Compaq OpenVMS
システム管理者マニュアル


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19.7.9 DECnet for OpenVMS エラー

DECnet エラー・メッセージは,ネットワークが使用不可であることを示すことがあります。

解決策

他の DECnet に関するエラーが発生した場合は,次の作業を行ってください。

19.7.10 記録されるが表示されないエラー

コンソール・ターミナルにエラーが表示されない場合,または,UETP.LOG ファイルにエラーが報告されない場合, ERROR LOG を実行して,ERRLOG.SYS ファイルになんらかのエラーが記録されているかどうかを確認します。 ERROR LOG の実行については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

19.7.11 PCB またはスワップ・スロットの欠如

次のエラー・メッセージは,PCB またはスワップ・スロットが使用できないことを示しています。


%UETP-I-BEGIN, UETLOAD00 beginning at  22-JUN-2000 07:47:16.50 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD02_0000 beginning at  22-JUN-2000 07:47:16.76 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD03_0001 beginning at  22-JUN-2000 07:47:16.92 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD04_0002 beginning at  22-JUN-2000 07:47:17.13 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD05_0003 beginning at  22-JUN-2000 07:47:17.35 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD06_0004 beginning at  22-JUN-2000 07:47:17.61 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD07_0005- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD08_0006- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD09_0007- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD10_0008- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD11_0009- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-ABORT, UETLOAD00 aborted at  22-JUN-2000 07:47:54.10 
-UETP-W-TEXT, Aborted via a user Ctrl/C. 
 *************************************************** 
 *                                                 * 
    END OF UETP PASS 1 AT  22-JUN-2000 07:48:03.17 
 *                                                 * 
 *************************************************** 

解決策

この問題を解決するには,次の手順に従います。

  1. エラー・メッセージの原因となったフェーズを個々に実行し (上記例では LOAD フェーズ),エラーが再現するか確認する。

  2. コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:SWAPFILES.COM ( 第 16 章 を参照) または SYSGEN ( 『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照) を使って,ページ・ファイルのサイズを増やす。

  3. 必要であれば,システム・パラメータ MAXPROCESSCNT を増やす。

  4. システムを再ブートする。

19.7.12 キーボードの応答がない,またはシステム・ディスクが動作しない

キーボードの応答がなかったり,システム・ディスクが動作していない場合,システムがハングアップしている恐れがあります。

解決策

システム・ハングアップの場合,障害追跡が困難です。参照のために,ダンプ・ファイルをセーブしておいてください。システムがハングアップした原因を特定するためには,『OpenVMS VAX System Dump Analyzer Utility Manual』と『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』のシステム・ダンプ・アナライザを参照してください。

システム・ハングアップの理由には,次のようなものがあります。

19.7.13 FAL オブジェクトに対する省略時のアクセス権の欠如

UETP の DECnet テストにより選択された遠隔ノード (アクティブな各サーキット上の隣接ノード,またはグループ論理名 UETP$NODE_ADDRESS で定義されたノード)で,省略時の FAL アクセスが無効になっている場合は,次のようなメッセージが表示されます。


%UETP-W-TEXT, The process -SVA019841_0001- returned a final status of: 
%COPY-E-OPENOUT, error opening !AS as output 

上記メッセージは次のように続きます。


%COPY-E-OPENOUT, error opening 9999""::SVA019841.D1; as output 
-RMS-E-CRE, ACP file create failed 
-SYSTEM-F-INVLOGIN, login information invalid at remote node 
%COPY-W-NOTCOPIED, SYS$COMMON:[SYSTEST]UETP.COM;2 not copied 
%UETP-E-TEXT, Remote file test data error 

