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H MONITORにおけるレコード形式

この付録では,MONITORで使用するレコードの形式について説明します。

H.1 MONITOR記録ファイル

MONITORで記録要求を実行すると,バイナリ性能データがMONITOR記録ファイルに書き込まれます。 この書き込みは,各要求対象クラスの収集時間間隔ごとに行われます。 レコードの内容は,指定した性能クラスに対してあらかじめ指定したデータ集合です。

記録ファイルは,MONITOR要求を実行したときに作成され,要求が終了するとクローズされます。 このファイルを使用すれば,データをフォーマッティングしてターミナル上に表示したり, 要約ファイルを作成したり,別の特性を持たせた記録ファイルを新たに記録したりすることができます。


注意
この項で扱うレコード形式は, 今後のOpenVMSリリースで断りなく変更される場合があります。

MONITOR記録ファイルは,可変長レコードで構成されるOpenVMS RMS順編成ファイルです。 ファイル内の最初のレコードは,1バイトのタイプ・フィールドです。 その他のフィールドの長さと形式は,レコードの種類によって異なります。 レコード・タイプには,次の3つがあります。

カスタマ制御レコードは,記録ファイルのどこにでも格納することができます。 このレコードは,MONITORで作成されることはないので,MONITORで記録ファイルを読み込んだときには無視されます。

カスタマ制御レコード以外で記録ファイルの最初に格納されるのは,コンパック制御レコードです。 現在,ファイル・ヘッダ・レコード,システム情報レコード, レコードRMSファイル名レコードの3種類のコンパック制御レコードがあります。 ノード遷移レコードも制御レコードですが,このレコードのファイル内における記憶位置は, 任意です。

コンパック制御レコードの後に,クラス・レコードが続きます。クラス・ レコードは,指定の性能クラスに関するデータを格納します。通常,レコード対象クラスの収集間隔ごとに書き込まれます。 ただし,1回の収集間隔で1 つのクラスのデータを取り出すためにいくつものクラス・レコードが必要である場合は, この限りではありません。こういった状況は, 最大レコード・サイズを超えるほど多数のプロセスが存在する場合のPROCESSES クラスで発生する可能性があります。

各レコード・タイプには,一意の番号が割り当てられています。レコード・ タイプ番号0〜127はクラス・レコード,128〜191はコンパック制御レコード,192 〜255はカスタマ制御レコードに予約されています。

MONITORが作成するレコード・タイプは,現在26個です。次の表は, MONITORレコード・タイプとその番号,対応するクラス・タイプの一覧です。MONITOR クラス・タイプについては,第H.4.1項を参照してください。

レコード・タイプ タイプ番号 クラス・タイプ
ファイル・ヘッダ 128
システム情報 129
ノード遷移 130
RMSファイル名 131
PROCESSESクラス 0 コンポーネント
STATES クラス 1 システム
MODESクラス 2 コンポーネント
PAGEクラス 3 システム
IO クラス 4 システム
FCPクラス 5 システム
POOLクラス[1] 6 システム
LOCKクラス 7 システム
DECNETクラス 8 システム
予約 9 システム
予約 10 システム
FILE_SYSTEM_ CACHEクラス 11 システム
DISKクラス 12 コンポーネント
予約 13 コンポーネント
DLOCKクラス 14 システム
SCSクラス 15 コンポーネント
予約 16 システム
SYSTEMクラス 17 システム
予約 18 システム
CLUSTERクラス 19 システム
RMSクラス 20 コンポーネント
MSCP_ SERVERクラス 21 システム
TRANSACTIONクラス 22 システム
VECTORクラス 23 システム
VBSクラス 24 システム

[1] POOLクラスの情報は,バージョン6.0以前のMONITOR記録ファイルでのみ使用できる。

H.2 規約

以降では,各レコード・タイプ内の各フィールドの内容について説明します。 レコード・タイプとレコード・サイズは,10進値で表します。システム時間は, システム時間形式による64ビット値です。

フィールド・オフセット名は,MONITORでは定義されません。ただし, MONITORの出力レコードを使用して作業する場合には,オフセット名を定義し使用するようにしてください。

次は,フィールド・オフセット名の命名規約です。

MNR_CCC$X_DDDDD

CCCは,レコード・タイプまたはクラス・ニーモニックです。

Xは,次のとおりにデータ項目のサイズを示す1文字コードです。


Bはバイト
Wはワード
Lはロングワード
Qはクォドワード
Oはオクタワード
TはASCII文字列

DDDDDは,データ項目を示す名前です。

以降の表では,レコード・フィールドについて説明しますが,フィールド内容の説明の後に, データ・サイズを括弧で囲んで示します。

H.3 コンパック制御レコード

コンパック制御レコードには,次の4つの種類があります。

それぞれのファイルには,そのファイルに格納されるすべてのクラスの性能データに該当する情報を示すヘッダ・ レコードが1つ含まれます。ヘッダ・ レコードは,カスタマ制御ファイルを除き,ファイルにおける最初のレコードでなくてはなりません。

1ファイル,1ノードに付き,システム情報レコードが1つ格納されます。 このレコードはヘッダ・レコードの次に位置し,監視対象システムに関する情報が格納されます。

H.3.1 ファイル・ヘッダ・レコード

ファイル・ヘッダ・レコードのレコード・タイプは128,サイズは259バイトです。 ファイル・ヘッダ・レコードの形式を次の図に示します。

図 H-1 ファイル・ヘッダ・レコードの形式

ファイル・ヘッダ・レコードのフィールドの説明を次の表に示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Type MNR_HDR$B_TYPE レコード・タイプ識別子(1バイト)
Flags MNR_HDR$L_ FLAGS 全部で32のフラグ・ビット。下位ビット=ビット0 。フラグはすべて,今後の使用のためコンパックで予約している。(1ロングワード)
Beginning Time MNR_HDR$Q_BEGINNING 記録を開始するシステム時間(1 クォドワード)
Ending Time MNR_HDR$Q_ENDING 記録を終了するシステム時間(1クォドワード)
Interval MNR_ HDR$L_INTERVAL 秒単位による収集間隔。記録要求を実行するときにユーザが指定する。 連続する2つのタイムスタンプを減算することによって求められる時間間隔値とまったく同じであるとは限らない。(1 ロングワード)
Revision Level 0 Classes MNR_HDR$O_REV0CLSBITS すべてのクラスを示す128 ビット文字列。1のビットは,更新レベルが0で,タイプ番号がビット番号と同じであるクラスがファイルに存在することを示す。 下位ビット=ビット0。(1オクタワード)。OpenVMS VAXバージョン3.0 のファイルとの互換性をとるため用意されている。
Record Count MNR_HDR$L_RECCT ファイル内のレコード総数(1ロングワード)
Structure Level Identification MNR_ HDR$T_IDENT MONITOR記録ファイル構造レベルID (MON30050) (8バイト)
Comment MNR_HDR$T_COMMENT ユーザが入力する記録ファイルの説明。 説明が終わった後には,ブランク文字が入る。(60バイト)
Comment Length MNR_ HDR$W_COMLEN ユーザが指定する記録ファイルの説明の実際の長さ(1 ワード)
Classes MNR_HDR$O_CLASSBITS すべてのクラスを示す128 ビット文字列。1のビットは,タイプ番号がビット番号と同じクラスがファイルに存在することを示す。 下位ビット=ビット0。(1オクタワード)
Revision Levels MNR_ HDR$T_REVLEVELS 各クラスの1バイトのバイナリ更新レベル番号で構成される128 バイト文字列。初期状態のクラス更新レベルは,0 である。今後のリリースでレコード定義が変更された場合,更新レベルが1 高くなるが,必ずしも1に限定されない。

