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17 DCLディクショナリ - R -


READ

指定した入力ファイルから1つのレコードを読み込み, レコードの内容を指定されたシンボル名に割り当てます。

フォーマット

     READ  論理名[:]シンボル名 

パラメータ

論理名[:]

レコードを読み込む入力ファイルの論理名を指定します。 ファイルのオープン時にOPENコマンドで割り当てた論理名を使用します (OPENコマンドは,論理名を割り当て, その名前をプロセス論理名テーブルに登録します)。

さらにSYS$INPUT,SYS$OUTPUT,SYS$ERROR,SYS$COMMANDという論理名によって示される, プロセス・パーマネント・ファイルも指定できます。

シンボル名

読み取られるレコードの内容に割り当てられる, 1〜255文字までの英数字シンボル名を指定します。 シンボル名の1文字目はアルファベット,アンダースコア(_), ドル記号($)のいずれかでなければなりません。

READコマンドに対してシンボル名を指定すると,コマンド・インタプリタは, そのシンボル名を現在のコマンド・レベルのローカル・シンボル・テーブルに登録します。 シンボルがすでに定義されている場合には,READコマンドは, そのシンボルを読み込んだ新しい値に再定義します。

説明

READコマンドは,順編成ファイル,相対編成ファイル,または索引編成ファイルから, データを読み込むことができます。 指定されたファイルから各レコードが読み込まれるたびに, レコードポインタがファイル内の次のレコードに移動します。 ただし,索引編成ファイルを読み込んでいる場合, /INDEXおよび/KEY修飾子を使用すると,レコードをランダムに読み込むことができます。

単一のREADコマンドで読み込むことができるレコードの最大サイズは,2048 バイトです。

ファイルを読み込むには,/READ修飾子を指定したOPENコマンドを使用して, ファイルをオープンする必要があります。論理名SYS$INPUT,SYS$OUTPUT,SYS$ERROR, およびSYS$COMMANDで識別されるプロセス・パーマネント・ファイルは, 読み込むために明示的にオープンする必要はありません。

READコマンドを会話型で実行し,論理名をプロセス・パーマネント・ファイル SYS$INPUT,SYS$OUTPUT,SYS$COMMAND, またはSYS$ERRORのうちいずれか1つとして指定した場合, コマンド・インタプリタから入力データを求めるプロンプトが表示されます。 READコマンドは,入力したとおりにデータを受け付けます。 READコマンドは,文字を大文字に変換したり,余分なスペースとタブを削除したり, 二重引用符(" ")を削除しません。また,シンボルの置換は行われません。 READコマンドでプロンプトを表示する場合についての詳細は, /PROMPT修飾子を参照してください。

修飾子

/DELETE

レコードが索引順編成ファイルから読み込まれたあと, それをファイルから削除することを指定します。 READ/DELETEコマンドを使用するには,/READ修飾子と/WRITE修飾子の両方を使用して, 索引順編成ファイルをオープンしなければなりません。

/END_OF_FILE=ラベル

ファイルの最後のレコードを読み込んだ後に制御を渡すべき, 現在のコマンド・プロシージャ内のラベルを指定します。 ファイルの最後のレコードが読み込まれると,OpenVMSレコード管理サービス(RMS)は, ファイルの終わり(EOF)を示すエラー状態を返します。 /END_OF_FILE修飾子が指定されていると,コマンド・インタプリタは, 指定したラベルのコマンド行に制御を移します。

/END_OF_FILEを指定していない場合には,ファイルの最後に到達した時に, 制御は/ERROR修飾子で指定されているエラー・ラベルに渡されます。 /ERROR修飾子も/END_OF_FILE修飾子も指定していない場合には, 現在のON条件動作が実行されます。

/ERROR=ラベル

読み込み要求でエラーが発生した時に制御が移される, コマンド・プロシージャ内のラベルを指定します。 エラー・ルーチンが指定されていない時に, ファイルの読み込みでエラーが発生した場合には,現在のON条件動作が実行されます。

この修飾子に対して指定されているエラー・ルーチンは, ONコマンドに指定されている条件動作に優先します。

エラーが発生し,指定されたラベルに制御が正しく渡されると,予約されている $STATUSというグローバル・シンボルに,そのエラーを示すコードがセットされます。 このコードによって,それぞれのエラーに対応する処理を行うことができます。

/INDEX=n

索引順編成ファイルを読み込む時に,キーの参照に使用する, 索引番号(n)を指定します。

/INDEX修飾子を省略した場合には,最後に明示的に指定された値が使用されます。 値を指定せずに/INDEX修飾子を使用すると,主キー(/INDEX=0)が使用されます。

/KEY=文字列

指定した文字列と一致するキーを持つレコードを読むように指定します。 2進キーと整数キーを使用することはできません。 この修飾子を/INDEX修飾子とともに使用すれば, 索引順編成ファイルをランダムにアクセスすることができます。

キーの照合は,/KEY文字列に指定されている文字と, レコード・キーに含まれる文字を,比較することによって行われます。

索引順編成ファイルのレコードをランダムに読むには, /KEY修飾子を指定しなければなりません。レコードをランダムに読み込んだあと, 後続の読み込み操作で/KEY修飾子を指定しなかった場合には, 索引順編成ファイルのレコードは,順にアクセスされます。

/MATCH=オプション

一致するキーの照合時に使用される,キー照合アルゴリズムを指定します。 下記のオプションを指定することができます。

EQ 指定したキーに等しいキーを選択するように指定します(省略時の設定)
GE 指定したキーに等しいか,またはそれより大きなキーを選択するように指定します。
GT 指定したキーより大きいキーを選択するように指定します。

索引順編成ファイルを読み込む時に,MATCH修飾子を省略した場合には, /MATCH=EQが用いられます。

/NOLOCK

読み込まれるレコードがロックされないように指定し,また, 他のユーザがすでにロックしているレコードを,読み込むことができるようにします。

この修飾子を省略した場合,各レコードは読み込まれるときにロックされ, そのファイルに対する次のI/Oでロックが解除されます。

/PROMPT=文字列

ターミナルから読み込まれる時に表示される,代替プロンプト文字を指定します。 省略時の設定では,DATA:というプロンプト文字列が表示されます。

/TIME_OUT=n
/NOTIME_OUT (省略時の設定)

入力が与えられない時に,READコマンドが終了するまでの秒数を指定します。 /TIMEOUT修飾子を入力する場合には,必ず値を指定しなければならず, 値は0から255までの範囲でなければなりません。

/ERROR=ラベル修飾子と/TIME_OUT修飾子の両方を指定すると, 指定時間制限が満了したときに,/ERRORで指定したラベルに分岐します。

  1. $ OPEN IN NAMES.DAT
    $ LOOP:
    $ READ/END_OF_FILE=ENDIT IN NAME
       .
       .
       .
    $ GOTO LOOP
    $ ENDIT:
    $ CLOSE IN
    
    OPENコマンドは,入力のためにNAMES.DATというファイルをオープンし, そのファイルにINという論理名を割り当てます。 READコマンドは,ファイルINからレコードを読み込み, その内容をNAMEというシンボルに割り当てます。 ファイルの最後のレコードが読み込まれた時に, ENDITというラベルに制御を移すことを,READコマンドは要求しています。 このプロシージャは, ファイルに含まれるすべてのレコードが処理されるまで繰り返します。

  2. $ READ/ERROR=READERR/END_OF_FILE=OKAY  MSGFILE  CODE
       .
       .
       .
    $ READERR:
    $ CLOSE MSGFILE
       .
       .
       .
    $ OKAY:
    $ CLOSE MSGFILE
    $ EXIT
    
    READコマンドでは,ファイルMSFFILEからレコードをシンボルCODEに読み込んでいます。 /ERRORと/END_OF_FILE修飾子で, ファイルの最後(EOF)とエラー状態検出時の処理を指定しています。 EOF検出時にはラベルOKAYに制御が移され, エラー検出時にはラベルREADERRに制御が移されます。

  3. $ READ SYS$COMMAND  DATA_LINE
    $ WRITE  OUTPUT_FILE  DATA_LINE
       .
       .
       .
    
