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16 DCLディクショナリ - P -


PASSWORD

カード・リーダからバッチ・ジョブをキューに登録する際に, JOBカードに指定したユーザ名に対応するパスワードを与えます。 PASSWORDカードは省略できませんが, そのアカウントが空文字列のパスワードを持つ場合には, カード上のパスワードは省略できます。

PASSWORDコマンドは, カード・リーダからジョブをキューに登録する場合にのみ有効です。 カード上のPASSSWORDコマンドの前には,ドル記号($)が必要です。

フォーマット

     PASSWORD  [パスワード] 

注意
パスワードを変更する場合は,SET PASSWORDコマンドを使用します。 SET PASSWORDコマンドについて詳細は,SET PASSWORDの説明を参照してください。

パラメータ

パスワード

JOBコマンドに指定されているユーザ名に対応するパスワードを指定します。 パスワード・パラメータは,1文字から31文字までの長さです。

空文字列のパスワードを持つアカウントから,ジョブをキユーに登録する場合には, PASSWORDカード上のパスワードは省略します。

説明

PASSWORDコマンドは,JOBコマンドとともに使用されます。 JOBカードはカード・リーダからバッチ・ジョブをキューに登録したユーザを識別します。 その後,パスワードを与えるPASSWORDコマンドを実行します。 ここで指定したパスワードが, JOBカードでのユーザ名に対応するパスワードと一致するかどうか, システムがチェックします。 パスワードが一致しない場合,ジョブは拒否されます。

PASSWORDカードを使用する時に他のユーザにパスワードを見られないように, PASSWORDカードに最初に穴を開ける時,プリンティングを抑止したい場合もあります。


  1. JOBおよびPASSWORDコマンドを実行してから, カード・リーダからバッチ・ジョブをキューに登録しています。 EOJコマンドは,ジョブの終了を示します。


PATCH (VAX のみ)

VAXシステムで,実行可能イメージ,共用可能イメージ, デバイス・ドライバ・イメージにパッチを行うPatchユーティリティを起動します。

Patchユーティリティについての詳細は,『OpenVMS VAX Patch Utility Manual』 またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

    PATCH   ファイル指定


PHONE

Phoneユーティリティを起動します。 Phoneユーティリティを使用すると,同一システム上の他のユーザ, またはDECnet for OpenVMS により使用しているシステムに接続している他のシステムのユーザと通信することができます。

Phoneユーティリティについての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     PHONE  [phoneコマンド] 


PIPE

同じコマンド行から,1つまたは複数のDCLコマンド文字列を実行します。 PIPEコマンドを使用すると,コマンド・パイプライン動作,入出力リダイレクト, および条件付きバックグラウンド実行など, UNIXスタイルのコマンド処理を実行できます。

フォーマット

     PIPE  コマンド・シーケンス  [区切り文字 コマンド・シーケンス]... 

パラメータ

コマンド・シーケンス

DCLコマンド,パイプライン,またはサブシェルを指定します。

コマンド・シーケンスでは,入出力をリダイレクトできます。 山括弧(>または<)の前にあるコマンドは,実行中,SYS$INPUT,SYS$OUTPUT, またはSYS$ERRORを再定義します。 PIPEコマンドでは山括弧が入出力リダイレクト構文と解釈されるため, PIPEコマンドでディレクトリ指定を表すために山括弧(<>)を使用することはできません。

区切り文字

PIPEコマンドで指定されたコマンド・シーケンスが処理する動作を決定します。 有効なPIPE区切り文字を表 16-1に示します。

表 16-1 PIPEコマンドの区切り文字

区切り
文字
動作
| 基本的なパイプの区切り文字。パイプあるいはパイプライン・セグメント・ コマンドのSYS$OUTPUTを, 次のパイプライン・セグメント・コマンドのSYS$INPUTに接続します。
; 順次実行。セミコロン(;)の後のコマンド・シーケンスは, 先行するコマンド・シーケンスの終了後に実行されます。 この区切り文字の前には,空白を入れなければなりません。空白を入れないと, レコード管理システム(RMS)ファイル指定のバージョン番号区切り文字として解析されます。
&& 条件付き実行(成功時)。2個のアンパサンド(&&)の後のコマンド・シーケンスは, 先行するコマンド・シーケンスが成功した場合にだけ実行されます。
|| 条件付き実行(失敗時)。2個の縦線(||)の後のコマンド・シーケンスは, 先行するコマンド・シーケンスが失敗した場合にだけ実行されます。
& バックグラウンド実行。 アンパサンド(&)に先行するすべてのコマンド・シーケンスが, サブプロセス環境で非同期に実行されます。 &区切り文字は,SPAWN/NOWAITコマンドに似ています。

注意:スペースをはさまずに文字列に先行するアンパサンドは, バックグラウンド実行構文でなく,従来のDCLシンボル置換式として解析されます。

@TEE コマンド・ファイルTEE.COM。 出力を2つのターゲットにリダイレクトするために使用されます (たとえば,1つの出力をパイプラインの次のコマンドにリダイレクトし, もう1つをファイルにリダイレクトする場合など)。 TEE.COMの使用法については,例を参照してください。

PIPEコマンド行では,&が最高優先順位を持ち,"|",";","&&",および "||" が同じ優先順位でそれに続きます。

説明

PIPEコマンドを使用すると,単一のコマンド行で複数のDCLコマンドを実行して, UNIXスタイルのコマンド処理を実行できます。 PIPEコマンドを使用すると,以下の方法でDCLコマンドを実行することができます。

Ctrl/Yを押すと,PIPEコマンドに割り込みをかけることができます。 PIPEコマンドがパイプラインまたはサブシェル・コマンド・シーケンスを実行していると, コマンド・シーケンスおよびPIPEコマンドは削除されます。この場合, 割り込み直後にCONTINUEコマンドを入力しても,PIPEコマンドの実行は再開されません。

PIPEコマンドが, サブシェルまたはパイプライン・コマンド・シーケンス以外のコマンド・シーケンスを実行していた場合, DCLは,コマンド・シーケンスがPIPEコマンド動詞なしで入力され, Ctrl/Yで割り込みをかけられたように動作します。 Ctrl/Y割り込みについての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 を参照してください。

PIPEコマンドの戻り状態は,最後に実行されたコマンド・シーケンスの戻り状態です。 各コマンド・シーケンスは,実行を終了すると, グローバル・シンボル$STATUSに戻り値を設定します。

PIPEコマンドをON条件処理でコマンド・プロシージャで実行すると, コマンド・シーケンスの条件付き実行(&&, ||)は, 先にON条件文で指定された動作より優先します。

DCLコマンドの制限事項

PIPEコマンドは,そのコマンド・シーケンス用に特殊な実行コンテキストを作成します。 一部のDCLコマンドは,このコンテキストで動作しないか,新しい動作を示します。 次に,そのコマンドを示します。

サブプロセスの性能改善

PIPEコマンドは,実行中に多数のサブプロセスを作成できます。 通常,コマンド・シーケンスで起動されるアプリケーションは, プロセスの論理名とシンボル名に依存しません。 この場合,/NOLOGICAL_NAMESおよび/NOSYMBOLS修飾子を使用すると, サブプロセスを素早く作成できます。 この修飾子により,プロセスの論理名とシンボルは, PIPEコマンドで作成されたサブプロセスに渡されなくなります。

