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OpenVMS Registryサーバは,OpenVMSバージョン7.2-1 システム・インストールの一部としてインストールされます。
OpenVMS Registryを使用する前に,OpenVMS Registryサーバを構成し,OpenVMS Registry データベースに情報を登録しなければなりません。OpenVMS Registry サーバの構成の詳細については, 第8.2 節を参照してください。OpenVMS Registryデータベースへの情報の格納については,第5.2節を参照してください。
第8.3節で説明するスタートアップ・ プロセスを使用して,OpenVMS Registry サーバを初めて起動するときに,OpenVMS システムはOpenVMS Registryデータベースを作成します。
OpenVMS Registryには複数の方法でアクセスできます。OpenVMS Registry にアクセスする方法に応じて, 次の製品をインストールしなければなりません。
RegEdt32
を使用してOpenVMS Registry
にアクセスする場合は,
最初にAdvanced Server for OpenVMSをインストールし,
構成し,起動しなければなりません。詳細については,Advanced Server for OpenVMS
のマニュアルを参照してください。
OpenVMS Registryサーバ管理ユーティリティやOpenVMS Registry システム・サービスを使用して,OpenVMS Registry にアクセスすることもできます。 これらはOpenVMSバージョン7.2-1ではOpenVMS Registryの一部としてインストールされます。
OpenVMS Registry Configurationユーティリティ(REG$CONFIG) は,OpenVMS Registryサーバの状態とOpenVMS Registry データベースの場所に関する情報を提供します。 このユーティリティを使用すると,OpenVMS Registry論理名とパスを変更できます。
OpenVMS Registry Configurationユーティリティを起動するには, 次のコマンドを入力します。
$ @SYS$MANAGER:REG$CONFIG
次のメニューが表示されます。
--------------------------------------------------------- OpenVMS Registry Configuration Utility ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 1 - Configure OpenVMS Registry logical names and directory paths 2 - Display OpenVMS Registry logical names and directory paths 3 - Check the state of the OpenVMS Registry server 4 - Start the OpenVMS Registry server on this node H - Help about this utility [E] - Exit Please enter your choice : ---------------------------------------------------------
オプションを選択するには,オプション番号を入力します。オプションは次のとおりです。
1 - Configure OpenVMS Registry logical names and
directory paths
OpenVMS Registryサーバのスタートアップ値を構成し,OpenVMS Registry データベースの場所を指定できます。
この手順については,第8.2.1 項を参照してください。
2 - Display OpenVMS Registry logical names and
directory paths
このノードのOpenVMS Registryサーバ論理名( スタートアップ値)とOpenVMS Registryデータベースの場所の現在の値を表示します。
3 - Check the state of the OpenVMS Registry
server
OpenVMS Registryサーバの現在の状態を表示します。 次のいずれかが表示されます。
The OpenVMS Registry server is started in the cluster. The OpenVMS Registry server is started on this node. The OpenVMS Registry server is not started.
4 - Start the OpenVMS Registry server on this
node
現在のノードでOpenVMS Registryサーバを起動します。 次のメッセージが表示されます。
The OpenVMS Registry server has successfully started.