H.3.2 システム情報レコード

システム情報レコードのレコード・タイプは129,サイズは47バイトです。 システム情報レコードの形式を次の図に示します。

図 H-2 システム情報レコードの形式

システム情報レコード・フィールドの説明を次の表に示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Type MNR_SYI$B_TYPE タイプ識別子(1バイト)
Flags MNR_SYI$W_FLAGS 全部で16のフラグ・ビット。下位ビット=ビット0。0のビットを1 に設定した場合,データの収集対象ノードは,VAXclusterのメンバである。 他のフラグは,今後の使用のためコンパックで予約している。(1ワード)
Time Booted MNR_ SYI$Q_BOOTTIME システムをブートしたシステム時間。ブート時以降の秒数を負の値に変換し, 現在のシステム時間に加算して求める。(1 クォドワード)
Max Process Cnt MNR_SYI$W_MAXPRCCNT システム・ パラメータMAXPROCESSCNTの値(1ワード)
CPUs MNR_SYI$B_MPCPUS CPUの数(1 バイト)
Node Name MNR_ SYI$T_NODENAME 監視対象ノードの名前(指定された長さのASCII 文字列。16バイト)
Balance Set Memory (Bal Set Mem) MNR_SYI$L_BALSETMEM メモリを割り当てることができるプロセス・ ページ数(1ロングワード)
MPW High Limit MNR_SYI$L_MPWHILIM システム・ パラメータMPW_HILIMITの値(1ロングワード)
CPU Type MNR_SYI$L_CPUTYPE CPUタイプ・コード。$PRDEFマクロを指定する。(1ロングワード)
Index MNR_SYI$B_ INDEX いくつかの内部データ構造におけるノード位置を示す。(1 バイト)
CPU Config MNR_SYI$L_CPUCONF マルチプロセッサ内の各CPUの記憶位置を示すビット・ マスク(1ロングワード)
VPCPUs MNR_SYI$B_VPCPUS 現在のシステム内のベクタ機能付きプロセッサの数(1 バイト)
VP Config MNR_SYI$L_VPCONF ベクタ機能付きプロセッサを示すビット・マスク(1ロングワード)

H.3.3 ノード遷移レコード

ノード遷移レコードのレコード・タイプは130,サイズは2バイトです。ノード遷移レコードの形式を次の図に示します。

図 H-3 ノード遷移レコードの形式

ノード遷移レコード・フィールドの説明を次の表に示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Type MNR_NTR$B_TYPE レコード・タイプ識別子。 ノードの削除処理を示す。(1バイト)
Index MNR_NTR$B_INDEX いくつかの内部データ構造におけるノードの位置を示す。(1 バイト)

H.3.4 RMSファイル・レコード

RMSファイル・レコードのレコード・タイプは131であり,サイズは,RMS ファイル数とファイル名文字列長によって異なります。RMSファイル・レコードの形式を次お図に示します。

図 H-4 RMSファイル・レコードの形式

RMSファイル・レコード内のフィールドを次に示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Type MNR_FIL$B_TYPE レコード・タイプ識別子(1バイト)
Filename MNR_FIL$T_ FILENAME MONITOR RMS要求に使用するRMSファイルを示す, 指定された長さのASCII文字列(最大256バイト)

H.4 クラス・レコード

MONITOR記録ファイルには,収集間隔ごとに,処理対象クラスそれぞれに対して1 つのクラス・レコードが格納されます。ただし, PROCESSESクラスは除きます。PROCESSESクラスの詳細については,第H.4.2.12項を参照してください。 たとえば,100 の収集間隔において,PROCESSES以外のクラスを5つ記録することをユーザが指定した場合, 記録ファイルには500個のクラス・レコードが格納されます。 クラス・レコードの順序は,収集間隔内のタイプ番号の昇順です。 ある収集間隔における最初のクラス・レコードは,直前の収集間隔における最後のクラス・ レコードの直後に格納されます。

H.4.1 クラス・タイプの形式

基本クラス・タイプには,システム・クラスとコンポーネント・クラスの2 種類があります。通常,システム・クラスのクラス・レコードはシステム単位の動作数で構成されるのに対し( ページ・フォルトなど),コンポーネント・ クラスのクラス・レコードは測定対象動作の各要素の数で構成されます( システム内の各ディスクの入出力動作数など)。

システム・クラスのクラス・レコードは1つのクラス・ヘッダで始まり, 次にデータ・ブロックが1つ続きます。コンポーネント・クラスのクラス・ レコードは1つのクラス・ヘッダで始まり,クラス接頭辞1つと各要素に付き1 つのデータ・ブロックが続きます。

次の図にクラス・レコードの形式を示します。

図 H-5 クラス・レコードの形式

H.4.1.1 クラス・ヘッダ

クラス・ヘッダはあらゆるクラス・レコードの最初の部分です。形式はクラスのタイプから独立しています。 クラス・ヘッダの長さは13バイトです。

クラス・ヘッダの形式を次の図に示します。

図 H-6 クラス・ヘッダの形式

次の表にクラス・ヘッダ・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Type MNR_CLS$B_TYPE レコード・タイプ識別子(1バイト)
Flags MNR_CLS$B_ FLAGS 全部で8つのフラグ・ビット。下位ビット= 0。0 のビットを1に設定した場合,対象の時間間隔におけるデータが次のレコードに続くことを示す。PROCESSES クラス専用。他のフラグは,今後の使用のためコンパックで予約している。(1 バイト)
Index MNR_CLS$B_INDEX いくつかの内部データ構造におけるノードの位置を示す。(1 バイト)
Time MNR_CLS$Q_STAMP クラス・レコードを記録したシステム時間。ファイル内のどのクラス・ レコードについても,この時間値は減少しない。
Reserved MNR_CLS$W_RESERVED コンパックで予約している。(1ワード)

H.4.1.2 クラス接頭辞(コンポーネント・クラス専用)

コンポーネント・クラス・レコードのクラス・ヘッダの直後には,必ずクラス接頭辞が続きます。 クラス接頭辞は,現在の収集間隔におけるクラス・ レコードが表す要素(PROCESSESクラスの場合はプロセス,DISKクラスの場合はディスク) の数を示すデータです。システム・クラス・レコードでは1 つのレコードに付き1つのデータ・ブロックが格納されるのに対し, コンポーネント・クラスでは1つの要素に付き1つのデータ・ブロックが格納されます。

クラス接頭辞のデータ項目の一方は,クラス・レコードに含まれる要素の数すなわちデータ・ ブロック数を示します。他方のクラス接頭辞データ項目は,PROCESSES クラス専用であり,収集間隔に含まれるプロセスの数を示します。 以降の説明は,PROCESSESクラスだけに適用されます。

多数のプロセスを監視しているため,収集間隔に含まれるデータ・ブロックが最大サイズのレコードにも収まらなくなる可能性があります。 この場合, すべてのプロセスを扱うに足る数のPROCESSESクラス・レコードが作成されます。

ある収集間隔に含まれるPROCESSESクラス・レコードのクラス・ヘッダは, すべて同じです。ただし,MNR_CLS$W_FLAGSにビット0を設定した場合は除きます。 このビットは,すべてのレコードで1であり,最後のレコードだけが0 です。

クラス・レコードのクラス接頭辞は,次の表に示すとおり可変です。 MNR_CMP$L_ELTCTフィールドの内容は,レコードに格納されるデータ・ブロック数によって異なります。MNR_CMP$L_PCTINT フィールドの内容は,すべてのレコードで一定です。 最後のレコード以外のレコードには,最大サイズ・ レコード(32,000バイト)に収まるだけのデータ・ブロックが格納されます。 最後のレコードには,端数のデータ・ブロックが格納されます。