入出力リダイレクト

DCLのユーザは,DEFINEまたはASSIGNコマンドを使用して, SYS$INPUT,SYS$OUTPUT,またはSYS$ERRORをリダイレクトできます。 このようなリダイレクトは,ユーザ・モード(/USER_MODE修飾子を使用) またはスーパーバイザ・モード(/SUPERVISOR_MODE修飾子を使用) のリダイレクトとして実行できます。ユーザ・モード・リダイレクトは, 次のユーザ・モード・イメージの環境だけに影響します。

PIPEコマンドでは,リダイレクトは,リダイレクト構文を使用して実行できます。 PIPEコマンドのリダイレクトは,次のように, DEFINEまたはASSIGNコマンドで生成されるリダイレクトとはまったく違います。

SYS$OUTPUTをリダイレクトすると, コマンド・シーケンスが実際にSYS$OUTPUTに書き込むかどうかにかかわらず, 常にリダイレクトされた出力ファイルが作成されます。 リダイレクトされた出力ファイルと同じ名前を持つファイルのバージョンがすでに存在する場合, そのファイルの新しいバージョンが作成されます。 この動作は,スーパーバイザ・モードでDEFINEまたはASSIGNコマンドを使用して, SYS$OUTPUTを再定義する場合と同じです。 リダイレクトされたファイルは, コマンド・シーケンスが実行される前に作成されることに注意してください。 次の例のように, リダイレクトされたファイルがコマンド・シーケンスでも使用される場合は, 操作が失敗することがあります。

     $ PIPE SEARCH TRANS.LOG "alpha"> TRANS.LOG

     %SEARCH-W-OPENIN, error opening TRANS.LOG;2 as input
     -RMS-E-FLK, file currently locked by another user

この例では,新しいバージョンのTRANS.LOGが作成され, 書き込みアクセス用にオープンされます。 次に,SEARCHコマンドが,前のバージョンでなく,最新バージョンの TRANS.LOG の読み込みアクセスを獲得しようとします。

SYS$ERRORをリダイレクトすると,リダイレクトされたエラー・ファイルは, コマンド・シーケンスが実行中に実際にSYS$ERRORに書き込む場合にだけ作成され, リダイレクトされたエラー・ファイルと同じ名前を持つファイルは, はじめからは存在しません。 リダイレクトされたエラー・ファイルと同じ名前を持つファイルがすでに存在する場合は, そのファイルがリダイレクトされたエラー・ファイルとしてオープンされます。 次に,このコマンド・シーケンスで作成されたエラー出力が, リダイレクトされたエラー・ファイルの最後に追加されます。 この動作は,スーパーバイザ・モードでDEFINEまたはASSIGNコマンドを使用して, SYS$ERRORを再定義する場合と同じです。

パイプラインおよびTEE

この節では,パイプラインのコンテキストで一部異なるDCLの機能について説明します。

次の構造のいくつかは,TEEを実現するために使用されます。

SYS$COMMANDの使用方法

サブプロセスのSYS$COMMANDは,通常, そのSYS$INPUT(コマンド・プロシージャが関係しない場合)と同じです。 ただしパイプラインでは,サブプロセスのSYS$COMMANDは, 先行するパイプ(パイプライン・セグメント・コマンドのSYS$INPUT)でなく, 親プロセスのSYS$COMMANDに設定されます。

TEEおよびSYS$PIPEの使用方法

ほとんどの場合,パイプからの入力は, SYS$INPUTからデータを読み込むことにより取得できます。ただし, コマンド・プロシージャがパイプライン・セグメント・コマンドとして起動される場合は, SYS$INPUTはコマンド・プロシージャ・ファイルにリダイレクトされます。 コマンド・プロシージャの中でパイプからデータを取得するには, 論理名SYS$PIPEを使用できます。

次に,パイプラインDCLアプリケーション例TEE.COMを示します。

     $ ! TEE.COM - command procedure to display/log data flowing through
     $ !           a pipeline
     $ ! Usage: @TEE log-file
     $
     $ OPEN/WRITE  tee_file 'P1'
     $ LOOP:
     $  READ/END_OF_FILE=EXIT  SYS$PIPE LINE
     $  WRITE SYS$OUTPUT LINE ! Send it out to the next stage of the pipeline
     $  WRITE tee_file LINE   ! Log output to the log file
     $  GOTO LOOP
     $ EXIT:
     $  CLOSE tee_file
     $  EXIT

TEE.COMを使用するPIPEコマンドは,次のようになります。

     $ PIPE  SHOW SYSTEM | @TEE showsys.log | SEARCH SYS$INPUT LEF

コマンド・プロシージャTEE.COMは,パイプラインを流れるデータを記録します。 データは,SYS$INPUTでなく,SYS$PIPEから読み込まれます。

パイプラインのイメージ・チェック

パイプラインでは, PIPEコマンドを入力する前にSET VERIFY=IMAGEコマンドを実行した場合でも, 省略時の設定でイメージ・チェックはオフになっています。 これにより,データ・レコードが,重複してパイプラインを通過しないようになります。

パイプラインでのイメージ・チェックをオンにするには, パイプライン・セグメント・コマンドの前に明示的に SET VERIFY=IMAGEコマンドを使用しなければなりません。 この場合は,次のようにサブシェルを使用できます。

     $ PIPE ... | (SET VERIFY=IMAGE ; ...)  | ...

パイプラインでのファイル・アクセス方法

パイプライン・セグメント・コマンドは,パイプとの読み込みと書き込みに, RMS順編成ファイル・アクセス方法しか使用できません。 一部のOpenVMSユーティリティは,順次アクセス以外の方法を使用して, 入力ファイルと出力ファイルにアクセスすることがあります。 これらの操作は,パイプラインではサポートされていないので失敗します。 次の例を参照してください。

     $ PIPE CC/NOOBJ/NOLIS TEST.C | SEARCH SYS$INPUT -
     _$ /WIND=(1,1) "%cc-w-"

     %SEARCH-F-RFAERR, RMS error using RFA access
     -RMS-F-RAC, invalid record access mode

この例で,SEARCHコマンドの/WINDOW修飾子には, 相対編成ファイル・アクセス方法が必要です。

修飾子

/LOGICAL_NAMES(省略時)
/NOLOGICAL_NAMES

プロセスの論理名と論理名テーブルを, コマンド・シーケンスのサブプロセスにコピーします。 省略時の設定では,明示的にCONFINE のマークが付いたものとエグゼクティブ・モードまたはカーネル・モードで作成されたものを除き, すべてのプロセス論理名と論理名テーブルがサブプロセスにコピーされます。

/PRIVILEGES={CURRENT|AUTHORIZED}

サブプロセスが,現在のプロセスの現在の特権と許可されている特権のどちらを, 許可された特権として継承するかを決定します。省略時の設定では, サブプロセスの許可された特権マスクは,作成者の現在の特権から継承されます。 これは,/PRIVILEGES=CURRENTに対応します。 /PRIVILEGES=AUTHORIZED修飾子を指定すると,サブプロセスの許可された特権は, 作成者の許可された特権から継承されます。

/SYMBOLS(省略時)
/NOSYMBOLS

($RESTART,$SEVERITY,および$STATUSを除く) グローバル・シンボルとローカル・シンボルを, サブプロセスへ渡すかどうかを指定します。 $RESTART,$SEVERITY,および $STATUSシンボルは,サブプロセスに渡されません。

/TRUSTED
/NOTRUSTED

PIPEコマンドの入力が, 信用できるコマンド・プロシージャから行われることを指定します。 PIPEコマンドは,CAPTIVEアカウントでは使用できません。/TRUSTED修飾子は, コマンドの入力がキャプティブ・コマンド・プロシージャ内の信用できる場所で行われる場合, 正しくコーディングされたキャプティブ・コマンド・プロシージャが, PIPE操作を実行する方法を提供します。 信用できるコマンド・プロシージャについての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

