OpenVMS Alpha
V7.3-2 リリース・ノート【翻訳版】


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4.17.3 OSI 環境でのリカバリ・ユニット・ジャーナリングされたファイルへのリモート・アクセス

V6.1

ネットワーク内の他のノードからリモート・アクセスされるリカバリ・ユニット・ジャーナリング・ファイルのホストである OSI ノードでは,SYS$NODE をフェーズ IV 形式のノード名として定義しなければなりません。 SYS$NODE によって指定されるノード名は,ホスト・ノードのリカバリ・ユニット・ジャーナリング・ファイルにアクセスしようとするすべてのリモート・ノードから認識されなければなりません。また,リモート・ノードがこのノード名を使用して,ホスト・ノードとの間で DECnet 接続を確立できるように,ノード名は固有の名前でなければなりません。この制限は,OSI または複合 OSI 環境と非 OSI 環境でネットワークを介してアクセスされる,リカバリ・ユニット・ジャーナリング・ファイルにだけ適用されます。

4.17.4 順方向 (AI) ジャーナリング

V6.0

順方向 (AI) ジャーナリングを使用すれば,使用不能またはアクセス不能になったデータ・ファイルを回復することができます。AI リカバリでは,AI ジャーナル・ファイルを使用して,データ・ファイルのバックアップ・コピーをロール・フォワードすることで,障害が発生した時点でのデータ・ファイルの新しいコピーが作成されます。

プロセスが削除されたりシステム障害が発生したりした場合には,更新情報を AI ジャーナル・ファイルに書き込むことができますが,データ・ファイルに書き込むことはできません。 AI ジャーナリングだけが使用されている場合は,データ・ファイルとジャーナルの一貫性は自動的には維持されません。データ・ファイルに対して追加更新を行い,AI ジャーナルに記録すると,その後のロール・フォワード操作で一貫性のないデータ・ファイルが作成されることがあります。

リカバリ・ユニット (RU) ジャーナリングを AI ジャーナリングと組み合わせて使用した場合には,自動的なトランザクション・リカバリにより,AI ジャーナルとデータ・ファイルの間の一貫性が復元されます。

特定の状況では,AI ジャーナリングだけを使用するアプリケーションは,プロセスの削除やシステム障害の後でデータの不整合が発生しないように,予防措置をとることができます。たとえば,AI ジャーナリングされているファイルの手動ロール・フォワードを行うと,非共有 AI アプリケーション (シングル・アクセッサ) やスタンドアロン・システムで実行中の共有AI アプリケーションなどが関連するシステム障害の発生後に,ファイルの一貫性を維持できます。

しかし,共有 AI アプリケーションでは,クラスタ内でプロセスの削除やシステム障害が発生した後で,AI ジャーナル・ファイルと同期のとれていないデータ・ファイルに対してこれ以上の操作が実行されないようにするための措置はとられません。このような状況では,データ・ファイルと AI ジャーナル・ファイルの間の一貫性は,AI ジャーナリングと RU ジャーナリングを組み合わせて使用することで維持できます。

4.17.5 VFC 形式の順編成ファイル

VAX V5.0
Alpha V1.0

逆方向ジャーナリングやリカバリ・ユニット・ジャーナリングを使用している場合,固定長制御部付可変長 (VFC) 順編成ファイルを更新することはできません。VFC 順編成ファイル形式は,FAB のFAB$B_RFM フィールドのシンボリック値 FAB$C_VFC によって示されます。

4.18 セキュリティ: DIRECTORY コマンド出力の変更

V7.3-2

OpenVMS Version 7.1 以降では, Advanced Server (PATHWORKS) アクセス制御エントリ (ACE) を含むファイルに対して DCL コマンド DIRECTORY/SECURITY または DIRECTORY/FULL を実行すると, Advanced Server ACE それぞれの 16 進表現は表示されなくなります。その代わりに,各ファイルに対して検出された Advanced Server ACE の総数が "Suppressed n PATHWORKS ACEs" というメッセージに要約されます。

抑制されている ACE を表示するには,SHOW SECURITY コマンドを使用します。これらの ACE を表示するには,SECURITY 特権が必要です。実際に,このコマンドは,Windows NT® のセキュリティ・ディスクリプタ情報を示す %x86 ACE を含む, OpenVMS ACE を表示します。 Windows NT セキュリティ・ディスクリプタ情報は,Advanced Server に関連しています。

4.19 サーバ管理プロセス (SMHANDLER)

V7.3-2

サーバ管理プロセス SMHANDLER は,このプロセスをサポートしている Alpha システム上で自動的に起動するようになりました。システム管理者は,古いスタートアップ・ファイル SYS$STARTUP:SYS$SMHANDLER_STARTUP.COM への参照を, SYSTARTUP_VMS.COM や他のサイト固有のスタートアップ・ファイルから削除しなければなりません。この参照は,SYSTARTUP_VMS.TEMPLATE からは削除されています。