    READコマンドは,現在のSYS$COMMAND装置からデータを読み込みます。 上記のコマンドを含むコマンド・プロシージャを会話型で実行した場合, ターミナルにプロンプトを出力し,1行のデータを受け取り, シンボルDATA_LINEにその入力データを割り当てます。

    その後,WRITEコマンドで, シンボルDATA_LINEを論理名OUTPUT_FILEで参照されるファイルに書き出します。

  4. $ OPEN/READ INPUT_FILE TRNTO::INVENTORY.DAT
    $ OPEN/APPEND OUTPUT_FILE RECEIVE.DAT
    $ READ INPUT_FILE DATA_LINE
    $ WRITE OUTPUT_FILE DATA_LINE
    
    OPEN/READコマンドは,TRNTOという遠隔ノードの, INVENTORY.DATというファイルを読み込みのためにオープンし, そのファイルにINPUT_FILEという論理名を割り当てます。 OPEN/APPENDコマンドは,現在の省略時のディレクトリにある RECEIVE.DATというファイルをオープンします。READコマンドは, 遠隔ノードTRNTOのINVENTORY.DATというファイルからデータを要求します。 WRITEコマンドは,DATA_LINEというシンボルの値を, RECEIVE.DATというローカル・ファイルの最後に書き込みます。


RECALL

最大254個までの,以前に入力したコマンドを表示し, それらのコマンドを再使用できるようにします。

フォーマット

     RECALL  [コマンド指示子] 

パラメータ

コマンド指示子

再度呼び出すコマンドの,番号または最初の何文字か指定します。 修飾子は指定できません。

指定する文字列は一意でなければなりません。 そうでない場合には,その文字に一致するコマンドで最新のものを表示します。 たとえば,SHOW STATUSコマンドが入力され, その後でSHOW TIMEコマンドが入力されたとします。この場合, SHOW STATUSコマンドを呼び出すには, RECALL SHOW Sと入力しなければなりません。 コマンドの番号は,1〜254までの範囲です。最後に入力したコマンドの番号が1です。

RECALLコマンド自体には,番号は付きません。コマンド指示子を省略すると, RECALLは,最後に入力したコマンドを再度呼び出します。 呼び出したいコマンドの番号を確認するには, /ALL修飾子を使用してRECALLバッファに記憶されているすべてのコマンドと, そのコマンド番号を表示させます。

説明

システム入力したコマンドは, 後でRECALLコマンドで使用できるようにリコール・バッファに保存されます。 コマンド・プロシージャ内のINQUIREコマンドの入力も, リコール・バッファに保存されます。 RECALLコマンド自体は,リコール・バッファに保存されません。 リコールするコマンドには連続文字を使用できますが, 一度に読み込むことができる文字は255文字までです。

リコール・バッファには,最高254コマンドをいれることができます。 リコール・バッファのサイズは4KBであり,48文字のコマンドが約80個保存されます。

必要な場合, 最新のコマンドをいれるためにもっとも古い複数のコマンドがリコール・バッファから削除されます。

RECALLコマンドを使用すると,コマンドが表示されますが処理されません。 表示されたコマンドを実行したい場合は,Returnキーを押します。 コマンド行を変更する場合は,コマンド行編集機能を使用して変更し, Returnキーを押して変更したコマンドを実行します。

修飾子

/ALL

RECALLバッファに現在記憶されている, すべてのコマンドとそのコマンド番号を表示することを要求します。 他の修飾子とともに/ALL修飾子を使用しないでください。

注意
RECALLコマンド自体がRECALLバッファに記憶されることはありません。


/ERASE

リコール・バッファの内容を消去します。

/INPUT=ファイル指定

指定ファイルの内容をリコールバッファに格納します。 ファイル・タイプの省略時の設定は.LISです。 ファイル名にはワイルドカード文字を使用できません。

/ERASE修飾子も指定された場合,リコール・バッファへの読み込み前にクリアされます。

/INPUTは/ALLや/PAGEと同時に指定できません。

/OUTPUT=ファイル指定

指定ファイルにリコール・バッファの内容を書き出します。 ファイル・タイプの省略時の設定は.LISです。 ファイル名にはワイルドカード文字を使用できません。

/ERASE 修飾子も指定された場合,リコール・バッファの書き出し後クリアされます。

/OUTPUTは/ALLや/PAGEと同時に指定できません。

/PAGE
/NOPAGE (省略時の設定)

すべてのコマンドとその番号を一画面ずつ表示します。 /NOPAGE修飾子は,/ALL修飾子と同じ出力を作成します。 Ctrl/Zを押すことにより,出力表示を中止することができます。

/PAGEは/INPUTや/OUTPUTと同時に指定できません。

  1. $ RECALL T
    
    この例は,Tで始まる最も最近のコマンドを呼び戻します。

  2. $ SHOW DEFAULT
      DISK3:[SMITH]
    $ DIRECTORY SEPT*
      %DIRECT-W-NOFILES, no files found
    $ SET DEFAULT [SMITH.LETTERS]
    $ RECALL/ALL
      1 SET DEFAULT [SMITH.LETTERS]
      2 DIRECTORY SEPT*
      3 SHOW DEFAULT
    $ RECALL 2
    $ DIRECTORY SEPT*
      %DIRECT-W-NOFILES, no files found
    $ RECALL 2
    $ SET DEFAULT [SMITH.LETTERS]
      <edit command line>
    $ SET DEFAULT [SMITH.MEMOS]
    $ RECALL 2
    $ DIRECTORY SEPT*
    
    この例ではまず,SHOW DEFAULTコマンドとDIRECTORYコマンドが入力されています。 必要なファイルが無かったため,SET DEFAULTコマンドを使用して, LETTERSというサブディレクトリに移動します。その後, RECALL/ALLコマンドを使用して,すでに入力したコマンドのリストを表示します。 RECALL 2というコマンドを入力して,LETTERSサブディレクトリ内で, DIRECTORYコマンドを繰り返します。ここでも必要なファイルが無かったため, RECALL 2というコマンドをもう一度入力し,SET DEFAULTコマンドを呼び出します (DIRECTORYコマンドが一度入力されているため,SET DEFAULTコマンドは, RECALLリストの番号2のコマンドになっています)。コマンド行を編集し, システムが省略時のディレクトリをMEMOSサブディレクトリに変更するようにします。 最後に DIRECTORYコマンドをもう一度呼び出して, 必要なファイルをもう一度検索します。

