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DECwindows にログインし,プライベート・ロゴ・コマンド・ファイルを使用する場合,プライベート・ロゴを起動するときに入力フォーカスが [ユーザ名]フィールドに戻ってしまうことがあります。
2.14.2.5 セッション・マネージャ・プロセスの停止
セッション・マネージャ・プロセスを停止すると,特権を持っていないワークステーション・ユーザにとっては深刻な結果が発生することがあります。次の問題が生じないように DECwindows を再起動しなければなりません。
セッション・マネージャ・プロセスを停止する場合は,次のコマンドを使用して DECwindows を再起動してください (システム・マネージャ特権が必要)。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART |
この節では,DECwindows Motif ウィンドウ・マネージャについて説明します。
2.15.1 変更および拡張
DECwindows Motif ウィンドウ・マネージャに対して行われた変更と拡張について次に説明します。
2.15.1.1 DECwindows XUI アプリケーション
リソース Mwm*useDECMode は, DECwindows XUI アプリケーションの以前のバージョンが Motif ウィンドウ・マネージャで正しく動作するようにします。特に,このリソースは,フォーカス,ウィンドウ配置,マルチライン・アイコン,およびウィンドウの初期状態(通常または最小化)を制御するために使用します。
2.15.2 問題点と制限事項
この項では,DECwindows Motif ウィンドウ・マネージャに関する既知の問題点と制限事項について説明します。
2.15.2.1 DECwindows Motif ウィンドウ・マネージャでのカラー・カスタマイザの使用
V1.2
DECW$EXAMPLESディレクトリで提供されているカラー・カスタマイザを使用して Motif ウィンドウ・マネージャの色を調節する場合,色の変更に使用するMotif ウィンドウ・マネージャの [カラー設定] ダイアログ・ボックスが,現在のカラー値を正しく反映しないことがありますが,これは正常な動作です。これらの値を変更するには, Motif ウィンドウ・マネージャの[カラー設定]ダイアログ・ボックスではなく,カラー・カスタマイザを使用してください。別の方法としては,カラー・カスタマイザを終了して, Motif ウィンドウ・マネージャを再起動する方法があります。カラー・カスタマイザのデモについての詳細は,
第 2.1.1.2 項 を参照してください。
2.15.2.2 構成ファイル
構成ファイル DECW$MWM_RC.DAT では,ウィンドウ・マネージャでのファンクション・キーの使用方法を定義します。アクセラレータの多くは, Alt キー (または Compose Characterキー) とファンクション・キーの組み合わせを使用します (たとえば,Alt+F7)。
アプリケーションがこれらのキーを使用する必要がある場合は,行頭に感嘆符(!)を付けてコメントにするか,新しいキーボード・バインディングを作成します。続いて,Mwm リソース・ファイルの Mwm*keyBindings:DefaultKeyBindings を新しいバインディングを指すように変更します。
Motif バインディングでは,漢字端末エミュレータでの Compose Character シーケンスを妨げないよう,ウィンドウ・メニューの表示に Alt+Space キーあるいは Compose + Space キーを使用することができないようにしています。ウィンドウ・メニューは Shift+Escape (F11) キーで表示してください。
Alt+Space を再度有効にするには, [ルートメニュー:設定] ダイアログ・ボックスの適切なオプションを選択し,現在の設定を適用します。あるいは,構成ファイル DECW$MWM_RC.DAT の Alt+Space の省略時のボタン対応のコメントを削除するようにします。
2.15.2.3 Motif ウィンドウ・マネージャの再起動
ファイル SYS$MANAGER:DECW$MWM.COM は,ウィンドウ・マネージャを再起動する方法を指定するために使用します。省略時の設定では,必ずすべての画面で再起動されます。ただし,ウィンドウ・マネージャをセッション・マネージャから起動していない場合,ウィンドウ・マネージャは最初にすべての使用可能な画面で起動されていない可能性があります。このファイルを変更してユーザのシステムでウィンドウを再起動する方法を変更することができます。
2.15.2.4 モノクロ・モニタの色に関連するリソースのカスタマイズ
Motif ウィンドウ・マネージャは,オプションのダイアログ・ボックスのモノクロ・モニタの色に関連するリソースを完全にカスタマイズすることはできません。色を変えるには, DECW$MWM_BW.DAT リソース・ファイルを直接編集してピックスマップ・リソースを変更する必要があります。たとえば,有効なウィンドウのタイトルの背景色を変更する場合は, Mwm*activeBackgroundPixmap リソースを変更しなければなりません。値としては,25_foreground,50_foreground,75_foreground,unspecified pixmap などがあります。
また,省略時の設定では,タイトル・テキストの背景色は白になっています。タイトル・テキスト以外と同じ色を使用する場合は, Mwm*cleanText リソースをFALSEに設定します。
2.15.2.5 アイコン・ボックスの画面外への移動
アイコン・ボックスを画面の端に移動し,キーボードからサイズ変更を行うと,画面から消えてしまうことがあります。アイコン・ボックスを探すには,そのウィンドウが見つかるまで Alt+Tab を押し,続いて Shift Escape (F11)キーを押してそのウィンドウのウィンドウ・メニューを表示させます。それから,ウィンドウを画面上に移動します。
