OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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  1. SET ENVIRONMENT コマンドはクラスタ内のすべてのノードの環境を設定します。

  2. この DO SHOW QUOTA コマンドの出力は,ディスク・クォータがクラスタ全体で有効であることを示します。

  3. DISKQUOTA DISABLE コマンドは,クラスタ全体に対してディスク・クォータを無効にします。

  4. この DO SHOW QUOTA コマンドの出力は,ディスク・クォータが無効に設定されたことを示します。

DISKQUOTA ENABLE

現在の管理環境でディスク・ボリュームに対するクォータの適用を再開します。これは,ディスクがマウントされている各ノードに適用されます。

重要

クラスタ内の複数のノードにマウントされているディスクに対して, DISKQUOTA ENABLE コマンドを使用するには,まず, SET ENVIRONMENT コマンドでノードを指定しなければなりません。

SYSPRV 特権,システム UIC,またはボリュームの所有権が必要です。


形式

DISKQUOTA ENABLE


パラメータ

なし

修飾子

/DEVICE=装置指定

クォータ・ファイルを使用可能にするディスク・ボリュームを指定します。入力した装置指定は,SYSMAN が確認します。論理名を指定することができます。その場合,指定した論理名は,ターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは,ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。


説明

DISKQUOTA ENABLE コマンドは,ボリュームに対して DISKQUOTA DISABLE コマンドで中断されていたクォータを使用可能にします。ボリュームに対してクォータを使用可能にするたびに, DISKQUOTA REBUILD コマンドを実行して UIC エントリと使用量を更新してください。

#1

SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE22)
SYSMAN> DISKQUOTA ENABLE
SYSMAN> DISKQUOTA REBUILD

この例の DISKQUOTA ENABLE コマンドは,省略時のディスク DJA12 に対してクォータの適用を再開します。このディスクは NODE21 と NODE22 にマウントされています。DISKQUOTA REBUILD コマンドは,クォータ・ファイルを更新し,クォータを修正し,新しいエントリを追加します。

#2

SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER (1)
%SYSMAN-I-ENV, current command environment: 
        Clusterwide on local cluster 
        Username STEIN    will be used on nonlocal nodes
 
SYSMAN> DO SHOW QUOTA/DISK=$6$dkd0:/USER=[0,0] (2)
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node WALTER 
%SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume 
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS2 
%SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume 
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS1 
%SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume 
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT 
%SYSTEM-F-QFNOTACT, disk quotas not enabled on this volume
 
SYSMAN> DISKQUOTA ENABLE/DEVICE=$6$dkd0: (3)
SYSMAN> DO SHOW QUOTA/DISK=$6$dkd0:/USER=[0,0] (4)
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node WALTER 
  User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available, 
  of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0 
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS2 
  User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available, 
  of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0 
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node ARTOS1 
  User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available, 
  of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0 
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node EXPERT 
  User [0,0] has 0 blocks used, 1000 available, 
  of 1000 authorized and permitted overdraft of 100 blocks on $6$DKD0
 
 

この例では,$6$dkd0: というディスクはクラスタ単位でマウントされています。

  1. SET ENVIRONMENT コマンドは,クラスタ内のすべてのノードの環境を設定します。

  2. この DO SHOW QUOTA コマンドの出力は,ディスク・クォータが有効に設定されていないことを示します。

  3. DISKQUOTA ENABLE コマンドは,クラスタ全体に対してディスク・クォータを有効にします。

  4. この DO SHOW QUOTA コマンドの出力は,ディスク・クォータがクラスタ全体で有効に設定されたことを示します。

DISKQUOTA MODIFY

クォータ・ファイルのエントリを変更したり,クォータと超過値の省略時の値を調整したりします。新しいクォータ制限値が現在の使用量未満である場合,新しいクォータを使用する前に警告メッセージが出力されます。

クォータ・ファイルに対する書き込みアクセス権 (W) が必要です。


形式

DISKQUOTA MODIFY 所有者


パラメータ

所有者

追加するクォータ・エントリに対応するユーザ識別コード(UIC)またはライト識別子を指定します。UICは数値でも英数字でも指定できます。UICの指定方法についての詳しい説明は,使用しているシステムに応じて,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ライト識別子は Authorize ユーティリティ (AUTHORIZE) で設定します。形式は,UIC 形式ではなく, ID 形式です。ライト識別子についての詳しい説明は,『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

ローカル以外の環境で作業する場合,その環境で使用できる英数 UIC やライト識別子を指定してください。


修飾子

/DEVICE=装置指定

クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。入力した装置指定は,SYSMAN が確認します。論理名を指定することができます。その場合,指定した論理名は,ターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは,ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

/OVERDRAFT=値

指定 UIC の超過値を示す正の整数を指定します。省略時の超過値は,[0,0] のエントリの値です。

/PERMQUOTA=値

指定 UIC のクォータを示す正の整数を指定します。省略時の永久クォータは,[0,0] のエントリの値です。

説明

DISKQUOTA MODIFY コマンドは,装置指定で指定したディスクのクォータ・ファイルに格納されている値を変更します。現在の使用量未満のクォータ制限値を設定した場合,ユーザは依然としてログインしログアウトできますが,ファイルを作成することはできません。