バックグラウンド: SMHANDLER について

一部の Alpha システムでは,切迫しているハードウェア障害をシステム・ファームウェアが報告し,対処するのを助けるために,サーバ管理プロセスが起動されます。障害の状況はさまざまですが,一般的には,過度の温度上昇,ファンの故障,または電源の故障があります。 SMHANDLER は,警告状態を OPCOM へ報告することがあります。また,故障したシステムの電源をシステム・ファームウェアがオフにしようとした場合に, SMHANDLER は OpenVMS のシャットダウンを開始することもあります。多くの場合,OpenVMS のシャットダウン制御を行った方が,突然システムの電源が落とされるよりも,破損の可能性が低くなります。

アップ状態の時間をできるだけ長くにするために,システム・マネージャは, POWEROFF システム・パラメータに 0 を設定することができます。これにより,障害が発生したシステム上で SMHANDLER が OpenVMS をシャットダウンするのを防止できます。ただし,システム・ファームウェアがシステムの電源をオフにすることは防止できません。

4.20 SYSGEN: セキュリティ監査の修正

V7.3-2

以前は,SYSGEN の監査やアラームを有効にしても,変更されたパラメータの情報が示されませんでした。 OpenVMS Version 7.3-2 では,この問題が修正されました。監査やアラームに,変更されたパラメータ,その古い値,および新しい値の情報が含まれるようになりました。

4.21 SYSMAN ユーティリティ

ここでは,SYSMAN ユーティリティに関する注意事項をまとめます。

4.21.1 DUMP_PRIORITY LOAD コマンド

V7.3-2

SYSMAN コマンド DUMP_PRIORITY LOAD を使用して System Dump Priority レジストリの内容をメモリにロードするときに, UIC 指定 [group-id,*] (たとえば,[TCPIP$AUX,*]) のあるエントリはすべて,その指定が正しくても,無視されます。この問題は,OpenVMS Alpha Version 7.3-2 の修正キットで修正されます。

回避方法:

SYSMAN コマンド DUMP_PRIORITY MODIFY を使用して System Dump Priority レジストリのエントリから ",*" を削除することで,この問題を回避できます。例を次に示します。


SYSMAN> DUMP_PRIORITY MODIFY TCPIP$*/UIC=[TCPIP$AUX,*]/NEWUIC=[TCPIP$AUX] 

この回避方法により,DUMP_PRIORITY LOAD コマンドの実行中に,同一のイン・メモリ内容が作成されます。その後 DUMP_PRIORITY SHOW コマンドを実行すると, [group-id,*] と表示されます。

この回避方法は,修正キットをインストールした後も有効です。

4.21.2 XP LUN の自動構成に失敗することがある

V7.3-2

ブートされたホスト上の Fibre Channel アダプタに XP ポート上の LUN へのアクセスが認められているときに, SYSMAN IO AUTOCONFIGURE コマンドが,その LUN を構成しません。この問題は,XP アレイでの,SSP (Selective Storage Presentation) 機能の実装方法が原因で発生します。

ホストをリブートすることで LUN を構成できますが,安全で,影響が少ない次の回避方法でも対処できます。これらの回避方法は, SYSMAN IO AUTOCONFIGURE を実行する前に行うことができます。

最初の 2 つの方法は,LUN へのアクセスが許されているファブリック上のすべてのホスト Fibre Channel アダプタから見えるという利点があります。ただし,これらの方法では, XP ポート上の他の LUN すべてへのアクセスが短時間ブロックされるため,マウント済みボリュームに対して Mount Verify が行われる原因となります。

最後の方法では,この中断の範囲は,影響を受ける Fibre Channel アダプタを現在のパスが通る LUN (影響を受ける XP ポート上にないものも含む) だけに限定されます。ただし,個々のアダプタに対して処理を実行しなければなりません。

4.22 システム・パラメータ

ここでは,システム・パラメータに関する注意事項をまとめます。

4.22.1 新しいシステム・パラメータ

V7.3-2

OpenVMS Alpha Version 7.3-2 で導入された新しいシステム・パラメータは,次のとおりです。

MVSUPMSG_INTVL
MVSUPMSG_NUM
RMS_CONPOLICY
SHADOW_REC_DLY
SHADOW_SITE_ID

これらのパラメータの定義については,オンライン・ヘルプを参照してください

4.22.2 変更されたシステム・パラメータ

V7.3-2

OpenVMS Alpha Version 7.3-2 では,次のシステム・パラメータの定義が変更されています。

CLUSTER_CREDITS
CRD_CONTROL
DUMPSTYLE
FAST_PATH_PORTS
GH_RES_DATA
GH_RSRVPGCNT
LAN_FLAGS
MSCP_CREDITS
MSCP_LOAD
NPAG_BAP_*
RSRVPAGCNT
SCH_CTLFLAGS
SCSNODE
SECURITY_POLICY
SHADOW_MAX_UNIT
TTY_RSPEED
TTY_SPEED

