Compaq OpenVMS
システム管理者マニュアル


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25.2.2 LASTport/Disk プロトコル

LASTport/Disk プロトコルは, LASTport トランスポートを使用する特別なデバイス・プロトコルです。すなわち,LASTport/Disk メッセージは LASTport メッセージ内に表示されます。 LASTport/Disk プロトコルには,基礎となるどのファイル・システムからも独立して論理ブロックの読み込みと書き込みを行うためのメカニズムがあります。 LASTport/Disk プロトコルを実装したクライアントは,ローカルでファイル・システムを解釈します。 LASTport/Disk プロトコルを使用してコンパクト・ディスクと読み書き可能ディスクへアクセスすると, InfoServer システムは複数のクライアントのオペレーティング・システムとオンディスク構造を同時にサポートすることができます。

LASTport/Disk プロトコルには,コンパクト・ディスクと読み書き可能ディスクにアクセスするための命名機能もあります。 InfoServer システムは,各仮想ディスクにサービス名を割り当て,クライアントがそれらの名前で LAN を照会できるようにするします。要求されたサービスが見つかると,クライアントはそのサービスに接続し,デバイス・アクセスを開始します。同じサービス名で同じ仮想ディスクを使用できる場合に,使用可能な装置間で負荷分散を行う機能もあります。

25.2.3 LASTport/Tape プロトコル

LASTport/Disk プロトコルと同様, LASTport/Tape プロトコルも LASTport トランスポートを使用します。すなわち,LASTport/Tape メッセージは LASTport メッセージ内に表示されます。 LASTport/Tape プロトコルには,テープ・レコードの読み込みと書き込みを行うメカニズムがあります。 InfoServer システムに接続されたテープ装置は,テープ・クライアントではローカルに接続されている装置として認識されます。

LASTport/Tape プロトコルには,テープにアクセスするための命名機能もあります。 InfoServer システムは各テープ装置にサービス名を割り当て,クライアントがその名前で LAN を照会できるようにします。要求されたサービスが見つかると,クライアントはそのサービスに接続し,テープ・アクセスを開始します。

25.3 サーバ管理セッションの開始

サーバ管理セッションは,次のように,ローカル・コンソール・ターミナルからでもリモート・コンソール・ターミナルからでも開始することができます。

サーバの省略時のサービス名の決定

初めて InfoServer システムへの遠隔接続を確立する場合は,サーバの省略時の名前を決定する必要があります。この名前は, InfoServer システムのキャビネット上の 16 進のイーサネット・データリンク・アドレスに, LAD_ という 4 文字の接頭辞を付加することにより決定します。この省略時の名前は,InfoServer の SET SERVER NAME コマンドを使って変更することができます。

サーバの名前は,接続先の LAT サービス名です。たとえば,省略時のサーバ名は,LAD_08002B15009F です。 InfoServer システムを管理する場合は,ターミナル・サーバのプロンプトに次のコマンドを入力します。


Local> CONNECT LAD_08002B15009F

LAT サービスの接続の開始についての詳細は,使用しているターミナル・サーバのユーザ・ガイドを参照してください。

InfoServer パスワードの入力

InfoServer システムに接続した後,管理セッションを開始するには, InfoServer パスワードが必要です。省略時のサーバ・パスワードは ESS です。このパスワードは, InfoServer の SET SERVER PASSWORD を使用して変更することができます。


次の例では,DECserver 500 ターミナル・サーバを使用して,セッションを開始しています。


Local> CONNECT LAD_08002B133C1C
Password: ESS (not echoed) 
Local -010- Session 1 to LAD_08002B133C1C established
DEC InfoServer V3.1
InfoServer> SHOW SERVER

この例において,ターミナル・サーバのプロンプトは Local> です。ここからサービス名が LAD_08002B133C1C の InfoServer システムへの LAT セッションを開始しています。次に,InfoServer システムからサーバ・パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。正しいパスワードを入力すると,InfoServer> プロンプトが表示されて, InfoServer のコマンドを入力することができるようになります。

セッションの終了

管理セッションを終了するには, InfoServer> プロンプトに対して EXIT コマンドを入力します。 LAT 接続を介して管理セッションが行われている場合は, EXIT コマンドを実行するとターミナル・サーバの Local> プロンプトに戻ります。