H - Help about this utility
OpenVMS Registry Configurationユーティリティのオプションに関するオンライン・ ヘルプを表示します。
[E] - Exit
OpenVMS Registry Configurationユーティリティを終了します。
Q
と入力すると,「OpenVMS Registry Configuration Utility
」メニューにいつでも戻ることができます。
論理名を構成しているときにQuitを使用した場合は,確認メッセージを受け取った値だけが更新されます。
次の質問が表示されます。
Is this system now a node in a cluster or will this system become part of a cluster? (Y/N/Q):
REG$TO_BE_STARTED
論理名に関する現在の情報が表示され,
値を変更するかどうか質問されます。
- REG$TO_BE_STARTED - [current value of REG$TO_BE_STARTED] NOTE: Setting this logical to TRUE starts the OpenVMS Registry server automatically when the system boots. Setting this logical to FALSE prevents the OpenVMS Registry server from starting when the system boots and prevents other products from starting the OpenVMS Registry server. If the OpenVMS Registry Server is not started at boot time, but other products that require an OpenVMS Registry server are able to start the OpenVMS Registry server, you do not need to assign a value to this logical. Do you want to change this value? (Y/N/Q) [Y]:
Y
を選択すると,新しい値の入力が求められます。
Enter the new value (TRUE/FALSE/NOVAL/Q):
次のいずれかの値を入力します。
動作 | 値 |
---|---|
リブート時にOpenVMS Registry サーバを起動する。 他の製品がサーバを起動することを許可する。 | TRUE |
リブート時にOpenVMS Registry サーバを起動しない。 他の製品がサーバを起動することを許可しない。 | FALSE |
リブート時にOpenVMS Registry サーバを起動しない。 他の製品がサーバを起動することを許可する(論理名の割り当てを解除する) 。 | NOVAL
|
この手順を中止し,「OpenVMS Registry Configuration Utility 」メニューに戻る。 | Q |
In which logical name table do you want the logical defined? (SYSTEM/SYSCLUSTER/CLUSTER/Q) :
次のいずれかを入力します。
動作 | 値 |
---|---|
REG$TO_BE_STARTED 論理名をLNM$SYSTEM論理名テーブルに追加する。
このテーブルには,システム内のすべてのプロセスで共用される名前が格納される。
| SYSTEM
|
REG$TO_BE_STARTED 論理名をLNM$SYSCLUSTER
論理名テーブルに追加する。このテーブルにはOpenVMS Cluster
内のすべてのプロセスで共用される名前が格納される。
| SYSCLUSTER |
REG$TO_BE_STARTED 論理名をLNM$CLUSTER
論理名テーブルに追加する。このテーブルはすべてのクラスタ単位の論理名テーブルの親テーブルである。
|
CLUSTER |
この手順を中断し, 「OpenVMS Registry Configuration Utility」メニューに戻る。 | Q
|
新しい値または更新した値を入力した後,システムから変更が確認され,SYLOGICALS.COM ファイルに追加しなければならない行が表示されます。
The logical REG$TO_BE_STARTED has been temporarily defined. Before you reboot the system you must edit your SYLOGICALS.COM to include the line: DEFINE/TABLE=table-name REG$TO_BE_STARTED value Press [Enter] to continue.
SYS$REGISTRY
論理名に関する現在の情報が表示され,
値を変更するかどうか質問されます。
- SYS$REGISTRY logical - current value of SYS$REGISTRY Note: When the OpenVMS Registry server is started, the system creates an OpenVMS Registry database at this location. If an OpenVMS Registry database already exists on your system, you must redefine the SYS$REGISTRY logical to point to the existing OpenVMS Registry database location. Do you wish to change this value? (Y/N/Q) [Y]:
Y
を選択すると,新しい値が求められます。
Enter the new value for SYS$REGISTRY ("yourvalue"/NOVAL/Q):
次のいずれかを入力します。
動作 | 値 |
---|---|
OpenVMS Registryデータベースの新しい場所または変更した場所を定義する。 | DKA0:[SYS$REGISTRY]などの有効なディレクトリ指定
|
論理名の割り当てを解除する。 | NOVAL |
この手順を中断し,「OpenVMS Registry Configuration Utility」メニューに戻る。 | Q |
You have entered: value Is this correct? (Y/N/Q) [Y]:
In which logical name table do you want the logical defined? (SYSTEM/SYSCLUSTER/CLUSTER/Q):
次のいずれかを入力します。
動作 | 値 |
---|---|
SYS$REGISTRY 論理名をLNM$SYSTEM論理名テーブルに追加する。
このテーブルには,システム内のすべてのプロセスで共用される名前が格納される。
| SYSTEM
|
SYS$REGISTRY 論理名をLNM$SYSCLUSTER
論理名テーブルに追加する。このテーブルには,
OpenVMS Cluster内のすべてのプロセスで共用される名前が格納される。
| SYSCLUSTER |
SYS$REGISTRY 論理名をLNM$CLUSTER論理名テーブルに追加する。
このテーブルはすべてのクラスタ単位の論理名テーブルの親テーブルである。
| CLUSTER
|
この手順を中断し,「OpenVMS Registry Configuration Utility 」メニューに戻る。 | Q |
新しい値または更新した値を入力した後,変更が確認され, SYLOGICALS.COMファイルに追加しなければならない行が表示されます。
The logical SYS$REGISTRY has been temporarily defined. Before you reboot the system you must edit your SYLOGICALS.COM file to include the line: DEFINE/TABLE=table-name SYS$REGISTRY dir-spec Press [Enter] to continue.
