では,前のバージョン input.file とは異なる行すべての先頭にシャープ記号 (#) の付いた最新のバージョンを表示します。


$ DIFFERENCES input.file/CHANGE_BAR=#

次の例では,input.file;1 と異なる行すべての先頭にシャープ記号 (#) の付いた input.file;2 を表示します。


$ DIFFERENCES input.file;1  input.file;2 /CHANGE_BAR=#

次の例では,input.file;2 と異なる行すべての先頭にシャープ記号 (#) を付けた input.file;1 を表示します。


$ DIFFERENCES input.file;1/CHANGE_BAR=#  input.file;2

次の例では,input.file;2 と異なる行すべての先頭にパーセント記号 (%) を付けた input.file;1 と,input.file;1 と異なる行すべての先頭にシャープ記号 (#) を付けた input.file;2 を表示します。


前へ 次へ 目次 索引