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この項では,DIAGNOSE コマンドの 1 次修飾子と 2 次修飾子について説明します。次の表は,両方の修飾子の一覧です。
1 次修飾子は 1 つのみ指定でき,2 次修飾子は複数指定できます。それぞれの 1 次修飾子とともに使用できる 2 次修飾子については,この章で後述する各 1 次修飾子の詳細説明を参照してください。 |
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ANALYZE | イベント・ログの分析,または,イベント・ログ・ユーティリティのリアルタイム分析を行う。 |
/BINARY | バイナリ・エラー・ログ・レコードを ASCII テキストに変換するか,または指定した出力ファイルにコピーするかを制御する。この修飾子はレポート・タイプ修飾子 (/FULL,/BRIEF,/TERSE,/SUMMARY,および /FSTERR) または /OUTPUT 修飾子とともには使用しない。 |
/CONTINUOUS | オペレーティング・システムのイベント・ロガーによって,イベントがログ・ファイルに記録されるたびに,リアルタイムで表示することを指定する。 |
/DUMP | 簡略レポートの後に,入力イベント・ログ・ファイルの情報のダンプを出力することを指定する。 |
/INTERACTIVE | コマンド行インタフェースを終了し, DECevent コマンド・シェルを実行する。 |
/INTERFACE | コマンド行インタフェース (CLI) とグラフィック・ユーザ・インタフェース (GUI) のうち,どちらのユーザ・インタフェースを実行するかをユーザが DECevent に指示できる。 |
/TRANSLATE (省略時の設定) | イベント・ログ・ファイルを変換してレポートに提供する。 |
修飾子 | 説明 |
---|---|
/BEFORE | 指定した日時より前の日付のエントリだけをエラー・レポート対象として選択することを指定する。 |
/BRIEF | 簡略レポートを作成する。 |
/ENTRY | 指定した範囲のエントリを対象とするエラー・ログ・レポート,または指定したエントリ番号で始まるエラー・ログ・レポートを作成する。 |
/EXCLUDE | 指定した装置クラス,装置名,エラー・ログ・エントリ・タイプのいずれかが起因するイベントをレポートから除外する。 |
/FSTERR | ディスクおよびテープに関する各イベント・ログ・エントリについて,1 行のレポートを生成する。 |
/FULL (省略時の設定) | エラー・ログ・エントリに関するすべての情報を示す詳細レポートを作成する。 |
/INCLUDE | 指定した装置クラス,装置名,エラー・ログ・エントリ・タイプのいずれかが起因するイベントをレポートに含める。 |
/LOG | 各入力ファイルについて選択および拒否するエントリ数を指定する情報メッセージを SYS$OUTPUT に送るかどうかを制御する。 |
/NODE | OpenVMS Cluster システムの特定のノードに関するイベント・エントリで構成されるレポートを作成する。 |
/OUTPUT | レポートの出力ファイルを指定する。 |
/REJECTED | 拒否するエントリのバイナリ・レコードを格納するファイルの名前を指定できる。 |
/REVERSE | イベント・レコードを時間的に逆行する方法で変換するように指定する。 |
/SINCE | 指定した日時より後の日付のエントリだけをレポート対象として選択することを指定する。 |
/SUMMARY | 統計情報の要約で構成されたイベント・レポートを作成する。 |
/TERSE | バイナリ・イベント情報,レジスタ値,ASCII メッセージを凝縮した形式のイベント・レポートを作成する。 |
これらの表にリストされた修飾子のほかに, DECevent ユーティリティでは,DIRECTORY コマンドおよび SHOW コマンドを使用することができます。
/ANALYZE 修飾子では,イベント・ログの分析,またはイベント・ログ・ユーティリティのリアルタイム分析を行います。
/ANALYZE [=ファイル指定]
1 次修飾子 /ANALYZE の後ろには,次のいずれかの修飾子を使用できます。
[/BEFORE=時刻] [/ENTRY=(START:開始番号][,END:終了番号])] [/EXCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/INCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/[NO]LOG] [/NODE=(ノード名[,...])] [/OUTPUT=出力ファイル] [/SINCE=時刻] |
/ANALYZE 修飾子では,イベント・ログ・ファイルに対して詳細な分析を実行できます。
$ DIAGNOSE/ANALYZE ERRLOG.OLD;97/OUTPUT=ERRLOG.OLD_ANA |
