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Kerberos TELNET サーバはポート 2323 を使用します。 TELNET コマンド行にこのポートを指定します。たとえば,次のように指定します。
$ TELNET/AUTHENTICATE terse.mbs.com /PORT=2323 %TELNET-I-TRYING, Trying ... 17.21.205.153 %TELNET-I-SESSION, Session 01, host terse.mbs.com, port 2323 -TELNET-I-ESCAPE, Escape character is ^] Welcome to OpenVMS (TM) Alpha Operating System, Version V7.3 Username: |
TCP/IP Services では UNIX サブシステムをサポートしており,ユーザは,これらのサブシステムの属性を変更して, TCP/IP Services ソフトウェアの動作を変更することができます。
Compaq Tru64 UNIX との互換性のためのサブシステムのコンフィギュレーションが提供されています。属性の調整が指示されている場合 (たとえば,性能を向上させるため) を除いて,サブシステムに関連付けられている属性を変更しないことを強くお勧めします。ほとんどの場合,対応する TCP/IP 管理コマンドは,サブシステム属性の変更に伴う副作用を制限するために提供されています。
以降の各項では,サブシステム属性の設定の表示および変更を行う方法について説明します。起こりうる影響を熟知しないでサブシステム属性を変更すると,予期しない結果が生じる恐れがあるため,サブシステム属性の変更は,弊社からの特別の指示がある場合に限って行うようにしてください。
1.6.1 サブシステム属性および値の表示
次のように sysconfig -mコマンドを使用して,静的および動的サブシステムを表示することができます。
$ TCPIP TCPIP> sysconfig -m cm: static inet: static iptunnel: static ipv6: static net: static snmpinfo: static socket: static inetkvci: static proxy: static nfs: static vfs: static |
システムのコンフィギュレーションによっては,表示されるサブシステムのリストがこの例とは異なる場合があります。サブシステムには,次の 2 つのタイプがあります。
サブシステムはロードすることができますが,使用することはできません。どのサブシステムをロードするかを決定するには, sysconfig -sコマンドを使用します。このコマンドは,すべてのサブシステムの状態を表示します。サブシステムは,次のいずれかの状態となります。
実行時にサブシステムの属性を変更することができますが,この変更は,システムが実行を継続している間のみ保持されます。あるいは,システム・コンフィギュレーション・テーブルで変更することもでき,この場合の変更は,システムがリブートされても保持されます。
変更された属性値が持続する期間は,使用したコマンドまたはユーティリティ・オプションによって異なります。次のガイドラインに従います。
1.6.2 システム・コンフィギュレーション・テーブルでのサブシステム属性の変更
リブートしても変更が持続するようにサブシステム属性を変更するには,属性値をシステム・コンフィギュレーション・テーブル (TCPIP$ETC:SYSCONFIGTAB.DAT) に保存する必要があります。このファイルは,ASCII テキスト・ファイルであり, UNIX スタンザ・ファイル形式でフォーマットされています。サブシステムがロードされるとき,SYSCONFIGTAB.DAT ファイルにリストされていない属性は,省略時の値に設定されます。
SYSCONFIGTAB.DAT ファイルのサブシステム属性を変更するには,次の手順に従います。
SYSCONFIGTAB.DAT ファイルは,任意のテキスト・エディタを使用して編集することができますが,編集しないように強くお勧めします。ファイルを編集した際に構文エラーが生じると,誤った状態や予期しない状態になる恐れがあります。システム・コンフィギュレーション・テーブルの表示には
sysconfigユーティリティを使用し,その内容の変更には
sysconfigdbユーティリティを使用するようにしてください。
1.6.2.1 スタンザ・ファイルの作成
データベースに対して,エントリの追加,更新,または削除を行うには,変更したい属性の名前と値を含むスタンザ・ファイルを作成します。
スタンザ・ファイルのエントリの構文は,次のとおりです。
entry-name: Attribute1-name = Attribute1-value Attribute2-name = Attribute2-value Attribute3-name = Attribute3-value1, Attribute3-value2 . . . |
entry-name 変数にはサブシステムの名前を指定します。
サブシステムの属性は,Attribute1-name, Attribute2-name,および Attribute3-name 変数で指定されます。
属性の値は,Attribute1-value,Attribute2-value, Attribute3-value1,およびAttribute3-value2 変数で指定されます。
スタンザ・ファイルの構文規則は,次のとおりです。
いくつかの特別な引用文字を使用すると,属性値に特殊な値とデータ表現を含めることができます。引用文字を指定する場合には,属性値を引用符で囲みます。たとえば,8 進数値を指定するには,次のようにバックスラッシュを使用します。
\007 |
TCPIP$ETC:SYSCONFIGTAB.DAT ファイルは,次のようにフォーマットされます。
inet: inet_param1=inet_value1 inet_param2=inet_value2 net: net_param1=net_value1 net_param2=net_value2 proxy: proxy_param1=proxy_value1 socket: socket_param1=socket_value1 |