  3. $ TYPE COMMANDS.LIS
    DIRECTORY
    RUN AUTHORIZE
    SET PROCESS/PRIVILEGES=ALL
    $ RECALL/INPUT=COMMANDS.LIS
    $ RECALL/ALL
      1 SET PROCESS/PRIVILEGES=ALL
      2 RUN AUTHORIZE
      3 DIRECTORY
      4 TYPE COMMANDS.LIS
    
    この例では,TYPEコマンドでファイルCOMMANDS.LISの内容を確認後, RECALL/INPUT=COMMANDS.LISコマンドでリコール・バッファに読み込み, RECALL/ALLコマンドでそれをまた確認しています。

  4. $ RECALL/OUTPUT=NEW_COMMANDS.LIS
    $ TYPE NEW_COMMANDS.LIS
    TYPE COMMANDS.LIS
    DIRECTORY
    RUN AUTHORIZE
    SET PROCESS/PRIVILEGES=ALL
    
    この例では,リコールバッファの内容をNEW_COMMANDS.LISに書き込んでいます。 書き出された内容はRECALL/ALLコマンドの出力とは逆順で番号付されていません。


RENAME

既存のディスク・ファイルまたはディスク・ディレクトリの, ファイル指定のすべてまたは一部を変更します。

フォーマット

     RENAME  旧ファイル指定[,...] 新ファイル指定 

パラメータ

旧ファイル指定[,...]

ファイル指定を変更する,1つまたは複数のファイルの名前を指定します。 ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセンテージ記号(%))は, ファイル指定のディレクトリ指定,ファイル名,ファイル・タイプ, またはバージョン番号のそれぞれのフィールドで使用できます。 ワイルドカード文字を使用すると, ワイルドカード・フィールドを満たすファイル指定を持つ, すべてのファイルの名前を変更できます。

新ファイル指定

旧ファイルに対する新しいファイル指定を指定します。 RENAMEコマンドは,新ファイル指定の中に装置,ディレクトリ,ファイル名, ファイル・タイプの各フィールドが指定されていない場合や, それらがワイルドカードによって指定されている場合には, 旧ファイル指定の対応する各フィールドを使用します。 旧フイル指定と新ファイル指定の対応するフィールドにワイルドカード文字が指定されている場合には, 複数のファイルの名前に対して変更操作が実行されます。 RENAMEコマンドでは,次に示されている規則に従って, 新ファイル・バージョン番号を決定します。

説明

RENAMEコマンドは,ディレクトリ名,ファイル名,ファイル・タイプ, またはファイルのバージョン番号を変更します。 旧ファイル指定のノードとディスクの指定は, 新ファイル指定のノードとディスクの指定と同じでなければなりません。 また,ファイル名を変更するには,ファイルに対する削除(D)アクセス権が必要です。 ネットワーク経由でファイル名を変更することはできません。

修飾子

/BACKUP

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /BACKUP修飾子は,最新のバックアップの日付によって,ファイルを選択します。 この修飾子を/CREATED修飾子,/EXPIRED修飾子, または /MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定した時刻より前の日付のファイルだけを選択します。 時刻は,絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定できます。 また,BOOT,LOGIN,TODAY (省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードを使用できます。 時刻を指定しない場合には,TODAYであると解釈されます。 選択基準として使用する時刻の属性を指定するために,/BEFORE修飾子とともに, /CREATED (省略時の設定),/EXPIRED,または/MODIFIED修飾子を指定します。

時刻の指定方法についての詳細,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=利用者識別コード]

ファイル所有者の利用者識別コード(UIC)が,指定したUICと一致する場合にだけ, 1つまたは複数のファイルを選択します。 /BY_OWNER修飾子だけを指定しUICを省略した場合には, 現在のプロセスのUICが,省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

そのファイルに対するRENAME操作の実行を確認するために, 各ファイルに対する操作の前に,プロンプトを表示するかどうかを指定します。 システムがプロンプトを表示したら,次のいずれかの応答を入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答の場合には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 この応答は,1文字または数文字に短縮できます (たとえば,TRUE は T, TR,または TUR に省略できます)。 ただし,短縮しても一意でなければなりません。肯定応答は,YES,TRUE,1です。 否定応答は,NO,FALSE,0,<RET>です。 QUITあるいはCTRL/Zは,その時点で,コマンドの処理を停止するということを示します。 ALLを応答する場合には,コマンドの処理は継続されますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記に表示されていない応答を入力した場合には, DCLはエラー・メッセージを発行し,同じプロンプトがもう一度表示されます。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /CREATED修飾子は,ファイルの作成された期日をもとに,ファイルを選択します。 この修飾子を/BEFORE修飾子,/EXPIRED修飾子,または /MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これらの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定するファイル指定(1つまたは複数)と一致するファイルを, RENAME操作から除外することを指定します。 ファイル指定にはディレクトリ指定を含むことができますが, 装置名を含むことはできません。ファイル指定には, ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセンテージ記号(%))を使用できます。 しかし,特定のバージョンを除外するために, 相対バージョン番号を指定することはできません。 ファイルを1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /EXPIRED修飾子は,ファイルの満了日をもとに,ファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定します)。 この修飾子を/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子,または /MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/INHERIT_SECURITY
/NOINHERIT_SECURITY (省略時の設定)

ファイル指定を変更するファイルの機密保護プロファイル(UIC,保護コード, ACL) を変更するかどうかを指定します。/INHERIT_SECURITYを指定すると, 新しい名前でファイルを作成した場合と同じになります。 詳細は『OpenVMS Guide to System Security』 またはオンライン・ヘルプ(Hintsトピック)を参照してください。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

ファイル指定を変更したあと, 各ファイルのファイル指定をRENAMEコマンドが表示するかどうかを制御します。

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値の属性を指定します。 /MODIFIED修飾子は,ファイルの最後に変更された日付をもとに,ファイルを選択します。 この修飾子を/BEFORE修飾子,/CREATED修飾子,または /EXPIRED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も,時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/NEW_VERSION (省略時の設定)
/NONEW_VERSION

同じファイル名と同じファイル・タイプを持つファイルが,すでに存在するときに, RENAMEコマンドが, 出力ファイルに新しいバージョン番号を自動的に割り当てるかどうかを制御します。 /NEW_VERSION修飾子は省略時の値であり, 同じファイル名と同じファイル・タイプを持つファイルが存在する場合には, RENAMEコマンドは,新しいファイルに,新しいバージョン番号を割り当てます。 /NONEW_VERSION修飾子を指定しているときに, 出力ファイルと同じファイル名およびファイル・タイプを持つファイルが, ディレクトリに存在する場合には,システムはエラー・メッセージを表示します。

/SINCE[=時刻]

指定した時刻より後の日付のファイルだけを選択します。 時刻は,絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定できます。 また,BOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW,YESTERDAY というキーワードを使用できます。 時刻を指定しない場合には,TODAYであると解釈されます。 選択基準として使用する時刻の属性を指定するために,/BEFORE修飾子とともに, /CREATED(省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED修飾子を指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードはCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 この修飾子は,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を表わしています。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