この例では,ERRLOG.OLD;97 に対して分析が実行され,この分析の出力は新しく作成されたファイル ERRLOG.OLD_ANA に書き込まれます。
バイナリ・エラー・ログ・レコードを ASCII テキストに変換するか,または指定した出力ファイルにコピーするかを制御します。
/BINARY [=ファイル指定]
1 次修飾子 /BINARY の後ろには,次のいずれかの 2 次修飾子を使用できます。
[/BEFORE=時刻] [/ENTRY=(START:開始番号][,END:終了番号])] [/EXCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/INCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/[NO]LOG] [/NODE=(ノード名[,...])] [/REJECTED] [/REVERSE] [/SINCE=時刻] |
ファイル指定
入力レコードのイメージ・コピーを格納する出力ファイルを指定します。
時間間隔を指定する修飾子 (/SINCE,/BEFORE,/ENTRY),またはフィルタを指定する修飾子 (/INCLUDE,/EXCLUDE) を /BINARY 修飾子と併用した場合,オリジナルのバイナリ・イベント・エントリのコピーを格納するバイナリ・ファイルを作成します。時間間隔やフィルタを指定しない場合,すべてのイベント・エントリがコピーされます。/BINARY 修飾子にファイル指定を指定すると,選択した出力ファイルには,バイナリ入力レコードのコピーが格納されます。レコードは,ASCII に変換されません。装置やディレクトリを指定しない場合,現在の装置と省略時のディレクトリが使用されます。ファイル名を省略すると,入力ファイルの名前が使用されます。ファイル・タイプを省略すると,省略時のファイル・タイプは .DAT となります。
/BINARY は,/BRIEF,/FSTERR,/FULL,/OUTPUT,/SUMMARY,/TERSE の各修飾子と併用しないようにしてください。これらの修飾子は ASCII レポートを作成しますが, /BINARY はバイナリ・ファイルを作成するからです。
$ DIAGNOSE/INCLUDE=DBA1/BINARY=DBA1_ERR.DAT ERRLOG.OLD;5 |
DBA1 に適用するエントリのイメージ・コピーが,出力ファイル DBA1_ERR.DAT に格納されます。
オペレーティング・システムのイベント・ロガーによってイベントが記録されると,ターミナルの画面にリアルタイムでこのイベントが表示されます。
/CONTINUOUS
1 次修飾子 /CONTINUOUS の後ろには,次のいずれかの 2 次修飾子を使用できます。
[/BRIEF] [/EXCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/FSTERR] [/FULL] [/INCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/OUTPUT=出力ファイル] [/TERSE] |
/CONTINUOUS 修飾子は,オペレーティング・システムのイベント・ロガーによってイベントが記録されるたびに,そのイベントを表示することを指定します。入力ファイルを指定することはできません。リアルタイムの出力は省略時の設定で画面に出力されます。/OUTPUT 修飾子によって,リアルタイムの出力をファイルにリダイレクトすることもできます。
$ DIAGNOSE/CONTINUOUS/BRIEF/OUTPUT=ERRLOG.CONT |
省略時のイベント・ログ・ファイル SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS をもとに作成されたリアルタイムのイベント・ログ情報を含む簡略レポートが,出力ファイル ERRLOG.CONT に出力されます。
修飾子によって選択することにより,入力イベント・ログ・ファイルからダンプする基準を指定できます。
/DUMP
1 次修飾子 /DUMP の後ろには,次のいずれかの 2 次修飾子を使用できます。
[/BEFORE=時刻] [/ENTRY=(START:開始番号][,END;終了番号])] [/EXCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/INCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/[NO]LOG] [/NODE=(ノード名[,...])] [/OUTPUT=出力ファイル] [/REVERSE] [/SINCE=時刻] |
/DUMP 修飾子によって,入力イベント・ログ・ファイルから選択的に情報をダンプすることができます。結果出力は,簡略レポートで,その後に入力イベントの標準バッファのダンプが続きます。