クラス接頭辞の形式を次の図に示します。クラス接頭辞の長さは,8バイトです。

図 H-7 クラス接頭辞の形式

次の表にクラス接頭辞フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Elements In Record MNR_CMP$L_ELTCT レコード内の要素( データ・ブロック)数(1ロングワード)
Processes In Interval MNR_CMP$L_PCTINT 収集間隔に含まれるプロセス( データ・ブロック)数(1ロングワード)。PROCESSESクラス専用である。 他のコンポーネント・クラスの場合,今後の使用のためコンパックで予約している。

H.4.2 クラス・データ・ブロック

各データ・ブロックのサイズと形式,およびレコードあたりのブロック数は, クラスによって異なります。システム・クラスでは,1つのレコードに付き1 つのデータ・ブロックが格納され,コンポーネント・クラスでは,1 つの要素に付き1つのデータ・ブロックが格納されます。ブロック内のフィールドは, 性能データ項目です。

以降では,データ・ブロック内のデータ項目について,クラス別に説明します。 データ項目には,数の項目,レベル項目,情報項目の3種類があります。 数項目は,システムのブート時に収集間隔ごとに増える数量を示します。 レベル項目は,収集間隔ごとに増減する可能性がある数量を示します。 情報項目は,数項目やレベル項目のように数量ではなく,文章によるデータです。

以降の表のCは数項目,Lはレベル項目,Iは情報項目を示します。フィールド長の後の括弧内の文字が項目タイプです。 クラス・レコードは,アルファベット順です。

H.4.2.1 CLUSTERクラス・レコード

CLUSTERクラス・レコードは,クラスタ単位のCPU,メモリ,ロッキング動作を示すデータです。CLUSTER クラス・レコードのレコード・タイプは19 ,サイズは65バイトです。CLUSTERクラスを記録すると,明示的に指定していない場合でも,DISK クラスとMODESクラスもともに記録されます。

CLUSTERクラス・レコードの形式をつぎの図に示します。

図 H-8 CLUSTERクラス・レコードの形式

次の表にCLUSTERクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
CPU Busy MNR_CLU$L_CPU_BUSY システム・ ブート以降のすべてのCPUモードで使用した10ミリ秒単位のクロック・ ティックの数(ロングワード,C)
Free List Size MNR_CLU$L_FRLIST 空きリストに現在存在するページ数( ロングワード,L)
Reserved MNR_CLU$L_RESERVED コンパックで予約している
Total Locks MNR_CLU$L_TOTAL_LOCKS 着信, 発信,ローカルのENQ,DEQ,変換の総数(ロングワード, C)
New ENQ Local MNR_ CLU$L_ENQNEWLOC ローカル・システムで指定し実行する新ロック要求の数( ロングワード,C)
New ENQ Incoming MNR_CLU$L_ENQNEWIN 他のシステムで指定し,ローカル・システムで実行する新ロック要求の数( ロングワード,C)
New ENQ Outgoing MNR_CLU$L_ENQNEWOUT ローカル・ システムで指定し他のシステムで実行する新ロック要求の数( ロングワード,C)
ENQ Conversions Local MNR_CLU$L_ENQCVTLOC ローカル・ ロック変換要求の数(ロングワード,C)
ENQ Conversions Incoming MNR_CLU$L_ENQCVTIN 着信ロック変換要求の数(ロングワード,C)
ENQ Conversions Outgoing MNR_CLU$L_ ENQCVTOUT 発信ロック変換要求の数(ロングワード, C)
DEQ Local MNR_CLU$L_ DEQLOC ローカル・アンロック要求の数(ロングワード,C)
DEQ Incoming MNR_ CLU$L_DEQIN 着信アンロック要求の数(ロングワード, C)
DEQ Outgoing MNR_ CLU$L_DEQOUT 発信アンロック要求の数(ロングワード, C)

H.4.2.2 DECNETクラス・レコード

DECNETクラス・レコードは,OpenVMSサブシステムのDECnetの動作を示すデータです。DECNET クラス・レコードのレコード・タイプは8,サイズは33 バイトです。

次の図にDECNETクラス・レコードの形式を示します。

図 H-9 DECNETクラス・レコードの形式

次の表にDECNETクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明をに示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Arriving Local Packets MNR_NET$L_ARRLOCPK 着信ローカル・ パケットの数(ロングワード,C)
Departing Local Packets MNR_NET$L_DEPLOCPK 発信ローカル・ パケットの数(ロングワード,C)
Arriving Transit Packets MNR_NET$L_ARRTRAPK 着信トランジット・ パケットの数(ロングワード,C)
Transit Packets Lost MNR_NET$L_TRCNGLOS トランジットが輻輳していたため失われたパケットの数( ロングワード, C)
Receiver Buffer Failures MNR_NET$L_RCVBUFFL レシーバ・ バッファ障害の数(ロングワード,C)

H.4.2.3 DISKクラス・レコード

DISKクラス・レコードは,システム内のすべてのディスク装置について示すデータです。DISK クラス・レコードのレコード・タイプは12であり,サイズは, 監視対象ディスク数によって異なります。バイト数で表されるサイズは, クラス・ヘッダ,クラス接頭辞,レコードに格納されるデータ・ ブロックを次の式で加算して求めます。

     13 + 8 + (36 * MNR_CMP$L_ELTCT の値)

次の図にDISKクラス・レコードの形式を示します。

図 H-10 DISKクラス・レコードの形式

次の表にDISKクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Allocation Class MNR_DSK$B_ALLOCLS 割り当てクラス番号(バイト,I)
Controller MNR_DSK$T_CTRLR 装置コントローラの名前( 指定された長さのASCII文字列) (4バイト, I)
Unit Number MNR_DSK$W_ UNITNO ユニット番号(ワード,I)
Flags MNR_DSK$B_FLAGS 8 フラグ・ビット。ロー・ビットが設定されている装置は,MSCPサーバによって処理される。( バイト,I)
Node Name MNR_DSK$T_NODENAME 装置が常駐するクラスタ・ ノードの名前(指定された長さのASCII文字列)(8バイト, I)
Volume Name MNR_DSK$T_ VOLNAME ディスクのボリューム名(ASCII)(12バイト, I)
Operations MNR_DSK$L_ OPCNT 入出力動作の数(ロングワード,C)
Queue Length MNR_DSK$L_IOQUELN 入出力要求キュー・サンプルの合計(ロングワード, C)

