日本語Compaq DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS
リリース・ノート


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第 16 章
DCPS バージョン 1.5-2 情報

16.1 DCPS バージョン 1.5-2 で解決された問題

DCPS バージョン 1.5-2 で解決された問題を次に説明します。

16.1.1 出力トレイを指定した場合にジョブが出力されない問題

DCPS バージョン 1.5-1 で OUTPUT_TRAY パラメータを指定した場合, DCPS はジョブを出力しませんでした。さらに NOTIFY 修飾子を指定した場合,次のようなエラー・メッセージが画面に表示されていました。


Job MY-FILE (queue MY_QUEUE, entry 330) started on MY_QUEUE 
$ 
%DCPS-I-JOBSTART, Job MY-FILE (queue SYS$PRINT, entry 330) started on MY_QUEUE 
$ 
%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is $ 
-DCPS-I-JOB_ID, for job MY-FILE (queue SYS$PRINT, entry 330) on MY_QUEUE 
$ 
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored 
-DCPS-I-JOB_ID, for job MY-FILE (queue SYS$PRINT, entry 330) on MY_QUEUE 
$ 
%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is $ 
-DCPS-I-JOB_ID, for job MY-FILE (queue SYS$PRINT, entry 330) on MY_QUEUE 
$ 
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored 
-DCPS-I-JOB_ID, for job MY-FILE (queue SYS$PRINT, entry 330) on MY_QUEUE 
$ 
Job MY-FILE (queue MY_QUEUE, entry 330) terminated with error status 
%SYSTEM-F-ABORT, abort 


第 17 章
DCPS バージョン 1.5-1 の情報

17.1 DCPS バージョン 1.5-1 のハイライト

DECprint Supervisor バージョン 1.5-1 では, DIGITAL Laser Printer LN20 のサポートが追加されました。

このプリンタについての詳細は,本書の第 5 章を参照してください。

17.2 DCPS バージョン 1.5-1 で解決された問題

この節では DCPS V1.5-1 で解決された問題について説明します。

17.2.1 Colorwriter LSR 2000 のジョブが "Starting" 状態のままとなる問題

DCPS V1.5 で Colorwriter LSR 2000 プリンタに出力しようとすると,ジョブが "Starting" 状態のままとなり出力されないという問題がありました。

17.2.2 LAYUP あるいは NUMBER_UP 使用時に表示されない CONFIDENTIAL

DCPS V1.4 以降で, DCPS サンプル・ファイル CONFIDENTIAL.PS を印刷する際に LAYUP あるいは NUMBER_UP パラメータを指定した場合, "CONFIDENTIAL" という語が印刷されませんでした。

17.3 DCPS バージョン 1.5-1 での変更

この節では DCPS V1.5-1 で変更された点について説明します。

17.3.1 新しい用紙サイズ

DCPS は, 12 x 19.5 インチ (864 x 1404 mm) および 13 x 19 インチ (936 x 1368 mm) の用紙サイズをサポートするようになりました。任意のプリンタの場合は論理 PAGE_SIZE 値に, LN20 プリンタの場合は物理 SHEET_SIZE 値に, 12X19.5 あるいは 13X19 を指定することができます。 LN20 のコンソール表示およびドキュメントの表記では, 12X19.5 の用紙サイズが 12X19,13X19 の用紙サイズが Universal となっていることに注意してください。


第 18 章
DCPS バージョン 1.5 の情報

18.1 DCPS バージョン 1.5 のハイライト

DECprint Supervisor バージョン 1.5 では,次のプリンタのサポートが追加されました。
DIGITAL Laser Printer LN15
DIGITAL Laser Printer LN17+ps
DIGITAL Laser Printer LN40

このプリンタについての詳細は,本書の第 5 章を参照してください。

18.2 DCPS バージョン 1.5 で解決された問題

この節では DCPS V1.5 で解決された問題について説明します。

18.2.1 ユーザ定義フォントを使用した ANSI ドキュメント出力時の異常終了

ユーザ定義フォントを含む ANSI ドキュメントを出力した場合,プリント・ジョブが異常終了する場合がありました。この問題は,DCPS V1.5 で解消されました。