  1. $ PIPE SHOW SYSTEM | SEARCH SYS$INPUT HIB
    
    この例は,1つのコマンドでパイプライン機能を使用して, システムのすべてのハイバネート・プロセスを特定します。

  2. $ PIPE RUN TEST | SORT/SPECIFICATION=TEST.SRT -
    _$ SYS$INPUT SYS$OUTPUT | DIFF SYS$INPUT  TEST.BENCHMARK
    
    この例は,1つのコマンドでパイプライン機能を使用して, 不要な中間ファイルを生成せずにテストを実行し,結果をソートし, 結果をベンチマーク・ファイルと比較します。

  3. $ PIPE (SET DEF WRK$:[WORK] ; RUN REPORT ) | MAIL SYS$INPUT SMITH
    
    この例は,パイプラインで, サブシェルをパイプ・セグメント・コマンドとして指定する1つの方法を示しています。

  4. $ more :== TYPE/PAGE=SAVE SYS$INPUT
    $ PIPE    ANA/RMS PAGE.TXT | more
    
    Check RMS File Integrity              26-JAN-1998 16:12:00.06  Page 1
    SYS$SYSDEVICE:[TEST]PAGE.TXT;2
    
    FILE HEADER
    
        File Spec: SYS$SYSDEVICE:[TEST]PAGE.TXT;2
        File ID: (4135,58220,0)
        Owner UIC: [PIPE]
        Protection:  System: RWED, Owner: RWED, Group: RE, World:
        Creation Date:   26-NOV-1998 16:08:50.05
        Revision Date:   26-NOV-1998 16:09:09.06, Number: 1
        Expiration Date: none specified
        Backup Date:     none posted
        Contiguity Options:  none
        Performance Options: none
        Reliability Options: none
        Journaling Enabled:  none
    
    RMS FILE ATTRIBUTES
    
    RETURN/SPACE=More,PREV/NEXT=Scroll,INS/REM=Pan,SELECT=80/132,Q=Quit
    
    この例は,パイプラインの中で/PAGE修飾子を使用する方法を示しています。 /PAGE機能は,他の多数のDCLコマンドにも存在し, 同じようにPIPEコマンドと組み合せて使用して他の有用なツールを作ることができます。

  5. $ ! TEE.COM - command procedure to display/log data flowing through
    $ !           a pipeline
    $ ! Usage: @TEE log-file
    $
    $ OPEN/WRITE  tee_file 'P1'
    $ LOOP:
    $  READ/END_OF_FILE=EXIT  SYS$PIPE LINE
    $  WRITE SYS$OUTPUT LINE ! Send it out to next stage of the pipeline
    $  WIRTE tee_file LINE ! Log output to the log file
    $  GOTO LOOP
    $ EXIT:
    $  CLOSE tee_file
    $  EXIT
    
    これは,パイプラインDCLアプリケーションTEE.COMの例です。

    TEE.COMを使用するPIPEコマンドは次のように指定することができます。

    $ PIPE  SHOW SYSTEM | @TEE showsys.log | SEARCH SYS$INPUT LEF
    
    コマンド・プロシージャTEE.COMは, パイプラインを通じて送信されるデータのログを記録するために使用されています。 これは,SYS$INPUTではなくSYS$PIPEからのデータを読み込ます。

  6. $ CD_WORK :== PIPE  SAVE_DIR=F$DIRECTORY() ; SET DEFAULT FOO:[WORK]
    $ BACK  :== SET DEF 'SAVE_DIR'
    $
    $ CD_WORK  ! Switch to working directory
    $     :
    $     :
    $ BACK     ! Switch back to home directory
    $ GET_RECORD :== PIPE READ/END_OF_FILE=CLEANUP IN RECORD ; -
                                    F$EDIT(RECORD, "COMPRESS, TRIM")
    $
    $ OPEN IN EMPLOYEE.DAT
    $ LOOP:
    $ GET_RECORD
    $    :
    $    :
    $ GOTO LOOP
    $
    $ CLEAN_UP:
    $    :
    
    この例は,シンボル定義を持つ複数のコマンドを使用して, コマンド・プロシージャに有用なツールを作成する2つの簡単な方法を示しています。

  7. $ PIPE cc foo.c && link foo, sys$library:vaxcrtl.olb/lib
    
    コンパイルでエラーが発生しない場合, オブジェクト・ファイルは実行可能イメージを生成するためにリンクされます。 コンパイル・エラーが発生すると,リンク・ステップはスキップされます。

  8. $
    $ PIPE RUN COLLECT_DATA.EXE || GOTO CLEAN_UP
    $       :
    $       :
    $ EXIT
    $
    $ CLEAN_UP:
    $       :
    $       :
    
    条件付きコマンド実行を使用すると, コマンド・プロシージャの中に単純なエラー処理制御フローを簡単に設定できます。 COLLECT_DATAイメージが失敗すると,制御がCLEAN_UPに移ります。

  9. $ PIPE COPY LARGE_FILE.DAT REMOTE"user password"::[DESTINATION]*.*  &
    
    このPIPEコマンドは, 大型ファイルのコピーを処理するバックグラウンド・プロセスを作成します。

  10. $ PIPE (SET DEF [.DATA_DIR] ; BACKUP  DATA.SAV/SAV [...]) ; RUN FOO
    
    サブシェル・コマンド・シーケンスは,サブプロセスで実行されます。 つまり,プロセス固有特性(たとえば,省略時のディレクトリ)を変更しても, サブシェルの終了後,現在のプロセスに影響しません。 この例では,プログラムFOOを実行するのに必要なデータを提供するため, セーブ・セットがザブディレクトリに復元されます。


PPPD

Point-to-Point Protocolユーティリティ(PPPD)を起動します。 PPPDを使用すると,非同期シリアル・データ回線の, インターネット・プロトコル(IP)によるネットワーク接続を開始して管理できます。 PPPDを使用すると,OpenVMS Alphaのネットワーキング機能が拡張し, 次のことを実行できます。


注意
このユーティリティは,ネットワーク登録処理中に TCP/IPプロバイダによって使用許可されます。 次のエラー・メッセージのいずれかを受け取った場合は,システム管理者に問い合せて, PPPDがネットワークで現在使用できるかどうかを確かめてください。
  %PPPD-E-PPPNOTAVAIL, point-to-point driver is not installed
  %PPPD-E-NOTREG, network protocol has not been registered
ネットワーク登録については,SET NETWORKコマンドを参照してください。

PPPDについての詳細は,『TCP/IP Networking on OpenVMS Systems』 を参照してください。このユーティリティをサポートする非同期(ASN) およびPPPデバイス・ドライバについての詳細は, SYS$SYSROOT:[SYSHLP.EXAMPLES.PPPD.DOC]ディレクトリにあるファイル PPP_INTERFACES.PSおよびPPP_INTERFACES.TXT に含まれているマニュアルを参照してください。

フォーマット

     PPPD   [サブコマンド]... 