H.4.2.4 DLOCKクラス・レコード

DLOCKクラス・レコードは,分散ロック管理機能の動作を示すデータです。DLOCK クラス・レコードのレコード・タイプは14,サイズは73バイトです。

次の図にDLOCKクラス・レコードの形式を示します。

図 H-11 DLOCKクラス・レコードの形式

次の表にDLOCKクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明をに示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
New Locks -Local MNR_DLO$L_ENQNEWLOC ローカル・ システムで指定し実行する新ロック要求の数(ロングワード, C)
New Locks -Incoming MNR_DLO$L_ENQNEWIN 別のシステムで指定しローカル・ システムで実行する新ロック要求の数(ロングワード,C)
New Locks -Outgoing MNR_DLO$L_ENQNEWOUT ローカル・ システムで指定し別のシステムで実行する新ロック要求の数(ロングワード,C)
Lock Conversions -Local MNR_DLO$L_ENQCVTLOC ローカル・ ロック変換要求の数(ロングワード,C)
Lock Conversions -Incoming MNR_DLO$L_ENQCVTIN 着信ロック変換要求の数( ロングワード,C)
Lock Conversions -Outgoing MNR_DLO$L_ENQCVTOUT 発信ロック変換要求の数( ロングワード,C)
Unlocks-Local MNR_DLO$L_DEQLOC ローカル・アンロック要求の数(ロングワード,C)
Unlocks-Incoming MNR_DLO$L_DEQIN 着信アンロック要求の数(ロングワード,C)
Unlocks-Outgoing MNR_DLO$L_DEQOUT 発信アンロック要求の数(ロングワード,C)
Blocking ASTs -Local MNR_DLO$L_BLKLOC ローカル・ ロック・マネージャ・ブロッキングASTの数(ロングワード, C)
Blocking ASTs -Incoming MNR_DLO$L_BLKIN 着信ロック・ マネージャ・ブロッキングASTの数(ロングワード,C)
Blocking ASTs -Outgoing MNR_DLO$L_BLKOUT 発信ロック・ マネージャ・ブロッキングASTの数(ロングワード,C)
Directory Functions -Incoming MNR_DLO$L_DIRIN 着信ディレクトリ機能の数( ロングワード,C)
Directory Functions -Outgoing MNR_DLO$L_DIROUT 発信ディレクトリ機能の数( ロングワード,C)
Deadlock Message Rate MNR_DLO$L_DLCKMSG デッドロックの検出に要する発着信ロック・ マネージャ・メッセージの数(ロングワード,C)

H.4.2.5 FCPクラス・レコード

FCPクラス・レコードは,ファイル・システムACPの動作を示すデータです。FCP クラス・レコードのレコード・タイプは5,サイズは61バイトです。

次の図にFCPクラス・レコードの形式を示します。

図 H-12 FCPクラス・レコードの形式

次の表にFCPクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
FCP Calls MNR_FCP$L_FCPCALLS ファイル・ システムが受信したQIO要求の数(ロングワード,C)
Disk Allocations MNR_FCP$L_ALLOC ディスク空間の割り当てを発生させたQIO要求の数( ロングワード,C)
New Files MNR_FCP$L_FCPCREATE 作成した新ファイルの数( ロングワード,C)
Read I/Os MNR_FCP$L_FCPREAD ファイル・システムがディスクに対して行った読み込み動作の数( ロングワード,C)
Write I/Os MNR_FCP$L_FCPWRITE ファイル・システムがディスクに対して行った書き込み動作の数( ロングワード,C)
Volume Lock Waits MNR_FCP$L_VOLWAIT ボリューム・ ロックが争奪状態にあるため,XQPが待ち状態となった回数(ロングワード,C)
CPU Time MNR_ FCP$L_FCPCPU ファイル・システムが使用したCPU時間の10 ミリ秒単位によるクロック・ティック数(ロングワード,C)
FCP Page Faults MNR_FCP$L_FCPFAULT ファイル・システムのページ・フォルト数(ロングワード,C)
Window Turns MNR_ FCP$L_FCPTURN ファイル・マップ・ウィンドウのエラー数( ロングワード,C)
Access MNR_FCP$L_ACCESS ファイル・ディレクトリにおけるファイル名検索動作の数( ロングワード,C)
Files Opened MNR_FCP$L_OPENS オープンしたファイルの数( ロングワード,C)
Erase I/O Operations MNR_FCP$L_ERASE 実行した消去動作の数( ロングワード,C)

H.4.2.6 FILE_SYSTEM_CACHEクラス・ レコード

FILE_SYSTEM_CACHEクラス・レコードは,ファイルシステムACP,XQPのキャッシュ動作を示すデータです。FILE_SYSTEM_CACHE クラス・レコードのレコード・ タイプは11,サイズは69バイトです。

次の図にFILE_SYSTEM_CACHEクラス・レコードの形式を示します。

図 H-13 FILE_SYSTEM_CACHEクラス・ レコードの形式

次の表にFILE_SYSTEM_CACHEクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Directory FCB Cache Hits MNR_FIL$L_DIRFCB_HIT ディレクトリFCBキャッシュにおけるヒット数(ロングワード, C)
Directory FCB Cache Attempts MNR_FIL$L_DIRFCB_TRIES ディレクトリFCBキャッシュにおける試み数(ロングワード, C)
Directory Data Cache Hits MNR_FIL$L_DIRDATA_HIT ディレクトリ・ データ・キャッシュにおけるヒット数(ロングワード, C)
Directory Data Cache Attempts MNR_FIL$L_DIRDATA_TRIES ディレクトリ・データ・キャッシュにおける試み数(ロングワード, C)
File Header Cache Hits MNR_FIL$L_FILHDR_HIT ファイル・ヘッダ・キャッシュにおけるヒット数(ロングワード, C)
File Header Cache Attempts MNR_FIL$L_FILHDR_TRIES ファイル・ヘッダ・キャッシュにおける試み数(ロングワード, C)
File ID Cache Hits MNR_FIL$L_FIDHIT ファイルID キャッシュにおけるヒット数(ロングワード,C)
File ID Cache Attempts MNR_FIL$L_FID_TRIES ファイルIDキャッシュにおける試み数(ロングワード,C)
Extent Cache Hits MNR_FIL$L_EXTHIT 拡張キャッシュにおけるヒット数( ロングワード,C)
Extent Cache Attempts MNR_FIL$L_EXT_TRIES 拡張キャッシュにおける試み数( ロングワード,C)
Quota Cache Hits MNR_FIL$L_QUOHIT クォータ・キャッシュにおけるヒット数( ロングワード,C)
Quota Cache Attempts MNR_FIL$L_QUO_TRIES クォータ・ キャッシュにおける試み数(ロングワード,C)
Storage Bitmap Cache Hits MNR_FIL$L_STORAGMAP_HIT 記憶ビットマップ・キャッシュにおけるヒット数(ロングワード, C)
Storage Bitmap Cache Attempts MNR_FIL$L_STORAGMAP_TRIES 記憶ビットマップ・キャッシュにおける試み数(ロングワード,C)

H.4.2.7 入出力クラス・レコード

入出力クラス・レコードは,入出力サブシステムの動作を示すデータです。 入出力クラス・レコードのレコード・タイプは4,サイズは69バイトです。

次の図に入出力クラス・レコードの形式を示します。

図 H-14 入出力クラス・レコードの形式

次の表に入出力クラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Direct I/Os MNR_IO$L_DIRIO 直接入出力動作の数( ロングワード,C)
Buffered I/Os MNR_IO$L_BUFIO バッファード入出力動作の数( ロングワード,C)
Mailbox Writes MNR_IO$L_MBWRITES メールボックスへの書き込み要求の数( ロングワード,C)
Split Transfers MNR_IO$L_SPLTTRNS 分割転送の数(ロングワード,C)
Logical Name Translations MNR_IO$L_LOGNAM 論理名変換の数( ロングワード,C)
Files Opened MNR_IO$L_OPENS オープンしたファイルの数( ロングワード,C)
Page Faults MNR_IO$L_FAULTS すべてのワーキング・ セットのページ・フォルトの数(ロングワード, C)
Page Reads MNR_IO$L_ PREADS ページ・フォルトの結果ディスクから読み込んだページ数( ロングワード,C)
Page Read I/Os MNR_IO$L_PREADIO ページ・ フォルトの結果ディスクに対して行われた読み込み動作の数(ロングワード,C)
Page Writes MNR_IO$L_PWRITES ページ・ファイルに書き込んだページ数( ロングワード,C)
Page Write I/Os MNR_IO$L_PWRITIO ページ・ファイルに対する書き込み動作の数( ロングワード,C)
Inswaps MNR_IO$L_ISWPCNT スワップ・ファイルからメモリに読み込んだワーキング・セットの数( ロングワード,C)
Free Page Count MNR_IO$L_FREECNT 現在空きページ・ リストに存在するページ数(ロングワード,L)
Modified Page Count MNR_IO$L_MFYCNT 現在変更対象ページ・ リストに存在するページ数(ロングワード,L)