25.3.1 サーバ管理コマンド

表 25-1 に, InfoServer コマンドについてまとめます。

表 25-1 InfoServer コマンド
コマンド 機能
BACKUP InfoServer 形式のディスクを保存する。
BIND 指定した ODS-2 サービスへの接続を確立し,そのサービス用に仮想装置 VDK1 を作成する。
CLEAR コンソール・ターミナルの画面を消去する。
COPY 1 つのディスクまたはパーティションから,別のディスクまたはパーティションへデータをコピーする。
CRASH サーバ・ソフトウェアに認識可能なバグチェックを行わせ,クラッシュダンプ処理が可能であればダンプを作成する。
CREATE 新しいパーティションを作成する。あるいは新しいサービスを作成する。
DELETE 以前に作成されたパーティションまたはサービスを削除する。
DISCONNECT LASTport または LAT ターミナル・サーバ・セッションを終了する。
ERASE 指定したディスクまたはパーティションを消去する。 FUNCTIONS または SERVICES データを,不揮発性ランダム・アクセス・メモリ (NVRAM) から消去する。
EXIT 管理セッションを終了する。
HELP InfoServer コマンドのヘルプ・テキストを表示する。
INITIALIZE 読み書き可能ディスクを InfoServer ディスク用にフォーマッティングする。
LOOP 有効な任意の InfoServer のコマンドを自動的に繰り返させる。
MONITOR 有効な InfoServer のコマンドを 3 秒毎に繰り返させ,画面をクリアしてカーソルをホーム・ポジションに置く。
PURGE VXT ソフトウェアの古いバージョンをパージする。
REBOOT サーバをシャットダウンし,再ブートする。
RECORD InfoServer ディスクまたはパーティションのデータをコンパクト・ディスクに記録する。
RESTORE サーバを以前に保存したシステム構成の状態にリセットする。
RETRIEVE BACKUP コマンドにより保存した InfoServer 形式のディスクをリストアする。
REWIND InfoServer テープを巻戻す。
SAVE 後でサーバを再ブートするとき回復できるように,構成とサービスのデータを保存する。
SET パーティション,サービス,またはサーバのパラメータを設定する。
SHOW サーバのパラメータおよびカウンタを表示する。
UNBIND VDK1 仮想装置を削除し,リモート・サービスへの接続を終了する。
UNLOAD InfoServer テープを巻戻しアンロードする。
UPDATE 1 つまたは複数の新しいソフトウェア製品あるいは機能をインストールする。
VERIFY INITIALIZE コマンドでフォーマッティングした装置のオンディスク構造の妥当性を検査する。
ZERO 内部サーバ・カウンタを 0 に設定する。

InfoServer システムにはヘルプ機能があり,パラメータ,修飾子,使用法の例など,サーバの各コマンドに関する情報を表示することができます。InfoServer コマンドについての詳細は,『InfoServer System Operations Guide』を参照してください。

25.4 InfoServer Client for OpenVMS 機能について

InfoServer Client for OpenVMS により, OpenVMS オペレーティング・システムを実行しているクライアントは, InfoServer システムが LAN 上で提供している仮想装置にアクセスすることができます。ソフトウェア・コンポーネントには,次のものがあります。

25.5 LASTCP ユーティリティの機能について

InfoServer Client for OpenVMS は, LASTport プロトコルを使用して拡張 LAN 上の InfoServer システムと通信します。このプロトコルは, OpenVMS デバイス・ドライバ ESS$LASTDRIVER でインプリメントされます。

LASTport 制御プログラム (LASTCP) ユーティリティは,ESS$LASTDRIVER の制御と診断を行うための管理インタフェースです。 LASTCP を使用して次の作業を行うことができます。

LASTCP ユーティリティの説明では次の項目を取り上げます。

25.5.1 LASTCP ユーティリティの起動と終了

LASTCP を使用するためには,特別な場合を除き,通常の特権が必要です。 LASTCP を起動するには,次のコマンドを入力します。


$ RUN SYS$SYSTEM:ESS$LASTCP
%LASTCP-I-VERSION, ESS$LASTDRIVER V1.5 is running
LASTCP> 

LASTCP コマンドは LASTCP> プロンプトに対して入力します。 LASTCP ユーティリティを終了するには,LASTCP> プロンプトの後に EXIT を入力するか,または Ctrl/Z を押します。