このメッセージは無視してかまいません。

19.7.14 バグ・チェックおよびマシン・チェック

システムがその実行を強制終了するとき,バグ・チェック・メッセージがコンソールに表示されます。

解決策

弊社のサポート担当者に連絡してください。バグ・チェックやマシン・チェックの原因は,たいていはハードウェア障害ですが,バグ・チェックやマシン・チェックは,簡単には解決できません。ただし,検査に使えるよう, SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP ファイルと ERRLOG.SYS ファイルを保存しておくことが重要です。この障害が再現できるかどうかも確認しておいてください。もう一度 UETP を実行して,障害をチェックすることができます。

19.8 UETP テストおよびフェーズ

この節では,UETP の編成およびテスト・パッケージの個々の構成要素を詳しく説明します。 UETP を実行するには,各テスト・フェーズを起動するコマンドの入ったマスタ・コマンド・プロシージャを起動します。このプロシージャは,開始時に,さまざまなテスト・フェーズに必要な情報を入力するよう求めてきます (UETP の起動についての詳細は, 第 19.4 節 を参照してください)。

マスタ・コマンド・プロシージャ UETP.COM には,各テスト・フェーズを起動するコマンドが入っています。また,UETP.COM には,論理名の定義やテストによって作成されるファイルの操作などを行うコマンドも入っています。

UETP.COM プロシージャは,順番に各テスト・フェーズを制御する,テスト制御プログラム UETPHAS00.EXE を起動するコマンドを発行します。このテスト・コントローラは,複数の独立プロセスを起動します。さらに,これら独立プロセスの完了状態を報告し,独立プロセスが報告した情報も報告します。

以降の項では,さまざまな UETP テスト・フェーズについて説明します。

19.8.1 初期化フェーズ

初期化フェーズでは,次のことが行われます。

UETINIDEV.DAT の要約は常に UETP.LOG 中に存在します。そして,長いレポート形式が要求されたときに, UETINIT01.EXE はこの要約をコンソールに送ります。

19.8.2 装置テスト・フェーズ

装置テスト・フェーズには,ディスク,磁気テープ,ライン・プリンタ,およびターミナルなどの装置のタイプ別のテストが含まれます。 この項では,装置テスト・フェーズについて説明し,単一の装置をテストするための指示を示します。装置テスト・フェーズ全体を独立させて実行するための情報については, 第 19.4.1 項 を参照してください。

19.8.2.1 装置フェーズの動作

UETP 装置テスト・フェーズは,実行可能イメージであるフェーズ・コントローラ UETPHAS00 を起動します。 このイメージは,テストを行う装置コントローラごとに,独立プロセスを 1 つずつ作成します。たとえば,システムに 3 つのターミナル・コントローラ, 1 つのライン・プリンタ,および 2 つのディスク・コントローラが存在する場合,このイメージは 6 つの独立プロセスを作成します。同時に,独立プロセスは,さまざまなタイプの装置をテストするイメージを実行します。

UETP の初期化フェーズでは,UETINIDEV.DAT と呼ばれるファイルと UETCONT00.DAT と呼ばれるファイルが作成されます。 UETINIDEV.DAT には,OpenVMS がサポートするシステム中のコントローラおよび関連装置に関するデータが入っています。 UETCONT00.DAT は,装置テスト・イメージをテスト可能な各コントローラに関連付けます。

UETPHAS00 は UETCONT00.DAT 中の情報を使って,作成した各装置プロセスに渡す装置コントローラ名を見つけます。 UETPHAS00 は,個々のテストへの SYS$INPUT であるメールボックスにコントローラ名を書き込みます。各独立プロセスはそのデータを使って,テストを行うコントローラを決定します。次に,テスト・イメージは UETINIDEV.DAT から装置コントローラおよびそのコントローラ上でテスト可能なすべてのユニットを探します。すべてのコントローラ上のすべての装置のテストが完了すると,フェーズ・コントローラは終了します。

UETCONT00.DAT は UETP の実行終了時に自動的に削除されるので, UETP.COM を起動しなければ装置フェーズは実行できません。しかし,個々のテスト・イメージだけなら実行できます。 UETINIDEV.DAT は,ユーザが削除するまでSYS$TEST に存在します。