PRINT

印刷するために,1つまたは複数のファイルを出力キューに登録します。

ファイルに対する読み込み(R)アクセス権, およびキューに対するサブミット(S)アクセス権が必要です。

特定のプリント・シンビオントに固有の関数を指定するには, /PARAMETERS修飾子を使用します。

フォーマット

     PRINT  ファイル指定[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

印刷する1つまたは複数のファイルを指定します。 ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセンテージ記号(%))は, ディレクトリ指定,ファイル名,ファイル・タイプとバージョン番号に使用できます。 ファイル・タイプを指定しない場合には,前に指定したファイル・タイプを使用します。 前のファイル指定にもファイル・タイプが明示的に指定されていない場合には, 省略時の設定としてLISを使用します。

2つ以上のファイルを指定する場合には, 各ファイル指定をコンマ(,)またはプラス記号(+)で区切ります。

ノード名を指定する場合は,/REMOTE修飾子を使用しなければなりません。

説明

PRINTコマンドは,指定されたファイルを印刷するために出力キューに登録します。 このキューの省略時の設定は,SYS$PRINTです。 単一のPRINTコマンドでキューに登録したすべてのファイルは, 1つのジョブとして連続的に処理されます。 プリント・ジョブの省略時の名前は, PRINTコマンドに指定された最初のファイルの名前です。

システムは,キューに登録されるプリント・ジョブごとに一意の エントリ番号を割り当てます。 PRINTコマンドを入力すると,省略時の設定でジョブ名,キュー名,エントリ番号, およびジョブの状態が表示されます。

PRINTまたはSUBMITコマンドが正常終了すると, ローカル・シンボル$ENTRYが自動的に作成または更新されます。 $ENTRYの値は,最後にキューに登録されたジョブのエントリ番号を表す文字列です。 後でジョブのエントリ番号を参照したい場合は, $ENTRYの値を別のシンボルに保存してください。

プリント・ジョブをキューに登録すると, プリント・ジョブの実行の前にさらに新しいバージョンが作成された場合でも, キューに登録したバージョンのファイルが印刷されます。 また,キューに登録したファイルを, そのファイルと同じ名前とバージョン番号を持つ別のファイルで置き換えることはできません。

修飾子

/AFTER=時刻
/NOAFTER

プリント・ジョブを指定した時間まで保留します。 時刻は,絶対時刻または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせで指定できます。 指定された時刻がすでに経過している場合には,ジョブは印刷のために, 直ちにキューに登録されます。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BACKUP
/NOBACKUP

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 最新のバックアップの日付をもとに,ファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性でファイルを選択する,/CREATED修飾子, /EXPIRED修飾子,および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子がすべて指定されなかった場合, 省略時の設定として/CREATED修飾子が指定されたものとみなします。

/BEFORE[=時刻]
/NOBEFORE

指定した時刻以前の日付のファイルだけを選択します。 時刻は,絶対時刻として,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせで指定できます。 また,BOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW, およびYESTERDAYというキーワードを使用できます。 ファイル選択の基準として使用する時刻属性は,/BACKUP, /CREATED(省略時の設定), /EXPIRED,または/MODIFIEDのいずれかの修飾子で指定します。

値の指定についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BURST[=キーワード]
/NOBURST

位置修飾子

ファイルの前に, バースト・バーを挟んだ2枚のフラグ・ページを印刷するかどうかを制御します。 /BURST修飾子が,PRINTコマンドとファイル指定( 1つまたは複数) の間に指定されている場合には,この修飾子に対して, ALLまたはONEというキーワードを使用できます。

ALL ジョブ内のファイルの前に,フラグ・ページとバースト・バーを印刷します。
ONE ジョブ内の最初のファイルに対してだけ, フラグ・ページとバースト・バーを印刷します。

マルチ・ジョブの個々のファイルに対して/BURST修飾子を適用するためには, フラグ・ページとバースト・バーを印刷する各ファイルのすぐあとに, この修飾子を指定しなければなりません。

使用している出力キューに対して設定されている,システム定義の省略時の値 (/DEFAULTオプション)を無効にするためには,/[NO]BURST修飾子を使用します。 ただし,/[NO]BURST修飾子はキューに設定されている /SEPARATE修飾子によるオプションは変更できません。

/BURST修飾子をファイルに指定した場合には, /[NO]FLAG修飾子を指定しても,出力ファイルの前に印刷される 2枚のフラグ・ページに追加または削除することはできません。

/BY_OWNER[=利用者識別コード]
/NOBY_OWNER

ファイルの所有者の利用者識別コード(UIC)が, 指定した所有者UICと一致する場合だけ,1つまたは複数のファイルを選択します。 /BY_OWNER修飾子だけを指定し,UICを省略した場合には, 現在のプロセスのUICが省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』 に説明されている標準的なUIC形式を使用して指定します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])

ジョブに関連する1つまたは複数の属性の名前または番号を指定します。 属性で,インクの色などを示すことができます。 属性を1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。

属性番号は,0〜127までの値です。現在のシステムに対して, どの属性が定義されているかを調べるには, SHOW QUEUE/CHARACTERISTICSコマンドを使用します。 また,特定のキューで使用できる属性を調べるには, SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。

ジョブの属性がキュー属性に含まれる場合, プリント・ジョブはそのプリンタ・キューで実行されます。ただし, ジョブが登録されるキューに指定されていない属性をジョブに指定した場合には, ジョブは以下の条件のいずれかが満たされるまで, 待ち状態のままで実行されません。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

印刷のためにキューに登録する前に,各ファイルに対する操作の実行を確認するために, プロンプトが表示されるかどうかを制御します。 システムがプロンプトを表示したら,次のいずれかの応答を入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語で応答する場合には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 単語での応答は,1文字または複数の文字に短縮できます (たとえば,TRUEはT, TR,またはTRUに短縮することができます)。 肯定応答はYES,TRUE,1です。否定応答はNO,FALSE,0,<RET>です。 QUITおよびCTRL/Zは,その時点でコマンドの処理を停止するときに使用します。 ALLと応答した場合には,コマンドは処理を継続しますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記に示されていない応答を入力すると,DCLはエラー・メッセージを出力し, 同じプロンプトがもう一度表示されます。

/COPIES=n

位置修飾子

そのファイルを何部印刷するかを指定します。 コピーの数(n)は,1から255までの範囲です。 省略時には,指定したファイル(1つまたは複数)を1部だけ印刷します。 PRINTコマンド名の直後に/COPIES修飾子を指定する場合, パラメータ・リストに含まれる各ファイルは,指定した回数だけ印刷されます。 ファイル指定のあとに/COPIES修飾子を指定する場合には, そのファイルだけが指定した回数だけ印刷されます。

/CREATED (省略時の設定)
/NOCREATED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 作成日をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性でファイルを選択する,/BACKUP修飾子, /EXPIRED修飾子,および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子がすべて指定されなかった場合, 省略時の設定として/CREATED修飾子が指定されたものとみなします。

/DELETE
/NODELETE (省略時の設定)

位置修飾子

印刷したあと,ファイルを削除するかどうかを制御します。 PRINTコマンドの直後に/DELETE修飾子を指定すると, 指定したファイルはすべて削除されます。 ファイル指定のあとに/DELETE修飾子を指定する場合には, そのファイルだけが印刷後に削除されます。

ファイルに適用される保護には, 現在のUICに対する削除(D)アクセスが許可されていなければなりません。 ジョブの登録時に削除アクセス権が必要であり, またジョブの終了時にシステムがファイルを削除する際に削除アクセス権が必要です。

/DEVICE=キュー名[:]

省略時のSYS$PRINTではなく,指定したキューにプリント・ジョブを登録します。 /DEVICE修飾子は/QUEUE修飾子と同意語ですが, 弊社が特殊な目的で使用するために予約している修飾子です。 したがって,この修飾子を使用することは望ましくありません。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])
/NOEXCLUDE