次の例に示すように,DCL の文字列代入文を使用して,単一の LASTCP コマンドを実行することもできます。


$ LASTCP :== $ESS$LASTCP
$ LASTCP SHOW CLIENTS

LASTCP は SHOW CLIENTS コマンドを実行してから,制御を DCL のコマンド・レベルに戻します。

25.5.2 LASTCP コマンドの要約

表 25-2 に,LASTCP コマンドについてまとめます。

表 25-2 LASTCP コマンド
コマンド 機能
EXIT ユーザを DCL のコマンド・レベルに戻す。
HELP LASTCP コマンドのヘルプ・テキストを表示する。
SHOW CIRCUIT COUNTERS サーキット・カウンタを表示する。
SHOW CLIENTS 既知のクライアントを表示する。
SHOW LINE COUNTERS 回線カウンタを表示する。
SHOW NODE CHARACTERISTICS ノード特性を表示する。
SHOW NODE COUNTERS ノード・カウンタを表示する。
SHOW SERVERS 既知のサーバを表示する。
SHOW STATUS ローカルの状態を表示する。
SHOW TRANSPORT COUNTERS トランスポート・カウンタを表示する。
START TRANSPORT LASTDRIVER を起動する。
STOP TRANSPORT LASTDRIVER を停止する。
ZERO COUNTERS カウンタをリセットする。

一意に認識できれば,LASTCP コマンドを短縮することができます。たとえば,SHOW SERVERS コマンドは SH SE と指定することができます。

LASTCP にはヘルプ機能があり,各コマンドとそのパラメータ,修飾子に関する情報と使用法の例を表示することができます。LASTCP コマンドについての詳細は,『InfoServer Client for OpenVMS LASTCP and LADCP Utilities』を参照してください。

25.5.3 InfoServer Client for OpenVMS の自動起動

InfoServer Client for OpenVMS は, ESS$STARTUP コマンド・プロシージャを使って起動する必要があります。システムの再ブート時にこのソフトウェアが必ず自動起動するようにするには,SYSTARTUP_VMS.COM 内部からこのスタートアップ・プロシージャを実行します。

作業方法

  1. SCSNODE (使用しているシステムのノード名パラメータ) の値を決定する。このパラメータが空文字列 (省略時の値) として定義されていると, InfoServer Client for OpenVMS は起動しない。
    DECnet for OpenVMS を実行している場合,または実行を予定している場合, SCSNODE はシステムの DECnet ノード名として定義しなければならない。 DECnet を実行しない場合で,かつ,システムが OpenVMS Cluster のメンバである場合, SCSNODE は SCS システム名 (クラスタ内で一意の 1 文字から 8 文字のノード名) として定義しなければならない。
    SCSNODE の値を決定するには,次のコマンドを入力して SYSMAN を起動し,パラメータを表示する。


    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW SCSNODE
    

  2. SCSNODE が空文字列として定義されている場合は次の手順に従う。

    1. 次の形式でコマンドを入力する。ここで,ノード名はシステムの DECnet ノード名,あるいは DECnet for OpenVMS を実行する予定のない場合は SCS システム名。


      PARAMETERS SET SCSNODE " ノード名 " 
      


      次に例を示す。


      SYSMAN> PARAMETERS SET SCSNODE "MYNODE"
      

    2. 次のコマンドを入力して,新しい値をパラメータ・ファイルに書き込み,SYSMAN を終了する。


      SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
      SYSMAN> EXIT
      

    3. 次の形式の行を AUTOGEN パラメータ・ファイル
      SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に追加し,SCSNODE パラメータを定義する。


      SCSNODE = " ノード名 " 
      


      次に例を示す。


      SCSNODE = "MYNODE" 
      

  3. 任意のエディタを起動し,SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM を編集して,InfoServer Client ソフトウェアを起動するコマンドを見つける。次に例を示す。


    $ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK 
    


    なお,CLIENT と DISK というパラメータは同じものである。コマンドの先頭に DCL コマンドの区切り文字 (!) がある場合はこれを削除する。テープ機能を使用できるようにしたい場合は,次のようにコマンド行に TAPE パラメータを追加する。


    $ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK TAPE 
    

  4. SYSTARTUP_VMS.COM により DECnet for OpenVMS のスタートアップ・プロシージャ (SYS$MANAGER:STARTNET.COM) が起動される場合は,SYSTARTUP_VMS.COM が,STARTNET.COM を起動して から,InfoServer Client for OpenVMS のスタートアップ・プロシージャが起動されるようにする。
    次に,ネットワークのスタートアップ・コマンド行の後に, InfoServer Client for OpenVMS のスタートアップ・コマンド行が続いている例を示す。なお,TAPE パラメータを指定しなかった場合は,ディスク機能しか起動されない。


    $ @SYS$MANAGER:STARTNET
       .
       .
       .
    $ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK TAPE
    

  5. また,ファイル SYS$STARTUP:ESS$LAST_STARTUP.DAT を編集して, LASTport トランスポート用にスタートアップ修飾子を指定することもできる。『InfoServer Client for OpenVMS LASTCP and LADCP Utilities』を参照。


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