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以下のキーはカーソル位置を制御します。
ターミナルで最後に入力された文字を削除する。ターミナルによっては, Delete キーに RUBOUT のラベルが付けられているキーもある。 Delete キーは,行編集機能が使用不能の場合も動作する。
上書モードと挿入モードを切り替える。省略時のモード (SET TERMINAL/LINE_EDITING コマンドで設定) は,各行の冒頭で再設定される。このキーは,LK201 キーボードでのみ使用可能。
カーソルを 1 文字だけ左に移動する。
カーソルを行末に移動する。
カーソルを 1 文字だけ右に移動する。
カーソルを行頭に移動する。このキーは,LK201 キーボードでのみ使用可能。
カーソルをターミナル上の次のタブ・ストップに移動する。タブ・ストップは,1 行の中で 8 文字ごとに設定されている。タブ設定値はハードウェア・ターミナル特性で,通常はユーザが変更可能。Tab キーは,行編集機能が使用不能の場合も動作する。
カーソルの左にある単語を削除する。このキーは,LK201 キーボードでのみ使用可能。
現在行を次の垂直タブ・ストップに進める。
カーソルを次のページの冒頭に移動する。行編集機能が使用可能な場合には,このキーの機能は無視される。
現在のコマンド行を繰り返す。カーソルは,Ctrl/R を押したときの位置に残る。
現在の入力行のカーソルの左にあるテキストを削除する。
行編集ファンクション・キーの一部をオフにする。たとえば,Ctrl/V の後に Ctrl/D を押すと,カーソルが 1 文字左に移動する代わりに,Ctrl/D が生成される。 Ctrl/D は,DCL レベルでの行終了文字。
Ctrl/V と組み合わせると,行終了文字でない文字は影響を及ぼさない。 Ctrl/H や Ctrl/J などがこの例である。ただし,Ctrl/U などの制御キーは,行編集機能を保持したままである。
現在行を取り消して,先読みを可能にするバッファにあるデータを削除する。
予備。
以下のキーは,画面表示を制御します。
ターミナルへの表示を一時停止したり再開したりする。 Ctrl/O を押すと,Output off または Output on と表示される。
Ctrl/Q が押されるまで,ターミナル出力を一時停止する。
Ctrl/S によって一時停止されていたターミナル出力を再開する。
このキーがもう一度押されるまで,ターミナル出力を一時停止する。 Hold Screen キーは LK201 キーボードだけで使用でき, No Scroll キーは VT100 キーボードだけで使用できる。
本章では,ファイルを作成したり,処理する方法について,ローカルで作業する場合と, DECnet for OpenVMS ネットワークを介して作業する場合について説明します。特に,次のことについて説明します。
詳細は,以下のマニュアルを参照してください。
ファイルとは,人間と機械の双方が扱えるデータを格納するために, OpenVMS オペレーティング・システムが使用する単位のことです。ファイルに名前を付ける場合には,システムがそのファイルの格納場所や内容を特定できるような情報を指定しなければなりません。完全なファイル指定 ( 第 4.1.1 項 を参照) を指定する必要はありませんが,システムとユーザの両方が識別できるようなファイル名あるいはファイル・タイプを指定しなければなりません。たとえば,PAYROLL_MEMO.TXT のようなファイル指定です。ここで,PAYROLL_MEMO はファイル名を,.TXT はファイル・タイプを表します。
Extended File Specifications を使用する環境での作業の場合,使用可能な拡張ファイル名と拡張文字セットの情報については,『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。 |
システムの省略時の設定を無効にする場合,またはネットワークを介してファイル操作を行う場合には,完全なファイル指定が必要です。完全なファイル指定とは,次の形式のファイル指定のことです。
ノード::デバイス:[ディレクトリ]ファイル名.ファイル・タイプ;バージョン |
ノード | ネットワーク・ノード名。OpenVMS 用 DECnet をサポートするシステムにだけ適用される。磁気テープに格納されたファイルには適用されない。 |