サブシステム属性を変更するには,ユーザ自身のディレクトリにスタンザ・ファイルを作成します。次の例では,スタンザ・ファイルは SOCKET_ATTRS.TXT という名前です。
$ TYPE SOCKET_ATTRS.TXT socket: socket_param1 = socket_value1 $ |
1.6.2.2 システム・コンフィギュレーション・テーブルの更新
スタンザ・ファイルを作成した後, sysconfigdbユーティリティを使用してシステム・コンフィギュレーション・テーブルを更新します。 sysconfigdbユーティリティを実行するには,次のコマンドを入力します。
$ TCPIP TCPIP> sysconfigdb |
sysconfigdbユーティリティの使用方法についての詳細は,本リリース・ノートのコマンド説明を参照してください。
システム・コンフィギュレーション・テーブルを更新するには, -aオプションを指定して sysconfigdbコマンドを使用します。次のように, -fオプションを使用して,コマンド行にスタンザ・ファイルを指定します。
TCPIP> sysconfigdb -a -f stanza-filename subsystem |
このコマンドでは,stanza-filename がユーザの作成したスタンザ・ファイルのファイル名です。 subsystem の値は,属性を変更するサブシステムの名前です。
sysconfigdbコマンドは,指定されたファイルを読み込んで,データベースを更新します。サブシステムに対する変更は,サブシステムが再ロードされる際に行われます。
たとえば,次のスタンザ・ファイル (TABLE_MGR.STANZA) は, 2 つのサブシステム TABLE_MGR_1 および TBL_MGR_2 に対する属性を定義します。
$ TYPE TABLE_MGR.STANZA table_mgr_1: size = 10 name = Ten-Element-Table tbl_mgr_2: size = 5 name = Five-Element-Table $ |
このスタンザ・ファイルの内容をシステム・コンフィギュレーション・テーブルに追加するには,次のコマンドを入力します。
$ TCPIP TCPIP> sysconfigdb -a -f table_mgr.stanza table_mgr_1 TCPIP> sysconfigdb -a -f table_mgr.stanza tbl_mgr_2 |
この例では,実行中のシステムの属性の値は変更されません。実行中のシステムの属性の値を変更するには,次のいずれかを行う必要があります。
sysconfigユーティリティを使用してサブシステム属性を変更することができます。このタイプの変更は,現在の実行セッション中のみ持続します。システムをシャットダウンしてリブートすると,変更は失われます。
sysconfigユーティリティについての説明は,次の節を参照してください。 sysconfigのオンライン・ヘルプを表示するには,次のコマンドを入力します。
$ TCPIP TCPIP> HELP SYSCONFIG |
サブシステム属性を変更するには,次のコマンドを入力します。
$ sysconfig -r attribute-name=attribute-value subsystem |
以降の各節で sysconfigおよび sysconfigdbユーティリティについて説明します。
サブシステムのコンフィギュレーションの保守を行います。
sysconfig -c | -d | -m | -q | -Q | -r | -s | -u [subsystem-name] [attribute-list]
sysconfigコマンドは,イン・メモリ・サブシステム・コンフィギュレーションの問い合わせおよび変更を行います。このコマンドは,サブシステムの追加,すでにメモリ内にあるサブシステムの再コンフィギュレーション,サブシステムの問い合わせ,サブシステムのコンフィギュレーションの解除および削除を行うために使用します。sysconfigユーティリティを使用すると,サブシステムで実行時の変更をサポートしている限り,サブシステム属性の値を変更することができます。
-cフラグを使用してサブシステムのコンフィギュレーションを行うと,そのサブシステムを使用可能にすることができます。サブシステムがロード可能であれば, sysconfigコマンドは,サブシステムをロードした後,その属性の値を初期化します。
サブシステム属性の値を変更するには, -r(reconfigure) フラグを使用します。コマンド行にサブシステムの属性と値を指定します。 sysconfigユーティリティは,ユーザが指定した値を格納することにより,指定された属性を変更します。変更は直ちに有効になります。
サブシステム属性に関する情報を取得するには, -qフラグまたは -Qフラグのいずれかを使用します。これら 2 つのフラグと一緒に属性リストを指定することができます。 -qフラグを使用すると, sysconfigコマンドは,イン・メモリ・システム・コンフィギュレーション・テーブルから属性の値を表示します。 -Qフラグを使用すると, sysconfigユーティリティは属性リストに指定した各属性について次の情報を表示します。あるいは,属性リストを省略した場合には,指定したサブシステムについてすべての属性を表示します。
- 属性のデータタイプ。
- 属性でサポートされる操作。たとえば,この情報は, sysconfig -rコマンドを使用して属性の再コンフィギュレーションが行えるかどうかを示します。
- 属性値に対して許可されている最小値および最大値。
サブシステムの状態に関する情報を取得するには, -sフラグを使用します。このフラグでは,現在ロードされてコンフィギュレーションされているサブシステムのリストが提供されます。 subsystem-name を指定すると,コマンドにより,そのサブシステムの状態に関する情報が表示されます。各サブシステムは,次の 3 つのうちのいずれかの状態をとります。
- ロードされ,コンフィギュレーションされている (使用可能)
- ロードされ,コンフィギュレーションされていない (ロードされているが使用不可)