指定したファイル指定に一致するファイルを,印刷操作から除外します。 ファイル指定にディレクトリ指定を含むこともできますが, 装置指定を含むことはできません。 ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセンテージ記号(%))を使用できます。 ただし, 特定のバージョンを除外するために相対バージョン番号を指定することはできません。 ファイルを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED
/NOEXPIRED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 作成日をもとにファイルを選択します。満了日をもとに,ファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定されます)。 この修飾子は,同様に時刻属性でファイルを選択する,/BACKUP修飾子, /CREATED修飾子,および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子がすべて指定されなかった場合, 省略時の設定として /CREATED修飾子が指定されたものとみなします。

/FEED
/NOFEED

位置修飾子

プリンタが,使用しているフォームの下部余白に達した際に, プリント・ジョブに改ページ(フォーム・フィード)が挿入されるかどうかを制御します。 /NOFEED修飾子を使用すれば, 自動的にフォーム・フィードが挿入されないようにすることができます (この場合,他のキャリッジ制御機能には影響しません)。 /[NO]FEED修飾子を使用する場合, ユーザによってフォーマット済みのファイルには影響しませんが, 使用中の出力キューに対してすでに設定されているシステム定義の省略時の設定を無効にできます。

/FLAG[=キーワード]
/NOFLAG

位置修飾子

ファイルの前にフラグ・ページが印刷されるかどうかを制御します。 フラグ・ページには,ジョブをキューに登録したユーザの名前,ジョブ・エントリ番号, および印刷中のファイルに関するその他の情報が含まれています。 PRINTコマンドとファイル指定の間に,/FLAG修飾子が指定されている場合には, ALLとONEという2つのキーワードを使用できます。

ALL ジョブ内の各ファイルの前に,フラグ・ページを印刷します。
ONE ジョブ内の最初のファイルに対してのみ,フラグ・ページを印刷します。

マルチファイル・ジョブの各ファイルに対して,/FLAG修飾子を適用するには, フラグ・ページを印刷する各ファイル指定のすぐうしろに,この修飾子を指定します。

使用している出力キューに対して設定されている,システム定義の省略時の設定 (/DEFAULT=[NO]FLAGオプション)を無効にするためには,/[NO]FLAG修飾子を使用します。 ただし,/[NO]FLAG修飾子は,キューに設定されている /SEPARATE=[NO]FLAGオプションは変更できません。

ファイルに/BURST修飾子を指定した場合には,/[NO]FLAG修飾子を指定しても, ファイルの前に印刷される2枚のフラグ・ページに追加または削除することはできません。

/FORM=フォーム

プリント・ジョブに対するフォーム名,またはフォーム番号を指定します。 /FORM修飾子を省略した場合は,実行キューに設定されている省略時のフォームが使用されます。

フォームによって,プリント・イメージの幅と長さ, または用紙ストックを指定できます。 これらは,ジョブの処理時に,プリント・シンビオントが対応付けます。 システムで使用できるフォーム・タイプを調べるには, SHOW QUEUE/FORMコマンドを使用します。 また,特定のキューに対して使用できるフォームを調べるためには, SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。

ジョブに対応するフォームのストックは, ジョブを処理する実行キューにマウントされているフォームのストックに一致しなければなりません。 ストックが一致しない場合には,次の条件のいずれかが満たされるまで, そのジョブは待ち状態のまま実行されません。

/HEADER
/NOHEADER (省略時の設定)

位置修飾子

各出力ページの先頭に,見出し行が印刷されるかどうかを制御します。 省略時の設定では,見出し行は印刷されません。

/HOLD
/NOHOLD (省略時の設定)

直ちに印刷するかどうかを制御します。/HOLD修飾子を指定した場合, SET ENTRY/RELEASEまたはSET ENTRY/NOHOLDコマンドで解放するまで印刷されません。

/IDENTIFY (省略時の設定)
/NOIDENTIFY

プリント・ジョブのジョブ名,登録されたキューの名前,エントリ番号, およびジョブ状態を示すメッセージを, ジョブが登録された際に表示するかどうかを制御します。

/JOB_COUNT=n

ジョブ全体が,n回印刷されることを指定します。 パラメータnは,1から255までの範囲で,省略時の値は1です。

/LOWERCASE
/NOLOWERCASE (省略時の設定)

大文字と小文字の両方を印字できるプリンタで, プリント・ジョブを実行することを指定します。 /NOLOWERCASE修飾子は,大文字だけを印字するプリンタで, ファイルが印刷されることを示します。 もしすべてのプリンタが大文字と小文字の両方を印字できるのであれば, /LOWERCASE修飾子は使う必要はありません。

/MODIFIED
/NOMODIFIED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 最後に変更された日付をもとに,ファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性でファイルを選択する,/BACKUP修飾子, /CREATED修飾子,および/EXPIRED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子がすべて指定されなかった場合, 省略時の設定として/CREATED修飾子が指定されたものとみなします。

/NAME=ジョブ名

ジョブを識別する名前(文字列)を定義します。 名前を示す文字列は,1文字から39文字までの英数字です。 ジョブ名に英数字,アンダースコア(_),ドル記号($)以外の文字を指定するには, 二重引用符(" ")で囲まなければなりません。 /NAMEを指定しない場合には,名前文字列の省略時のジョブ名として, ジョブの最初のファイルのファイル名が使用されます。 このジョブ名は,SHO ENTRYおよびSHOW QUEUEコマンドの表示の中で使用され, ジョブのフラグ・ページに印刷されます。

/NOTE=文字列

フラグ・ページに印刷されるメッセージ文字列を指定します。 文字列は最大255文字です。

/NOTIFY
/NONOTIFY (省略時の設定)

プリント・ジョブが完了または異常終了した際に, ターミナル・セッションにメッセージが送られるかどうかを制御します。 省略時には,メッセージは送られません。

/OPERATOR=文字列

ジョブが印刷を開始した時にオペレータに送られる, 最大255文字までのメッセージを指定します。

/PAGES=([開始ページ,]終了ページ)

位置修飾子指定したジョブで印刷されるページ数を指定します。 長いファイルの一部だけを印刷する場合には,/PAGES修飾子を使用できます。 この修飾子を省略した場合には,ファイルのすべてのページが印刷されます。

開始ページ指定子は,印刷するページ範囲の最初のページを示します。 開始ページを省略した場合には,ファイルの最初のページから印刷されます。

終了ページ指定子は,印刷するページ範囲の最後のページを示します。 ファイルの最後まで印刷する場合や,そのファイルの総ページ数がわからない場合には, 終了ページとして連続する2つの引用符("")を使用することができます。 終了ページだけを指定する場合には,括弧を省略できます。 たとえば,/PAGES=10は,ファイルの最初の10ページを印刷します。 /PAGES=(5,10)は,5ページ目から10ページ目までを印刷します。 /PAGES=(5,"")は,ファイルの5ページ目から最後までを印刷します。

/PARAMETERS=(パラメータ[(=値[,...])] [,...])