デバイス | ファイルが格納または書き込まれる物理デバイスの名前。物理デバイスに格納されているファイルのアクセスについては, 第 12.2 節 を参照。 |
ディレクトリ | ファイルを登録するディレクトリの名前。ディレクトリ名は,大括弧 ([]) または山括弧 (<>) で区切る。磁気テープに格納されたファイルには適用されない。 |
ファイル名 | ファイルの名前。ハイフンとアンダスコアを含む,最大 39 の英数字を指定できる。 |
ファイル・タイプ | ファイルの中の構造またはデータのタイプを識別するもの。ファイル・タイプには,ハイフンとアンダスコアを含む最大 39 の英数字を指定できる。 |
バージョン | ファイルのバージョン番号。バージョンは 10 進数で表され,ファイルの新しいバージョンを作成するたびに 1 ずつ大きくなる。ユーザが指定しない場合には,システムが自動的にバージョン番号を割り当てる。 |
ファイル指定の各要素を指定する場合には,次の規則に従います。
Extended File Specifications を使用する環境の場合,これらの規則は異なります。拡張ファイル名について詳しくは,『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。 |
コマンドによっては,ファイル・タイプを省略した場合に,システムが省略時の値を適用することがあります。次の表に,DCL コマンドが使用する一般的な省略時のファイル・タイプの一部を示します。
ファイル・タイプ | 内容 |
---|---|
.CLD | コマンド定義ファイル |
.COM | コマンド・プロシージャ・ファイル |
.DAT | データ・ファイル |
.DIF | DIFFERENCES コマンドによって作成される出力ファイル |
.DIR | ディレクトリ・ファイル |
.DIS | MAIL コマンドの配布リスト・ファイル |
.EDT | EDT エディタのスタートアップ・コマンド・ファイル |
.EXE | リンカによって作成される実行可能プログラム・イメージ・ファイル |
.HLB | ヘルプ・テキスト・ライブラリ・ファイル |
.HLP | ヘルプ・ライブラリの入力ソース・ファイル |
.INI | 初期化ファイル |
.JOU | EDT エディタによって作成されるジャーナル・ファイル |
.LIS | 言語コンパイラまたはアセンブラによって作成されるリスト・ファイル,または PRINT コマンドと TYPE コマンドの省略時の入力ファイル |
.LOG | バッチ・ジョブ出力ファイル |
.MAI | MAIL メッセージ・ファイル |
.MEM | DIGITAL Standard Runoff (DSR) によって作成される出力ファイル |
.PS | PostScript 形式のファイル |
.REGIS | Regis 形式のファイル |
.RNO | DIGITAL Standard Runoff (DSR) の入力ソース・ファイル |
.SIX | シクセル・グラフィック・ファイル |
.SYS | システム・イメージ |
.TJL | DECTPU と ACL エディタによって作成されるジャーナル・ファイル |
.TLB | テキスト・ライブラリ・ファイル |
.TMP | 一時的ファイル |
.TPU | EVE エディタのコマンド・ファイル |
.TPU$JOURNAL | EVE エディタによって作成されるジャーナル・ファイル |
.TXT | テキスト・ライブラリの入力ファイルまたは MAIL コマンド出力 |
4.1.4 言語ソース・プログラムの省略時のファイル・タイプ
次の表に,高級言語ソース・プログラムの省略時のファイル・タイプを示します。
ファイル・タイプ | 内容 |
---|---|
.ADA | DEC Ada コンパイラの入力ソース・ファイル |
.BAS | BASIC コンパイラの入力ソース・ファィル |
.B32 | VAX BLISS-32 コンパイラの入力ソース・ファイル |
.C | DEC C コンパイラの入力ソース・ファイル |
.COB | Open VMS VAX システム上の VAX COBOL コンパイラおよび OpenVMS Alpha システム上の DEC COBOL コンパイラの入力ソース・ファイル |
