日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS

日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS

リリース・ノート

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2001 年 7 月

本書では,日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 ソフトウェアに関する問題点,修正点,制限事項,およびマニュアルの変更点について説明します。

改訂および更新情報: 本書は改訂版です。

オペレーティング・システム: 日本語 OpenVMS Alpha V6.2 以降
日本語 OpenVMS VAX V5.5--2 以降

ソフトウェア・バージョン: 日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Alpha V1.2--6
日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS VAX V1.2--6


2001 年 7 月

© 2001 Compaq Computer K.K.

COMPAQ,VAX,VMS,Compaq ロゴ,および DIGITAL ロゴは,米国 Patent and Trademark Officeに登録されています。

Motif,OSF/1 および UNIX は The Open Group の商標です。

本書に記載のあるその他すべての製品名は,それぞれの会社の商標または登録商標です。

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まえがき

本リリース・ノートは,日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 に関するソフトウェア上の問題点,修正点,制限事項,およびマニュアルの変更点について説明しています。

また本リリース・ノートでは,DECwindows Motif の以前のバージョンからの問題点で,既存のドキュメントでは改訂されておらず, Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 ソフトウェアにまだ該当する問題点について説明しています。欄外の注は,その節で説明しているリリース・ノートが最初に適用される DECwindows Motif 製品のバージョン番号です。

対象読者

本書は,DECwindows Motif ソフトウェアで作業を行うシステム管理者,一般ユーザ,プログラマ用の情報を提供するものです。

本書の構成

本書には以下の情報が掲載されています。

関連ドキュメント

OSSG (OpenVMS Systems Software Group) 製品およびサービスについての詳細は,次の OpenVMS の Web サイトを参照してください。


http://www.openvms.compaq.com 

表記法

本書では,OpenVMS は Compaq OpenVMS オペレーティング・システムを意味します。

特に指定がないかぎり,OpenVMS Cluster,VMScluster あるいはクラスタは Compaq OpenVMS Clusterを意味します。

また,本書では次の表記法も使用しています。

表記法 意味
Ctrl/ x Ctrl/ x という表記は, Ctrl キーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。
[Return] 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。テキストの中では,キー名は四角で囲まれていません。

HTML 形式のドキュメントでは,キー名は四角ではなく,括弧で囲まれています。

... 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。
  • 文中のオプションの引数が省略されている。
  • 前出の 1 つまたは複数の項目を繰り返すことができる。
  • パラメータや値などの情報をさらに入力できる。

.
.
.
垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。このように項目が省略されるのは,その項目が説明している内容にとって重要ではないからです。
( ) コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に,選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。
[ ] コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は任意のオプションです。オプションをすべて選択しても,いずれか1つを選択しても,あるいは1つも選択しなくても構いません。ただし,OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,割り当て文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲まれた要素は省略できません。
[|] コマンド形式の説明では,括弧内の要素を分けている垂直棒線はオプションを 1 つまたは複数選択するか,または何も選択しないことを意味します。
{ } コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。いずれか 1 つのオプションを指定しなければなりません。
太字 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件を示しています。
italic text イタリック体のテキストは,重要な情報を示します。また,システム・メッセージ (たとえば内部エラー number),コマンド・ライン(たとえば /PRODUCER= name),コマンド・パラメータ(たとえば device-name) などの変数を示す場合にも使用されます。
UPPERCASE TEXT 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,ファイル保護コード名,システム特権の短縮形を示します。
Monospace type モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。

C プログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約,または例に示される変数または識別子への参照などを示します。

-- コマンド形式の記述の最後,コマンド・ライン,コード・ラインにおいて,ハイフンは,要求に対する引数がその後の行に続くことを示します。
数字 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて10 進数です。 10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数) は,その旨を明記してあります。


第 1 章
概要

この章では,日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 の特長および拡張について要約するとともに,推奨する移行パスおよび現在のサポート方針に関する情報を提供します。

1.1 本リリースの特長

Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 は,ユーザのデスクトップ全般に渡る変更および拡張を提供するメンテナンス・リリースです。高速なバッチ・スクロールから CDE (Common Desktop Environment) スクリーン・セーバおよびロック拡張のサポートまで,これらの変更は,現在の OSF/Motif,MIT X11 リリース 5 (X11 R5),および CDE 標準の基準を超えて,ユーザにより効率的で柔軟な DECwindows Motif 環境を提供するものです。

