Compaq OpenVMS
システム管理者マニュアル


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2.3.5 SYSMAN プロファイル

SYSMAN が複数の OpenVMS Cluster にまたがって実行された場合, SYSMAN は実行者の権利,特権,省略時の値を含むプロファイルを作成して,ユーザが特権を持つかどうか調べます。このプロファイルは,SYSMAN の使用中に特権上の問題が起きた場合, SYSMAN がどのようにプロファイルを決定したかを理解する上で役立ちます。

プロファイルを決定するとき,SYSMAN は次の 3 つの可能性を調べ,必要な処理を行います。

プロファイルには,ログイン・コマンド・プロシージャで設定されたシンボル名,論理名,あらかじめ定義されたターミナル属性,キー定義は含まれません。ログイン・コマンド・プロシージャで定義された属性を持つ環境は, SYSMAN を実行したローカル・ノードだけです。

2.3.6 SYSMAN プロファイルを変更する

SYSMAN 管理プロファイルを変更する場合には, SYSMAN の SET PROFILE コマンドを実行します。 /PRIVILEGES,/DEFAULT,/VERIFY の修飾子を使用すれば, SMISERVER プロセスの次の属性を変更することができます。

属性 修飾子 参照箇所
現行特権 /PRIVILEGES 第 2.3.6.1 項
省略時の装置とディレクトリ /DEFAULT 第 2.3.6.2 項
DO コマンドの DCL 検証 /VERIFY 第 2.3.7 項

変更したプロファイルの内容は,SET PROFILE コマンドで変更する,環境を再設定する,または SYSMAN を終了するまで有効です。

SET PROFILE は,現在のローカル・プロセスの属性を一時的に変更するコマンドです。 SYSMAN を終了すると,SYSMAN を起動したときに有効であった値に戻ります。

2.3.6.1 現特権を変更する

環境の現特権を一時的に変更したい場合には, SYSMAN の SET PROFILE/PRIVILEGES コマンドを使用します。

ほとんどのシステム管理コマンドには特別な特権が必要です。このため,管理環境でコマンドを実行するためには,特権を追加しなければならないことがあります。通常,システム管理者は,すべてのノードで同じ特権を持ちます。コマンドの実行に必要な特権がない場合, SYSMAN はそのコマンドを実行できず,エラー・メッセージを返します。


次の例は SYSPRV をユーザの現在の特権の 1 つとしています。


SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGES=SYSPRV
SYSMAN> SHOW PROFILE
%SYSMAN-I-DEFDIR, Default directory on node NODE21  -- WORK1:[MAEW]
%SYSMAN-I-DEFPRIV, Process privileges on node NODE21 --
        TMPMBX
        OPER
        NETMBX
        SYSPRV

2.3.6.2 省略時の装置とディレクトリを変更する

管理環境におけるユーザのプロセスおよびすべてのサーバ・プロセスに対する省略時の装置とディレクトリの指定を変更する場合には, SET PROFILE/DEFAULT コマンドを使用します。

ほとんどの場合,ユーザの UAF レコードに指定された省略時の装置とディレクトリは,そのユーザがファイルやサブディレクトリを作成する第 1 レベルのディレクトリです。 SYSMAN は,この省略時の装置とディレクトリを使用して,ファイル指定を解決します。またセッション中に作成されるどのファイルにも,省略時の装置名とディレクトリ名が割り当てられます。

しかしながら,実際の作業中には,SYSMAN プロファイルの省略時の装置とディレクトリを変更しなければならないこともあります。たとえば,いくつかのシステム管理ユーティリティのように,省略時のディレクトリが SYS$SYSTEM でなければならないコマンド・プロシージャがディレクトリにある場合です。


次の例では,省略時の装置とディレクトリを DMA1:[SMITH.COM] に設定しています。


$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> SET PROFILE/DEFAULT=DMA1:[SMITH.COM]

2.3.7 DCL 検証をオンにする

DCL 検証をオンに設定する場合には,SET PROFILE/VERIFY コマンドを使用します。 DCL 検証とは,DCL コマンドを実行しながら,コマンド行とデータ行を表示する機能のことです。

省略時の設定では,SYSMAN の DCL 検証はオフです。



$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> SET PROFILE/VERIFY

2.3.8 SYSMAN から DCL コマンドを実行する

SYSMAN で DCL コマンドを実行する場合には, DO コマンドを使用します。SYSMAN の DO コマンドは, OpenVMS Cluster 環境に含まれるすべてのノード上で, DCL コマンド,コマンド・プロシージャ,SYSMAN コマンドを実行します。 OpenVMS Cluster 環境,または複数のノードから構成される環境でコマンドが入力されると,SYSMAN は,入力されたコマンドを順番に,その管理環境内のすべてのノード上で実行します。 SYSMAN は,コマンドが実行されるごとに各ノード名を表示します。また,そのコマンドが失敗した場合はエラー・メッセージを表示します。

