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この章では,AlphaServer 4100でOpenVMS Galaxyコンピューティング環境を構築するための要件と手順について説明します。
最初に本書の「リリース・ノート」の章を参照してください。
AlphaServer 4100でOpenVMS Galaxyを構築するには,構成およびハードウェアに関して, 次の要件を十分理解しておく必要があります。
AlphaServer 4100では,OpenVMSのインスンタスを最大2つ実行できます。
AlphaServer 4100コンソール・ファームウェア・バージョンAS4_G53_75 (OpenVMS Alphaバージョン7.2キットに付属)が必要です。
第5章に示したコンソール・ヒントの他に, 次のことにも注意してください。
AlphaServer 4100には1つのクロックがあります。OpenVMS Galaxyの場合, このことは2つのインスタンスを異なる時刻に実行できないことを意味します。 また,SET TIMEコマンドは両方のインスタンスに影響します。 しかし,かなり時間が経過するまで,このことは明らかにならない可能性があります。
COM1 (上)はインスタンス0のコンソール・ポートです。 COM2 (下)はインスタンス1のコンソール・ポートです。
AlphaServer 8400でOpenVMS Galaxyを構築する場合と異なり,2つ目のコンソール用に追加ハードウェアは必要ありません。 この目的でCOM-2が使用されます。
CPU0はインスタンス0のプライマリでなければなりません。 CPU1はインスタンス1のプライマリでなければなりません。 CPU2と3はオプションのセカンダリCPUであり,マイグレードすることができます。
下の4つのPCIスロットはIOD0に属しています。これはインスタンス0用のI/O アダプタです。 上の4つのPCIスロットはIOD1に属しています。これはインスタンス1用のI/O アダプタです。
KZPSAなどのストレージ・コントローラが2つ必要です。これらのコントローラは個別のStorageworks ボックスに収納することができ,SCSIクラスタとして稼動するために, 同じボックスに収納することもできます。各コントローラはそれぞれIOD0 とIOD1に接続されます。
各インスタンスでネットワーク・アクセスが必要な場合は,各インスタンスに対してネットワーク・ カード(DE500など)が必要です。
カードは1枚ずつ,IOD0とIOD1に接続されます。
AlphaServer 4100のOpenVMS Galaxyでは,メモリ・ホールがサポートされないため,OpenVMS Galaxy 環境用の物理メモリは連続していなければなりません。AlphaServer 4100 でこのことを実現するには,次のいずれかの条件を満たさなければなりません。
AlphaServer 4100システムでOpenVMS Galaxyを構築するには,次の操作を実行します。
コンソール・プロンプトに対して次のコマンドを入力します。
P00>>>show config
コンソールに次の情報が表示されます。
Console G53_75 OpenVMS PALcode V1.19-16, Digital UNIX PALcode V1.21-24 Module Type Rev Name System Motherboard 0 0000 mthrbrd0 Memory 512 MB EDO 0 0000 mem0 Memory 256 MB EDO 0 0000 mem1 CPU (Uncached) 0 0000 cpu0 CPU (Uncached) 0 0000 cpu1 Bridge (IOD0/IOD1) 600 0021 iod0/iod1 PCI Motherboard 8 0000 saddle0 CPU (Uncached) 0 0000 cpu2 CPU (Uncached) 0 0001 cpu3 Bus 0 iod0 (PCI0) Slot Option Name Type Rev Name 1 PCEB 4828086 0005 pceb0 4 DEC KZPSA 81011 0000 pks1 5 DECchip 21040-AA 21011 0023 tulip1 Bus 1 pceb0 (EISA Bridge connected to iod0, slot 1) Slot Option Name Type Rev Name Bus 0 iod1 (PCI1) Slot Option Name Type Rev Name 1 NCR 53C810 11000 0002 ncr0 2 DECchip 21040-AA 21011 0024 tulip0 3 DEC KZPSA 81011 0000 pks0
OpenVMS Galaxyソフトウェアを実行するために,特別なインストール手順は必要ありません。Galaxy 機能は基本オペレーティング・システムに組み込まれており, この章で後述するコンソール・コマンドとシステム・ パラメータ値を使用して,有効または無効に設定することができます。
AlphaServer 4100がSCSIクラスタに属していない場合は,各インスタンスに対して1 つずつ,2つのシステム・ディスクにOpenVMSバージョン7.2 をインストールしなければなりません。
AlphaServer 4100がクラスタで共通のシステム・ディスクを持つSCSI クラスタの一部である場合は,1つのシステム・ディスクにOpenVMSバージョン7.2 をインストールします。
OpenVMS Alphaオペレーティング・システムのインストールの詳細については, OpenVMS Alpha Version 7.2 Upgrade and Installation Guideを参照してください。
AlphaServer 4100からアクセスできるMOP対応サーバで,ファームウェア・ ファイルAS4_G53_75.SYSをMOM$SYSTEMにコピーします。コンソールから次のコマンドを入力します。
P00>>> boot -fl 0,0 ewa0 -fi as4_g53_75 UPD> update srm* <power-cycle system>
または次のコマンドを使用します。
P00>>> BOOT -FLAGS 0,80 cd_device_name . . . Bootfile: [GALAXY_FIRM_072.KIT]AS4_G53_75.EXE . . .