H.4.2.8 LOCK Class Record

LOCKクラス・レコードは,ローカル管理サブシステムの動作を示すデータです。LOCK クラス・レコードのレコード・タイプは7,サイズは53バイトです。

次の図にLOCKクラス・レコードの形式を示します。

図 H-15 LOCKクラス・レコードの形式

次の表にLOCKクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
New ENQs MNR_LCK$L_ENQNEW 新ENQ (ロック) 要求の数(ロングワード,C)
Converted ENQs MNR_LCK$L_ENQCVT 変換したENQ ( ロック)要求の数(ロングワード,C)
DEQs MNR_LCK$L_DEQ DEQ (アンロック) 要求の数(ロングワード,C)
Blocking ASTs MNR_LCK$L_BLKAST キューに登録されたブロッキングAST の数(ロングワード,C)
ENQ Waits MNR_LCK$L_ENQWAIT ロックが直ちにに許可されず, 待ち状態となった回数(ロングワード, C)
ENQs Not Queued MNR_ LCK$L_ENQNOTQD ロックが直ちにに許可されず,待ち状態ではなくエラー状態となった回数( ロングワード,C)
Deadlock Searches MNR_LCK$L_DLCKSRCH デッドロック検索を行った回数(ロングワード, C)
Deadlocks Found MNR_ LCK$L_DLCKFND デッドロックが検出された回数(ロングワード,C)
Current Locks MNR_LCK$L_NUMLOCKS 現在システムに存在するロック数( ロングワード,L)
Current Resources MNR_LCK$L_NUMRES 現在システムに存在する資源の数( ロングワード,L)

H.4.2.9 MODESクラス・レコード

MODESクラス・レコードは,各プロセッサ・モードで使用した時間を示すデータです。MODES クラス・レコードのレコード・タイプは2であり,サイズは監視対象システム上のアクティブCPU の数によって異なります。バイト単位で表されるサイズは, レコードに格納されるクラス・ヘッダ,クラス接頭辞, データ・ブロックのサイズを次の式で加算して求めます。この式では, すべてのCPUがアクティブであると仮定しています。

     13 + 8 (33 * MNR_SYI$B_MPCPUS)

次の図にMODESクラス・レコードの形式を示します。

図 H-16 MODESクラス・レコードの形式

次の表にMODESクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
CPU ID MNR_MOD$B_CPUID CPU ID (バイト,I)
Interrupt Stack MNR_MOD$L_ INTER システムをブートしてから割り込みスタックに使用した10 ミリ秒単位によるクロック・ティックの数(ロングワード,C)
MP Synchronization MNR_MOD$L_MPSYNC システムをブートしてから複数のCPU の同期をとるのに使用したクロック・ティックの数
Kernel MNR_MOD$L_KERNEL システムをブートしてからカーネル・モードで使用したクロック・ ティックの数。割り込みスタック時間を除く。(ロングワード, C)
Executive MNR_ MOD$L_EXEC システムをブートしてからエグゼクティブ・ モードで使用したクロック・ティックの数(ロングワード, C)
Supervisor MNR_MOD$L_ SUPER システムをブートしてからスーパバイザ・モードで使用したクロック・ ティックの数(ロングワード,C)
User MNR_MOD$L_USER システムをブートしてからユーザ・ モードで使用したクロック・ティックの数。 互換モード時間を除く。(ロングワード,C)
Compatibility MNR_MOD$L_COMPAT システムをブートしてから互換モードで使用したクロック・ティックの数( ロングワード,C)
Idle MNR_MOD$L_IDLE システムをブートしてからNULL プロセスの実行に使用したクロック・ティックの数(ロングワード, C)

H.4.2.10 MSCP_SERVERクラス・レコード

MSCP_SERVERクラス・レコードは,MSCPサーバの動作を示すデータです。 MSCP_SERVERクラス・レコードのレコード・タイプは21,サイズは65バイトです。

次の図にMSCP_SERVERクラス・レコードの形式を示します。

図 H-17 MSCP_SERVERクラス・レコードの形式

次の表にMSCP_SERVERクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Requests MNR_MSC$L_REQUEST 遠隔プロセッサによる入出力転送要求の数( ロングワード,C)
Reads MNR_MSC$L_READ 遠隔プロセッサによる読み込み転送要求の数(ロングワード, C)
Writes MNR_MSC$L_WRITE 遠隔プロセッサによる書き込み転送要求の数(ロングワード,C)
Fragments MNR_ MSC$L_FRAGMENT サーバが出力する追加フラグメントの数( ロングワード,C)
Splits MNR_MSC$L_SPLIT サーバが出力したフラグメンテーションされた要求の数( ロングワード,C)
Buffer Waits MNR_MSC$L_BUFWAIT MSCPバッファ・メモリの使用を待たなければならなかった要求の数( ロングワード,C)
1 Block I/Os MNR_MSC$L_SIZE1 1ブロックの長さの入出力要求の数( ロングワード,C)
2- 3 Block I/Os MNR_MSC$L_SIZE2 2 〜3ブロックの長さの入出力要求の数(ロングワード,C)
4-7 Block I/Os MNR_MSC$L_SIZE3 4〜7ブロックの長さの入出力要求の数(ロングワード,C)
8-15 Block I/Os MNR_MSC$L_SIZE4 8〜15ブロックの長さの入出力要求の数( ロングワード,C)
16-31 Block I/Os MNR_MSC$L_SIZE5 16 〜31ブロックの長さの入出力要求の数(ロングワード,C)
32-63 Block I/Os MNR_MSC$L_SIZE6 32〜63ブロックの長さの入出力要求の数(ロングワード,C)
64+ Block I/Os MNR_MSC$L_SIZE7 64ブロック以上の長さの入出力要求の数( ロングワード,C)

H.4.2.11 PAGEクラス・レコード

PAGEクラス・レコードは,ページ管理サブシステムの動作を示すデータです。PAGE クラス・レコードのレコード・タイプは3,サイズは65バイトです。

次の図にPAGEクラス・レコードの形式を示します。

図 H-18 PAGEクラス・レコードの形式

次の表にPAGEクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明をに示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Page Faults MNR_PAG$L_FAULTS すべてのワーキング・ セットのページ・フォルトの数(ロングワード,C)
Reads MNR_PAG$L_PREADS ページ・フォルトの結果ディスクから読み込んだページ数(ロングワード,C)
Read I/Os MNR_ PAG$L_PREADIO ディスク・ページ・フォルトの結果行われた読み込み動作の数( ロングワード,C)
Writes MNR_PAG$L_PWRITES ページ・ ファイルに書き込んだページ数(ロングワード,C)
Write I/Os MNR_PAG$L_PWRITIO ページ・ファイルへの書き込み動作数(ロングワード,C)
Free Page List Faults MNR_PAG$L_FREFLTS ページ・ フォルトの結果空きリストから読み込んだページ数(ロングワード, C)
Modified Page List Faults MNR_PAG$L_MFYFLTS ページ・ フォルトの結果変更済みリストから読み込んだページ数(ロングワード,C)
Demand-zero Faults MNR_PAG$L_DZROFLTS フォルトの結果設定された0 だけのページ数(ロングワード,C)
Global Valid Faults MNR_PAG$L_GVALID システム・ グローバル・ページ・テーブル内の正しい参照ページが対応するページ・ フォルトの数(ロングワード,C)
Write in Progress Faults MNR_PAG$L_WRTINPROG フォルト発生時にディスクに書き込み中であったプロセスに存在していた読み込み済みページ数( ロングワード,C)
System Faults MNR_PAG$L_SYSFAULTS システム空間に存在する参照ページが対応するページ・ フォルトの数(ロングワード,C)
Free Page Count MNR_PAG$L_FREECNT 現在空きページ・リストに存在するページ数( ロングワード,L)
Modified Page Count MNR_PAG$L_MFYCNT 現在変更済みページ・ リストに存在するページ数(ロングワード,L)