  1. $ RENAME  AVERAGE.OBJ  OLDAVERAGE
    
    このRENAMEコマンドは, AVERAGE.OBJというファイルの既存の最新バージョンのファイル名を, OLDAVERAGE.OBJに変更します。 OLDAVERAGE.OBJという名前のファイル名が存在しない場合には, 新しいファイルに1というバージョン番号が割り当てられます。

  2. $ RENAME/NONEW_VERSION  SCANLINE.OBJ;2   BACKUP.OBJ
    
    このRENAMEコマンドは,SCANLINE.OBJ;2というファイルを BACKUP.OBJ;2 という名前に変更します。/NONEW_VERSION修飾子は, BACKUP.OBJ;2というファイルが既に存在する場合には,RENAMEコマンドが, ファイルの名前を変更せずにエラーを報告することを指示しています。

  3. $ RENAME  *.TXT;*   *.OLD;*
    
    このRENAMEコマンドは,ファイル・タイプがTXTであるすべてのファイルの, すべてのバージョンのファイル・タイプをOLDに変更します。 ファイル名とバージョン番号は変更されません。

  4. $ RENAME WATER.TXT [.MEMOS]
    
    このRENAMEコマンドは,ファイルWATER.TXTのディレクトリ名を, 省略時のディレクトリからサブディレクトリMEMOSへ変更します。 つまり,ファイルを他のディレクトリに移動します。

  5. $ RENAME  [MALCOLM.TESTFILES]SAVE.DAT  []TEST
    
    このRENAMEコマンドは,ディレクトリ[MALCOLM.TESTFILES]のファイルSAVE.DATを, TEST.DATに変更します。 新しいファイルは,現在の省略時のディレクトリへ移動されます。

  6. $ RENAME/LOG
    $_From:      DATA.*,INFO.*
    $_To:        NEW
    %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.AAA;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.AAA;1
    %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.BBB;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.BBB;1
    %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.CCC;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.CCC;1
    %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.001;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.001;1
    %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.002;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.002;1
    %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.003;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.003;1
    $
    
    この例では,ファイル名がDATAであるファイルが3つ, ファイル名がINFOであるファイルが3つあります。 このRENAMEコマンドは旧ファイル指定にアスタリスク(*)ワイルドカード文字を使用して, 新ファイル指定の一時的な省略時のファイル・タイプとバージョン番号を使用しています。 /LOG修飾子を指定しているので, 全部で6つのファイル名が変更されたことが表示されます。

  7. $ RENAME NODE1::DISK2:[SMITH]ASSEMSHT.EXE NODE1::DISK2:[JONES]ASSEMBLYSHEET.EXE
    
    この例のRENAMEコマンドは, 遠隔ノードNODE1のディスクDISK2上のディレクトリSMITHにあるASSEMSHT.EXEを, 同一ノードの同一ディスク上のディレクトリJONESの ASSEMBLYSHEET.EXE に変更します。 新ファイルが同一ノード上の同一ディスクに作成される場合に限り, 異なるノードおよびディスク上のファイル名を変更することができます。


REPLY

1つまたは複数の端末にメッセージを送信します。

制限事項については,修飾子の説明を参照してください。

フォーマット

     REPLY  [メッセージ文] 

パラメータ

メッセージ文

メッセージ文を指定します。 メッセージ文は1〜511文字までの文字列でなければなりません。 スペース,特殊文字,または小文字を含む場合は, 文字列全体を二重引用符(" ")で囲みます。

説明

OPER(オペレータ)特権を持つすべてのユーザは, REPLYコマンドを使用してシステムのユーザと通信できます。 REPLYコマンドを使用すると,次の操作を行うことができます。

REPLYコマンドを使用するには,1つ以上の修飾子を指定しなければなりません。 修飾子を指定せずにREPLYコマンドを使用すると,エラー・メッセージが表示されます。 ユーザの端末にメッセージを表示する場合を除いて, REPLYコマンドを使用する場合には, /ENABLE=キーワード修飾子を指定しなければなりません。 /ENABLE修飾子の説明を参照して, 目的に合った適切なキーワード(1つまたは複数)を指定してください。

ユーザの端末にメッセージを表示

1人または複数のシステム・ユーザにメッセージを送信する場合は, オペレータは,次のREPLYコマンドのいずれか1つを実行します。

/ALL修飾子を指定すると,オンラインでOpenVMSシステムまたは OpenVMS Clusterに接続している端末のすべてにメッセージが送信されます。 通常,システム・シャットダウンについての情報などの, 重要なメッセージを送信する場合は,/ALL修飾子を指定します。

/TERMINAL修飾子を指定すると, システムまたはクラスタ上の特定の端末(複数可)にメッセージが送信されます。

/USERNAME修飾子を指定すると, システムまたはクラスタにログインしているユーザ(複数可) の端末にメッセージが送信されます。

/TO修飾子は,上記の3つの状況では使用されません。 オペレータが,(ファイル・システム,またはユーザからの) 特定の要求に応答するわけではないからです。

自分の端末以外にメッセージを送信するためには,OPER特権が必要です。 REPLYコマンドは,すべての端末が送信したメッセージを受信するまで終了しません。

ユーザの要求への応答

ユーザがREQUEST/REPLYコマンドを実行すると, 次のREPLYコマンドのいずれか1つを使用してオペレータが応答するまで, 要求を実行しているユーザ端末のプロセスは待ち状態になります。

/ABORT修飾子は,ユーザの要求が取り消されたことを示します。

/PENDING修飾子を指定するとユーザにメッセージが送信され, さらにユーザの要求が満たされるか,または強制終了されるまで, ユーザのプロセスは待ち状態になります。

/TO修飾子は,ユーザの要求が満たされたことを示します。

ユーザがREQUEST/REPLYコマンドを実行すると, システムのコンソール・ターミナルにメッセージが表示されます。 表示例を次に示します。

     %OPCOM, 14-DEC-1998 09:49:24.47, request 3, from user SYSTEM
     _TTB6:, This is a sample request

オペレータが/ABORT修飾子または/TO修飾子を使用して応答するか, あるいはユーザが要求を強制的に終了するまで, ユーザはその他のコマンドを実行できません。 オペレータが応答せず,ユーザが要求を強制終了しない場合は, オペレータが応答するまで, オペレータ・ターミナルで5分間隔で繰り返し要求されます。

REPLYコマンドは, ユーザがテープボリュームやディスク・ボリュームにアクセスするためにオペレータが実行しなければならない重要なコマンドです。

ファイル・システムからの要求への応答

マルチボリュームのテープ・ボリュームがテープの終端(EOT)マークに到達すると, 磁気テープ・ファイル・システムは処理を一時停止して, 次のテープをマウントするようにオペレータにメッセージを送信します。 オペレータは,次のREPLYコマンドのいずれか1つを使用して応答します。