クォータ・ファイルを作成した場合,DISKQUOTA MODIFY コマンドを実行してクォータ値と超過値の省略時の値を設定します。永久クォータ値と永久超過値の省略時の値は,UIC [0,0] によって設定されるので,環境に適した値にエントリ [0,0] を変更する必要があります。クォータ値と超過値を指定しないかぎり, UIC エントリには省略時の値が適用されます。


#1

SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=NODE21
SYSMAN> DISKQUOTA MODIFY /DEVICE=DUA12: [0,0] -
_SYSMAN> /PERMQUOTA=3000 /OVERDRAFT=300

この例のコマンドは,NODE21 にある DUA12 のクォータ・ファイルで UIC [0,0] のエントリを編集します。

#2

SYSMAN> DISKQUOTA MODIFY /DEVICE=SYS$DISK1 [TTD,DAVIS] -
_SYSMAN> /PERMQUOTA=900

UIC [TTD,DAVIS] の永久クォータを 900 ブロックに変更しています。超過値は変更していません。現在の環境の SYS$DISK1 上のクォータ・ファイルが SYSMAN によって変更されます。

DAVIS というユーザ名がシステムに固有の UIC を持つ場合には,次のコマンドを入力できます。


SYSMAN> DISKQUOTA MODIFY DAVIS/PERMQUOTA=900

DISKQUOTA REBUILD

クォータ・ファイルを更新します。新しい UIC を追加し,各ボリューム・ユーザの使用量を修正します。

クォータ・ファイルに対する書き込みアクセス権 (W) が必要です。さらに,SYSPRV 特権,システム UIC,ボリュームの所有権のいずれかが必要です。


形式

DISKQUOTA REBUILD


パラメータ

なし

修飾子

/DEVICE=装置指定

クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。入力した装置指定は,SYSMAN が確認します。論理名を指定した場合,ファイルを再作成する前にターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは,ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。


説明

DISKQUOTA REBUILD コマンドは,ディスクを読み込み,QUOTA.SYS のすべての既存エントリの使用量を再計算し,新しいエントリを追加します。それまで存在していなかったエントリに対しては,UIC [0,0] に設定されている省略時のクォータ値と超過値を設定します。DISKQUOTA REBUILD コマンドが実行されている間,ボリューム上のファイル動作は凍結します。ファイルの作成,削除,拡張,切り捨ては行えません。

DISKQUOTA REBUILD コマンドは,次の状況で使用します。



SYSMAN> SET ENVIRONMENT /NODE=NODE21
SYSMAN> SET PROFILE /PRIVILEGE=SYSPRV
SYSMAN> DISKQUOTA ENABLE /DEVICE=DUA226:
SYSMAN> DISKQUOTA REBUILD /DEVICE=DUA226:

これらのコマンドは,NODE21 に存在する DUA226 というディスク上のクォータ・ファイルを使用可能にし,すべてのエントリの使用量を再設定しています。

DISKQUOTA REMOVE

クォータ・ファイルからエントリを削除します。

クォータ・ファイルに対する書き込みアクセス権 (W) が必要です。


形式

DISKQUOTA REMOVE 所有者


パラメータ

所有者

追加するクォータ・エントリに対応するユーザ識別コード(UIC)またはライト識別子を指定します。UICは数値でも英数字でも指定できます。UICの指定方法についての詳しい説明は,使用しているシステムに応じて,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ライト識別子はAuthorize ユーティリティによって与えられ,UIC形式ではなく, ID形式です。ライト識別子についての詳しい説明は,『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

ローカル以外の環境で作業する場合,その環境で使用できる英数 UIC やライト識別子を指定してください。


修飾子

/DEVICE=装置指定

クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。入力した装置指定は,SYSMAN が確認します。論理名を指定した場合,UIC エントリを削除する前にターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは,ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。


説明

DISKQUOTA REMOVE コマンドは,指定装置上のクォータ・ファイルから指定 UIC を削除します。

UIC の使用量が 0 でない場合,ファイルはディスク上に存在したままであり,ユーザは依然としてログインできますが,ファイルを作成したり,拡張することはできません。

UIC [0,0] のエントリは削除できません。



SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=MARS
SYSMAN> SHOW PROFILE
%SYSMAN-I-DEFDIR, Default directory on node MARS  -- WORK2:[CASEY]
%SYSMAN-I-DEFPRIV, Process privileges on node MARS --
        TMPMGX
        OPER
        NETMBX
        SYSPRV
 
SYSMAN> DISKQUOTA REMOVE /DEVICE=DUA45: [TTD,DAVIS]