2.15.2.6 マルチヘッド・システムでの色のカスタマイズ
異なるモニタ・タイプ (カラー,モノクロ,グレースケール) を持つマルチヘッド・システムを使用している場合は,メイン・モニタ(screen 0)のタイプと一致するモニタで,オプションのダイアログ・ボックスから色をカスタマイズすることができます。他のモニタをカスタマイズするには,そのモニタ・タイプで他のシステムにログインするか,リソース・ファイルを直接編集しなければなりません。
2.15.2.7 マルチライン・アイコン・タイトルのセンタリングのずれ
ウィンドウ・マネージャは,マルチライン・アイコン・タイトルの各行をセンタリングしません。
この章は,システム管理者向けのリリース・ノートです。
3.1 インストレーションおよびアップグレードに関する情報
この節では,DECwindows Motifのインストレーションおよびアップグレード・プロシージャに関連する重要な考慮事項について記述します。
3.1.1 変更および拡張
DECwindows Motifのインストレーションおよびアップグレード・プロシージャに対して行われた変更と拡張について次に説明します。
3.1.1.1 省略時の設定ではDMAは無効 (Alpha のみ)
ほとんどのCompaq AlphaServerシステムと一緒に出荷されている PowerStorm 3D30 または 4D20 (TGA2)グラフィック・カードのサポートで,現在では,DMA (Direct Memory Access) は,省略時の設定で無効になっています。 DECwindows Motif のインストレーション時に,スタートアップ・ファイルDECW$DEVICE_CONFIG_GY.COM は,論理名DECW$FFBDODMA を値0 (無効)に設定します。
3.1.1.2 大きなGBLPAGES値を受け入れるように DECW$GETPARAMS.COM が変更された (Alpha のみ)
プロシージャDECW$GETPARAMS.COMが変更されて,大きな GBLPAGES値 (SYSGENで設定された2 GBページレットの制限を超えるもの) を符号なしのロングワードとして扱うようになりました。以前のバージョンでは,この制限を超える値は,符号付き比較として解析されており,これがDECwindows の起動を妨げていました。
3.1.1.3 以前のバージョンではオプションであったファイルの移動
V1.2--4
以前のバージョンは任意選択ファイル領域にあった 表 3-1 に示すファイルが必須ファイル領域に移され,デフォルトでインストールされるようになりました。
ファイル名 | ファイルの機能 |
---|---|
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW]ICO.EXE | プログラミング・サンプル・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]BITMAP.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]ATOBM.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]BMTOA.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XDPYINFO.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XEV.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XLSATOMS.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XLSFONTS.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XLSWINS.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XMAG.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XMBIND.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XMODMAP.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XPR.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XPROP.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XRDB.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XREFRESH.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XSET.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XSETROOT.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XWD.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XWININFO.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
[SYSHLP.EXAMPLES.DECW.UTILS]XWUD.EXE | MIT ユーティリティ・イメージ |
3.1.1.4 共有可能リンクを使用したイメージのインストレーション (Alpha のみ)
V1.2--4
OpenVMS Alphaシステムでは,共有可能リンクを使用してDECwindows Motif for OpenVMS にイメージをインストールした場合,次のようなメリットがあります。
省略時の設定では,次のイメージが共有可能リンクを使用して Alphaシステムにインストールされます。