/TO修飾子は,ファイル・システムからの要求が満たされたことを示します。 磁気テープ・ファイル・システムからの要求がボリューム・ラベルを指定している場合, オペレータは指定されたテープをマウントし,REPLY/TOコマンドを実行します。 ただしファイル・システムが新しいボリュームを要求している場合でも, オペレータはスクラッチ・ボリューム (記録されている内容を消去しても構わないボリューム)をマウントして REPLAY/INITIALIZE_TAPEコマンドを実行すれば, スクラッチ・ボリュームを再使用することもできます。 オペレータは,空のボリュームをマウントして, REPLAY/BLANK_TAPEコマンドを実行することもできます。 いずれの場合でもオペレータは,REPLAYコマンドにメッセージの"ラベル"を追加して, ボリュームのラベルを指定できます。この構文には,二重引用符(" ")が必要です。

要求が"REMOUNT"または"MOUNT NEW"の場合は,メッセージ文にラベルが必要です。 要求が"MOUNT"の場合は,ラベルは必要ありません。

/ABORT修飾子は,ファイル・システムからの要求が取り消されたことを示します。

オペレータ端末としての使用許可と禁止

OPCOMを実行している場合は, オペレーティング・システムに接続しているすべての端末は, オペレータ端末として設定できます。 OPER(オペレータ)特権を持ってログインしているオペレータが, 指定した端末でREPLY/ENABLEコマンドを実行すると, その端末を使用してユーザの要求に応答したり, 装置の状態を監視したりすることができます。 端末が一時的にオペレータ端末として設定されている場合は, 特にこの端末がオペレータ端末としての使用を禁止されるまで, または現在の会話型セッションを終了するまで, このような端末はオペレータ端末として使用できます (/TEMPORARY修飾子の説明を参照してください)。

端末が明示的にオペレータ端末としての使用を禁止されない限り, オペレータ・メッセージは,システム・コンソール端末に表示されます。

オペレータがREPLY/ENABLEコマンドを実行すると, オペレータ端末として端末を使用できるようになったことをOPCOMが知らせてきます。 次の例を参照してください。

     $ REPLY/ENABLE

     %OPCOM, 14-DEC-1998 10:22:19.75, operator status for operator OPA0
     CENTRAL, PRINTER, TAPES, DISKS, DEVICES, CARDS, NETWORK, CLUSTER, LICENSE,
     OPER1, OPER2, OPER3, OPER4, OPER5, OPER6, OPER7, OPER8, OPER9, OPER10,
     OPER11, OPER12

オペレータがREPLY/DISABLEコマンドを実行すると,OPCOMは次のメッセージを使用して, 端末がオペレータ端末ではないことを知らせます。

     %OPCOM, 14-DEC-1998 10:03:23.48, operator disabled, operator OPA0

ある端末を,特定のオペレータ状態にするには, /ENABLE修飾子の後にキーワードを1つまたは複数指定します。 たとえば,ある端末をオペレータ端末として設定して, テープおよびディスクのマウントとディスマウントに関するメッセージを受信するようにする場合は, オペレータは次のコマンドを実行します。

     $ REPLY/ENABLE=(DISKS,TAPES)

     %OPCOM, 14-DEC-1998 10:04:00.18, operator enabled, operator OPA0
     $
     %OPCOM, 14-DEC-1998 10:04:00.47, operator status for operator OPA0
     TAPES, DISKS

OPCOMは,端末がテープとディスクのメッセージに対して, オペレータ状態になったことを知らせます。

特定のオペレータ状態を止めるには,オペレータは, /DISABLE修飾子の後にキーワードを1つまたは複数指定します。たとえば, オペレータ端末がディスクのマウントとディスマウントに関するメッセージを受信しないようにする場合は, オペレータは次のコマンドを実行します。

     $ REPLY/DISABLE=DISKS

     %OPCOM, 14-DEC-1998 10:04:30.83, operator status for operator OPA0
     TAPES

OPCOMは,現在も端末に設定されている固有のオペレータ状態を表示します。

オペレータがシステム・コンソール・システムを含むすべての端末でオペレータ状態を禁止すると, OPCOMは, オペレータの応答を必要とするユーザの要求とメッセージを除く後続のメッセージをすべて, オペレータ・ログ・ファイルに記録します。

     %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting. 10:06:03.25
     %OPCOM-S-OPREPLY, %OPCOM 14-DEC-1998 10:06:03:25, no operator coverage

オペレータ状態かどうかを判定して, 特定の端末に対する保留中の要求のリストを表示する場合は, オペレータは次のコマンドを実行します。

     $ REPLY/STATUS

このコマンドは,このオペレータの未処理の要求もすべて表示します。

オペレータ・ログ・ファイルのクローズと新しいログ・ファイルのオープン

現在のオペレータ・ログ・ファイルをクローズし, 新しいオペレータ・ログ・ファイルをオープンする場合は, オペレータはREPLY/LOGコマンドを実行します。OPCOMが動作している場合, 後続のメッセージはすべて新しいログ・ファイルに記録されます。 新しいログ・ファイルをオープンしないで現在のログ・ファイルをクローズする場合は, オペレータはREPLY/NOLOGコマンドを実行します。 こうすると,オペレータが REPLY/LOGコマンドを実行するまで, 後続のメッセージはすべて記録されません。

修飾子

/ABORT=ID番号

ここで指定した ID番号に対応するユーザまたは磁気テープ・ファイル・システムにメッセージを送信して, 要求を取り消します。

/ALL

OPER(オペレータ)特権が必要です。

システムまたはクラスタに接続しているすべての端末に,メッセージを送信します。 これらの端末は電源が投入されていて, ブロードキャスト・メッセージの受信が許可されていなければなりません。 /ALL修飾子は,/USERNAMEおよび/TERMINAL修飾子と同時に指定することはできません。

/BELL

/ALL,/TERMINAL,または/USERNAME修飾子と同時に指定すると, 端末がメッセージを受信した時にベル音が鳴ります。 /URGENT修飾子と同時に指定すると,ベル音は2回鳴ります。 /SHUTDOWN修飾子と同時に指定すると,ベル音は3回なります。

/BLANK_TAPE=ID番号

VOLPRO(ボリューム保護)特権が必要です。

ID番号により示される磁気テープ・ファイル・システムへのメッセージを送信して, ボリューム・ラベル情報のチェックを無効にします。新しいボリューム・ラベルは, メッセージ文パラメータで指定します。REPLYコマンドを発行した端末は, TAPESのオペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。

/DISABLE[=(キーワード[,...])]

OPER(オペレータ)特権が必要です。 機密保護メッセージについては,OPERおよびSECURITY特権が必要です。

オペレータ通信マネージャ(OPCOM)を実行している場合に, このコマンドを入力した端末は通常の状態(オペレータ端末ではない)に戻ります。 /DISABLE修飾子は,バッチ・ジョブからは実行できません。 オペレータ端末に表示されるメッセージのタイプ制限するためには, 次のキーワードのいずれか1つを指定します。

CARDS カード・リーダに送信されるメッセージを表示しません。
CENTRAL 中央システム・オペレータに送信されるメッセージを表示しません。
CLUSTER クラスタ状態の変更に関する接続マネージャからのメッセージを表示しません。
DEVICES ディスクのマウントに関するメッセージを表示しません。
DISKS ディスク・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。
LICENSE ソフトウェア・ライセンスに関するメッセージを表示しません。
NETWORK ネットワークに関するメッセージを表示しません。 CENTRALキーワードも指定する必要があります。
OPER1 〜 OPER12 OPER1 〜 OPER12 で識別されるオペレータに送信されるメッセージを表示しません。
PRINTER プリント要求に関するメッセージを表示しません。
SECURITY 機密保護事象に関するメッセージを表示しません。SECURITY特権が必要です。
TAPES テープ・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。

オペレータが遠隔端末またはダイアル・イン端末からログアウトすると, オペレータ端末は自動的に使用禁止になります。

/ENABLE[=(キーワード[,...])]