表 1-1 に,DECwindows Motif の本リリースで実現された個々の変更,拡張および修正についてリストし,参照箇所も合わせて示します。

表 1-1 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 の変更一覧
タイトル 参照箇所
全般的な変更  
Web ブラウザのサポート強化 第 2.1.1.1 項
   
New Desktop の変更  
スクリーンセーバおよび画面ロックのサポート 第 2.2.1.1 項
言語バリアントの完全な一覧の表示 第 2.2.1.2 項
[ファイル/廃棄] メニュー項目によるマルチレベル・ディレクトリの処理 第 2.2.1.3 項
[アイコンセット検索]ダイアログ・ボックスからのアイコン・ファイルの表示 第 2.2.1.4 項
特権のないアカウントからセッションを保存した場合にセッション・マネージャが適切に終了する 第 2.2.2.1 項
ファイル・マネージャでACLを使用するファイルおよびディレクトリにアクセスできる 第 2.2.2.2 項
マルチヘッド・システムで画面ロックが正しく機能する 第 2.2.2.3 項
マルチヘッド・システム上で省略時の画面が設定できる 第 2.2.2.4 項
サブパネルからカレンダ・アイコンを削除できる 第 2.2.2.5 項
ワークスペース間で切り替えができる 第 2.2.2.6 項
640x480 表示モードでログイン画面が正しい位置に表示される 第 2.2.2.7 項
ウェルカム・メッセージのアップデード 第 2.2.2.9 項
   
DECwindows Motif アプリケーションの変更  
Bookreader: 最後のログイン状態が正しく復元される (New Desktop のみ) 第 2.4.2.1 項
Bookreader: ファイルビューから直接DECW$BOOKファイルをオープンできる (Alpha のみ) 第 2.4.2.2 項
Bookreader: 空白行のあるDECW$BOOKSHELFファイルを指定できる 第 2.4.2.3 項
Clock: DECW$CLOCK.EXE プロセスが正しくインクリメントする 第 2.6.2.1 項
DECterm: バッチ・スクロールの改善 第 2.7.1.1 項
DECterm: 標準でないフォント・セットが指定できる 第 2.7.2.1 項
DECterm: 複数の漢字端末エミュレータ・ウィンドウで使用されるデバイス出力ファイルが正しく更新される 第 2.7.2.2 項
DECterm: クォータを超える印刷操作で警告メッセージが生成される 第 2.7.2.3 項
DECterm: ボタンおよびメニュー・バーの背景色が正しく設定される ( New Desktop のみ) 第 2.7.2.4 項
DECterm: CREATE/TERM/WAIT SHOW PROCESS はもうSYS$INPUTを混乱させない 第 4.4.2.1 項
DECwindows Mail: 別のウィンドウでテキストの選択中にフォルダ間でメッセージのドラッグができる 第 2.9.1.1 項
DECwindows Mail: DECnotesインタフェースから複数のメッセージが送信できる 第 2.9.1.2 項
DECwindows Mail: 新しいメールの受信時に Inbox の取出しが可能 (Alpha のみ) 第 2.9.1.3 項
DECwindows Mail: [オプション/ウィンドウ/色の設定]が正しく表示される ( New Desktop のみ) 第 2.9.1.4 項
Session Manager/FileView: [修飾子]ダイアログ・ボックスから漢字端末エミュレータ・ウィンドウを作成できる (DECwindows デスクトップのみ) 第 2.14.1.1 項
   
Motif に対するDECwindows の拡張およびXlib の変更  
SVN ウィジェットによる拡張選択のサポート 第 4.6.1.1 項
X11 環境変数の解析 第 4.10.1.1 項
UIDPATH 環境変数 第 4.10.1.2 項
XtResolvePathnameの新しい省略時の形式 第 4.10.1.3 項
UNIX ファイル名のエミュレーション (Alpha のみ) 第 4.10.2.1 項
XmTextField ウィジェットが正しくフォーカスを切り替える 第 4.10.2.2 項
XrmoptionStickyArg が正しい結果を生成する 第 4.10.2.3 項
PAllHints マクロの修正 第 4.10.2.4 項
呼び出し可能 OSF/Motif UIL コンパイラ (Alpha のみ) 付録 B.3.1 項
   
インストレーションおよびチューニングの変更  
省略時の設定ではDMAは無効 (Alpha のみ) 第 3.1.1.1 項
大きなGBLPAGES値を受け入れるように DECW$GETPARAMS.COM が変更された (Alpha のみ) 第 3.1.1.2 項
拡張ウェルカム・メッセージの表示 ( New Desktop のみ) 第 3.3.1.1 項
ファイル・マネージャのリフレッシュ率の設定 ( New Desktop のみ) 第 3.3.1.2 項