以上のイメージは, /SHARE=ADDRESS_DATAオプションでインストールすることができます。デフォルトの値を設定すると,以上のイメージはDECwindows Motifの再起動中に置き換えられず,次のメッセージが表示されます。
Shared linkage sections are in use on this system and no images will be reinstalled. If you are restarting DECwindows to reinstall images then you must reboot the system. |
/SHARE=ADDRESS_DATAオプションでインストールした新しいイメージに置き換えるには,システムを再起動します。 SYSTARTUP_VMS.COMコマンド・プロシージャに論理名 DECW$IGNORE_SHARE_ADDRESSを定義することによって,共有可能リンクのセクションを使用禁止にすることができることに注意してください。
3.1.1.5 コマンド・ファイルで使用可能なバージョン・チェック
Compaq DECwindows Motif for OpenVMS キットには,レイヤード・プロダクトがインストレーション時に使用できるバージョン・チェック・コマンド・プロシージャが入っています。日本語Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 のインストレーション時に,次の3つのファイルがSYS$UPDATEディレクトリに置かれます。
$ @SYS$UPDATE:DECW$VERSIONS * |
構成要素 | 説明 |
---|---|
DECwindows ident | Xlib共有可能イメージ |
DECwindows server | Server DIXファイル |
DECwindows transport | トランスポート共通 |
DECwindows Xlib | Xlib共有可能イメージ |
DECwindows OSF/Motif ツールキット | OSF/Motif Xmツールキット |
DECwindows アプリケーション | DECwindowsファイルビュー |
DECwindows プログラミング | OSF/Motif UILコンパイラ |
コマンド・プロシージャからの出力として, DW,バージョン番号,イメージ作成日付が表示されます。
例:
DW V1.2-4960312 |
バージョンは1.2-4,作成日付は1996年3月12日であることが分かります。
この項では,DECwindows Motifのインストレーションおよびアップグレード・プロシージャに関する既知の問題点と制限事項について説明します。
3.1.2.1 アップグレード前のシステム・パラメータのチェック
V1.2--6
V1.2--4 以前のバージョンを実行しているシステムから日本語Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 にアップグレードする場合は,インストレーションを行う前に, NPAGEDYN,GBLPAGES,および FREE_GBLPAGES の各システム・パラメータを必ず次の最小値に調整しておいてください。
パラメータ | 最小値 |
---|---|
NPAGEDYN | 1,998,848 |
GBLPAGES | 150,000 |
FREE_GBLPAGES | 20,000 |
そうしない場合,インストレーション・プロシージャが終了し, AUTOGEN を実行してこれらのパラメータを適切な値に設定するように要求されます。
3.1.2.2 必須の PCSI ECO のインストール後のアップグレード問題
V1.2--5
OpenVMS Alpha V7.1--2 または OpenVMS VAX V7.2 以前のバージョンを実行しているシステムでは,POLYCENTER Software Installation (PCSI) ユーティリティ ECO ( 『日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS インストレーション・ガイド』を参照) をインストールする必要があります。必須の PCSI ユーティリティ ECO をインストールすると,システムは, PCSI ユーティリティのこのバージョンで提供される新機能を使用するようになります。この新機能を利用するレイヤード製品がインストールされている場合,このユーティリティを古いバージョンに戻すことはできません。ソフトウェア製品データベース内にこのユーティリティの古いバージョンでは解釈できないレコードがあるため,制限が生じます。
制限が生じるのは,PCSI ECO をインストールした後に DECwindows Motif をインストールし,その後 OpenVMSOpenVMS オペレーティング・システムに対してある種のアップグレードを行う場合です。以降の手順で,この問題が生じる状況を説明します。
項目 3 に示した OpenVMS のいずれかのバージョンにアップグレードすると,次のいずれかのエラーで失敗します (または,製品データベースで他の PRODUCT コマンド操作を行うと失敗します)。
%SYSTEM-F-ACCVIO, access violation, ... %PCSI-E-UNSDOCENC, unsupported product document encoding version |
PCSI ECO および DECwindows Motif のインストール後にこの障害を回避するには,次の手順を実行します。
$ PRODUCT REMOVE DWMOTIF |
OpenVMS Alpha V7.2-1 以降または OpenVMS VAX V7.2 以降にアップグレードする場合には,この対処方法は必要ありません。これらのバージョン以降には,PCSI ECO で追加された新機能がすでに組み込まれています。
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