OPER(オペレータ)特権が必要です。 機密保護メッセージについては,OPERおよびSECURITY特権が必要です。

OPCOMを実行している場合,REPLYコマンドを入力した端末を, オペレータ端末として指定します。 /ENABLE修飾子は,バッチ・ジョブからは実行できません。 オペレータ端末に次の各タイプのメッセージを表示できるようにするには, 次のキーワードのいずれか1つを指定します。

CARDS カード・リーダに送信されるメッセージを表示しません。
CENTRAL 中央システム・オペレータに送信されるメッセージを表示しません。
CLUSTER クラスタ状態の変更に関する接続マネージャからのメッセージを表示しません。
DEVICES ディスクのマウントに関するメッセージを表示しません。
DISKS ディスク・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。
LICENSE ソフトウェア・ライセンスに関するメッセージを表示しません。
NETWORK ネットワークに関するメッセージを表示しません。 CENTRALキーワードも指定する必要があります。
OPER1〜 OPER12 OPER1〜OPER12で識別されるオペレータに送信されるメッセージを表示しません。
PRINTER プリント要求に関するメッセージを表示しません。
SECURITY 機密保護事象に関するメッセージを表示しません。 SECURITY特権が必要です。
TAPES テープ・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。

/INITIALIZE_TAPE=ID番号

ID番号により示される磁気テープ・ファイル・システムにメッセージを送信し, 磁気テープ・ボリュームを初期化します。 ファイル・システムが新しいボリュームを要求する場合にはいつでも, この修飾子を指定できます。ボリュームを初期化する前に,システムは, 通常の保護と満了に関するチェックを行います。REPLYコマンドを発行した端末は, TAPESのオペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。

テープ・ドライブがボリュームを読み込めない場合は, マウントが失敗しエラー・メッセージが返されます。/BLANK_TAPE修飾子を使用すると, ボリューム・ラベルについての情報のチェックを無効にします。

/LOG
/NOLOG

OPER(オペレータ)特権が必要です。

OPCOMを実行している場合,現在のオペレータ・ログ・ファイルをクローズし, 新しいログ・ファイルをオープンします。/NOLOG修飾子を指定すると, 現在のログ・ファイルをクローズしますが,新しいログ・ファイルをオープンしません。 REPLYコマンドを発行した端末は, オペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。 その後,オペレータは前のログ・ファイルの内容を確認できます。

/NODE[=(ノード名[,...])]

このREPLYコマンドを発行しているクラスタ・ノードだけにメッセージを送信します。 オプションでパラメータを指定すると,メッセージを受信するノードを指定できます。 省略時の設定では,すべてのクラスタ・ノードにメッセージが送信されます。

/NOTIFY(省略時の設定)
/NONOTIFY

送信元の端末に,正常終了したことを示すメッセージを送信します。

/PENDING=ID番号

OPER特権が必要です。

ID番号により示される要求を発行したユーザにメッセージを送信し, オペレータが要求を満たすか要求を強制終了するまで, ユーザがその他のコマンドを実行できないようにします。 REPLYコマンドを発行した端末は, オペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。

/SHUTDOWN

"SHUTDOWN..."で始まるメッセージを送信します。/BELL修飾子とともに指定すると, 端末がメッセージを受信した時にベル音が3回鳴ります。

/STATUS

OPER(オペレータ)特権が必要です。

現在のオペレータ状態と, このコマンドを入力した端末での未処理のすべてのユーザ要求を報告します。 REPLYコマンドを発行した端末は, オペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。

/TEMPORARY

現在の会話型セッションの間だけ, このコマンドを入力した端末をオペレータ端末として使用できます。 この修飾子は,/ENABLE修飾子と同時に指定した場合のみ有効です。

/TERMINAL=(端末名[,...])

OPER(オペレータ)特権が必要です。

指定した端末にメッセージを送信します。 端末名パラメータには,端末の装置名を指定します。 /ALL修飾子と/USERNAME修飾子と同時に指定することはできません。

/TO=ID番号

OPER(オペレータ)特権が必要です。

IDで示される要求を発行したユーザまたはファイル・システムにメッセージを送信し, その要求を終了します。REPLYコマンドを発行した端末は, オペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。

REPLY/TOコマンドの使い方によっては,マウント操作を別の装置にリダイレクトする MOUNT/ASSISTコマンドに応答できます。 装置を交換しなければならない場合はいつでも, 別のそうちにユーザのボリュームをロードして, 接続する装置を準備をしてからREPLYコマンドを実行します。次の形式で指定します。

  REPLY/TO=ID番号 "SUBSTITUTE 装置名" 

SUBSTITUTEはSに短縮できます。また,大文字でも小文字でも構いません。 空白を1つおいて,メッセージ文の残りで交換用の装置名を指定します。

/URGENT

"URGENT..."で始まるメッセージを送信します。/BELL修飾子と同時に指定すると, 端末がメッセージを受信した時にベル音が2回なります。

/USERNAME[=(ユーザ名[,...])]

OPER(オペレータ)特権が必要です。

システム(またはOpenVMS Cluster)にログ・インしているすべてのユーザの端末に, または特定のユーザの端末だけに,メッセージを送信します。 /ALL修飾子および/TERMINAL修飾子と同時に指定することはできません。

/WAIT

メッセージを送信して,全部に送り終わるまで同期をとり待ちます。 省略時の設定では,実際の入出力を行うOPCOMにメッセージを送信します。 クラスタの場合,メッセージはローカル・ノードに送信されます。

  1. $ REPLY/ALL/BELL "SYSTEM GOING DOWN FOR BACK-UP. PLEASE LOG OFF."
    