- SYS$REGISTRY directory - [directory status]
ディレクトリが存在しない場合,ディレクトリを作成するかどうか質問されます。
!!Caution!! When the OpenVMS Registry server starts, the system creates an OpenVMS Registry database at this location. If you already have an OpenVMS Registry database on your system, you must redefine the SYS$REGISTRY logical to point to that location. Do you wish to create the directory? (Y/N/Q) [Y]:
Y
と入力すると,ディレクトリの作成が確認されます。
The SYS$REGISTRY directory has now been created. Press [Enter] to return to the menu.
OpenVMS Registryを起動する方法は制御できます。
OpenVMS Registryの起動方法を制御するには, 第8.2節で説明したOpenVMS Registry Configuration ユーティリティを使用します。
条件によっては,OpenVMS Registryサーバを手動で起動しなければならないことがあります。
このような場合は,SYS$STARTUP:REG$STARTUP.COM
コマンド・
プロシージャを使用してください。次のコマンド・プロシージャは,
サーバ・プロセス・クォータが必要な最小値に設定されていることを確認します。
$ @SYS$STARTUP:REG$STARTUP.COM
また,次のコマンドを使用して,OpenVMS Registryを手動で起動することもできます。
$ SET SERVER REGISTRY_SERVER/START
OpenVMS Registryサーバは,システム・シャットダウンの一部として自動的にシャットダウンされます。
OpenVMS Registryを手動でシャットダウンする場合は, 次のコマンドを使用します。
$ SET SERVER REGISTRY_SERVER/EXIT
OpenVMS Registryサーバのコマンドを使用すると,OpenVMS Registry サーバの状態を表示(SHOW) したり,変更(SET)することができます。この節では,OpenVMS Registryサーバのコマンドについて説明します。
指定されたノードのOpenVMS Registryの現在の状態を表示します。
このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。
SHOW SERVER REGISTRY_SERVER [/MASTER|/CLUSTER|/NODE=(node,...)] [/PAGE]
OpenVMS Registryの状態を変更します。
このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。
SET SERVER REGISTRY_SERVER [/MASTER|/CLUSTER|/NODE=(node,...)] [/START|/RESTART|/EXIT|/ABORT ] [/[NO]LOG ]
/NODE=(node,...)
/EXIT[=(node,...)]
/ABORT[=(node,...)]
クラスタ内で複数のOpenVMS Registryサーバを稼動すれば,OpenVMS Registry の可用性と信頼性を向上できます。 ただし,各ノードで稼動できるのは1つだけです。OpenVMS Registry サーバをいくつ稼動する場合でも,OpenVMS Registry データベースは1 つだけ存在します。
クラスタ内で複数のOpenVMS Registryサーバを稼動する場合は,OpenVMS Registry サーバ・ プロセスが1つだけアクティブになり,OpenVMS Registryデータベースに書き込みを行います。 他のOpenVMS Registryサーバ・プロセスはスタンバイ状態になります。
デフォルト設定では,クラスタ内で最初にアクティブになるOpenVMS Registryサーバ・ プロセスは, そのプロセスが存在しなくなるか,OpenVMS Registryサーバ・プロセス間の優先順位が変更されるまでアクティブです。
OpenVMS Registryサーバ・プロセスの優先順位は,OpenVMS Registry サーバ・プロセスを実行するクラスタ内の各ノードの優先順位を作成および変更することで変更できます。 値が大きくなるほど,優先順位は高くなります。
例 8-1は,優先順位の割り当てを示しています。
ここでは,NODENAME1
がクラスタ内でアクティブなOpenVMS Registry
サーバ・プロセスになるように,
優先順位が割り当てられています。
