OpenVMS
ユーザーズ・マニュアル


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6.15.6 エラー処理

エラー条件は,OpenVMSシグナリング・サブシステム,具体的には lib$signal() および lib$stop() を使用して報告されます。エラー条件には,回復不可能,エラー,警告という3つのレベルの重大度があります。これらのレベルは,条件からどのような結果が予測されるかを示します。重大度と対応する結果については,以下のリストで説明します。


第 7 章
Phone ユーティリティ : 他のユーザとの会話

OpenVMS の Phone ユーティリティ (PHONE) は,ターミナル,コンピュータ,またはコンピュータ・ネットワークを介して,ユーザがお互いに「会話」するための通信プログラムです。本章では,次のことについて説明します。

本章で説明するコマンドについての説明は,オンライン・ヘルプを参照してください。

7.1 Phone の使用方法

Phone ユーティリティ (PHONE 機能として参照されることもある) は,保留ボタン,会議通話,電話帳など,実際の電話による通信と同じような機能を持っています。 Phone を使用すると,同じシステムのユーザ,または DECnet for OpenVMS ネットワークによって接続されたシステムのユーザとの間で会話することができます。

Phone を起動するには,DCL プロンプトに対して PHONE と入力してから Return を押します。会話したいユーザの名前は, Phone ユーティリティを起動する前でも後でも指定できます。 Phone ユーティリティを起動すると,Phone がターミナルを制御し, Phone ビューポートを表示します。

次の図は,Phone ビューポートを示しています。


$ PHONE   (1)
 
 
                OpenVMS Phone Facility         11-DEC-1996 
 
 
% (2)
 
--------------------------------------------------------- 
                   TAURUS::SMITH  (3)
 
 
 
 
 
 
 
---------------------------------------------------------- 
                  GEMINI::PETERS  (4)
 
 
 
 
 
 
 
---------------------------------------------------------- 

ビューポート上のフィールドは次のとおりです。

  1. Phone ユーティリティに入るために使用するコマンド

  2. PHONE プロンプト。スイッチフックともいう。 Phone のコマンドを入力する場所である。ユーザの会話中に,スイッチフック (%) 文字を押すと, Phone コマンド行が必ず表示される。スイッチフック文字はパーセント記号 (%) である。

  3. ビューポートの上部には,ユーザが入力する会話文が表示される。

  4. ビューポートの下部には,他の参加者が入力する会話文が表示される。 Phone の会話には最高 6 名が参加できる。

ビューポートには,ユーザ名,会話文,各種の状態 (誰が保留になっているかなど) が表示されます。一度に画面に表示できるビューポートは 6 つなので,保留状態になっているユーザ名があれば,一時的にそのユーザのビューポートを画面から消去し,新たに会話に参加したいユーザのためのビューポートを開くことができます。

7.1.1 Phone のヘルプ

DCL プロンプトに対して HELP コマンドを入力すると, Phone についての情報を得ることができます。


$ HELP
Topic? PHONE

HELP は,スイッチフック (%) プロンプトに対して HELP コマンドを入力すれば Phone ユーティリティ内からも入力できます。

7.2 Phone のコマンドの入力方法

Phone のコマンドを入力する場合には,最初にスイッチフック文字 (%) を入力します。 Phone ユーティリティを実行していても,会話に参加していない場合には,コマンドと会話をはっきりと区別できるので,スイッチフック文字を省略してもかまいません。

会話中に Ctrl/W を押すと,画面を消去できます。

DIAL,DIRECTORY,MAIL,および PHONE コマンドには,パラメータとして論理名を指定できます。これらのコマンドに対するパラメータが論理名として処理されないようにする場合には,パラメータにアンダスコアの接頭辞を付けます。

会話中,入力する文字は会話の一部としてみなされ,話し相手に送信されます。唯一の例外はパーセント記号 (%) です。この文字を入力した後には,Phone ユーティリティ・コマンドを入力できます。使用できる Phone コマンドについては, 第 7.4 節 を参照してください。

