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以下の値に注目します。
0 〜 1 秒で終了したトランザクション数は 13.57
1 〜 2 秒で終了したトランザクション数は 29.15
2 〜 3 秒で終了したトランザクション数は 0.47
今回の監視セッションの結果を以前のセッションの結果と比較します。
| セッション | 終了数 | 実行時間別トランザクション数 | ||
|---|---|---|---|---|
| 0 〜 1 秒 | 1 〜 2 秒 | 2 〜 3 秒 | ||
| 6 月 | 42.13 | 12.98 | 28.13 | 1.02 | 
| 7 月 | 38.16 | 10.35 | 25.80 | 2.01 | 
| 8 月 | 43.19 | 13.57 | 29.15 | 0.47 | 
ノード BLUE のデータを見るかぎり,性能が低下した兆候は見られません。
27.6 トランザクション・ログのサイズが十分かどうかのチェック
トランザクション性能が低下しているノードが見つかった場合は,そのノードのトランザクション・ログのサイズが十分かどうかを調べる必要があります。
第 27.5 節 では,トランザクション性能の低下を発見する方法を説明しています。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> SHOW LOG/CURRENT  | 
表示されたチェックポイントと発生したストールの数に注目する。
ノード BLUE のトランザクション・ログのサイズが不十分かどうかを調べます。
ノード BLUE にログインし,トランザクション・ログがストールした回数を調べます。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> SHOW LOG/CURRENT Checkpoint starts/ends 2464/2464 Stall starts/ends 21/21 Log status: no checkpoint in progress, no stall in progress.  | 
チェックポイントの数は 2,464 で,トランザクションのストール回数は 21 回であることが分かります。
5 分後,SHOW LOG/CURRENT コマンドをもう一度入力します。
LMCP> SHOW LOG/CURRENT Checkpoint starts/ends 2514/2514 Stall starts/ends 28/28 Log status: no checkpoint in progress, no stall in progress.  | 
チェックポイントの数が増え,さらにトランザクション・ログが現在 28 回ストールしており,ストール回数が 5 分間に 7 回増えていることが分かります。したがって,トランザクション・ログのサイズが不十分であるといえます。
27.7 トランザクション・ログのサイズの変更
トランザクション・ログのサイズが不十分な場合,そのサイズを大きくする必要があります。 第 27.6 節 を参照してください。
以下の手順で示すステップのすべてを実行してください。途中のステップを省略すると,データが壊れることがあります。  | 
SHOW LOG SYSTEM$ノード.LM$JOURNAL  | 
ノードは,トランザクション・ログが置かれているノードの名前。
RENAME ディレクトリ指定 SYSTEM$ノード.LM$JOURNAL ディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$OLD  | 
| ディレクトリ指定 | トランザクション・ログを格納するディレクトリの完全指定。 | 
| ノード | トランザクション・ログに対応するノードの名前。 | 
| 可能 | 次のようにトランザクション・ログを閉じる。
 
 
 
  | 
||||||||||||
| 不可能 | ノードを再ブートしてトランザクション・ログを閉じる。再ブートされたらノードにログインする。 | 
CONVERT LOG/SIZE= サイズ SYSTEM$ ノード .LM$OLD ディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$JOURNAL  | 
| サイズ | 新しいトランザクション・ログのサイズを示すブロック数。 | 
| ディレクトリ指定 | トランザクション・ログを格納するディレクトリの完全指定。 | 
| ノード | トランザクション・ログが置かれているノードの名前。 | 
DELETE ディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$OLD;  | 
| ディレクトリ指定 | 旧トランザクション・ログを格納しているディレクトリの完全指定。 | 
| ノード | トランザクション・ログが置かれているノードの名前。 | 
この例は,ノード RED のトランザクション・ログのサイズを 6000 ブロックに変更しています。ノード RED は OpenVMS Cluster 内に存在し,そのトランザクション・ログは DISK$LOG2:[LOGFILES] に置かれています。
ノード RED にログインします。RED のトランザクション・ログが置かれているディレクトリを探し,そのトランザクション・ログの名前を変更します。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> SHOW LOG SYSTEM$RED.LM$JOURNAL Directory of DISK$LOG2:[LOGFILES] SYSTEM$RED.LM$JOURNAL;1 Total of 1 file. LMCP> EXIT $ RENAME DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$JOURNAL - _$ DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$OLD  | 
DECdtm サービスを使用しているすべてのソフトウェアを終了します。次に,トランザクション・ログを閉じます。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> CLOSE LOG Transaction log closed, TP_SERVER process stopped LMCP> EXIT  | 
TP_SERVER プロセスを再起動します。
$ @ SYS$STARTUP:DECDTM$STARTUP.COM  | 
トランザクション・ログのサイズを変更します。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> CONVERT LOG/SIZE=6000 DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$OLD - _LMCP> DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$JOURNAL Log file DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$JOURNAL;1 created. Log file DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$OLD converted. LMCP> EXIT  | 
DECdtm サービスを使用するソフトウェアを再起動します。
旧トランザクション・ログを削除します。
$ DELETE DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$OLD;  | 
次の場合には,トランザクション・ログを移動します。
以下の手順で示すステップのすべてを実行してください。途中のステップを省略すると,データが壊れることがあります。  | 
SHOW LOG SYSTEM$ ノード .LM$JOURNAL  | 
ノードは,トランザクション・ログが置かれているノードの名前。
RENAME ディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$JOURNAL ディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$OLD  | 
| ディレクトリ指定 | トランザクション・ログを格納するディレクトリの完全指定。 | 
| ノード | トランザクション・ログが置かれているノードの名前。 | 
| 可能 | 次のようにトランザクション・ログを閉じる。
 