特定のプリント・シンビオントに固有の 1 から 8個のオプション・パラメータを指定します。 各パラメータおよびその値は,単一のテキスト文字列として, プリント・シンビオントに直接渡されます。 PRINTコマンドは,論理名とDCLのシンボルを変換しません。

各パラメータは,合計255文字の1から8個の値をとることができます。 パラメータまたはパラメータの値を1つだけ指定する場合には,括弧は省略できます。 小文字または英数字以外の文字(スペース,括弧,またはカンマ) を二重引用符で囲みます。

/PARAMETERS修飾子は,各PRINTコマンドで1回だけ指定できます。たとえば, コマンドPRINT /PARAMETERS=(JJJ,KK) /PARAMETERS=(LL,MMM)では, 2回目の/PARAMETERS修飾子が1回目のものに置き換わるため, JJJおよびKKは無視されます。

DECprint Supervisorソフトウェア(DCPS)を使用して PostScriptプリンタに印刷するための使用可能なパラメータについての詳細は, DCLヘルプ項目PRINT_Parameterを参照してください。

/PASSALL
/NOPASSALL (省略時の設定)

位置修飾子

シンビオントがすべての整形処理を実行せず, 出力QIOをドライバに送るかどうかを指定します。 /HEADER修飾子,/PAGES修飾子,および/SETUP修飾子をはじめ, 整形処理に影響を与える修飾子はすべて無視されます。

/PASSALL修飾子がPRINTコマンドとファイル指定の間に指定されている場合には, ファイルはすべて,PASSALLモードで印刷されます。 ジョブの一部のファイルに対してだけ/PASSALL修飾子を指定する場合には, PASSALLモードで印刷する各ファイル名のあとに,この修飾子を指定します。 省略時には,出力シンビオントはPASSALLモードを使用しません。

/PRIORITY=n

優先順位の値を,キューの最高優先順位の値より大きくする場合には, OPER(オペレータ)特権またはALTPRI(優先順位変更)特権が必要です。

プリント・ジョブのジョブ・スケジュール優先順位を指定します。 優先順位の値(n)は,0から255の範囲です。 0がもっとも低い優先順位であり,255が最高の優先順位です。 省略時のnの値は,システムパラメータであるDEFQUEPRIの値です。ただし, キューの最高優先順位の値より低い優先順位に設定する場合には,特権は不要です。

/QUEUE=キュー名[:]

プリント・ジョブを,指定した出力キューに登録します。キューを指定しない場合は, ファイルはSYS$PRINTに登録されます。この修飾子は,/DEVICE修飾子と同じです。

/REMOTE

ファイル指定に指定された遠隔ノードのSYS$PRINTキューに,ジョブを登録します。 印刷されるファイルは,遠隔ノード上に存在しなければなりません。 /REMOTE修飾子を使用する際には,ファイル指定にノード名を含めなければなりません。

/REMOTE修飾子とともに指定できる修飾子は,以下の修飾子だけです。


/BACKUP
/BEFORE
/BY_OWNER
/CONFIRM
/CREATED
/EXCLUDE
/EXPIRED
/MODIFIED
/SINCE.

ローカル・ノードで印刷する場合と異なり, 1つのPRINT/REMOTEコマンドによって複数のファイルがキューに登録された場合, 各ファイルは別々のジョブであると解釈されます。

/RESTART (省略時の設定)
/NORESTART

システム障害が発生したあと,またはSTOP/QUEUE/REQUEUEコマンドが実行されたあと, ジョブが再始動するかどうかを指定します。省略時の設定は/RESTART修飾子です。

/RETAIN=オプション

ジョブをキューに保持する条件を指定します。ジョブがキューに保持された場合, ジョブ終了後にSHOW QUEUEコマンドを用いてジョブの状態を確認できます。 ジョブ保持を指定しなかった場合, ジョブ終了後にキュー内にはジョブのレコードは残りません。

ジョブ保持の指定には,以下のオプションを指定します。


注意
PRINTコマンドで/NORETAIN修飾子は使用できません (システム管理者はINITIALIZE/QUEUE, START/QUEUEや SET QUEUEコマンドで使用できます)が,/RETAIN=DEFAULTを指定できます。 この場合,キューの保持ポリシーに従ってジョブは保持されます。 システム管理者がキューにジョブ保持を設定してなかった場合, ジョブは保持されません。


ジョブ保持の仕掛け

ジョブ保持オプションは,ジョブ登録時の指定よりも実行キューの設定が優先されます。 ジョブが汎用キューに登録された場合には, 汎用キューの設定がジョブ登録時の設定に優先されます。

ジョブ保持設定は,汎用キューよりも実行キューの設定が優先されますが, ジョブの終了状態が実行キューの保持設定に合致しない場合, 汎用キューのものが適用されます。さらに, 汎用キューの設定とも合致しない場合には,ジョブ登録時の指定が適用されます。 実行キューに直接登録されたジョブは,汎用キューの設定の影響を受けません。

実行キューの設定が適用されれば実行キュー内に, 汎用キューのものが適用されれば汎用キュー内に, ジョブ登録時の指定が適用されればその登録されたキュー内にそれぞれ保持されます。

以下の例は,キュー・マネージャがどのようにしてジョブを保持するかを示しています。

/RETAIN=ALWAYSを指定して汎用キューにジョブを登録し,正常終了したとします。

キュー・マネージャは,最初にジョブの終了状態を実行キューの保持設定と比較します。 実行キューの保持設定が/RETAIN=ERROR(正常終了でない時のみ保持する) であるとすると,実行キューには保持できません。

次に,汎用キューの保持設定と比較します。 汎用キューには保持設定が無かったとすると,汎用キューにも保持できません。

最後に,ジョブを登録したキューの保持設定と比較します。 登録時の指定が/RETAIN=ALWAYSであるため, ジョブを登録したキュー(この場合には汎用キュー)に保持されます。

キューのタイプについてはINITIALIZE/QUEUEを,保持オプションについては INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUEやSET QUEUEコマンドの説明を参照してください。

時限保持

UNTIL=時間オプションを用いて,必要な間だけジョブを保持しておくことができます。 これにより,ジョブを削除する手間が省けます。

たとえば,次のコマンドはプリント・ジョブMYFILEを 12月14日7時31分まで保持されますが,その後で削除されます。

     $ PRINT/RETAIN=UNTIL=14-DEC-1994:07:31:0.0 MYFILE.DAT

キューのジョブ保持ポリシーの設定によっては, ジョブはずっと保持されるかもしれません。これは, キューのジョブ保持ポリシーの設定が,ジョブ登録時の保持指定に優先されるためです。 システム管理者がキューに時限保持を設定することはできないので, キューの設定によって保持されたジョブが自動的に削除されることはありません。

/RETAIN=UNTIL=時間オプションを使用する場合は,必ず時刻を指定してください。 時刻はデルタ時間,絶対時刻との組み合わせ,絶対時刻の順に解釈されます。 デルタ時間はジョブ終了時を起点とします。 たとえば,PRINT/RETAIN=UNTIL="+3:00"と指定すれば, ジョブ終了後3時間保持されます。時刻の指定方法についての詳細は, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

/SETUP=モジュール[,...]

ファイルが印刷される前に, 指定したモジュール(1つまたは複数)が装置制御ライブラリから検索され, プリンタにコピーされることを指定します。装置制御ライブラリには, プログラム可能なプリンタに対するエスケープ・シーケンスが含まれています。 この修飾子を省略した場合には,装置制御モジュールはコピーされません。

ファイルが実際に印刷されるまで,モジュール名が有効かどうかはチェックされません。 したがって,入力ミスやその他の誤りによって PRINT/SETUPコマンドが正しく実行されないことがあるため, この修飾子は実験的に設定する場合にだけ使用することをおすすめします。

最終的な作成段階での設定については,DEFINE/FORM/SETUPを参照してください。

/SINCE[=時刻]
/NOSINCE

指定された時刻以後の日付のファイル選択します。 時刻は,絶対時刻として,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせとして指定します。 BOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードを使用できます。 時刻を指定していない場合には,TODAYであると解釈されます。 ファイル選択の基準として使用する時刻属性は,/BACKUP, /CREATED(省略時の設定), /EXPIRED,または /MODIFIEDのいずれかの修飾子で指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/SPACE
/NOSPACE (省略時の設定)

位置修飾子

1行おきに(ダブル・スペースで)出力されるかどうかを制御します。 省略時の設定は/NOSPACEで,行を空けずに各行ごとに出力されます。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードはCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 この修飾子は,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を表わしています。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/TRAILER[=キーワード]
/NOTRAILER