18.3 DCPS バージョン 1.5 での変更点

この節では DCPS V1.5 での変更点について説明します。

18.3.1 DEClaser 3500 のファックス・オプションを使用した ANSI ドキュメントの送信

DEClaser 3500 のファックス・オプションを使用すると,すでにサポートされている PostScript およびテキスト・ファイルだけでなく ANSI ドキュメントをファックス送信することができるようになりました。印字可能な ASCII 文字列だけで構成されたドキュメントは, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FAX_3500_PRINTME.PS に記述されている命令に従うテキスト・ファイルとして送信することができます。あるいは,『日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS ユーザーズ・ガイド』で説明されている ANSI ドキュメントとして送信することができます。

18.3.2 Cisco MultiNet は現在 Process Software MultiNet となりました

TCP/IP ソフトウェア製品である MultiNet は, Cisco Systems Incorporated から Process Software Corporation に売却されました。 DCPS ドキュメントで改訂されているように, Cisco Multinet という記述は Process Software MultiNet に変更されます。


第 19 章
DCPS バージョン 1.4 の情報

19.1 DCPS バージョン 1.4 のハイライト

DECprint Supervisor バージョン 1.4 に含まれる重要な変更点は次のとおりです。詳細については,以降の各節を参照してください。

19.2 DCPS バージョン 1.4 で解決された問題

この節では,DCPS V1.4 で解決された問題について説明します。

19.2.1 OUTPUT_TRAY を指定しないでソータを使用する場合,1 つのビンだけにセパレータ・ページが出力されること

LN17ps の省略時の出力トレイがソータに設定されていて,プリント・ジョブの OUTPUT_TRAY=xxx パラメータを指定しないで SHEET_COUNT=n パラメータを指定した場合,セパレータ・ページ (ジョブのバースト・ページ,フラグ・ページ,トレーラ・ページ) の 1 つのコピーだけが出力されていました。さらに,それらのページはランダムな位置のビンに出力されていました。

19.2.2 "Processing" 状態での LN17ps プリンタのハング

LN17ps のソータが省略時の出力トレイに設定され,入力トレイが MANUAL_FEED に指定されていて, 1 よりも大きな SHEET_COUNT を指定した場合,プリンタがハングしていました。

このエラーは,トレーラ・ページ出力時に頻繁に発生しました。

また,プリンタがハングする直前にブランク用紙がソータに出力される場合がありました。

この問題は,LN17ps プリンタのバグであると同時に DCPS V1.3 のバグでもありました。 DCPS V1.4 では,この問題が発生することはありません。

19.2.3 LN17ps での出力の制限

次のような状態の場合に, LN17ps でのプリンタ出力が制限されることがありました。

このような制限を避けるには,INPUT_TRAY=MANUAL_FEED を使用します。

LN17ps の用紙サイズとともに INPUT_TRAY 値を FRONT あるいは MULTIPURPOSE のいずれかに指定した場合, DCPS V1.4 はコンソールで指定したマニュアル・トレイのサイズに用紙サイズを一致させるよう要求するようになりました。

19.2.4 間違った TRAYSUBST メッセージ

次のプリンタの特定の出力トレイを指定した場合に,間違った DCPS-I-TRAYSUBST メッセージが発生する可能性がありました。

プリンタ 出力トレイ 通知される出力先
LN17ps Top OCT
LN17ps Upper OCT
LPS17 LCOS 2
LPS32 LCOS 4
LPS40 LCOS 4

間違った TRAYSUBST メッセージが通知されても,正しいトレイが選択されていました。

19.2.5 PrintServer プリンタの要求された装置制御モジュールが見つからない

DIGITAL PrintServer プリンタに出力された最初のジョブが不正なパラメータを含んでいた場合, "Required device control module LPS$$INITPSDEVICE not found" というエラー・メッセージが通知されて,プリント・キューが停止していました。このエラーは,最初に出力されたジョブが不正なパラメータを含んでいる場合にかぎり発生していました。