$ mcr reg$cp REG> CREATE VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME1/DATA=15/TYPE=DWORD REG> CREATE VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME2/DATA=10/TYPE=DWORD REG> CREATE VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME3/DATA=5/TYPE=DWORD
例 8-1でNODENAME1
がシャットダウンされると,OpenVMS Registry
データベースの制御は
NODENAME2
のサーバ・プロセスに渡されます。
例 8-2は,システム管理者が
NODENAME3
の優先順位を20に上げる手順を示しています。
$ mcr reg$cp REG> MODIFY VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME3/DATA=20/TYPE=DWORD
例 8-2では,
NODENAME1
のOpenVMS
Registryサーバ・プロセスはスタンバイ・モードになり,
NODENAME3
のOpenVMS
Registryサーバ・プロセスがアクティブになります。
Windows NTシステムからOpenVMS Registryに接続するには, 次の操作を行わなければなりません。
WindowsシステムからOpenVMS Registryデータベースにアクセスする場合は,Windows NT
システムで与えられているすべての権限が与えられます。
たとえば,Windows NTシステムにAdministrator
としてログオンしている場合は,OpenVMS Registryのすべてのキーと値の読み込みと書き込みが可能です。OpenVMS Registry
キーへのアクセスは,Windows NT
ユーザ・プロファイル(username
とGroup
メンバシップ)をもとに行われます。Advanced Server for OpenVMS
を介してOpenVMS Registryに接続します。キー,値,セキュリティ設定の表示と変更には,Windows
Regedt32
アプリケーションを使用します。
クォータは,OpenVMS Registryデータベースのサイズを制限します。
すべてのOpenVMS
Registryファイルのルート・キー・データ・ファイルにクォータが割り当てられます。
デフォルト設定では,これらのルート・キーは
USERS
キー(REGISTRY$USERS.REG
)とLOCAL_MACHINE
キー(REGISTRY$LOCAL_
MACHINE.REG
)です。
クォータはファイルに格納される情報のサイズを制限しますが,他のファイルに格納される情報のサイズはクォータに含まれません。 これらのファイルがサブツリーの一部の場合でも, そのファイルのサイズは含まれません。
デフォルト・クォータと各ファイルのクォータは,OpenVMS Registryの
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Registry
キーに格納されます。
これらのキーの詳細については,第7.3
節を参照してください。
ユーザは次の方法でOpenVMS Registryに直接にアクセス( 読み込みと変更)できます。
REG$CP
)を使用する方法
各ユーザが必要とするシステム特権とライト識別子の詳細については, 第7.5.1項を参照してください。 必要なシステム特権とライト識別子を与える方法については,第7.5.1.1項を参照してください。
キーのセキュリティ属性はWindows NTシステムからだけ変更できます。OpenVMS システムからキーのセキュリティ属性を変更することはできません。OpenVMS では,Windows NTセキュリティ属性の作成や管理は行われません。
OpenVMS Registryにはサーバ管理ユーティリティが含まれており, このユーティリティを使用すると,必要なシステム特権が与えられている場合,OpenVMS DCL プロンプトからOpenVMS Registryデータベース全体をファイルにバックアップしたり, ファイルから復元することができます。
OpenVMS Registryデータベースのバックアップと復元の詳細については,
第9.2
節と,REG$CP
サーバ管理ユーティリティのCREATE
SNAPSHOTコマンドとEXPORTコマンドを参照してください。
OpenVMS RegistryサーバはOpenVMS Alpha複合バージョン・ クラスタ内で実行できます。つまり,OpenVMS Registryは,OpenVMSバージョン7.2-1以外のOpenVMS バージョンを含むクラスタ内で実行できます。ただし,OpenVMS Registryサーバは,OpenVMS バージョン7.2-1 を稼動しているノードで実行しなければなりません。
Windows NTと統合するために,OpenVMS RegistryはUnicodeに準拠しています。Unicodeの詳細については, 『OpenVMSバージョン7.2新機能説明書』を参照してください。
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