規定のタイムアウト時間内にノードから応答がなかった場合には,まずメッセージを表示してから,その管理環境内の次のノードに進みます。タイムアウト時間は,SET TIMEOUT コマンドで指定します。

各 DO コマンドは独立したサブプロセスとして動作するので,次の DO コマンドまで前のプロセス・コンテキストが残されることはありません。したがって,各 DCL コマンド全体を一つのコマンド文字列として表す必要があります。また,入力を求めるプロシージャを実行することはできません。

OpenVMS Cluster 環境の場合,SYSMAN は DO コマンドを順番に,その OpenVMS Cluster のすべてのノード上で実行します。あるノードでコマンドの実行が終了するか,タイムアウト時間がくると,SYSMAN は同じコマンドを,その管理環境内の次のノードに送信します。コマンドの実行が不可能なノードについては,エラー・メッセージが返されます。

OpenVMS Cluster の管理のための DO コマンドを使用する方法についての詳細は, 第 22.6 節 を参照してください。 SYSMAN の DO コマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』も参照してください。


次の例では,SYSMAN で INSTALL ユーティリティを起動し,ローカル・ノードからコマンドが入力されたとき, OpenVMS Cluster のすべてのノードでファイルが認識されるようにしています。


$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGE=CMKRNL
SYSMAN> DO INSTALL ADD/OPEN/SHARED WORK4:[CENTRAL]STATSHR
. 
. 
. 
%SYSMAN-I-OUTPUT, Command execution on node NODE21
%SYSMAN-I-OUTPUT, Command execution on node NODE22

2.3.9 SYSMAN コマンド・プロシージャを作成する

SYSMAN の @ コマンドは,管理環境内のすべてのノード上で SYSMAN コマンド・プロシージャを実行するコマンドです。


OpenVMS Cluster ノードごとに現在の日付とシステム時刻を表示する SYSMAN コマンド・プロシージャを作成し実行する例を,次に示します。


$ CREATE TIME.COM 
SET ENVIRONMENT/CLUSTER 
CONFIGURATION SHOW TIME[Ctrl/Z]
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> @TIME
%SYSMAN-I-ENV, Current command environment: 
            Clusterwide on local cluster 
            Username SYSTEM   will be used on nonlocal nodes
System time on node NODE21: 19-JUN-2000 13:32:19.45
System time on node NODE22: 19-JUN-2000 13:32:27.79
System time on node NODE23: 19-JUN-2000 13:32:58.66
SYSMAN>

2.3.10 初期設定ファイルで SYSMAN を設定する

起動時に SYSMAN に読み込ませるような,初期設定ファイルも作成できます。このような初期設定ファイルを使用すると,キーの定義や環境の設定などの作業を行うことができます。

SYSMAN 初期設定ファイルの省略時のファイル指定は SYS$LOGIN:SYSMANINI.INI です。このファイル指定を変更する場合には,ファイルの格納位置を指すように論理名 SYSMANINI を定義する必要があります。 キー定義を行う初期設定ファイルの例を次に示します。


$ TYPE SYSMANINI.INI
DEFINE/KEY/TERMINATE KP0 "SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=(NODE21,NODE22)"
DEFINE/KEY/TERMINATE KP1 "CONFIGURATION SHOW TIME"
DEFINE/KEY/TERMINATE KP2 "SHOW PROFILE" 
   .
   .
   .

2.4 オペレータ通信マネージャ (OPCOM) によるシステム・ユーザとの通信

オペレータ通信マネージャ (OPCOM) は,システム上で,ユーザとオペレータとが通信するためのツールです。 OPCOM を使用すれば,次のことを行うことができます。

機能 参照箇所
ログインしているユーザにメッセージをブロードキャストする 第 2.4.3 項
オペレータ・ターミナルとしての OPA0: の使用を制御する 第 2.4.4 項
ターミナルをオペレータ・ターミナルとして, OPCOM によるメッセージ・ブロードキャストを表示させる 第 2.4.5 項
OPCOM によるメッセージ・ブロードキャストをログ・ファイルに記録する 第 20.6.3 項
要求をオペレータに送信する 1 第 2.4.6 項
オペレータ要求に応答する 1 第 2.4.7 項


1 これらの機能は,オペレータがユーザの代わりにディスクやテープ・ボリュームをマウントしたり,プリンタ・フォームをマウントするサイトにおいて使用される。

2.4.1 OPCOM の理解

こうした OPCOM の働きを図説すると, 図 2-3 のようになります。

図 2-3 オペレータ通信マネージャ (OPCOM)


