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初期化プロセスでは,出力セーブ・セット修飾子 /TAPE_EXPIRATION, /PROTECTION,/BY_OWNER で指定した値がボリューム・ヘッダ・レコードに書き込まれます。テープを初期化した後,セーブ・セットがテープに書き込まれます。
テープが満了していない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。表示されるターミナルは,/NOASSIST を指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its expiration date is in the future Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP> |
出力テープのラベルが ANSI や ISO 以外である場合や一度も初期化したことがない出力テープの場合は,必ず /REWIND を指定してください。
/NOREWIND 修飾子は,セーブ処理を行う前に,テープのボリューム・ラベルを BACKUP コマンドで指定したラベルと比較します。ラベルは,/LABEL 修飾子で明示的に指定できます。ラベルを指定しない場合,セーブ・セット名の最初の 6 文字がボリューム・ラベルとして使用されます。ボリューム・ラベルが指定ラベルと一致しない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。表示されるターミナルは,/NOASSIST を指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its label does not match the one requested Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP> |
OVERWRITE オプションを選択すると,ボリューム・ラベルが一致していなくても無視されます。ラベルが一致している場合や OVERWRITE オプションを指定した場合は,論理的なテープの終端 (最後にテープに格納したセーブ・セットの終わり) に向かってテープが巻かれ,セーブ・セットが書き込まれます。論理的なテープの終端と物理的なテープの終端が同じである場合, 新しいテープが要求されます。BACKUP 処理はデータの終わりを検索するので,複数のテープに渡るセーブ・セットをテープに格納している場合は,新しいセーブ・セットを書き込むことはできません。
/NOREWIND 修飾子は,マルチボリューム・セーブ・セットの第 1 テープは初期化しませんが,第 2 以降のテープは初期化されます。テープが満了していてテープ・ラベルが一致している場合にかぎり,第 2 以降のボリュームが初期化されます。
省略時の値は,/NOREWIND です。磁気テープ・ボリュームを巻き戻して初期化する場合は,/REWIND を指定してください。
$ BACKUP _From: *.PS _To: MTA0:DSRSAVE.BCK/REWIND/LABEL=DSR01/TAPE_EXPIRATION=29-JUN-2002 |
新しい磁気テープを初期化し,ボリューム・ラベル DSR01 と満了日付 2002 年 6 月 29 日をテープのボリューム・ヘッダ・レコードに書き込んでいます。次に,現在の省略時のディレクトリに存在するファイル・タイプが .PS のすべてのファイルを,磁気テープ・セーブ・セット DSRSAVE.BCK にセーブします。
入力セーブ・セット修飾子入力ファイルを BACKUP セーブ・セットとして扱います。ディスク上の BACKUP セーブ・セットを入力指定子とする場合は, /SAVE_SET を指定しなければなりません。
入力セーブ・セット指定 /SAVE_SET 出力指定子
/SAVE_SET 修飾子により,Files-11 ローカル・ディスク, Files-11 遠隔ディスク,順編成ディスクを BACKUP セーブ・セットとして指定できます。 /SAVE_SET を指定しない場合,ディスクを指す入力指定子は, Files-11 ファイルとして扱われます。テープを指す入力指定子は,必ず BACKUP セーブ・セットとして扱われます。
#1 |
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$ BACKUP DBA2:[BACKUP]1212MAR3.BCK/SAVE_SET DBA1:[*...] |
セーブ・セット 1212MAR3.BCK を DBA2 から DBA1 に復元しています。
#2 |
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$ BACKUP/LIST DBA2:[SAVE]23MAR02.BCK/SAVE_SET |
セーブ・セット 23MAR02.BCK の各ファイルについて,BACKUP 要約情報とファイル名,ファイル・サイズ,作成日付をリストしています。ディスク上のセーブ・セットを入力指定子とするため, /SAVE_SET 修飾子を使用しています。
#3 |
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$ BACKUP/LOG DBA2:[SAVE]23MAR02.BCK/SAVE_SET DBA3:[PLI.WORK] |
例 2 のディレクトリを復元しています。ファイルを復元するとき,ファイル指定が SYS$OUTPUT に出力されます。
出力セーブ・セット修飾子出力ファイルを BACKUP セーブ・セットとして扱います。ディスク上の BACKUP セーブ・セットを出力指定子とする場合, /SAVE_SET 修飾子を指定しなければなりません。
入力指定子 出力セーブ・セット指定 /SAVE_SET