このエラーは,デスクトップ・プリンタでは発生しませんでした。

19.2.6 DEClaser 5100 についての不正な接続終了エラー

DCPS は NIC カードを介して DEClaser 5100 と通信することができず,常に CONTERMINATED エラーが発生していました。

この問題は, 第 19.2.2 項 に記述されているように DCPS V1.3 で解決されたものと報告されていましたが,実際は V1.4 で解決されました。

19.2.7 ネットワーク接続が切断された場合に PrintServer プリンタがハングし,ジョブが "Pending" 状態となること

次のようなすべての状態が発生した場合, DCPS プリント・キューがハングしていました。

この問題は,DCPS V1.4 で TCP/IP 接続について KEEPALIVE オプションを有効とすることにより解決されます。ただし,システムが異常に長い KEEPALIVE タイムアウトに設定されている場合,この問題は継続して発生する可能性があります。問題が発生した場合は,ジョブを削除すること (DELETE/ENTRY),あるいはキューを停止させること (STOP/QUEUE/RESET) により回復できる可能性があります。

19.2.8 大きな制御領域を持つ VFC ファイルの問題

2 バイトよりも大きな固定長制御領域を使用する VFC 形式ファイルを出力した場合,アクセス違反 (ACCVIO) あるいはその他のエラーを発生して DCPS シンビオントが強制終了する可能性がありました。

19.2.9 フォームを使用した場合,ANSI テキストが正しく改行されない

/WRAP 修飾子を指定するフォームを使用して ANSI テキストを出力した場合,入力レコードが分割されて,フォームで指定された桁数を超える行として出力されることがありました。

19.3 DCPS バージョン 1.4 の変更点

この節では DCPS V1.4 での変更点を説明します。

19.3.1 raw TCP/IP 接続のサポート

DCPS V1.4 では, raw TCP/IP ソケットを経由してプリンタと通信する機能が追加されました。 raw TCP/IP は,TCP データ・ストリームの解析を行うことなく TCP/IP プロトコルを直接使用するネットワーク・プロトコルです。 raw TCP/IP は多くのプリンタの NIC (ネットワーク・インタフェース・カード),プリント・サーバ,ターミナル・サーバでサポートされています。

CPAP (Common Printer Access Protocol),LPD,Telnet を含む TCP/IP に基づいたその他のプロトコルが存在します。 DCPS は CPAP を使用して DIGITAL PrintServer プリンタと通信します。 DCPS は LPD および Telnet はサポートしません。

raw TCP/IP を使用してプリンタと通信するには,プリンタをネットワークに接続するために使用している NIC,プリント・サーバ,ターミナル・サーバが raw TCP/IP ポートを持っている必要があります。さらに,その raw TCP/IP ポートがプリンタと OpenVMS システム間の双方向通信をサポートしている必要があります。 DCPS は単方向ポートでは動作しません。 DEClaser 3500 および 5100 プリンタの NIC,RapidPrint 200, Hewlett-Packard JetDirect プリンタと (MIO スロットではなく) XIO スロットを経由してインタフェースを行う JetDirect カードなどは単方向ポートです。

raw TCP/IP 接続および raw TCP/IP を使用するキューの作成についての詳細は,『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・マニュアル』および DCPS$STARTUP.COM のコメント行を参照してください。

19.3.2 "tcpip" 接続タイプの "ip_cpap" への置換

DCPS の以前のバージョンでは,TCP/IP を経由した DIGITAL PrintServer プリンタとの通信を指定する場合, DCPS$STARTUP.COM 内で "tcpip/..." シンタックスを使用していました。

DCPS V1.4 では,"tcpip" シンタックスを置き換える "ip_cpap/..." シンタックスが新しく導入されました。 CPAP (Common Printer Access Protocol) は DIGITAL PrintServer プリンタでサポートされるネットワーク・プロトコルであり,プリンタに関連したネットワーク・プロトコルの 1 つです。 DCPS は継続して "tcpip/..." シンタックスをサポートしますが, "tcpip/..." シンタックスを使用しないことを推奨します。

