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MOUNT コマンドに /STRUCTURE 修飾子を指定しなければ, NFS クライアントは,アクセスされているファイル・システムの構造は ODS-2 ボリュームであると仮定します。次の論理名を定義することにより,この省略時の設定を変更することができます。
TCPIP$NFS_CLIENT_MOUNT_DEFAULT_STRUCTURE_LEVEL |
この論理名を使用すると,システム上のすべての NFS ディスクで ODS-5 サポートが有効になっていることを確実にすることができます。この論理名の値を,ODS-2 に対しては 2 に設定し (省略時の設定), ODS-5 に対しては 5 に設定します。この論理名を無効にするには,TCP/IP 管理コマンドの MOUNT に /STRUCTURE 修飾子を指定します。
NFS クライアントでは,OpenVMS オペレーティング・システムでサポートされている拡張文字セットをサポートします。 NFS クライアントは NUL (ASCII 0) をサポートしません。ファイル名の長さは,ファイル名,ドット,ファイル拡張子,セミコロン,およびバージョン番号を含めて,232 文字に制限されています。
Extended File Specification サポートの詳細については, OpenVMS 製品のマニュアルを参照してください。
1.11 FTP サーバおよび FTP クライアントでの UNIX パス名のサポート (Alpha のみ)
FTP サーバおよび FTP クライアントは,UNIX パス名をサポートするように拡張されています。 FTP クライアントを使用して,UNIX パスを使用するファイルにアクセスすることができ,FTP サーバはパス名を解釈することができます。
1.11.1 FTP での UNIX パス名の指定
ODS-5 ボリュームについて,FTP クライアントおよび FTP サーバは, UNIX フォーマットのパス名の引数を受け付けます。次の FTP コマンドは UNIX パス名を受け付けます。
表示する際に,ほとんどの UNIX パス名は OpenVMS フォーマットに変換されます (たとえば,DIRECTORY コマンドの使用時)。ただし,次のタイプのメッセージでは,UNIX パス名は OpenVMS フォーマットに変換されません。
150 Opening data connection for file-name IP-address |
これらの ODS-5 機能をサポートする FTP クライアントおよびサーバでは, Compaq C 共用可能ライブラリ (SYS$SHARE:DECC$SHR.EXE) を,2000 年 10 月以降にビルドされた ECO にアップデートする必要があります。この ECO には次のものが含まれています。
次に,特定の文字が ODS-5 ボリューム上で処理される方法を説明します。
1.12 ユーザ作成のネットワーク・サービスのコンフィギュレーション
TCP/IP Services ソフトウェアでは, TCP/IP Services ソフトウェアで提供されていないネットワーク・サービス (ユーザ作成のサービス) のコンフィギュレーションと管理を行うことができます。以降の各項では,ユーザ作成のサービスを管理する方法について説明します。
1.12.1 ユーザ作成サービスの起動と停止
TCP/IP Services では,ユーザ作成サービスを起動および停止するためのコマンド・プロシージャを提供しています。ユーザ作成サービスを開始するには,次のコマンドを入力します。
$ SYS$STARTUP:TCPIP$CUSTOMER_SERVICE_STARTUP service-name |
service-name には,TCP/IP 管理コマンドの SET SERVICE を使用して定義する場合と同様に,サービスの名前を指定します。
ユーザ作成サービスを停止するには,次のコマンドを入力します。
$ SYS$STARTUP:TCPIP$CUSTOMER_SERVICE_SHUTDOWN service-name |
この項では,TCP および UDP プロトコルの両方を使用するようにユーザ作成サービスのコンフィギュレーションを行う方法について説明します。サービスのプロトコルのコンフィギュレーションを行うには, TCP/IP Services 管理コマンドの SET SERVICE を使用します。
各プロトコルについて,別々の SET SERVICE コマンドを入力する必要があります。次の手順に従ってください。
$ TCPIP TCPIP> SET SERVICE service-name /PROTOCOL=TCP - _TCPIP> /USER_NAME=user-name /PROCESS_NAME=process - _TCPIP> /PORT=port-number /FILE=startup-file |
このとき,次のように指定します。
SET SERVICE コマンドについての詳細は,次のコマンドを入力してオンライン・ヘルプにアクセスしてください。
TCPIP> HELP SET SERVICE |
この章は,『日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS インストレーション/コンフィギュレーション・ガイド』を手元に置いて,読み進めてください。
2.1 IPv6 のコンフィギュレーション
以降の各項は,IPv6 を有効にするシステムに固有の手順について説明します。
2.1.1 IPv6 EAK (アーリー・アダプターズ・キット) のユーザのための情報
いずれかのバージョンの TCP/IP Services V5.0 IPv6 EAK (アーリー・アダプターズ・キット) を実行している場合は,EAK を削除したのち,日本語 TCP/IP Services ソフトウェアの現在のバージョンをインストールしてください。その後,TCPIP$IP6_SETUP.COM コマンド・プロシージャを実行します。詳細については,『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Guide to IPv6 』を参照してください。