 
 
  | 
||||||||||||
| 不可能 | ノードを再ブートしてトランザクション・ログを閉じる。再ブートされたらノードにログインする。 | 
DO DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE SYS$JOURNAL ディレクトリ指定 [,...]  | 
ここで,ディレクトリ指定 は 1 つまたは複数のトランザクション・ログを格納するディレクトリの完全ファイル指定である。トランザクション・ログの移動後にトランザクション・ログを格納するすべてのディレクトリを指定する。ディレクトリの順序は自由。 
OpenVMS Cluster 環境では, SYSMAN を使用して SYS$JOURNAL をクラスタ全体で再定義する必要がある。
CONVERT LOG 古いディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$OLD 新しいディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$JOURNAL  | 
| 古いディレクトリ指定 | 現在トランザクション・ログを格納しているディレクトリの完全指定。 | 
| ノード | トランザクション・ログが置かれているノードの名前。 | 
| 新しいディレクトリ指定 | トランザクション・ログの移動先のディレクトリの完全指定。 | 
DELETE ディレクトリ指定 SYSTEM$ ノード .LM$OLD;  | 
| ディレクトリ指定 | トランザクション・ログを格納するディレクトリの完全指定。 | 
| ノード | トランザクション・ログが置かれているノードの名前。 | 
この例は,BLUE のトランザクション・ログの移動方法を紹介しています。 BLUE は OpenVMS Cluster 内に存在します。クラスタ・メンバおよびトランザクション・ログの格納場所を次のように想定しています。
| ノード | ログを格納するディレクトリ | 
|---|---|
| BLUE | DISK$LOG1:[LOGFILES] | 
| RED | DISK$LOG2:[LOGFILES] | 
どちらのノードも独自の SYLOGICALS.COM を使用していないものとします。
BLUE のトランザクション・ログの移動先を決定します。この例では,DISK$LOG3:[LOGFILES] に移動します。
ノード BLUE にログインします。次にディスクをクラスタ全体でマウントしてから,トランザクション・ログ用に新しいディレクトリを作成します。
$ MOUNT/CLUSTER/SYSTEM DUA3: LOG3 $ CREATE/DIRECTORY DISK$LOG3:[LOGFILES]  | 
BLUE のトランザクション・ログが置かれているディレクトリを探し,トランザクション・ログの名前を変更します。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> SHOW LOG SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL Directory of DISK$LOG1:[LOGFILES] SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 Total of 1 file. LMCP> EXIT $ RENAME DISK$LOG1:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL - _$ DISK$LOG1:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$OLD  | 
DECdtm サービスを使用しているすべてのソフトウェアを終了します。次にトランザクション・ログを閉じます。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> CLOSE LOG Transaction log closed, TP_SERVER process stopped LMCP> EXIT  | 
TP_SERVER プロセスを再起動します。
$ @SYS$STARTUP:DECDTM$STARTUP.COM  | 
SYS$JOURNAL を再定義します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER SYSMAN> DO DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE SYS$JOURNAL - _SYSMAN> DISK$LOG2:[LOGFILES], DISK$LOG3:[LOGFILES] SYSMAN> EXIT  | 
コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COMの SYS$JOURNAL の定義内容を更新します。その後,トランザクション・ログを移動します。
$ RUN SYS$SYSTEM:LMCP LMCP> CONVERT LOG DISK$LOG1:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$OLD - _LMCP> DISK$LOG3:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL Log file DISK$LOG3:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 created. Log file DISK$LOG1:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$OLD converted. LMCP> EXIT  | 
DECdtm サービスを使用するソフトウェアを再起動します。次に旧トランザクション・ログを削除します。
$ DELETE DISK$LOG1:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$OLD;  | 
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