位置修飾子ファイルの最後に, ファイル・トレーラ・ページを印刷するかどうかを制御します。トレーラ・ページは, ジョブ・エントリ番号と,ジョブをキューに登録したユーザに関する情報, 印刷されているファイルに関する情報を表示します。 /TRAILER修飾子が,PRINTコマンドとファイル指定の間に指定されている場合には, ALLまたはONEという2つのキーワードを使用できます。

ALL ジョブに含まれる各ファイルのあとに,トレーラ・ページを印刷します。
ONE ジョブの最後のファイルのあとだけに,トレーラ・ページを印刷します。

マルチファイル・ジョブの個々のファイルに/TRAILER修飾子を適用するには, トレーラ・ページを印刷する各ファイル指定のすぐうしろに, この修飾子を指定しなければなりません。

使用しているプリント・キューに対して設定されている, システム定義の省略時の/DEFAULT=[NO]TRAILERオプションを無効にするためには, /[NO]TRAILER修飾子を使用します。 ただし,/[NO]TRAILER修飾子は,キューに設定されている /SEPARATE=[NO]TRAILERオプションに優先させることはできません。

/USER=ユーザ名

CMKRNL(カーネル・モードへの変更)特権と,利用者登録ファイル(UAF) に対する読み込み(R)および書き込み(W)アクセス権が必要です。

指定したユーザ名で,プリント・ジョブをキューに登録するために使用します。 この場合,プリント・ジョブは, 指定したユーザがキューに登録したときと同じように実行されます。つまりジョブは, 指定したユーザのユーザ名と利用者識別コード(UIC)のもとで実行されます。 また会計情報は,そのユーザのアカウントに記録されます。 この修飾子を指定しない場合のユーザ名は, このコマンドの実行を要求しているユーザになります。 そのシステムで有効なユーザ名であれば, どのユーザ名もこの修飾子に対して指定できます。 ユーザ名は,1〜12文字の英数字です。

  1. $ PRINT/QUEUE=LPB0/COPIES=10/AFTER=20   RESUME
      Job RESUME (queue LPB0, entry 239) holding until 14-DEC-1998 20:00
    
    この例では,ファイルRESUME.LISを10部プリンタLPB0に出力するように登録しますが, この要求は午後8:00まで保持されます。

  2. $ PRINT  THETA.TXT + BETA/FLAG + GAMMA/FLAG + *.LIS/FLAG
      Job THETA (queue SYS$PRINT, entry 237) pending
    
    このPRINTコマンドは,ALPHA.TXT,BETA.TXT,GAMMA.TXTというファイルと, LISというファイル・タイプのすべてのファイルの最新バージョンを, 1つのプリント・ジョブとしてキューに登録します。 フラグ・ページが,各ファイルの区切りとなっています。 BETAとGAMMAのファイル・タイプが, リストの最初のファイルのファイル・タイプである TXTになっている点に注意してください。

  3. $ PRINT/LOWERCASE   THETA.TXT/COPIES=2, -
    _$BETA.DOC/COPIES=3
    Job THETA (queue SYS$PRINT, entry 240) pending
    
    この例では,ALPHA.TXTを2部,BETA.TXTを3部, 小文字を印字できるプリンタに出力しようとしていますが, プリンタが利用可能な状態にないため保持されています。

  4. $ PRINT/JOB_COUNT=3   THETA.TXT,BETA/NOIDENTIFY
    
    ファイルALPHA.TXTとBETA.TXTを 1つのプリント・ジョブにまとめて,3部出力しています。 /NOIDENTIFY修飾子は, ジョブ・エントリ番号とキュー名が表示しないように指定しています。

  5. $ COPY REPORT.MEM NODE3::
    $ PRINT/REMOTE NODE3::REPORT.MEM
    
    この2つのコマンドは,NODE3以外のノードから入力されています。COPYコマンドは, 現在のノードからNODE2というノードに, REPORT.MEMというファイルをコピーします。 PRINTコマンドは,ノードNODE3上のREPORT.MEMというファイルを, ノードNODE3で印刷するためにキューに登録します。 /REMOTE修飾子を指定した場合,ジョブ・エントリ番号とキュー名は表示されません。

  6. $ PRINT/HOLD   MASTER.DOC
      Job MASTER (queue SYS$PRINT, entry 540) holding
       .
       .
       .
    $ SET ENTRY 540/RELEASE
    
    ファイルMASTER.DOCを保持状態にして,省略時のプリント・キューに登録しています。 その後,SET ENTRYコマンドで保持状態を解除し,出力しています。

  7. $ PRINT TEST.TXT
    Job TEST.TXT (queue SYS$PRINT, entry 867) started on LPA0
    $ SHOW ENTRY '$ENTRY'
    Entry     Jobname     Username     Blocks    Status
    --     ---     ---     --    --
      867     TEST.TXT    Gibbons         135    Printing
              Submitted  10-DEC-1998 11:07 /FORM=DEFAULT /PRIORITY=100
              File: $5$DUA174:[GIBBONS]TEST.TXT;3
    
    このPRINTコマンドは,ファイルTEST.TXTのコピーを省略時のプリンタに登録します。 ジョブ・エントリ番号を保持するために, ローカル・シンボル$ENTRYを同時に作成します。 SHOW ENTRYコマンドにシンボル$ENTRYを使用して,エントリを特定し, エントリを表示しています。

  8. $ PRINT/RETAIN=UNTIL=1 MYFILE.DAT
       .
       .
       .
    $ SHOW QUEUE DOC$LN03
    Server queue DOC$LN03, stopped, on NEWTON::, mounted form DEFAULT
    Entry   Jobname   Username  Blocks  Status
    --   ---   ---  --  --
      436   MYFILE    HERSHEY        8  Retained until 11-DEC-1998 16:56
          %JBC-F-JOBABORT, job aborted during execution
            Completed  11-DEC-1998 15:56 on queue DOC$LN03
    
    このSHOW QUEUEによる表示には, 保持ジョブが終了した日時と実行したキューが含まれています。 ユーザは,ジョブの終了後1時間は,ジョブを保持するように設定しています。 キューのジョブ保持ポリシーにより,16時56分にジョブはキューから削除されます。

  9.  PRINT /PARAMETERS=AAA=123
    
    このコマンドは,パラメータAAA=123をプリント・シンビオントに渡します。 パラメータの解釈はシンビオントに依存します。

  10. $ PRINT /PARAMETERS=(ddd,"e,(F=(3,4),g),h)",iii)
    
    このコマンドは,3つのパラメータ,DDD,e,(F=(3,4),g),h), およびIIIをプリント・シンビオントに渡します。 2つ目のパラメータ付近の引用符の使用によって,ネストされた括弧,カンマ, および英数字の大文字/小文字の区別が使用できるようになります。 このパラメータの値は, 後でプリント・シンビオントによって拒絶されるかも知れませんが, PRINTコマンドにとっては完全に受け入れ可能です。

  11.  PRINT /PARAMETERS=("N,O,P,Q,R,S,T",U,V)
    
    このコマンドは,3つのパラメータ,N,O,P,Q,R,S,T,U,およびVを, プリント・シンビオントに渡します。 シンビオントの解析性能およびパラメータの長さ (各パラメータは最高255文字であるため)によっては,これは, パラメータ数の8個の制限に対する解決策となることがあります。