    この例でREPLYコマンドは,システム上のすべての端末にメッセージを送信します。 ユーザの端末にメッセージが表示される場合は,そのメッセージの先頭に, 送信元の端末名とユーザ名が表示されます。 DECnet for OpenVMSがインストールされている場合は,ノード名も表示されます。 端末にメッセージが表示された時にベル音が鳴ります。

  2. $ REPLY/ENABLE=DISKS
    %OPCOM, 14-DEC-1998, 10:17:09.02, operator enabled, operator OPA0
    $
    %OPCOM, 14-DEC-1998 10:17:10.30, operator status for operator OPA0
    DISKS
    
    この例でREPLY/ENABLEコマンドは,OPA0端末を, ディスクのマウントとディスマウントに関するメッセージを受信できるオペレータ端末として設定します。 OPCOMメッセージは,OPA0端末がオペレータ端末として設定されたことを知らせます。

  3. %OPCOM, 14-DEC-1998 10:19:33.21, request 5, from user SYSTEM
    OPA0, Please mount OPGUIDE on DBA3:
    $ REPLY/PENDING=5 "YOU'LL HAVE TO WAIT... -
    _$ THERE ARE SEVERAL REQUESTS BEFORE YOURS"
       .
       .
       .
    $ REPLY/TO=5
    14-DEC-1998 10:20:25.50, request 5 completed by operator OPA0
    
    この例でOPCOMメッセージは, OPGUIDEのラベルがついたディスク・ボリュームをディスク・ドライブDBA3に取り付け, 装置を接続できるように,ユーザがオペレータに要求していることを示します。 REPLY/PENDINGコマンドは,しばらくした後に, オペレータがこのタスクを実行できることを示します。 /PENDING修飾子は,オペレータが要求を満たすか要求を強制終了するまで, ユーザがその他のコマンドを実行できないようにします。 ドライブにディスクをマウントした後にオペレータは, 要求が満たされたことを示すメッセージを送信します。 メッセージを指定しない場合は,OPCOMは, タスクが実行されたことを示す標準メッセージを送信します。

  4. %%%%%%%%%%  OPCOM, 14-DEC-1998 10:20:50.39  %%%%%%%%%%%
    request 5 from user ROBINSON
    Please mount volume GRAPHIC_FILES in device _DUA11:
    Shelf 4 - slot B
    $ REPLY/TO=5 "SUBSTITUTE  DUA4"
    
    この例ではSUBSTITUTEを指定してREPLY/TOコマンドを使用し, ユーザROBINSONによって実行されたMOUNT/ASSISTコマンドに応答しています。 MOUNT装置は,DUA4に変更します。 また,MOUNTコマンドを使用してユーザが定義した論理名は, 最初に指定したドライブではなく,DUA4の等価名で定義されます。

  5. $ REPLY/STATUS
    %OPCOM, 14-DEC-1998 10:20:50.39, operator status for operator OPA0
    DISKS
    
    この例でREPLY/STATUSコマンドは, OPA0端末のオペレータ端末状態を表示するよう要求しています。 OPCOMからの応答は, OPA0端末がディスク装置からのメッセージを受信することができることを示します。

  6. $ REPLY/BELL/TERMINAL=TTC1: "YOUR FILE HAS COMPLETED PRINTING. BOB."
    
    この例でREPLYコマンドは, 端末TTC1にログ・インしているユーザにメッセージを送信します。 端末にメッセージが表示されると,ベル音が鳴ります。

  7. $ REPLY/ENABLE
    %OPCOM, 14-DEC-1998 10:22:19.75, operator status for operator OPA0
    CENTRAL, PRINTER, TAPES, DISKS, DEVICES, CARDS, NETWORK, CLUSTER,
    LICENSE, OPER11, OPER12
       .
       .
       .
    $ REPLY/DISABLE=(PRINTER, TAPES)
    %OPCOM, 14-DEC-1998 10:22:26.07, operator disabled, operator OPA0
    
    この例でREPLY/ENABLEコマンドは, OPA0端末がすべての種類のオペレータ・メッセージを受信するよう指定しています。 その後のREPLY/DISABLEコマンドでは,選択を行って, OPA0がプリント装置とテープに関するメッセージを受信しないようにしています。


REQUEST

システム・オペレータ端末にメッセージを表示し,オプションとして応答を要求します。 すべてのメッセージは,オペレータ・コンソールに表示され, オペレータのログ・ファイルが初期化されている場合はログ・ファイルに記録されます。

このコマンドを使用するには, 利用者サイト固有のスタートアップ・コマンド・ファイルSYS$MANAGER:SYSTARTUP.COM内で, @SYS$SYSTEM:STARTUP OPCOM DCLコマンドを指定することによって, ブート時にオペレータ通信プロセス(OPCOM)を起動しておく必要があります。

フォーマット

    REQUEST   メッセージ・テキスト

パラメータ

メッセージ・テキスト

表示させるメッセージのテキストを指定します。文字列は最大128文 字まで指定できます。文字列に空白,特殊文字,あるいは小文字を含む場 合は,引用符(" ")で囲まなければなりません。

説明

REQUESTコマンドを使用してオペレータにメッセージを送信する場合は, /TO修飾子で指定されるオペレータ端末にメッセージが表示されます。

/REPLY修飾子を指定した場合,メッセージには識別番号が割り当てられ, オペレータがそのメッセージに応答することができます。 システムは次のようなメッセージを表示します。

     %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...hh:mm:ss

オペレータがユーザの要求に応答した場合,システムは次のようなメッセージを表示します。

     %OPCOM-S-OPREPLY, message text entered by operator

応答を要求した場合, ユーザはオペレータが応答するまでコマンドを入力することができません。 Ctrl/Cを押した場合,システムは次のようなメッセージを表示します。

     REQUEST - Enter message or cancel with ^Z
     REQUEST - Message?

この時点で,別のメッセージを入力することもできますし, Ctrl/Zを押して要求をキャンセルすることもできます。 別のメッセージを入力した場合,そのメッセージはオペレータに送信され, ユーザは継続してオペレータからの応答を待たなければなりません。

すべてのメッセージは中央オペレータ・コンソールに表示され, オペレータのログ・ファイルが初期化されている場合はログ・ファイルに記録されます。

修飾子

/REPLY

メッセージに対する応答を要求し, オペレータが応答するための一意的な識別番号を割り当てます。 システムはオペレータに通知されたメッセージを表示します。 ユーザは,オペレータが応答するまでコマンドを入力することはできません。 オペレータが応答する前にCtrl/Cを押すことにより, オペレータに対する別のメッセージを入力することもできますし, Ctrl/Zを押して要求をキャンセルすることもできます。

/TO=(オペレータ[,...])

メッセージを送信したい1人あるいは複数のオペレータを指定します。 可能なキーワードは次のとおりです。
CARDS カード・リーダ要求に応答する役割のオペレータにメッセージを送信します。
CENTRAL 中央システム・オペレータにメッセージを送信します。
CLUSTER クラスタ関連要求に応答する役割のオペレータにメッセージを送信します。
DEVICES ディスクの マウントおよびディスマウントを行うオペレータにメッセージを送信します。
DISKS ディスク・ボリュームのマウントおよびディスマウントを行うオペレータにメッセージを送信します。
NETWORK ネットワーク・オペレータにメッセージを送信します。
OPER1〜OPER12 OPER1〜OPER12で識別されるオペレータにメッセージを送信します。
PRINTER プリント要求を扱う役割のオペレータにメッセージを送信します。
SECURITY セキュリティ関連の要求に応答する役割のオペレータにメッセージを送信します。
TAPES テープ・ボリュームのマウントおよびディスマウントを行う役割のオペレータにメッセージを送信します。

  1. $ PRINT/COPIES=2/QUEUE=LQ_PRINT  REPORT.OUT/FORM=LETTER
      Job REPRT (queue LQA1, entry 401) pending
    $ REQUEST/REPLY/TO=PRINTER -
    _$"Have queued job 401 as FORM=LETTER;  can you print it?"
    %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...10:42:16.10
    %OPCOM-S-OPREPLY, AFTER 11:00
     14-DEC-1998 10:25:32.40, request 3 completed by operator OPA0
    