これらのコマンドは,MARS ノードにある DUA45 ディスクのクォータ・ファイルから UIC [TTD,DAVIS] を削除します。

DISKQUOTA SHOW

クォータ,超過値,使用量を表示します。

自分自身のクォータ,超過値,使用量を表示する場合は特権が不要ですが,その他の場合には,クォータ・ファイルへの読み込みアクセス権 (R) が必要です。


形式

DISKQUOTA SHOW 所有者


パラメータ

所有者

ユーザ識別コード(UIC)またはライト識別子を指定します。UICは数値でも英数字でも指定できます。UICの指定方法についての詳しい説明は,使用しているシステムに応じて,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ライト識別子は,Authorize ユーティリティで設定します。形式は,UIC 形式ではなく, ID 形式です。ライト識別子の詳細については,『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

クォータ・エントリの指定には,次のようにワイルドカード文字の (*) を使用することができます。

コマンド 説明
DISQUOTA SHOW CJ ユーザ CJ を表示する (CJ がシステムに固有の UIC を持つ場合)。
DISKQUOTA SHOW [TTD,CJ] グループ TTD に属するユーザ CJ を表示する。
DISKQUOTA SHOW [TTD,*] グループ TTD に属するすべてのユーザを表示する。
DISKQUOTA SHOW * すべてのエントリを表示する。


修飾子

/DEVICE=装置指定

クォータ・ファイルを格納しているディスク・ボリュームを指定します。入力した装置指定は,DISKQUOTA が確認します。論理名を指定した場合,UIC エントリを表示する前にターゲット環境で変換されます。

装置を指定しない場合,ターゲット・ノードの省略時のディスクが使用されます。SET PROFILE コマンドで省略時の装置を設定しないかぎり,省略時のディスクは,ローカル・ノード上の現在の装置または別のノード上のログイン省略時の装置です。両者のうち,どちらが使用されるかは,環境によって決まります。

/OUTPUT[=ファイル指定]

指定ファイルに出力先を指定します。ファイルを指定しない場合, SYSMAN を実行しているローカル・ノード上の現在のディレクトリの SYSMAN.LIS に出力されます。


SYSMAN> DISKQUOTA SHOW [ACCT,*]

このコマンドは,省略時のディスクのグループ ACCT のすべてのユーザのクォータ,超過値,使用量を表示します。

DO

現在の環境におけるすべてのノード上で,DCL コマンドまたは DCL コマンド・プロシージャを実行します。

実行対象の DCL コマンドの特権が必要です。


形式

DO [コマンド行]


パラメータ

コマンド行

SYSMAN が実行のためにコマンド行インタフェース (CLI) に渡すコマンド文字列を指定します。

コマンド DO RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN [SYSMAN-command] はサポートされません。その代わり,次の手順を実行してください。

  1. ドル ($)・プロンプトに対して RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN と入力します。

  2. SYSMAN> プロンプトに対して,SET ENVIRONMENT コマンドを使用して,選択したノードに環境を設定します。

  3. SYSMAN> プロンプトに対して SYSMAN コマンドを入力します。

DCL コマンドの構文の詳細については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。


修飾子

/CONFIRM

SYSMAN の SET ENVIRONMENT コマンドに指定した各ノードで,DO コマンドを実行することを確認します。

/CONFIRM 修飾子を使用すると,システムは次のプロンプトを表示します。


Execute command for node <nodename>? [N]: 

次の応答を指定できます。


     YES      NO       QUIT       ALL 
     TRUE     FALSE    [Ctrl/Z]
     1        0        [Ctrl/C]
              [Return]

使い方に関する注意

/OUTPUT[=ファイル指定]

SYSMAN を実行しているノードに格納されている指定ファイルに,コマンドの出力を記録します。この修飾子は,DO コマンドの直後に指定してください。省略時の出力ファイルは,現在の装置とディレクトリに格納されている SYSMAN.LIS です。出力の先頭に, "%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node xxxxxx." というメッセージが追加されます。

/PAUSE

システムが情報を表示する割合を制御します。/PAUSE 修飾子を指定すると,一度に 1 つのノードに関する情報を表示できます。次のノードに関する情報を表示するときは,プロンプトに対して Return キーを押してください。

説明

DO コマンドは,現在の環境に存在するすべてのノード上で, DCL コマンドまたは DCL コマンド・プロシージャを実行します。各 DO コマンドは独立したプロセスとして実行するので, DO コマンド同士の間にプロセス・コンテキストはありません。このため,実行したいすべての DCL コマンドを 1 つのコマンド文字列で指定する必要があります。また,入力を期待するプログラムは実行できません。

OpenVMS Cluster環境では,クラスタ内のすべてのノード上で順次コマンドが実行されます。あるノードで 1 つのコマンドが正常終了すると,次のノードに送られます。コマンドを実行できないノードは,エラー・メッセージを戻します。ノードが応答する前にタイムアウトした場合,SYSMAN がエラー・メッセージを表示します。

システムは,コマンドから返される連結なしで2048文字を越えるような出力を表示することができません。

クラスタ内でDOコマンドを使用する場合には,次の3つの例外に注意してください。


#1

SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=NODE21
SYSMAN> DO/OUTPUT SHOW DEVICE
 


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