19.8.2.2 単一装置テストの実行

この項で述べる個々のテストを実行するには,まず, SYSTEST アカウントにログインしなければなりません。また,UETINIDEV.DAT のコピーが存在しなければなりません。前回の実行によるこのファイルのコピーが存在しなければ,このファイルを作成してください (UETINIDEV.DAT は,完全な UETP の実行または装置テスト・フェーズの実行によって作成されます)。単一装置テストを実行するときには,ログ・ファイルは作成されないので注意してください。このテストはすべての出力をユーザのターミナルに送ります。

特定の装置タイプに対してだけテストを行う場合は, 表 19-1 (VAX システムの場合) または 表 19-2 (Alpha システムの場合) からテスト・イメージ名を選択し,そのイメージを実行することによって,特定のコントローラだけをテストすることができます。次に例を示します。


$ RUN UETTTYS00
Controller designation?: TTB

UETP は,コントローラ指示子および装置コードの入力を求めます。ユーザ自身のターミナルをテストするのでなければ,コントローラ名を明示的に示さなければなりません。ターミナル・テストを実行する場合, Return を押せば,ユーザ自身のターミナルだけをテストできます。

何回も実行を繰り返す場合は,論理名 CTRLNAME を定義する方が便利です。


$ DEFINE CTRLNAME TTB
$ RUN UETTTYS00

このようにコントローラ名を定義すると,テスト完了後も論理名 CTRLNAME は割り当てられたままになります。 論理名の割り当てを解除するには,次のように,DCL の DEASSIGN コマンドを使用します。


$ DEASSIGN CTRLNAME

19.8.2.3 UETINIDEV.DAT の形式

UETINIDEV.DAT ファイルは ASCII 順編成ファイルなので,必要に応じて入力したり編集したりすることができます。このファイルの内容は,次のコマンドを入力することによって表示することができます。


$ TYPE UETINIDEV.DAT
 
DDB x ddd
UCB y uuuuu nnnnnnnnn.nnn
END OF UETINIDEV.DAT

この例では,次のようにシンボルが定義されています。

シンボル
x 当該コントローラにテスト可能なユニットがある場合は T。当該コントローラでテストを行わない場合は N。
y ユニットがテスト可能な場合は T。ユニットがテスト可能でない場合は N。
ddd 装置コントローラ名。たとえば,DUA。
uuuuu 装置ユニット番号。たとえば,25。
nnnnnnnnn.nnn ユニットに対する UETP 装置テスト名。たとえば,UETDISK00.EXE。

UETINIDEV.DAT には,ユーザのシステムに接続されている,またはユーザのシステムから見ることができる各コントローラに対する DDB (装置データ・ブロック) 行が入っています。 DDB 行の後には,当該コントローラに接続された各ユニットに対する UCB (ユニット制御ブロック) 行があります。 DDB 行と UCB 行の両方がその装置がテスト可能であることを示すときに限り,装置テストは特定の装置をテストできます。

19.8.2.4 ループ・モードによるテストの実行

ある装置に対して特に負荷をかけてテストしたい場合は,ループ・モードで装置テストを実行します。このモードでは,テストが無限に実行されます。次に例を示します。


$ DEFINE MODE LOOP
$ RUN UETDISK00
Controller designation?: DRA
%UETP-I-TEXT, End of pass 1 with 980 iterations at 22-JUN-2000 16:18:51:03
 
^C

ループ・モードのテストを終了するには,Ctrl/C を使用しなければなりません。 Ctrl/Y を使用すると,UETP はクリーンアップ処理を行いません。

19.8.2.5 個々の装置テストの機能

ディスク・テストは,システム中のディスクごとにファイルを 2 つずつ割り当て,そのファイルにランダムなデータ・ブロックを書き込みます。 次に,テストはそのデータをチェックし,エラーがあれば SYS$OUTPUT に報告し,最後に,そのディスク・ファイルを削除します。