sockaddr構造体の定義に変更が加えられています。この変更は, TCP/IP Services V5.0 EAK を使ってコンパイルされた IPv6 アプリケーションのバイナリ互換性を損うものです。日本語 TCP/IP Services の現在のバージョンをインストールした後に,アプリケーションを再コンパイルし,再リンクしなくてはなりません。
2.1.2 TCPIP$CONFIG.COM の警告メッセージ
TCPIP$IP6_SETUP.COM コマンド・プロシージャを実行してIPv6 を有効にしたのちに TCPIP$CONFIG.COM コマンド・プロシージャを実行した場合, Core environmentオプションを選択すると, TCPIP$CONFIG.COM は次のような警告メッセージを表示します。
WARNING This node has been configured for IPv6. If you make any additional changes to the configuration of the interfaces, you must run TCPIP$IP6_SETUP again and update your host name information in BIND/DNS for the changes to take effect. (このノードは,IPv6 用にコンフィギュレーションされています。 インタフェースのコンフィギュレーションに変更を加える場合には, TCPIP$IP6_SETUP を再度実行して,BIND/DNS 内のホスト名情報を 更新し,変更を有効にする必要があります。) |
以降の各項で製品のスタートアップ時の問題点について説明します。
2.2.1 スタートアップ時の経路選択データベースのロード
BIND リゾルバがローカル・ホストだけを指すようにコンフィギュレーションされており,ローカル・ホスト・データベースの経路エントリに関連付けられたホスト名がない場合には, TCP/IP Services のスタートアップ時の永久的経路選択データベースのロードに失敗します。
この問題を回避するには, TCP/IP Services を起動する前に,ローカル・ホスト・データベース内の経路選択データベースに関連付けられた任意のホストを定義します。
2.2.2 DUPLNAM スタートアップ・メッセージ
日本語 TCP/IP Services を起動すると,次の DUPLNAM メッセージが表示されることがあります。
%TCPIP-E-DYNPROXERR, cannot add record to proxy database (TCPIP$PROXY) in dynamic memory -SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name %TCPIP-E-DYNPROXERR, cannot add record to proxy database (TCPIP$PROXY) in dynamic memory -SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name %TCPIP-I-LOADSERV, loading TCPIP server proxy information %TCPIP-I-SERVLOADED, auxiliary server loaded with 0 proxy records -TCPIP-I-SERVSKIP, skipped 0 communication proxy records -TCPIP-I-SERVTOTAL, total of 8 proxy records read %TCPIP-S-STARTDONE, TCP/IP Services startup completed at 7-JUN-2000 16:03:51.48 |
これらのメッセージは無視してもかまいません。これらは,現在のバージョンの日本語 TCP/IP Services で行われた変更の結果によるものです。
これまでのバージョンの日本語 TCP/IP Services では,プロキシ・データベースは,特定のホストに関するすべての名前がホスト・データベースに入力されていることを必要としました。たとえば,ホスト名 johnwsおよび johnws.abc.comは,NFS 要求がこれらのホスト名のいずれかを使用して行われた場合,ホスト・データベースに入力されている必要があります。
日本語 TCP/IP Services の現在のリリースでは,ロードされるプロキシ情報に,すべてのホストのアドレスと別名が自動的に含まれます。このため,ホストの最初のエントリは成功し,以降の一致するエントリでホストの別名だけが異なるものは, DUPLNAM メッセージが生成されます。
複数のホスト名の下にあるホストのプロキシ・レコードは,すべての名前 (重複を含む) がロードされているため,成功します。
各ホストに対して 1 つのレコードしかありません。そのため,いずれかのホスト名の下のプロキシ・エントリを削除すると,そのホストのすべてのアドレスと別名が削除されます。その後,そのホストのいずれか他の名前で削除しようとしても,エラーが返されます。
2.3 システム・ページ・テーブル・エントリ・パラメータ (VAX のみ)
VAX システム上では,AUTOGEN パラメータ SPTREQ が 6000 以上の値に設定されていることを確認します。SPTREQ が最小値よりも大きい値に設定されているかどうかをチェックするには,次のように SYSMAN を実行します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> parameter show sptreq %SYSMAN, a USE ACTIVE has been defaulted on node VMSVAX Node VMSVAX: Parameters in use: ACTIVE Parameter Name Current Default Minimum Maximum Unit Dynamic -------------- ------- ------- ------- ------- ---- ------- SPTREQ 8000 3900 3000 -1 Pages SYSMAN> |
SPTREQ の最小値を変更するには,『 OpenVMS System Management Utilities Reference Manual: A-L 』の記述に従って,AUTOGEN コマンド・プロシージャを実行します。 SPTREQ の最小値を 6000 にします。