これらのパラメータの定義の変更内容については,オンライン・ヘルプを参照してください。

4.22.3 廃止されたシステム・パラメータ

V7.3-2

次のシステム・パラメータは, OpenVMS Alpha Version 7.2-3 から削除されました。

SHADOW_REMOVE_1
SHADOW_REMOVE_2

4.22.4 SCSNODE パラメータ・サイズの厳密な強制

V7.3-2

これまで,ドキュメントで示されている SYSGEN パラメータ SCSNODE の最大サイズ 6 文字は,厳密には強制されていませんでした。 SCSNODE に 8 文字の名前を設定することもできました。これにより,デバイス名が長くなりすぎ,望ましくない結果となることがありました。

ドキュメントで示されている最大サイズ 6 文字は,厳密に強制されるようになりました。システム・パラメータ・ファイル内の SCSNODE の値が 6 文字を超えている場合, SYSBOOT が 6 文字以下に切り捨てます。

4.22.5 AlphaServer GS シリーズ: NPAGERAD システム・パラメータのデフォルトの動作

V7.3-1

Version 7.3-1 より前の OpenVMS システムで AlphaServer GS シリーズのプロセッサを使用した場合,増加した NPAGEDYN の値が減少しないためにプールが拡大するというシステム管理上の問題がありました。これは,NPAGERAD をデフォルト値の 0 のままにしていることが原因でした。

OpenVMS Version 7.3-1 以降では,NPAGERAD が 0 (デフォルト) の場合,次の式で NPAGERAD に使用する値が計算されます。


                  Base RAD メモリ 
   NPAGEDYN * (1- --------------- ) 
                   メモリ合計 

この計算により,基本 RAD 以外の RAD に対して以前より多くのプールを確保し,その RAD プールの拡大を防ぐことができるようになりました。

4.23 Terminal Fallback Facility (TFF)

OpenVMS Alpha システムの Terminal Fallback Facility (TFF) には,フォールバック・ドライバ (SYS$FBDRIVER.EXE),共有可能イメージ(TFFSHR.EXE), Terminal Fallback ユーティリティ (TFU.EXE),フォールバック・テーブル・ライブラリ (TFF$MASTER.DAT) が含まれます。

注意

TFFSHR のユーザ呼び出し可能インタフェースでは公開されていないため IMAGELIB から削除されています。ただし,イメージは現在でも SYS$LIBRARY: ディレクトリにあります。

TFF を起動するには,次のように SYS$MANAGER にある TFF スタートアップ・コマンド・プロシージャを起動します。


$ @SYS$MANAGER:TFF$SYSTARTUP.COM

フォールバックを有効にしたり,フォールバック属性を変更するには,次のように Terminal Fallback ユーティリティ (TFU) を起動します。


$ RUN SYS$SYSTEM:TFU
TFU>

端末に対するデフォルトのフォールバックを有効にするには,次の DCL コマンドを入力します。


$ SET TERMINAL/FALLBACK

OpenVMS Alpha TFF は,次の点で OpenVMS VAX TFF と異なります。

RT 端末は TFF ではサポートされません。

Terminal Fallback Facility の詳細については,『OpenVMS Terminal Fallback Utility Manual』を参照してください。このマニュアルは, OpenVMS Documentation CD-ROM (の中のアーカイブ・マニュアルのディレクトリ) から利用できます。

4.24 UETP: DEGPA デバイスのエラー

V7.3-2

UETP (User Environment Test Package) は,現在 DEGPA ネットワーク・デバイスをサポートしていません。 UETP を実行していて,DEGPA デバイスが存在するときに,未サポート・デバイス・エラーが発生した場合, SYSTEST ディレクトリ内の UETPSUPDEV.DAT ファイルを編集して,ファイルの最終行の直前に次の行を追加してください。


20 5D UETUNAS00.EXE ! DEGPA 

この後,UETP を再実行します。これで,デバイスが適切にテストされます。

4.25 VMSINSTAL: NOBROADCAST オプション

V7.3-2

以前は VMSINSTAL のインストール中に HELPLIB が使用中の場合,すべてのユーザにメッセージが自動的に送信されていました。論理名 VMSINSTAL_NOBROADCAST をチェックするように,VMSINSTAL が変更されました。この論理名が設定されていると,HELPLIB が使用中の場合でも, VMSINSTAL はすべてのユーザにメッセージを送信しません。

4.26 Volume Shadowing for OpenVMS

ここでは,HP Volume Shadowing for OpenVMS (ホスト・ベース・ボリューム・シャドウイング (HBVS) とも言います) に関する注意事項をまとめます。


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