クラスタ環境でディスク・テスト・フェーズを実行する場合,テストを行うシステムにマウントされているすべてのディスクがアクセスされます。このとき,テストされるディスクのユーザにとってディスク領域の不足という問題が発生するかもしれません。したがって,遠隔ノード上のユーザ (ローカル・システムのユーザとディスクを共有しているユーザ) には,使用中のディスクが UETP によってテストされるということを警告しておくべきです。

磁気テープ・テストは,システム中のすべての磁気テープ・ドライブをテストします。 このテストは,マウントされているすべての磁気テープ上に大きなファイルを作成し,その中にさまざまなサイズの順次レコードを複数書き込みます。さらに,レコードの書き込み後,磁気テープを巻き取り,書き込んだレコードを検査し,最後に,磁気テープを再初期化します。

ターミナルおよびライン・プリンタ・テストでは,数ページまたは数画面かの出力が作成され,各ページまたは画面にヘッダ行および ASCII 文字によるテスト・パターンが出力されます。ヘッダ行には,テスト名,装置名,データ,および時間が出力されます。

実験周辺機器アクセラレータ (LPA11--K) の場合,テスト・イメージによって LPA11--K の I/O バスの構成が決定されます。テスト・イメージはすべてのタイプのマイクロコードを LPA11--K にロードし,LPA--K の I/O バス上のすべての装置に対してデータの読み込みまたは書き込みを行います。

通信装置テストは,転送メッセージ・バッファをランダムなデータでいっぱいします。次に,ループバック・モードを使って,メッセージを何度か転送および受信します。ループ・バックされたデータが正しいかどうかをチェックするために, AST ルーチンが $QIO 読み込みと関連付けられ,受信したメッセージと転送したメッセージが比較されます。この手順は,異なる長さのメッセージを使って繰り返されます。

インタフェース装置テストは,装置を保守モードでテストし,ランダムなデータを書き込み,最後にそのデータを検査します。

イーサネット・アダプタ・テストは,装置に対して自己テスト診断を行います。また,このテストは,さまざまなアダプタ・モード (内部ループバックおよび外部ループバックなど) を使用するテスト・データを使って,読み込みおよび書き込み作業を行います。

ベクタ・プロセッサ装置テストは,単純なベクタ・スカラ算術演算およびベクタ・ベクタ算術演算を行い,その結果と予期された値を比較します。このテストは,また,ベクタ関連拡張システム・サービスを使って,強制的に算術例外条件およびメモリ管理例外条件をシステムに発生させます。

表 19-1 に,装置テスト・イメージおよび VAX システム上でテストされる装置のリストを示します。

表 19-1 装置テスト (VAX のみ)
テスト・イメージ名 テストされる装置
UETDISK00.EXE ディスク
UETTAPE00.EXE 磁気テープ・ドライブおよびテープ・カートリッジ・ドライブ
UETTTYS00.EXE ターミナルおよびライン・プリンタ
UETLPAK00.EXE LPA11--K
UETCOMS00.EXE DMC11, DMR11
UETDMPF00.EXE DMF32, DMP11
UETDR1W00.EXE DR11--W
UETDR7800.EXE DR780, DR750
UETCDRO00.EXE RRD40, RRD42, RRD50
UETUNAS00.EXE イーサネット・アダプタ
UETVECTOR.EXE ベクタ・プロセッサ,VVIEF

表 19-2 に,装置テスト・イメージおよび Alpha 上でテストされる装置のリストを示します。

表 19-2 装置テスト (Alpha のみ)
テスト・イメージ名 テストされる装置
UETDISK00.EXE ディスク
UETTAPE00.EXE 磁気テープ・ドライブおよびテープ・カートリッジ・ドライブ
UETTTYS00.EXE ターミナルおよびライン・プリンタ
UETCDRO00.EXE RRD42
UETUNAS00.EXE イーサネット・アダプタ


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