H.4.2.12 PROCESSESクラス・レコード

PROCESSESクラス・レコードは,システム内のすべてのプロセスを示すデータです。PROCESSES クラス・レコードのレコード・タイプは0であり,サイズは監視対象プロセス数によって異なります。 バイト単位によるサイズは, レコードに格納されるクラス・ヘッダ,クラス接頭辞,データ・ブロックのサイズを次の式で加算して求めます。

     13 + 8 + (63 * MNR_CMP$L_ELTCT の値)

次の図にPROCESSESクラス・レコードの形式を示します。

図 H-19 PROCESSESクラス・レコードの形式

次の表にPROCESSESクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Internal Process ID MNR_PRO$L_IPID 内部プロセスID ( ロングワード,I)
UIC MNR_PRO$L_UIC ユーザ識別コード。Groupは上位ワード,Member は下位ワード。(ロングワード,I)
State MNR_PRO$W_STATE 現在のスケジューリング状態コード( ワード,I)
Priority MNR_PRO$B_PRI 現在のソフトウェア優先順位(31 の補数)(バイト,I)
Name MNR_PRO$T_LNAME プロセス名( 指定された長さのASCII文字列)(16バイト,I)
Global Page Count MNR_PRO$L_ GPGCNT 現在のグローバル・ページ数(ロングワード,L)
Process Page Count MNR_PRO$L_PPGCNT 現在のプロセス・ページ数(ロングワード,L)
Status Flags MNR_PRO$L_STS ソフトウェア・プロセス状態フラグ。PCB$V_RES ビットがクリアされている場合は,スワップ・アウトされたことを示す。( ロングワード,I)
Direct I/Os MNR_PRO$L_DIOCNT 直接入出力数。 スワップ・アウトされている場合は0。(ロングワード, C)
Page Faults MNR_PRO$L_ PAGEFLTS ページ・フォルト数。スワップ・アウトされている場合は0 。(ロングワード,C)
CPU Time MNR_PRO$L_CPUTIM 10ミリ秒ティック単位による累積CPU 時間。スワップ・アウトされている場合は0。(ロングワード,C)
Buffered I/Os MNR_PRO$L_BIOCNT バッファード入出力数。スワップ・ アウトされている場合は0。(ロングワード,C)
Extended Process ID MNR_PRO$L_EPID 拡張プロセスID (ロングワード,I)
Event Flg Weight Mask MNR_PRO$L_EFWM イベント・フラグ待ちマスク。MWAITに使用。(ロングワード,I)
RBS Transitions MNR_PRO$L_RBSTRAN 実バランス・スロット遷移(ロングワード,C)

H.4.2.13 RMSクラス・レコード

RMSクラス・レコードは,指定のファイルに対するレコード管理サービスを示すデータです。RMS クラス・レコードのレコード・タイプは20です。 レコード・サイズは,レコードに格納されるクラス・ヘッダ,クラス接頭辞, データ・ブロックのサイズを,次の式で加算して求めます。

     13 + 8 + (273 * MNR_CMP$L_ELTCT)