$ DIAGNOSE/DUMP/INCLUDE=(RA90) ERRLOG.OLD;97/OUTPUT=97.OUT |
ERRLOG.OLD;97 をもとに,ディスク・ドライブ RA90 に関する情報を含む簡略レポートが作成され,出力ファイル 97.OUT にリダイレクトされます。
コマンド行インタフェース (CLI) を終了し,DECevent 対話型コマンド・シェルを実行することができます。
/INTERACTIVE
CLI で有効なコマンドはすべて,対話型コマンド・シェルでも使用することができます。この対話型コマンド・シェルでは,修飾子の前に DIAGNOSE を入力する必要がありません。対話型コマンド・シェルでは, CLI のコマンドのほかに SET,SAVE,および RESTORE コマンドを使用することができます。
$ DIAGNOSE/INTERACTIVE |
コマンド行インタフェースを終了し, DECevent 対話型コマンド・シェルを実行します。
この対話型コマンド・シェルでは,DIAG> プロンプトが表示されます。
ユーザは,コマンド行インタフェース (CLI) とグラフィック・ユーザ・インタフェース (GUI) のうちどちらのユーザ・インタフェースを実行するかを DECevent に指示できます。
/INTERFACE= インタフェース名
インタフェース名
次のいずれかのインタフェース名を入力できます。
- CHARACTER_CELL
- DECWINDOWS
イベント・ログ・ファイルの内容を変換します。この修飾子は, DIAGNOSE コマンドの省略時の修飾子です。
/TRANSLATE [修飾子][入力ファイル][,...]
1 次修飾子 /TRANSLATE の後ろには,次のいずれかの 2 次修飾子を使用できます。
[/BEFORE=時刻] [/BRIEF] [/ENTRY=(START:開始番号][,END;終了番号])] [/EXCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/FSTERR] [/FULL] [/INCLUDE=(キーワード[=値][,...])] [/[NO]LOG] [/NODE=(ノード名[,...])] [/OUTPUT=出力ファイル] [/REVERSE] [/SINCE=時刻] [/SUMMARY] [/TERSE] |
/TRANSLATE 修飾子を指定すると,省略時のイベント・ログ・ファイル SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS,または選択した入力イベント・ログ・ファイルの内容が変換されます。
$ DIAGNOSE/BRIEF ERRLOG.OLD;97 |
ERRLOG.OLD;97 から最小の情報を含む簡略レポートが作成されます。
指定した日時より前の日付のエントリだけをレポートに含めることを指定します。
/BEFORE [=日時]
日時
レポートの対象を,指定された日時より前の日付のエントリに制限します。
絶対時刻とデルタ時間のどちらで指定してもよく,また,両者を組み合わせて指定することもできます。時刻の指定方法については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。/BEFORE 修飾子を省略した場合や日時を指定せずに /BEFORE を指定した場合,すべてのエントリが処理されます。
$ DIAGNOSE/BEFORE=19-APR-2002:10:00 ERRLOG.OLD;5 |
この例では,ERRLOG.OLD;5 の 2002 年 4 月 19 日午前 10 時より前に記録されたエントリの詳細 (省略時の設定) レポートが作成されます。
簡略レポートを作成します。DECevent ユーティリティの出力例の項に簡略エラー・ログ・レポートの例を記載しています。
/BRIEF
/BINARY 修飾子は,/BRIEF と併用しないようにしてください。
$ DIAGNOSE/BRIEF ERRLOG.OLD;97 |
ERRLOG.OLD;97 をもとに,最小限の情報を格納する簡略レポートが作成されます。
指定した範囲のエントリを対象とするレポート,または指定したエントリ番号で始まるレポートを作成します。
/ENTRY [=(START:10 進値[,END:10 進値])]
(START:10 進値[,END:10 進値])
レポートの対象とするエントリ範囲を指定します。
エントリ範囲を指定せずに /ENTRY を指定した場合や,/ENTRY 修飾子を省略した場合,省略時のエントリ (範囲 START:1,END:ファイルの終端) が使用されます。
$ DIAGNOSE/ENTRY=(START:1,END:18) ERRLOG.SYS |
ERRLOG.SYS ファイルをもとに作成する詳細 (省略時の設定) レポートのエントリ範囲を,エントリ番号 1 〜 18 に制限しています。
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