/SAVE_SET 修飾子により,Files-11 ローカル・ディスク, Files-11 遠隔ディスク,順編成ディスクに BACKUP セーブ・セットを作成できます。 /SAVE_SET を指定しない場合,ディスクを指す出力指定子は, Files-11 ファイルとして扱われます。テープを指す出力指定子は,必ず BACKUP セーブ・セットとして扱われます。
#1 |
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$ BACKUP [HILL] DBA1:[BACKUP]SEP28.BCK/SAVE_SET |
Files-11 ディスク上のセーブ・セット SEP28.BCK にディレクトリ [HILL] をセーブしています。
#2 |
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$ BACKUP DBA2:[PLI.WORK]*.*; [SAVE]23MAR02.BCK/SAVE_SET |
ディレクトリ [PLI.WORK] 内の各ファイルの最大番号のバージョンを,同じディスク上のセーブ・セット 23MAR02.BCK にセーブしています。
#3 |
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$ BACKUP _From: [] _To: MILO"FRANKIE THISISMINE"::DUA0:[FRANKIE]MYDIR.BCK/SAVE_SET |
現在の省略時のディレクトリのすべてのファイルを,ノード MIL0 上のセーブ・セット MYDIR.BCK にセーブしています。
#4 |
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$ MOUNT/FOREIGN DBA0: $ BACKUP [SIMS] DBA0:SIMS.BCK/SAVE_SET |
ディレクトリ [SIMS] のすべてのファイルを,順編成ディスク・セーブ・セット SIMS.BCK にセーブしています。
入力セーブ・セット修飾子指定したファイルを処理対象として選択します。
入力セーブ・セット指定 /SELECT=(ファイル指定[,...]) 出力指定子
複数のファイルを指定する場合,それぞれのファイル指定をコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲みます。ファイル選択に装置指定は使用しないようにしてください。一般的なワイルドカード文字は使用できますが,ファイルの最新バージョンを示す文字 (;) や,ファイルの相対バージョンを示す文字 (;-n) は,使用できません。一時的ファイル指定の省略時の値は,リスト内で適用されません。ファイル指定 [000000...]*.*;* から,各ファイル指定が独立して省略時の値を取り出します。
$ BACKUP DBA1:JUL20.BCK/SAVE_SET/SELECT=[SNOW]BALL.PAS [WINTER.GAME]BALL.PAS |
順編成ディスク・セーブ・セットから [SNOW]BALL.PAS ファイルを選択し,現在の省略時の装置上のディレクトリ [WINTER.GAME] に復元しています。
入力ファイル選択修飾子指定した日時以降の日付のファイルを選択します。
入力指定子/SINCE= 日時 出力指定子
/SINCE 修飾子は,各ファイル・ヘッダ・レコードの指定フィールドに格納されている日時を,コマンド行で指定した日時と比較することにより,ファイルを選択します。次に,/SINCE と併用できるファイル選択修飾子とその機能を示します。これらの修飾子を指定できるのは,一度に 1 つだけです。
修飾子 機能 /BACKUP 指定した日付以降に BACKUP/RECORD で最後にセーブまたはコピーしたファイルを選択する。BACKUP 日付のないファイルも選択する。 /CREATED 指定した日付以降に作成したファイルを選択する。 /EXPIRED 指定した日付以降に満了したファイルを選択する。 /MODIFIED 指定した日付以降で最後に変更したファイルを選択する。他の修飾子を /SINCE と併用しない場合,/MODIFIED が省略時の値として使用される。
日時は,[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc] の形式によるデルタ時間または絶対時刻で指定してください。次に,日時指定に使用できる予約語を示します。
BACKUP BACKUP/RECORD 処理 (Files-11 構造レベル 2 および 5 ボリューム専用) TODAY 00:00:00.0 時における,現在の日,月,年 TOMORROW 昨夜午前 0 時より後の 24 時間 YESTERDAY 昨夜午前 0 時より前の 24 時間
通常の追加型バックアップを行う前に,必ず BACKUP/IMAGE/RECORD コマンドを使用してイメージ・バックアップを行ってください。イメージ・バックアップはディスク全体のコピーをセーブし,各ファイルに対してセーブ済みのマークを付けます。それ以降に実行される通常の追加型バックアップは,イメージ・バックアップがすでに実行されていると仮定し,新しいファイルと変更されたファイルだけをセーブします。先にイメージ・バックアップを行っておかないと,追加型バックアップは,追加型復元の成功を保証するために,必要以上のファイルをセーブすることになります。
$ BACKUP [PLI.WORK]/SINCE=YESTERDAY/MODIFIED [PLI.SAV] |
ディレクトリ [PLI.WORK] 内で選択したファイルを,ディレクトリ [PLI.SAV] にコピーしています。昨夜午前 0 時より前の 24 時間以降に変更されたファイルだけが処理されます。この例では /MODIFIED を指定していますが,この修飾子は /SINCE 修飾子の省略時の修飾子であるため,指定する必要はありません。