次の図にRMSクラス・レコードの形式を示します。

図 H-20 RMSクラス・レコードの形式

次の表にRMSクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明をに示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
File Number (Num) MNR_RMS$B_FILNUM ファイルの通し番号(バイト,I)
File Organization MNR_RMS$L_ORG ファイルの編成(ロングワード,I)
Reserved MNR_RMS$L_RESERVED1 予約されている( ロングワード)
Sequential GETs MNR_RMS$L_SEQGETS ファイルに対する順次$GET の数(ロングワード,C)
Key GETs MNR_RMS$L_KEYGETS ファイルに対する, キーによる$GETの数(ロングワード,C)
RFA GETs MNR_RMS$L_RFAGETS ファイルに対するレコード・ファイル・アドレスによる,$GETの数( ロングワード,C)
GET Bytes MNR_RMS$Q_GETBYTES すべての$GETに要したバイト総数( クォドワード,C)
Sequential PUTs MNR_RMS$L_SEQPUTS ファイルに対する順次$PUT の数 (ロングワード,C)
Key PUTs MNR_RMS$L_KEYPUTS ファイルに対する, キーによる$PUTの数(ロングワード,C)
PUT Bytes MNR_RMS$Q_PUTBYTES すべての$PUTに要したバイト総数(クォドワード, C)
UPDATEs MNR_RMS$L_ UPDATES ファイルに対する$UPDATEの数(ロングワード,C)
UPDATE Bytes MNR_ RMS$Q_UPDATEBYTES すべての$UPDATEのバイト総数(クォドワード,C)
DELETEs MNR_ RMS$L_DELETES ファイルに対する$DELETEの数(ロングワード,C)
TRUNCATEs MNR_ RMS$L_TRUNCATES ファイルに対する$TRUNCATEの数(ロングワード,C)
TRUNCATE Blocks MNR_RMS$L_TRUNCBLKS すべての$TRUNCATEに要したブロック総数( ロングワード,C)
Sequential FINDs MNR_RMS$L_SEQFINDS ファイルに対する順次$FIND の数(ロングワード,C)
Key FINDs MNR_RMS$L_KEYFINDS ファイルに対する, キーによる$FINDの数(ロングワード,C)
RFA FINDs MNR_RMS$L_RFAFINDS ファイルに対する,レコード・ファイル・アドレスによる$FINDの数( ロングワード,C)
READs MNR_RMS$L_READS ファイルに対する$READの数(ロングワード,C)
READ Bytes MNR_RMS$Q_READBYTES ファイルに対するすべての$READ に要したバイト総数(クォドワード,C)
CONNECTs MNR_RMS$L_CONNECTS ファイルに対する$CONNECTの数(ロングワード,C)
DISCONNECTs MNR_RMS$L_DISCONNECTS ファイルに対する$DISCONNECTの数(ロングワード, C)
EXTENDs MNR_RMS$L_ EXTENDS ファイルに対する$EXTENDの数(ロングワード,C)
EXTEND Blocks MNR_RMS$L_EXTBLOCKS ファイルに対するすべての$EXTEND に要したブロック総数(ロングワード,C)
FLUSHes MNR_RMS$L_FLUSHES ファイルに対する$FLUSHの数(ロングワード,C)
REWINDs MNR_RMS$L_REWINDS ファイルに対する$REWINDの数(ロングワード,C)
WRITES MNR_RMS$L_WRITES ファイルに対する$WRITE の数(ロングワード,C)
WRITE Bytes MNR_RMS$Q_WRITEBYTES すべての$WRITEに要したバイト総数(クォドワード,C)
File Lock ENQs MNR_RMS$L_FLCKENQ ファイルに対するファイル・ロックENQの数(ロングワード,C)
File Lock DEQs MNR_RMS$L_FLCKDEQ ファイルに対するファイル・ ロックDEQの数(ロングワード,C)
File Lock Conversions MNR_RMS$L_FLCKCONVS ファイルに対するファイル・ロック変換の数(ロングワード, C)
Local Buffer ENQs MNR_ RMS$L_LBLCKENQS ファイルに対するローカル・バッファENQ の数(ロングワード,C)
Local Buffer DEQs MNR_RMS$L_LBLCKDEQS ファイルに対するローカル・ バッファDEQの数(ロングワード,C)
Local Buffer Conversions MNR_RMS$L_ LBLCKCNVS ファイルに対するローカル・バッファ変換の数( ロングワード,C)
Global Buffer ENQs MNR_RMS$L_GBLCKENQS ファイルに対するグローバル・ バッファENQの数(ロングワード,C)
Global Buffer DEQs MNR_RMS$L_ GBLCKDEQS ファイルに対するグローバル・バッファDEQ の数(ロングワード,C)
Global Buffer Conversions MNR_RMS$L_GBLCKCNVS ファイルに対するグローバル・バッファ変換の数(ロングワード, C)
Global Section ENQs MNR_RMS$L_GSLCKENQS ファイルに対するグローバル・ セクションENQの数(ロングワード,C)
Global Section DEQs MNR_RMS$L_GSLCKDEQS ファイルに対するグローバル・セクションDEQの数( ロングワード,C)
Global Section Conversions MNR_RMS$L_GSLCKCNVS ファイルに対するグローバル・ セクション変換の数(ロングワード, C)
Record Lock ENQs MNR_ RMS$L_RLCKENQS ファイルに対するレコード・ロックENQ の数(ロングワード,C)
Record Lock DEQs MNR_RMS$L_RLCKDEQS ファイルに対するレコード・ ロックDEQの数(ロングワード,C)
Record Lock Conversions MNR_RMS$L_RLCKCNVS ファイルに対するレコード・ロック変換の数(ロングワード,C)
Append Lock ENQs MNR_RMS$L_APPLCKENQS ファイルに対する追加ロックENQ の数(ロングワード,C)
Append Lock DEQs MNR_RMS$L_APPLCKDEQS ファイルに対する追加ロックDEQ の数(ロングワード,C)
Append Lock Conversions MNR_RMS$L_ APPLCKCNVS ファイルに対する追加ロック変換の数( ロングワード,C)
File Lock Blocking ASTs MNR_RMS$L_FLBLKASTS ファイルに対するファイル・ ロック・ブロッキングASTの数(ロングワード, C)
Local Buffer Blocking ASTs MNR_RMS$L_LBLBLKASTS ファイルに対するローカル・ バッファ・ブロッキングASTの数(ロングワード,C)
Global Buffer Blocking ASTs MNR_ RMS$L_GBLBLKASTS ファイルに対するグローバル・バッファ・ ブロッキングASTの数(ロングワード,C)
Append Lock Blocking ASTs MNR_RMS$L_ APPBLKASTS ファイルに対する追加ロック・ブロッキングAST の数(ロングワード,C)
Local Cache Hits MNR_RMS$L_LCACHEHITS ファイルに対するローカル・ キャッシュ・ヒットの数(ロングワード, C)
Local Cache Attempts MNR_RMS$L_LCACHEATT ファイルに対するローカル・ キャッシュの試みの数(ロングワード,C)
Global Cache Hits MNR_RMS$L_GCACHEHITS ファイルに対するグローバル・キャッシュ・ヒットの数( ロングワード,C)
Global Cache Attempts MNR_RMS$L_GCACHEATT グローバル・ キャッシュの試みの数(ロングワード,C)
Global Buffer Read I/Os MNR_RMS$L_GBRDIRIOS ファイルに対するグローバル・バッファ読み込み動作の数( ロングワード,C)
Global Buffer Write I/Os MNR_RMS$L_GBWDIRIOS ファイルに対するグローバル・ バッファ書き込み動作の数(ロングワード, C)
Local Buffer Read I/Os MNR_RMS$L_LBRDIRIOS ファイルに対するローカル・ バッファ読み込み動作の数(ロングワード,C)
Local Buffer Write I/Os MNR_RMS$L_ LBWDIRIOS ファイルに対するローカル・バッファ書き込み動作の数( ロングワード,C)
Bucket Splits MNR_RMS$L_BKTSPLT ファイルに対するバケット分割の数( ロングワード,C)
Multibucket Splits MNR_RMS$L_MBKTSPLT ファイルに対するマルチバケット分割の数(ロングワード,C)
Opens MNR_ RMS$L_OPENS ファイルをオープンした回数(ロングワード,C)
Closes MNR_ RMS$L_CLOSES ファイルをクローズした回数(ロングワード,C)
Reserved MNR_RMS$L_RESERVED2 予約されている(ロングワード)
Reserved MNR_RMS$L_ RESERVED3 予約されている(ロングワード)

H.4.2.14 SCSクラス・レコード

SCSクラス・レコードは,システム内のすべてのSCS (システム通信サービス) について,ノード別にSCS動作を示すデータです。SCSクラス・レコードのレコード・ タイプは15であり,サイズは監視対象ノード数によって異なります。 バイト単位によるサイズは,レコードに格納されるクラス・ヘッダ, クラス接頭辞,データ・ブロックのサイズを次の式で加算して求めます。

     13 + 8 + (56 * MNR_CMP$L_ELTCT の値)

次の図にSCSクラス・レコードの形式を示します。

図 H-21 SCSクラス・レコードの形式

次の表にSCSクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Node Name MNR_SCS$T_NODENAME 遠隔クラスタ・ ノードの名前(指定された長さのASCII文字列) (8バイト, I)
Datagrams Sent MNR_ SCS$L_DGSENT 遠隔ノードに送信したデータグラムの数( ロングワード,C)
Datagrams Received MNR_SCS$L_DGRCVD 遠隔ノードから受信したデータグラムの数( ロングワード,C)
Datagrams Discarded MNR_SCS$L_ DGDISCARD CIポート・ドライバが破棄したデータグラムの数( ロングワード,C)
Sequenced Messages Sent MNR_SCS$L_MSGSENT 遠隔ノードに送信したシーケンス・ メッセージの数(ロングワード,C)
Seqenced Messages Received MNR_ SCS$L_MSGRCVD 遠隔ノードから受信したシーケンス・メッセージの数( ロングワード,C)
Block Transfer Send-data commands MNR_SCS$L_SNDATS 遠隔ノードを送信先としてローカル・ノードで指定されたブロック転送データ送信の回数( ロングワード,C)
Kilobytes Sent by Send-data commands MNR_SCS$L_KBYTSENT データ送信の結果送信したKB数(ロングワード, C)
Block Transfer Request-data commands MNR_SCS$L_REQDATS 遠隔ノードを要求先としてローカル・ノードで指定されたブロック転送データ要求の回数( ロングワード,C)
Kilobytes Received by Request-data commands MNR_SCS$L_KBYTREQD データ要求の結果受信したKB数(ロングワード, C)
Block Transfer Kilobytes Mapped MNR_SCS$L_KBYTMAPD ブロック転送にマップされたKB数(ロングワード,C)
Connections Queued For Send Credit MNR_SCS$L_QCRCNT 送信クレジットのキューに接続が登録された回数( ロングワード,C)
Connections Queued For Buffer Descriptor MNR_SCS$L_QBDTCNT バッファ記述子のキューに接続が登録された回数(ロングワード, C)

H.4.2.15 STATESクラス・レコード

STATESクラス・レコードは,各スケジューラ状態にあるプロセスの数を示すデータです。STATES クラス・レコードのレコード・タイプは1,サイズは69 バイトです。