CPU0はインスタンス0のプライマリです。
Galaxy環境変数を作成します。Galaxy環境変数と各変数の一般的な値については, 第5章を参照してください。
次の例はCPU 3つと256 MB + 192 MB + 64 MBに分割された512 MBのメモリを装備したAlphaServer 4100 の場合の例です。
P00>>> create -nv lp_cpu_mask0 1 P00>>> create -nv lp_cpu_mask1 6 P00>>> create -nv lp_io_mask0 10 P00>>> create -nv lp_io_mask1 20 P00>>> create -nv lp_mem_size0 10000000 P00>>> create -nv lp_mem_size1 c000000 P00>>> create -nv lp_count 2 P00>>> create -nv lp_shared_mem_size 4000000 P00>>> set auto_action halt
CPUが4つあり,すべてのセカンダリCPUをインスタンス1に割り当てる場合は,lp_cpu_mask1 変数がEになります。2つのインスタンスでCPU を分割する場合は,CPU 0がインスタンス0のプライマリCPUになり,CPU 1 がインスタンス1のプライマリCPUにならなければなりません。
mem_size変数は,システム構成とメモリの分割方法に応じて異なります。
コンソール環境変数AUTO_ACTIONはHALTに設定しなければなりません。 これにより,システムはブートされず,Galaxyコマンドを入力できるようになります。
P00>>> init P00>>> galaxy
自己診断テストを完了した後,Galaxyコマンドはインスタンス1でコンソールを起動します。
Galaxyが初めて起動されると,次のような複数のメッセージが表示されます。
CPU0 would not join
IOD0 and IOD1 did not pass the power-up self-test
これらのメッセージが表示されるのは,2組の環境変数があり, galaxy変数は最初にインスタンス1に存在しないからです。
I/Oバスが2つのGalaxyパーティション間で分割される場合は,装置のポート名が変化することに注意してください。 たとえば,AlphaServer 4100がシングル・システムの場合に,DKC300として指定されるディスクは,OpenVMS Galaxy のパーティション0として構成した場合は, DKA300になります。
手順2と同じコマンドを使用して,同じGalaxy環境変数を作成します。
P01>>> create -nv lp_cpu_mask0 1 P01>>> create -nv lp_cpu_mask1 6 P01>>> create -nv lp_io_mask0 10 P01>>> create -nv lp_io_mask1 20 P01>>> create -nv lp_mem_size0 10000000 P01>>> create -nv lp_mem_size1 c000000 P01>>> create -nv lp_count 2 P01>>> create -nv lp_shared_mem_size 4000000 P01>>> set auto_action halt
P00>>> init
コンソールに次の確認メッセージが表示されたら,Yと入力します。
Do you REALLY want to reset the Galaxy (Y/N)
次の設定名はOpenVMS Engineeringシステムの場合の例です。それぞれの環境の要件に適合するように, これらの変数は適宜変更してください。
P00>>> set boot_osflags 12,0 P00>>> set bootdef_dev dka0 P00>>> set boot_reset off !!! must be OFF !!! P00>>> set ewa0_mode twisted P01>>> set boot_osflags 11,0 P01>>> set bootdef_dev dkb200 P01>>> set boot_reset off !!! must be OFF !!! P01>>> set ewa0_mode twisted
P01>>> boot
インスタンス1がブートされた後,システム・アカウントにログインし,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに次の行を挿入します。
GALAXY=1
SCSノードとSCSシステムIDの行が正しいことを確認してください。次のようにAUTOGEN を実行して,インスタンス1をGalaxyメンバとして構成し, システムを停止したままの状態にします。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SHUTDOWN INITIAL
P00>>> boot
インスタンス0がブートされた後,システム・アカウントにログインし,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに次の行を追加します。
Add the line GALAXY=1
SCSノードとSCSシステムIDの行が正しいことを確認してください。次の手順でAUTOGEN を実行して,インスタンス0をGalaxyメンバとして構成し, システムを停止したままの状態にします。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SHUTDOWN INITIAL
P00>>> set auto_action restart P01>>> set auto_action restart
P00>>> init
コンソールに次の確認メッセージが表示されたら,Yと入力します。
Do you REALLY want to reset the Galaxy (Y/N)
また,システムの電源をいったんオフにした後,オンにすることもできます。 このようにすると,両方のインスタンスでGalaxyが自動的にブートストラップされます。
操作はこれで終了です。OpenVMS Galaxyが構築されました。
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