OPCOM のコンポーネント

OPCOM が使用するコンポーネントは次のとおりです。

コンポーネント 説明 参照箇所
OPCOM プロセス OPCOM 動作を管理するシステム・プロセス。通常,OPCOM プロセスはシステムのスタートアップ時に自動的に起動する。 第 2.4.2 項
オペレータ・ターミナル OPCOM がブロードキャストしたメッセージを表示するターミナル。通常はコンソール・ターミナル (装置名 OPA0:) であるが,任意のターミナルを指定できる。 第 2.4.5 項
オペレータ・ログ・ファイル OPCOM がブロードキャストしたメッセージを記録するファイル。ファイル名は
SYS$MANAGER:OPERATOR.LOG。
第 20.6.1 項
OPCOM メッセージ OPCOM がブロードキャストしたメッセージ。ブロードキャストされたメッセージはターミナルに表示され,オペレータ・ログ・ファイルに書き込まれる。メッセージを生成するのは,ユーザ,ユーザの要求,オペレータの応答,またはシステム・イベント。 第 20.6.2 項
REPLY コマンドと REQUEST コマンド OPCOM の使用と制御を可能にする DCL コマンド 第 2.4.3 項
第 2.4.6 項
第 2.4.7 項

OPCOM の省略時の設定

CPCOM の省略時の設定は次のとおりです。

OPCOM の使用条件

OPCOM を使用するためには,次の条件が必要です。

2.4.2 オペレータ通信マネージャ (OPCOM) の起動

OPCOM REPLY コマンドを実行するためには,OPCOM プロセスが動作している必要があります。通常,OPCOM プロセスは,使用不可能になっていない限り,システムのスタートアップ時に自動的に起動されます。ソフトウェア上の問題でプロセスが異常終了して OPCOM が自動的に起動しない場合は,ユーザが OPCOM を会話型で起動する必要があります。

OPCOM を起動するには,システム管理者のアカウント (SYSTEM) から次のコマンドを入力します。


$ @SYS$SYSTEM:STARTUP OPCOM

ソフトウェアの問題によって OPCOM が異常終了した場合には,弊社のサポート担当者にご連絡ください。その場合,SYS$SYSTEM:OPCOM.DMP という名前のプロセス・ダンプ・ファイルを保存してください (OPCOM が異常終了すると,このファイルが作成されます)。

2.4.3 ユーザへのメッセージの送信

ユーザにメッセージをブロードキャストする場合は, REPLY コマンドを使用します。


REPLY [/ 修飾子 ...]   [" メッセージ "] 

例:


$ REPLY/ALL/BELL "Please log off"

REPLY では,次の修飾子を使って OPCOM メッセージを制御することができます。

修飾子 説明
/ALL システムまたは VMScluster に接続されているすべてのターミナルにメッセージをブロードキャストする。ターミナルには電源が入っていて,ブロードキャスト・メッセージを受信できる状態になっている必要がある。
/BELL メッセージを受信したターミナルのベルを 1 回,2 回,または 3 回鳴らす。ベルを鳴らす回数は使用された修飾子によって異なる。 /ALL,/TERMINAL,/USERNAME は 1 回,/URGENT は 2 回, /SHUTDOWN は 3 回である。
/NODE=(ノード名 [,...]) ローカル・ノードだけに,または指定されたクラスタ・ノードだけにメッセージをブロードキャストする。
/SHUTDOWN "SHUTDOWN..." から始まるメッセージを送信する。 /BELL 修飾子も使用した場合は,メッセージを受信したターミナルのベルを 3 回鳴らす。
/TERMINAL=(ターミナル名 [,...]) 指定されたターミナルにメッセージをブロードキャストする。
/URGENT "URGENT..." で始まるメッセージを送信する。 /BELL 修飾子も使用した場合は,メッセージを受信したターミナルのベルを 2 回鳴らす。
/USERNAME=(ユーザ名 [,...]) システム (または OpenVMS Cluster) にログインしているユーザが存在するすべてのターミナル,または指定されたユーザのターミナルにメッセージをブロードキャストする。

REPLY コマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。


次の例は,ノード WLDWND にログインしているすべてのユーザにメッセージを送信する REPLY コマンドの例です。メッセージの表示とともに,ターミナルのベルが鳴ります。


$ REPLY/ALL/BELL/NODE=WLDWND "Please log off"

次の REPLY コマンドは,ターミナル TTC1 からログインしているユーザにメッセージを送信します。ここでもメッセージの表示とともに,ターミナルのベルが鳴ります。


$ REPLY/BELL/TERMINAL=TTC1: "Your file has completed printing"


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