7.3 Phone ビューポートのカスタマイズ

DCL の Phone コマンドの入力時に,次の修飾子を使用すると, Phone の特性をさらに詳しく指定できます。

/SCROLL ビューポートが一杯になった場合,新しいテキスト行をどのように表示するかを決定する。
/SWITCH_HOOK スイッチフック・プロンプトで使用する文字を指定する。会話中は,スイッチフック文字を入力してからでないと, Phone ユーティリティ・コマンドを入力できない。
/VIEWPORT_SIZE ビューポートの最大行数を指定する。見出し行と最下行も含む。

これらの修飾子についての詳しい説明が必要な場合には, DCL プロンプトに対して HELP PHONE を入力してください。

7.4 Phone のコマンドの要約

次に,Phone のコマンドの一覧を記します。この表に示すコマンドには,修飾子を指定できません。

コマンド 説明
ANSWER 呼び出しに応答する。
DIAL 別のユーザを呼び出す。
DIRECTORY 会話可能なユーザのリストを表示する。
EXIT Phone ユーティリティを終了する。
FACSIMILE ファイルの内容を会話にいれる。
HANGUP 電話を切る。現在の会話,送信相手,受信相手を含む現在のリンクをすべて切断する。
HELP Phone ユーティリティについてのオンライン情報を得る。
HOLD 現在会話中の他のユーザを保留にする。
MAIL 短いメッセージを別の相手に送信する。
PHONE DIAL コマンドと同じ。
REJECT Phone の使用中,別のユーザからの呼び出しを拒否する。
UNHOLD 保留を解除する。

各コマンドについての詳しい説明が必要な場合には, Phone を起動して HELP コマンドを入力してください。


第 8 章
EVE エディタによるテキスト・ファイルの編集

Extensible Versatile Editor (EVE) は, DEC Text Processing Utility (DECTPU) を基盤とする汎用テキスト・エディタです。 DECTPU は高性能のプログラム可能なテキスト・プロセッサです。本章では,次のことについて説明します。

EVE について詳しくは,次を参照してください。

表記法

本章では,EVE のキー名の表記法として (SHOW KEY コマンドまたは HELP KEYS コマンドを使用したときの) 次のように表示します。すなわち,コントロール・キー,シフト・ファンクション・キー,および Alt キーの組み合わせにはスラッシュを使用し, GOLD キー・シーケンスにはスペースまたはダッシュを使用します。したがって,1 つのキー (Ctrl など) を押したまま別のキーを押す必要がある場合は,スラッシュで示します。また,1 つのキーを押した後に別のキーを押す場合 (GOLD-Helpなど) は,スペースまたはダッシュで示します。

8.1 EVE の機能

DECTPU は高性能のプログラム可能なテキスト・プロセッサです。 EVE を使用すれば,ビジネス文書,技術文書,およびプログラム・ソース・ファイルなどのテキスト・ファイルを作成および編集できます。

EVE は,OpenVMS オペレーティング・システムの省略時のエディタです。他の省略時のエディタを指定しないかぎり, EDIT コマンドを入力すると EVE が起動されます。

EVE は,キャラクタ・セル・ターミナル (VT100,VT200,VT300,VT400 の各シリーズ),または OpenVMS DECwindows Motif ユーザ・インタフェースを持つワークステーションで使用できます。

EVE を使用すると,次のことができます。

EVE の起動方法とコマンドの入力方法がわかると,各種の EVE コマンドを使用してファイルを作成したり編集したりできます。編集キーや編集コマンドを使用すれば,カーソルを移動したり,バッファ・モードを設定したり,テキストの入力,削除,復元,移動などの編集を行うことができます。