出力セーブ・セット修飾子現在の日付以外のファイル満了日付を,セーブ・セットのファイル・ヘッダ・ラベルに書き込みます。
入力指定子 出力セーブ・セット指定 /TAPE_EXPIRATION[=日付]
磁気テープへのセーブ処理で出力セーブ・セット修飾子 /REWIND を指定すると,テープを初期化する前に,テープの第 1 ファイルの満了日付が過ぎていることがチェックされます。テープを初期化すると,格納されていた以前のデータへのアクセス権が取り消されます。/REWIND を使用して磁気テープ上に BACKUP セーブ・セットを作成する場合は,必ず満了日付を指定するようにしてください。毎日の BACKUP テープの満了期間は 7 日,毎週の BACKUP テープの満了期間は 1 ヶ月,毎月の BACKUP テープの満了期間は 1 年とします。
日付は,次の形式で指定してください。
dd:mmm:yyyyここで,
dd 日付 mmm 月を表す 3 文字の略称 yyyy 年
テープ上のファイルの HDR1 ANSI ラベルに満了日付が書き込まれます。/TAPE_EXPIRATION 修飾子を指定しない場合,今日の日付が満了日付となります。
$ BACKUP DBA1: _To: MTA0:13SEPBAK.BCK/REWIND/TAPE_EXPIRATION=20-SEP-2002/LABEL=SEPW02 |
セーブ・セット・ファイル 13SEPBAK.BCK の満了日付を, 2002 年 9 月 20 日と設定しています。/REWIND 修飾子を指定しているので,13NOVBAK.BCK はテープ上の第 1 ファイルであり,テープの満了期間は 7 日です。
コマンド修飾子コピーまたは復元処理において,順編成出力ファイルの作成時にファイルの終端 (EOF) で切り捨てるかどうかを制御します。
/[NO]TRUNCATE 入力指定子 出力指定子
省略時のコピーまたは復元処理では,入力ファイルの設定をもとに出力ファイルのサイズが決定されます。出力ファイルをファイルの終端 (EOF) で切り捨てる場合は, /TRUNCATE を指定します。
$ DIRECTORY/SIZE [FRANKIE]ORIGINAL.DAT Directory DMA0:[FRANKIE] ORIGINAL.DAT 35 Total of 1 file, 35 blocks $ COPY ORIGINAL.DAT EXTENDED.DAT/ALLOCATION=500 $ BACKUP [FRANKIE]EXTENDED.DAT MFA0:20JUL.BCK/LABEL=WKLY03 $ BACKUP/TRUNCATE MFA0:20JUL.BCK/LABEL=WKLY03 DMA0:[FRANKIE] |
上記のコマンドは,次の処理を行います。
- ファイル ORIGINAL.DAT の長さを 35 ブロックとする。
- ORIGINAL.DAT を EXTENDED.DAT にコピーし,EXTENDED.DAT に 500 ブロックを割り当てる。
- ファイル EXTENDED.DAT を MFA0 上のセーブ・セット 20JUL.BCK にセーブする。セーブしたファイルのファイル・ヘッダ・レコードにファイル割り当てサイズを書き込むが,セーブ・セットには 35 ブロックだけをセーブする。
- MFA0 上のセーブ・セット・ファイルを DMA0 にマウントされているボリュームに復元し,出力ファイルを EOF で切り捨てる。復元したファイルの長さは,35 ブロックである。
コマンド修飾子セーブ,復元,コピーのいずれかの処理が終了した後,出力指定子の内容を入力指定子の内容と比較することを指定します。
/VERIFY 入力指定子 出力指定子
/VERIFY 修飾子は,コマンド修飾子 /COMPARE とは異なります。コマンド修飾子 /COMPARE は,セーブ,復元,コピー,リストの各処理では使用できません。/VERIFY 修飾子では,まずコピー,セーブ,復元のいずれかの処理を行い,次に比較処理を行います。ファイル構造のコピー処理では,ファイルをコピーしてから比較します。物理コピー処理では,ボリュームをコピーしてから比較します。セーブまたは復元処理では,独立したパスでチェックが行われます。チェック開始前に,次のメッセージが表示されます。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
比較処理で問題が検出されると,次のエラー・メッセージが表示されます。
%BACKUP-E-VERIFYERR, verification error for block 'block-number' of 'disk:[directory]file_name.file_type;version_number'
出力ファイル修飾子 /NEW_VERSION を併用した場合,復元またはコピー処理では,/VERIFY 修飾子は動作しません。 /NEW_VERSION 修飾子は出力ファイルのバージョンを再設定するため,コピー元である入力ファイルを出力ファイルと正確に対応づけることは不可能となります。
$ BACKUP/VERIFY/LOG *.LIS MFA0:LIST.BCK %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]NOREB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1 %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]NOREB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1 |
磁気テープ・セーブ・セットを MFA0 上に作成し,セーブ処理終了後にチェック・パスを起動します。 /LOG 修飾子は,ファイルを処理するときにファイル名を表示します。
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