PRODUCT

POLYCENTER Software Installationユーティリティを起動して, 次のいずれかの操作を行います。

POLYCENTER Software Installationユーティリティ, およびPRODUCTコマンドについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 と『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     PRODUCT  [サブコマンド 製品名 [/修飾子]] 


PSWRAP

PSWRAP トランスレータを起動します。 PSWRAP トランスレータは,PostScript 言語で記述されたプロシージャを アプリケーションで呼び出すことができるルーチンに変換します。 PSWRAP トランスレータは,DECwindows プログラミング環境の拡張である DECwindows ディスプレイ・ポストスクリプト・システムで使用することができます。

PSWRAP トランスレータ, PSWRAP コマンド,その修飾子についての詳細は, ディスプレイ・ポストスクリプトに関するドキュメントまたはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

    PSWRAP ファイル指定


PURGE

指定したファイル(1つまたは複数)の最新バージョンを除いた, すべてのバージョンを削除します。

フォーマット

     PURGE  [ファイル指定[,...]] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

最新バージョンのみを残したいファイルを指定します。 ファイル指定は複数でも構いません。複数のファイルを指定する場合には, 各ファイル指定をコンマ(,)またはプラス記号(+)で区切ってください。 ディレクトリ,ファイル名,およびファイル・タイプの指定には, ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。 ファイル指定には,バージョン番号は指定できません。 ファイル指定を省略すると,PURGEコマンドは, 現在のディレクトリに含まれるすべてのファイルの古いバージョンを削除します。 PURGEコマンドでは, ファイル名やファイル・タイプを省略しても省略時の設定はありません。

説明

PURGEコマンドは,古いバージョンのファイルを削除します。 PURGEコマンドは,ファイルのすべてのバージョンを削除することはありません。 省略時の設定では,PURGEコマンドは,最高バージョンのファイルのみを残します。 PURGEコマンドに明示的にファイルを指定しないと, カレント・ディレクトリのすべてのファイルが影響を受けます。

修飾子

/BACKUP

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /BACKUP修飾子は,最新のバックアップの日付によって,ファイルを選択します。 この修飾子を/CREATED修飾子,/EXPIRED修飾子,または /MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これらの修飾子のいずれもが指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定した時刻より前の日付のファイルだけを選択します。 時刻は,絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定できます。 また,BOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードを使用できます。 時刻を指定しない場合には,TODAYであると解釈されます。 選択基準として使用する時刻の属性を指定するために,/BEFORE修飾子とともに, /CREATED(省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED修飾子を指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=ユーザ識別コード]

ファイル所有者のユーザ識別コード(UIC)が指定したUICと一致する場合にだけ, 1つまたは複数のファイルを選択します。 /BY_OWNER修飾子だけを指定しUICを省略した場合には, 現在のプロセスのUICが,省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的な UIC形式を使用して指定します。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

そのファイルに対するパージ操作の実行を確認するために, 各ファイルに対する操作の前に,プロンプトを表示するかどうかを指定します。 システムがプロンプトを表示したら,次のいずれかの応答を入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答の場合には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 この応答は,1文字または数文字に短縮できます (たとえば,TRUE はT,TR,または TUR に省略できます)。 ただし,短縮しても一意でなければなりません。 肯定応答は,YES,TRUE,1です。否定応答は,NO,FALSE,0,<RET>です。 QUITあるいはCTRL/Zは,その時点で,コマンドの処理を停止するということを示します。 ALLを応答する場合には,コマンドの処理は継続されますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記に表示されていない応答を入力した場合には,DCLはエラー・メッセージを発行し, 同じプロンプトがもう一度表示されます。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /CREATED修飾子は,ファイルの作成された期日をもとに,ファイルを選択します。 この修飾子を/BEFORE修飾子,/EXPIRED修飾子,または /MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これらの修飾子のいずれもが指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/ERASE
/NOERASE (省略時の設定)

ファイルをディスクから物理的に消去し,パージされたデータが, 解放されたディスク・ブロックに残らないようにします。

ファイルを単に削除すると,そのファイルが記憶されていた領域は, 将来使用するためにシステムに戻されます。 しかし,その位置に記憶されていたデータは, 新しいデータが書き込まれるまでそのまま存在します。 /ERASE修飾子を使用すると,システムは特定のパターンをその位置に書き込み, データをシステムから物理的に消去します。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定するファイル指定(1つまたは複数)と一致するファイルが, パージ操作から除外されることを指定します。 ファイル指定にはディレクトリ指定を含むことができますが, 装置名を含むことはできません。 ファイル指定には,ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。しかし, 特定のバージョンを除外するために,相対バージョン番号を指定することはできません。 ファイルを1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /EXPIRED修飾子は,ファイルの満了日をもとに,ファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定します)。 この修飾子を/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子,または /MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これらの修飾子のいずれもが指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/KEEP=バージョン数

指定したファイルの,ディレクトリに残すバージョン数を指定します。 /KEEP修飾子を指定しない場合は, 指定したファイルの最新バージョン以外のすべてがディレクトリから削除されます。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

ファイル削除時に,PURGEコマンドがそのファイル名を表示するかどうかを制御します。

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /MODIFIED修飾子は,ファイルの最後に変更された日付をもとに, ファイルを選択します。この修飾子を/BEFORE修飾子,/CREATED修飾子,または /EXPIRED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これらの修飾子のいずれもが指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/SINCE[=時刻]

指定した時刻より後の日付のファイルだけを選択します。 時刻は,絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定できます。 また,BOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードを使用できます。 時刻を指定しない場合には,TODAYであると解釈されます。 選択基準として使用する時刻の属性を指定するために,/BEFORE修飾子とともに, /CREATED(省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED修飾子を指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STYLE=キーワード

ファイルのパージ中に表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 このコマンドは,確認が要求された場合に,出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

  1. $ PURGE
    
    このPURGEコマンドは, 現在のディレクトリに含まれるすべてのファイルの最新バージョンを除く, すべてのバージョンを削除します。

  2. $ PURGE *.COM
    
    このPURGEコマンドは, ファイル・タイプがCOMである各ファイルの最新バージョンを除く, すべてのバージョンを削除します。

  3. $ PURGE/KEEP=3  [WILDER.JOB308]ACCOUNT.COB
    
    このPURGEコマンドは,[WILDER.JOB308]というディレクトリに含まれる ACCOUNT.COB というファイルの最新の3つのバージョンを除く, すべてのバージョンを削除します。

  4. $ PURGE/ERASE/SINCE=YESTERDAY [.MEMOS]
    
    このPURGEコマンドは,サブディレクトリMEMOS下のファイルのうち, 昨日以降に作成または変更されたファイル全てに対してパージを行い, 削除されるファイルは物理的に削除します。

  5. $ PURGE [MAL.TESTFILES]/LOG
    %PURGE-I-FILPURG, DISK1:[MAL.TESTFILES]AVE.OBJ;1 deleted (3 blocks)
    %PURGE-I-FILPURG, DISK1:[MAL.TESTFILES]BACK.OBJ;2 deleted (5 blocks)
    %PURGE-I-TOTAL, 2 files deleted (8 blocks)
    
    このPURGEコマンドは, サブディレクトリ[MAL.TESTFILES]下のファイルすべてに対してパージを行います。 /LOG修飾子を指定しているので,削除されたファイルのファイル指定と, その総数が表示されます。

  6. $ PURGE/KEEP=2 TAMPA::DISK1:[EXAMPLE]*.LIS
    
    このPURGEコマンドは, TAMPAという遠隔ノードの EXAMPLEというディレクトリに含まれるファイルの中で, ファイル・タイプがLISであるファイルのすべてのバージョンを, 最新の2つのバージョンを除いて削除します。


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