8.2 ヘルプ情報の参照

編集セッション中はいつでもオンライン・ヘルプを参照できます。 EVE エディタでは,2 種類のオンライン・ヘルプを使用できます。

8.2.1 キーパッド・ヘルプの使用方法

キーパッド・ヘルプにアクセスするには,次のようにします。

  1. Help キーを押す。
    Help ユーティリティがキーパッドの図を表示する。

  2. 画面上の指示に従って必要な情報を得る。

  3. Help を終了するには,Return キーを押す。

8.2.2 EVE ヘルプの使用方法

HELP コマンドを使用して EVE ヘルプにアクセスするには,次のようにします。

  1. Do キーを押す。

  2. HELP コマンドを入力する。
    Prev Screen キーまたは Next Screen キーを使用して,使用可能なヘルプ・トピックの一覧をスクロールする。

  3. Help を終了するには,Return キーを押す。

特定のコマンドに関する情報を得るには, HELP の後にそのコマンド名を入力してからReturn キーを押します。ヘルプ・テキストが画面に現れます。 HELP TPU コマンドを入力することによって, DECTPU 組み込みプロシージャのヘルプ情報を得ることもできます。

次の例では,MOVE BY LINE コマンドのヘルプ・テキストを示しています。


MOVE BY LINE 
 
Moves the cursor a line at a time in the current direction. 
 
Keys:  EVE Default                        VT100 Keypad 
       ------------------------------------------------- 
       F12                                MINUS on keypad 
 
Steps: 
 
   1.  If necessary, set the direction to move in --- forward or reverse. 
 
   2.  Use MOVE BY LINE (see key list above). 
 
 
Usage notes: 
 
o  In forward direction, moves to the end of the current line, or to the 
   end of the next line, if any. 
 
o  In reverse direction, moves to the start of the current line, or to 
   the start of the next line, if any. 
 
Related topics: 
 
   CHANGE DIRECTION      END OF LINE      LINE      START OF LINE 

8.3 セッションの開始と終了

EVE を起動するには,EDIT/TPU コマンドを使用します。編集セッションが開始されたら,既存ファイルの名前または作成する新しいファイルの名前を入力します。編集セッションの開始時にファイル名を指定しないと,EVE は,編集セッションの終了時に Main と呼ばれる省略時のバッファにテキストが追加されているかどうかを確認し,追加されている場合はファイル名の入力を要求します。

次の例は,EVE を起動して,NEWFILE.DAT という名前の新しいファイルを作成します。


$ EDIT/TPU NEWFILE.DAT


[End of file](1)
 
 
 
                               (2)
 
 
 
 
Buffer: NEWFILE.DAT              | Write | Insert | Forward (3)
Command: (4)
Editing new file. Could not find: FABLES.TXT (5)

EVE の画面表示を確認する場合には,次のことに注意してください。

  1. [End of file] マーカ。
    EVE バッファの終わりを示している。これは,画面上に見えるだけで,ファイルの一部ではない。バッファにテキストを追加すると,[End of file] マーカが下に移動する。ターミナル画面の長さによっては,大量のテキスト行を含むバッファの冒頭を表示すると,このマーカが見えなくなることがある。

  2. ウィンドウ。
    バッファの内容を表示する画面領域である。 EVE のバッファは編集セッションの間だけ存在する。編集セッションの終了後に,ユーザは,バッファの内容を保存するか,または破棄するかを選択できる。

  3. ステータス・ライン。
    EVE ウィンドウの一番下に強調表示され,ウィンドウに表示中のバッファについての情報が示される。ステータス・ラインには,バッファ名,編集状態 (書き込み可または読み込み専用),現在のモード (挿入または上書),現在の方向 (順方向または逆方向) が示される。

  4. コマンド行。
    行モードコマンドを入力するために使用する( 第 8.4 節 を参照)。コマンド行は,Do キーを押すと表示される。

  5. メッセージ・ウィンドウ。
    EVE を起動して,コマンド行にファイル名を指定すると,強調表示されたステータス・ラインの下に表示される。このウィンドウには,最初,新規ファイルであること,または既存のファイルから一定の行数が読み込まれたことのどちらかを示すメッセージが入っている。編集セッションの間,EVE はメッセージ・ウィンドウ内にさまざまなメッセージを表示する。


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