次の図にSTATESクラス・レコードの形式を示します。

図 H-22 STATESクラス・レコードの形式

次の表にSTATESクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Collided Page Wait MNR_STA$L_COLPG 競合ページ待ち状態にあるプロセスの数( ロングワード,L)
Misc Resource Wait MNR_STA$L_MWAIT その他の資源待ち状態にあるプロセスの数( ロングワード,L)
Common Event Flag Wait MNR_STA$L_CEF 共通イベント・ フラグ待ち状態にあるプロセスの数(ロングワード,L)
Page Fault Wait MNR_STA$L_PFW ページ・フォルト待ち状態にあるプロセスの数( ロングワード,L)
Local Event Flag, Inswapped MNR_STA$L_LEF ローカル・ イベント・フラグ待ち状態にある,スワップ・インされたプロセスの数( ロングワード,L)
Local Event Flag, Outswapped MNR_STA$L_LEFO ローカル・ イベント・フラグ待ち状態にある,スワップ・アウトされたプロセスの数( ロングワード,L)
Hibernate Inswapped MNR_STA$L_HIB ハイバネート待ち状態にある, スワップ・インされたプロセスの数(ロングワード, L)
Hibernate Outswapped MNR_STA$L_HIBO ハイバネート待ち状態にある, スワップ・アウトされたプロセスの数(ロングワード,L)
Suspended Inswapped MNR_STA$L_SUSP 中断待ち状態にある, スワップ・インされたプロセスの数(ロングワード, L)
Suspended Outswapped MNR_STA$L_SUSPO 中断待ち状態にある, スワップ・アウトされたプロセスの数(ロングワード, L)
Free Page Wait MNR_STA$L_FPG 解放待ち状態にあるプロセスの数( ロングワード,L)
Compute State Inswapped MNR_STA$L_COM 演算状態にある, スワップ・インされたプロセスの数(ロングワード,L)
Compute State Outswapped MNR_STA$L_COMO 演算状態にある, スワップ・アウトされたプロセスの数(ロングワード, L)
Current MNR_STA$L_ CUR 現在のプロセスの数(ロングワード,L)

H.4.2.16 SYSTEMクラス・レコード

SYSTEMクラス・レコードは,システムの主要構成要素であるCPU,メモリ, 入出力機構の全体的動作を示すデータです。SYSTEMクラス・レコードのレコード・ タイプは17,サイズは49バイトです。SYSTEMクラスを記録すると, 明示的に指定していない場合でも,PROCESSES,STATES,MODESの各クラスもともに記録されます。

次の図にSYSTEMクラス・レコードの形式を示します。

図 H-23 SYSTEMクラス・レコードの形式

次の表にSYSTEMクラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
CPU Busy MNR_SYS$L_BUSY システムをブートしてからすべてのCPU モードで使用した10ミリ秒単位によるクロック・ ティック数(ロングワード,C)
Other States MNR_SYS$L_OTHSTAT LEF,LEFO,HIB,HIBO,COM,COMO,PFW,MWAIT以外の状態にあるプロセスの数( ロングワード,L)
Process Count MNR_SYS$L_PROCS システム内のプロセスの数( ロングワード,L)
Page Faults MNR_SYS$L_FAULTS すべてのワーキング・ セットのページ・フォルト数(ロングワード,C)
Read I/Os MNR_SYS$L_PREADIO ディスク・ページ・フォルトの結果行われた読み込み動作の数( ロングワード,C)
Free Page Count MNR_SYS$L_FREECNT 現在空きページリストにあるページ数( ロングワード,L)
Modified Page Count MNR_SYS$L_MFYCNT 現在変更済みページ・リストにあるページ数(ロングワード,L)
Direct I/Os MNR_SYS$L_DIRIO 直接入出力動作の数(ロングワード,C)
Buffered I/Os MNR_ SYS$L_BUFIO バッファード入出力動作の数(ロングワード,C)

H.4.2.17 TRANSACTIONクラス・レコード

TRANSACTIONクラス・レコードは,DECdtmトランザクション・マネージャの動作を示すデータです。TRANSACTION クラス・レコードのレコード・タイプは22 ,サイズは69バイトです。

次の図にTRANSACTIONクラス・レコードの形式を示します。

図 H-24 TRANSACTIONクラス・レコードの形式

次の表にTRANSACTIONクラス・レコード・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Starts MNR_TRA$L_STARTS 始動したトランザクション動作の数。 システム・サービス$START_TRANSが正常終了した回数(ロングワード,C)
Prepares MNR_TRA$L_PREPARES 作成されたトランザクションの数( ロングワード,C)
One Phase Commits MNR_TRA$L_ONE_PHASE 1フェーズのコミット・ イベントを呼び出した回数(ロングワード,C)
Commits MNR_TRA$L_COMMITS コミットしたトランザクションの数。1フェーズ・コミットと2フェーズ・ コミットの合計(ロングワード,C)
Aborts MNR_TRA$L_ABORTS アボートしたトランザクションの数。 計画アボートと非計画アボートの合計(ロングワード,C)
Ends MNR_ TRA$L_ENDS 終了したトランザクションの数。$END_ TRANSが正常終了した回数(ロングワード,C)
Branches MNR_TRA$L_BRANCHS 遠隔の親に対する遠隔始動ブランチ動作の数( ロングワード,C)
Adds MNR_TRA$L_ADDS 遠隔の下位の親に対する遠隔追加ブランチ動作の数(ロングワード, C)
0-1 Transactions MNR_ TRA$L_BUCKETS1 1秒未満のトランザクションの数(ロングワード,C)
1-2 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS2 1〜2 (1.99)秒のトランザクションの数( ロングワード,C)
2-3 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS3 2〜3 秒のトランザクションの数(ロングワード,C)
3-4 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS4 3〜4秒のトランザクションの数(ロングワード,C)
4-5 Transactions MNR_TRA$L_ BUCKETS5 4〜5秒のトランザクションの数(ロングワード,C)
5+ Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS6 5秒を超えるトランザクションの数( ロングワード,C)

H.4.2.18 VBSクラス・レコード(VAXのみ)

VAXシステムにおいて,VBSクラス・レコードには仮想バランス・スロット(VBS) 機構の操作に関する統計情報が格納されます。VBSクラス・レコードは, レコード・タイプが24で,サイズは21バイトです。

次の図はVBSクラス・レコードの形式を示しています。

図 H-25 VBSクラス・レコードの形式(VAXのみ)

次の表はVBSクラス・レコードのデータ・ブロックのフィールドを示しています。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
VBS Faults MNR_VBS$L_VRBS_TRAN 仮想バランス・ スロットから実バランス・スロットへのフォルトの数(ロングワード,C)
VBS Clock Ticks MNR_VBS$L_VCPUTICKS 仮想バランス・スロット・クロック・ ティックの数(10ミリ秒単位) (ロングワード,C)

H.4.2.19 VECTORクラス・レコード

VECTORクラス・レコードは,ベクタ機能付きプロセッサにベクタ使用プロセスがスケジューリングされた時間を示すデータです。VECTOR クラス・レコードのレコード・ タイプは23であり,サイズは,システム内のアクティブ・ プロセッサの数によって異なります。すべてのプロセッサがアクティブであると仮定した場合, レコードに格納されるクラス・ヘッダ,クラス接頭辞およびデータ・ ブロックを次の式で加算してサイズを求めます。

             13 + (5 * MNR_SYI$B_VPCPUS)

次の図にVECTORクラス・レコードの形式を示しています。

図 H-26 VECTORクラス・レコードの形式

次の表にVECTORクラス・レコード・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
CPU ID MNR_VEC$B_CPUID データの収集元であるプロセッサのID (1 バイト)
Ticks MNR_ VEC$L_TICKS ベクタ使用プロセスがプロセッサにスケジューリングされた10 ミリ秒単位のクロック・ティック数(1ロングワード)

VECTORクラスをサポートするため,システム情報レコードのMNR_SYI$B_ VPCPUSとMNR_SYI$L_VPCONFが使用されます。これらの項目の詳細については, 第H.3.2項の表を参照してください。


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