この状態は,静的サブシステムにのみ当てはまります。静的サブシステムはコンフィギュレーションの解除を行うことはできますが,アンロードすることはできません。- ロードされていない (使用不可)
この状態は,ロード可能サブシステムにのみ当てはまります。ロード可能サブシステムは, sysconfig -uコマンドでコンフィギュレーションを解除すると,自動的にアンロードされます。
使用中でないサブシステムは, -uフラグを使用してコンフィギュレーションを解除することができます。サブシステムのコンフィギュレーションを解除すると,カーネル・メモリが解放されて,他のサブシステムで使用できるようになります。実行時のコンフィギュレーション解除をサポートする静的サブシステムまたはロード可能サブシステムはすべて,コンフィギュレーションの解除を行うことができます。ロード可能サブシステムのコンフィギュレーションを解除すると,そのサブシステムもカーネルからアンロードされます。
sysconfigコマンドを使用して,ローカル・システム上の属性の値を表示することができます。サブシステムのコンフィギュレーション,再コンフィギュレーション,またはコンフィギュレーションの解除を行いたい場合には,カーネル・コンフィギュレーションを変更する権限を付与されていなければなりません。システム・グループ UIC を持つユーザ,あるいは SYSPRV,BYPASS,または OPER 特権付きのアカウントを持つユーザだけが,サブシステムのコンフィギュレーション,再コンフィギュレーション,またはコンフィギュレーションの解除を行うことができます。
subsystem-name
操作を行いたいサブシステムを指定します。 -sおよび -mフラグを除き,すべてのフラグで subsystem-name 引数は必須です。 -sまたは -mフラグを使用する際に subsystem-name を省略した場合, sysconfigユーティリティはロードされているすべてのサブシステムに関する情報を表示します。attribute-list
属性の名前と,操作によっては属性値を指定します。
- 再コンフィギュレーション ( -r) 操作の場合, attribute-list 引数は次の形式になります。
attribute1=value1 attribute2=value2...
属性名,等号 (=),および値の間に空白を含めてはなりません。- 属性の問い合わせ ( -q) 操作の場合, attribute-list 引数は次の形式になります。
attribute1 attribute2...
attribute-list 引数は, -rフラグを使用する場合は必須で, -qフラグを使用する場合はオプションです。 sysconfigユーティリティでは,他のフラグとともに指定される属性リストは無視されます。
-c
属性値を初期化し,(おそらくは) メモリ内にロードすることにより,指定されたサブシステムのコンフィギュレーションを行います。新しくインストールされたサブシステムのコンフィギュレーションを行っているか, sysconfig -uコマンド・オプションを使用して削除されたサブシステムのコンフィギュレーションを行っているかにかかわらず,このコマンドを使用します。-d
指定されたサブシステムについて,SYSCONFIGTAB.DAT ファイル内の属性設定を表示します。-m
指定されたサブシステムのモードを照会します。サブシステムのモードは,静的または動的のいずれかです。サブシステム名を省略すると, sysconfigはコンフィギュレーション済みのすべてのサブシステムのモードを表示します。-q
subsystem-name で指定されたコンフィギュレーション済みのサブシステムについて,属性値を照会します。属性リストを省略すると,指定されたサブシステムのすべての属性について値が表示されます。-Q
subsystem-nameで指定されたコンフィギュレーション済みのサブシステムの属性に関する情報を照会します。この情報には,属性のデータ・タイプ,サポートされている操作,属性に対して許可されている最小値と最大値が含まれています。最小値と最大値は, charおよび binaryタイプの属性について,それぞれ長さとサイズを示しています。 attribute-list引数を省略すると,指定されたサブシステムのすべての属性に関する情報が表示されます。-r
指定されたサブシステムの再コンフィギュレーションを行います。このフラグを使用する場合には,サブシステムの名前と属性リストを指定する必要があります。-s
指定されたサブシステムについてサブシステムの状態を照会します。サブシステム名を省略した場合, sysconfigはコンフィギュレーション済みのすべてのサブシステムの状態を表示します。-u
コンフィギュレーションを解除し,ロード可能サブシステムの場合は,指定されたサブシステムをカーネルからアンロードします。
次の例は, sysconfigコマンドの使用方法を示しています。
#1 |
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TCPIP> sysconfig -s inet: loaded and configured net: loaded and configured socket: loaded and configured iptunnel: loaded and configured ipv6: loaded and configured snmpinfo: loaded and configured |
この例は,サブシステムとその状態を表示する方法を示しています。
#2 |
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TCPIP> sysconfig -q net net: ifnet_debug = 0 ifqmaxlen = 1024 lo_devs = 1 lo_def_ip_mtu = 4096 nslip = 0 |
この例は,サブシステム属性とその値を表示する方法を示しています。
#3 |
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TCPIP> sysconfig -s net net: loaded and configured |
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