.FOR | DEC Fortran (OpenVMS VAX システム用 DEC Fortran はこれまで VAX Fortran だった) の入力ソース・ファイル |
.M64 | OpenVMS Alpha MACRO-64 アセンブラの入力ソース・ファイル |
.MAP | リンカ・ユーティリティによって作成されるメモリ割り当てマップ |
.MAR | OpenVMS Alpha 用 VAX MACRO アセンブラまたは MACRO-32 コンパイラの入力ソース・ファイル |
.MLB | MACRO アセンブラのマクロ・ライブラリ |
.MSG | メッセージのテキストを指定するソース・ファイル |
.OBJ | 言語コンパイラまたはアセンブラによって作成されるオブジェクト・ファイル |
.OLB | オブジェクト・モジュール・ライブラリ |
.OPT | LINK コマンドへの入力用オプション・ファイル |
.PAS | Pascal コンパイラの入力ソース・ファイル |
.PLI | PL/I コンパイラの入力ソース・ファイル |
.STB | リンカ・ユーティリティによって作成されるシンボル・テーブル・ファイル |
.UPD | VAX MACRO ソース・プログラムの変更用更新ファイル (SUMSLP エディタへの入力ともなる) |
すべてのファイルには,ファイル名とファイル・タイプに加えて,バージョン番号があります。バージョン番号は,ファイルのバージョンを表す 1 〜 32,767 の 10 進数です。ファイルを作成すると,ファイルに 1 というバージョン番号が割り当てられます。
1 つのファイルに対して複数のバージョンが存在することもあります。バージョン番号の指定がない場合には,バージョン番号の最も大きいファイルが使用されます。バージョン番号として0を指定した場合には,既存の最大バージョンが使用されます。ファイルの新しいバージョンを作成するコマンド,アプリケーション,テキスト・エディタ(EVEなど)を使用してファイルを変更した場合,ファイル名は変更されませんが,バージョン番号は1だけ大きくなります。
バージョン番号の前には,セミコロンまたはピリオドを入れます。ファイル指定を表示する場合は,ファイル・バージョン番号の前にセミコロンが表示されます。
ゼロまたは負のバージョン番号を指定すると,ファイルのバージョンを相対的に表すことができます。ゼロを指定すると,ファイルの最新 (最も大きい) バージョンが使用されます。 -1 を指定すると最新バージョンの前のバージョン, -2 を指定するとその前のバージョンが使用されます。以下同様です。ファイルの最も古い (最も小さい) バージョンを探す場合には,バージョン番号として -0 を指定します。バージョン番号が32767より大きいファイルを作成することはできません。バージョン番号が32767より大きい新しいファイルを作成しようとした場合には,エラー・メッセージが表示されます。
CREATE/DIRECTORY,SET DIRECTORY,または SET FILE コマンドで /VERSION_LIMIT 修飾子を指定すると,ファイルのバージョン番号を制御できます。バージョンの上限値を超えると,最も小さいバージョン番号のファイルが自動的に削除されます。たとえば,バージョンの上限値が 5 の場合には,ファイルの 6 番目のバージョン (ACCOUNTS.DAT;6) を作成すると,ファイルの最初のバージョン (ACCOUNTS.DAT;1) が削除されます。 DIRECTORY/FULL コマンドを実行すると,作成できるバージョンの制限を確認できます。作成できるバージョンの制限は,
File attributes:フィールドに表示されます。
4.1.6 ネットワーク・ノード名
ノードとは,コンピュータ・ネットワークを構成する個々のシステムのことです。使用しているシステムがネットワークの一部である場合は,ログインしたときにアクセスするノードのことをローカル・ノードと呼びます。そして,ネットワークの中のこれ以外のノードをリモート・ノードと呼びます。リモート・ノードのファイルを指定する場合には,ノード名を使用します。
ノード指定の形式は,次のとおりです。
ノード["アクセス制御文字列"]:: |
ファイル指定の一部としてノード名を入力する場合には,次の規則に従います。
AFTP1
F2OTR2
MYNODE
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