19.3.3 インストレーション時のキューの自動的な停止および再起動

DCPS のインストレーションを開始すると,ソフトウェアが既存のキューを検出して,動作中のキューを確認します。動作中のキューとは,停止していないキューのことです (たとえば,アイドル状態,ビジー状態など)。

動作中のキューを検出すると,その名前と状態を表示し,インストレーション・プロシージャでそのキューの自動的な停止および再起動を実行してよいかどうかをユーザに問い合わせます。

インストレーション・プロシージャでキューの自動的な停止を実行させない場合,インストレーションを中断するか,あるいはキューを動作中のままインストレーションを継続するかという選択肢があります。後者の選択肢である,キューを動作中のままインストレーションを継続することは推奨されません。

インストレーション・プロシージャでキューの自動的な停止を選択した場合は,その他のインストレーションに関するすべての問い合わせが終了した後で,キューを停止します。

インストレーションが正常に終了した場合,停止されたキューは IVP の実行後に再起動されます。インストレーション時に割り込みなどによりインストレーションが中断された場合,キューは再起動されません。

19.3.4 Process Software MultiNet for OpenVMS ソフトウェアのサポート

現在 DCPS は, DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS ソフトウェアあるいは Process Software MultiNet for OpenVMS ソフトウェアのいずれかを使用した IP 接続をサポートします。 DCPS バージョン 1.3 以前については, DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS ソフトウェアだけをサポートしています。

詳細および特定のバージョンの要件については,『日本語 DECprint Supervisor SPD』を参照してください。

19.3.5 新しい用紙サイズ

DCPS は次の表に示す新しい用紙サイズをサポートするようになりました。任意のプリンタについて,論理 PAGE_SIZE 値に次の新しいサイズを指定することができます。また,次に示す特定のプリンタについては,物理 SHEET_SIZE 値に次の新しいサイズを指定することができます。

サイズ名 サイズ (mm) サイズ (インチ) プリンタ
9_ENVELOPE 98.4 x 225.4 3.875 x 8.875 Lexmark Optra Rt+
DOUBLEPOSTCARD 148 x 200 5.827 x 7.874 HP4MV,HP5SiMX
SUPER_B 297 x 432 11.7 x 17 HP4MV,HP5SiMX

19.3.6 すべてのプリンタについての装置制御モジュールの変更

PC および Macintosh で作成されたファイルについての動作の不具合を減少させるために,すべてのプリンタについての装置制御モジュールが変更されました。これは,主に DCPS がプリンタ内の PostScript 辞書を使用する方法についての変更です。ただし,アプリケーションが PostScript の "userdict" 辞書に多くの定義を記述している場合,装置制御モジュールの変更によりプリント・ジョブに悪影響を与える可能性があります。

識別されないプリンタについての 4 つの装置制御モジュールも変更されました。弊社で提供しているモジュールの以前のバージョンの装置制御モジュールに変更を加えている場合は,新しいモジュールに対して同様の変更を加える必要があります。詳細については,『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・マニュアル』および LPS$$UNRECOGNIZED_* 内のコメント行を参照してください。

19.3.7 索引編成ファイルおよび相対編成ファイルのサポート

現在 DCPS では,索引編成ファイル,相対編成ファイル,順編成ファイルなどの構成を使用したファイルを出力することが可能となっています。 DCPS V1.1 〜 V1.3 では,索引編成ファイルあるいは相対編成ファイルを出力しようとした場合, BADFILEORG エラーが発生していました。

索引編成ファイルあるいは相対編成ファイルは,その主インデックスおよび相対レコード番号によって順次アクセスされます。この新しい機能は TYPE コマンドとも矛盾しません。

注意

多くの場合,索引編成ファイルおよび相対編成ファイルにはバイナリ・データが含まれています。出力不可能なバイナリ・データを含むファイルを出力しようとした場合,予想できない出力結果となります。


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