第 2 章
一般ユーザ向けリリース・ノート

この章では,DECwindows Motifに関する一般ユーザ向けの情報について説明します。

2.1 一般的な DECwindows Motif 環境

この節は,一般的なDECwindows Motifのユーザ環境に関するリリース・ノートです。これには, New Desktop および従来からの DECwindows デスクトップ環境の両方に適用される共通の変更,修正,および制限事項があります。

2.1.1 変更および拡張

一般的なDECwindows Motif環境に対して行われた重要な変更および拡張について,次に説明します。

2.1.1.1 Web ブラウザのサポート強化

V1.2--6

日本語Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2--6 のユーザは,実行している OpenVMS オペレーティング・システムのバージョンにより,使用するWebブラウザを選択することができます。 表 2-1 に,現在,選択可能なブラウザを示します。

表 2-1 サポートされる Web ブラウザ
OpenVMS の
バージョン
OpenVMS のプラットフォーム
  VAX Alpha
5.5--2 NCSA Mosaic 4.2 --
6.2 Netscape Navigator Gold 3.03 Netscape Navigator Gold 3.03
7.1, 7.1--2, 7.2, 7.2--1, 7.3 Netscape Navigator Gold 3.03 Netscape Navigator Gold 3.03
Mozilla

以降の各項では,個々のWebブラウザおよび現在のサポート・レベルについて詳しく説明します。

Mozilla

OpenVMS 開発チームは,Mozilla ブラウザを OpenVMS Alpha プラットフォームに移植しました。Netscape 6 をベースとする,このブラウザの最新版が,次の Compaq OpenVMS のWeb ページから入手可能です。


http://www.openvms.compaq.com/openvms/products/ips/register_mozilla.html 

このページには,Mozilla をインストールして実行する方法,およびハードウェアとソフトウェアの前提条件,システム・パラメータ,アカウント・クォータ,および障害報告に関する情報が掲載されています。

Netscape Navigator

Netscape Navigator Gold Version 3.03 は,OpenVMS ソフトウェアのほとんどのバージョンおよびプラットフォームの現在のWebブラウザです。ただし,このブラウザのサポートは,Mozilla ブラウザの正式版がリリースされてから 1 年後に終了する予定です。

弊社では,Netscape Navigator Gold ソフトウェアを「現状のまま」サポート対象外として,OpenVMS VAX システムおよび,Mozilla ブラウザをサポートしていない OpenVMS Alpha システムで,継続して提供します。現在 OpenVMS システムでサポートされているWebブラウザのリストについては, 表 2-1 を参照してください。

Netscape Navigator Gold ソフトウェアは,次の Compaq OpenVMS のWebページから入手することができます。


http://www.openvms.compaq.com/openvms/internetnetworks.html 

NCSA Mosaic

弊社では,VMS V5.5--2 を実行しているシステムに対し,「現状のまま」サポート対象外として National Center for Supercomputing Applications (NCSA) Mosaic Version 2.4 ブラウザを提供します。 Mosaic ブラウザのソフトウェアは DECW$UTILS ディレクトリにあり, DECwindows Motif 製品のインストール時に一緒にインストールされます。

NCSA Mosaic ブラウザの起動,使用,カスタマイズについての詳細は, 付録 C を参照してください。

Spyglass Enhanced Mosaic

Spyglass Enhanced Mosaicブラウザは,今後DECwindows Motifソフトウェアでは提供されず,サポートは終了しました。日本語 DECwindows Motif V1.2--5 から,製品のインストレーション・プロシージャにより Spyglass Enhanced Mosaic ソフトウェアが削除されます。

現在,このブラウザを使用しており,システムを日本語 DECwindows Motif V1.2--5 以降にアップグレードする計画がある場合は, 表 2-1 を参照して別のブラウザを選択してください。

2.1.1.2 カラー・カスタマイザのサンプル・プログラム

V1.2

カラー・カスタマイザのサンプル・プログラムは,ユーザがワークステーション環境の色を自由に調節するためのプログラムです。ウィンドウの色,アイコンの色,ウィンドウ・マネージャの色などすべてを,個別に,またはパレット・スイッチ全体の一部として変更することができます。ユーザは,リソースとカラー・セルの間のマッピング,あるいはパレット・セットのサイズと内容を完全に制御することができます。さらに標準 Motif 影付けアルゴリズムによる自動影付け機能がサポートされています。


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