2.4 OpenVMS ミニマム・ブート後の本製品の起動
完全なブート以外のいずれかの種類のブートを実行した場合には,製品のコンフィギュレーションおよびスタートアップ・コマンド・プロシージャ (TCPIP$CONFIG.COM および TCPIP$STARTUP.COM) が失敗します。このため,MIN,INST,または UPGRADE での OpenVMS のブートはサポートされていません。
TCPIP$CONFIG.COM コマンド・プロシージャは,SYSUAF データベースおよび RIGHTSLIST データベースを持たないシステム上では失敗します。これらの OpenVMS ファイルは, TCP/IP Services のコンフィギュレーションを行う前に作成しておく必要があります。
2.5 TCP/IP Services バージョン 4.xからのアップグレード
以降の各節では, TCP/IP Services (UCX) の旧バージョンから現在のバージョンへアップグレードを行う際に,ソフトウェアの動作を保持するために行うことができる操作について説明します。
2.6 本製品の前のバージョンの削除
本節では,TCP/IP Services の現在のバージョンをインストールする前に確認しておくべき重要な情報を提供します。
2.6.1 OpenVMS VAX システムのアップグレード
コマンド・プロシージャSYS$UPDATE:UCX$CLEANUP.COMは,一般に, TCP/IP Services製品の前のバージョンをクリーンアップするために使用されます。しかし,TCP/IP Services の新しいバージョンがインストールされているときにこのコマンド・プロシージャを実行すると,製品の動作に必要なファイルが削除されます。
OpenVMS VAXシステム上にTCP/IP Services の新しいバージョンをインストールした後にUCX$CLEANUP.COM コマンド・プロシージャを実行してはなりません。このコマンド・プロシージャを実行すると,TCP/IP Services のインストレーションが破壊されます。 |
TCP/IP Services の新しいバージョンをインストールした後に,このコマンド・プロシージャを削除しておくことを強く推奨します。
2.6.2 インストレーション後に残る一部のUCXファイル
TCP/IP Services の現在のバージョンをインストールし,起動した後も, UCX$プレフィックスを持つファイルがいくつか残っています (本製品が提供する他のほとんどのファイルはTCPIP$プレフィックスを使用します)。 表 2-1 に示すファイルは, TCP/IP Services の以前のバージョンとの下位互換性を維持するために必要です。
ファイル | 説明 |
---|---|
SYS$LIBRARY:UCX$IPC_SHR.EXE | Compaq C Run-Time Library (CRTL) がTCP/IPソケットを使用できるようにします。 |
SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.ADA
SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.BAS SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.FOR SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.H SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.MAR SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.PAS SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.PLI SYS$LIBRARY:UCX$INETDEF.R32 |
INETDEF ファイルは, TCP/IP Services V4.2 で作成されたアプリケーションとの互換性を保つために提供されています。これらのファイルは,V4.2 で提供されていたファイルと同じものです。 |
SYS$COMMON:[SYSEXE]UCX$UCP.EXE | 日本語 TCP/IP Services の存在を調べるサポート対象外のテストを使用している一部のレイヤード・プロダクトが動作を続けられるようにする,空の(ゼロ・ブロックの)マーカ・ファイル。 |
SYS$COMMON:[SYSEXE]UCX$SERVICE.DAT | TCPIP$STARTUP.COMの実行時にこのファイルが存在していなければ,空の(ゼロ・ブロックの) マーカ・ファイルが作成される可能性があります。論理名TCPIP$SERVICEで指定されるファイル(省略時の設定では, SYS$COMMON:[SYSEXE]TCPIP$SERVICE. DAT)に,実際のサービス情報が含まれています。 |
SYS$STARTUP:UCX$STARTUP.COM
SYS$STARTUP:UCX$CONFIG.COM |
これらのファイルは,SYS$OUTPUTに情報メッセージを出力した後に,対応するTCPIPファイルを実行します。これにより,日本語 TCP/IP Services 製品は,システム管理者が新しいTCPIPプレフィックスを使用するようにコマンド・ファイルを変更するまで,以前と同じように動作を続けることができます。 |
SYS$SYSTEM:UCX$LPD_SMB.EXE | LPDプリント・キューのための下位互換性を維持します。 |
SYS$SHARE:UCX$ESNMP_SHR.EXE
SYS$SHARE:UCX$ACCESS_SHR.EXE SYS$SHARE:UCX$RPCXDR_SHR.EXE |
本製品の前のバージョン用に作成されたユーザ作成プログラムに必要な共用可能イメージ。 |
SYS$COMMON:[SYSEXE]UCX$TELNETSYM.EXE | TELNET のプリント・シンビオント実行可能ファイル。このファイルは,TCPIP$TELNETSYM.EXE と同じものです。 |
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