    この例では, 特殊な用紙(/FORM=LETTER)を使用してファイルの複数のコピーを出力するようにPRINTコマンドを実行します。 ジョブがプリンタにキューイングされた後, REQUESTコマンドによりシステム・オペレータにメッセージを送信します。

    オペレータはユーザからの要求を完了した後,ユーザに応答します。

  2. $ REQUEST/REPLY  "Are you there?"
    %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...14:54:30.33
    [Ctrl/C]
    REQUEST-Enter message or cancel request with ^Z
    REQUEST-Message?[Ctrl/Z]
    %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting... 14:59:01.38
    %OPCOM-F-RQSTCAN, request was canceled
    

    この例では,REQUESTコマンドによりメッセージを送信し,応答を要求します。 問い合わせに対するオペレータからの応答がないため, Ctrl/Cを使用して要求を中断し,Ctrl/Zを使用してキャンセルします。


RETURN

GOSUBサブルーチン・プロシージャを終了し, GOSUBコマンドの次のコマンドに制御を返します。

フォーマット

     RETURN  [状態コード] 

パラメータ

状態コード

予約グローバル・シンボル$STATUSに数値を定義します。 状態コードは,サブルーチンの終了状態を与える(ロングワードの)整数値, または整数値に等しい式を指定することができます。 値は,次の外側のコマンド・レベルでチェックすることができます。 ロングワード整数値の下位3ビットは, 予約グローバル・シンボル$SEVERITYの値を変更します。 状態コードを指定すると,DCLは条件コードとしてそのコードを解釈します。 偶数の数値は警告,エラーまたは重大エラーのメッセージを生成し, 基数の数値はメッセージを表示しないか,成功または情報のメッセージを表示します。

状態コードを指定しない場合には,$STATUSの現在の値が保存されます。 制御が外側のコマンド・レベルに返る時, $STATUSは最も最近実行されたコマンドまたはプログラムの状態を含みます。

説明

RETURNコマンドはGOSUBサブルーチンを終了し, GOSUBコマンドの次のコマンドに制御を返します。

DCLコマンド,ユーザ・プログラム, またはコマンド・プロシージャの実行が終了すると, コマンド・インタプリタはグローバル・シンボル$STATUSに状態コード値を保存します。 システムは,この値を16進形式で保守します。 RETURNコマンドで明示的に$STATUSの値を設定しないと, コマンド・インタプリタは$STATUSの現在の値を使用してエラー状態を決めます。

$STATUSに含まれる状態値の下位3ビットは,状態の重大度を示します。 予約グローバル・シンボル$SEVERITYには,状態コードのこの部分が含まれています。 重大度は0から4までの値で示します。次の表を参照してください。

重大度
0 警告
1 成功
2 エラー
3 情報
4 重大(回復不可能)エラー

成功コードおよび情報コードは奇数値, 警告コードおよびエラー・コードは偶数値である点に注意してください。

  1. $ SHOW TIME
      14-DEC-1998 14:25:42
    $ GOSUB SYMBOL
    $ EXIT
    $ SYMBOL:
    $     SHOW SYMBOL RED
          RED = "SET DEFAULT [JONES.DCL]"
    $     RETURN 1
    
    GOSUBコマンドは,SYMBOLというラベルのサブルーチンに制御を移します。 サブルーチンの実行後,RETURNコマンドは,$STATUSと$SEVERITYに1という値を与えて, GOSUB文の次のコマンドに制御を返します。その後,プロシージャは終了します。


RUN (イメージ)

イメージをプロセス・コンテキストの中で実行します。 RUNコマンドは,Rという1文字に短縮することができます。

イメージ名にバージョン番号(またはセミコロン)を明示的に指定した場合, 現在のプロセスの特権でイメージは実行されます。 指定しない場合には,イメージのインストール時に与えられた特権で実行されます。 DECnetがインストールされていて,遠隔ノード上のイメージを実行する場合には, そのイメージに対する読み込み(R)アクセス権が必要です。

フォーマット

     RUN  ファイル指定 

パラメータ

ファイル指定

実行する,実行可能イメージを指定します。ファイル・タイプを指定しない場合には, RUNコマンドは,省略時のファイル・タイプとして,EXEを使用します。 ファイル指定には, ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセンテージ記号(%))は使用できません。

修飾子

/DEBUG
/NODEBUG

デバッガの制御下でイメージを実行します。 省略時の設定では,イメージが/DEBUG修飾子を指定してリンクされている場合には, /DEBUG修飾子が指定されているとみなし, /DEBUG修飾子がリンク時に指定されなかった場合には, /NODEBUG修飾子が指定されているとみなされます。 /NOTRACEBACK修飾子を指定してイメージがリンクされている場合には, /DEBUG修飾子は無効です。/NODEBUG修飾子は,LINK/DEBUGコマンドに優先します。 /TRACEBACK修飾子を指定してイメージがリンクされている場合には, エラーが発生したときにトレースバック報告がなされます。

イメージがデバッガとリンクされていない場合には, /DEBUG修飾子の指定により,実行時にデバッガを使用できます。 しかし,イメージのリンク時に/NOTRACEBACK修飾子が指定されていた場合には, /DEBUG修飾子は使用できません。

OpenVMSデバッガについての詳細は,『OpenVMSデバッガ説明書』を参照してください。

DCLレベルからデバッガ・コマンドのヘルプを参照するためには, 次のコマンドを入力してください。

     $ HELP/LIBRARY=SYS$HELP:DBG$HELP

  1. $ RUN LIBRA
    
    プロセス内で,LIBRA.EXEというイメージの実行を開始します。 このコマンドでは,バージョン番号もセミコロンも明示的には指定されていないため, LIBRAイメージが特権付きでシステムにインストールされている場合には, 実行する時にそれらの特権が適用されます。 また,RUNコマンドを次のように入力する場合も,LIBRA.EXEというイメージはやはり, システムへのインストール時に指定された特権を使用して実行されます。
         $ RUN LIBRA.EXE
    

  2. $ MACRO/ENABLE=DEBUG ORION
    $ LINK/DEBUG ORION
    $ RUN ORION
    
         VAX DEBUG Version 5.4
    
    %DEBUG-I-INITIAL, language is MACRO, module set to 'ORION'
    DBG>
       .
       .
       .
    $ RUN/NODEBUG ORION
    
    この例では,プログラムがコンパイルされ,リンクされ, デバッガを使用して実行されます。 その後,RUN/NODEBUGコマンドで,イメージに結合されているデバッガが, プロンプトを表示しないように設定しています。 したがって,イメージの実行中にエラーが発生すると, デバッガはトレースバックとエラーに関する報告を行うことができます。

  3. $ RUN AQUARIUS.EXE;1
    
    プロセス内で,AQUARIUS.EXEというイメージの実行を開始します。 AQUARIUS.EXEというイメージが,特権付きでインストールされている場合でも, このコマンドにバージョン番号が指定されているため, 実行時にはそれらの特権は使用されません。 その代わり,イメージは現在のプロセス特権だけを使用して実行されます。 バージョン番号(またはセミコロンだけ)を指定した場合,イメージ・アクティベータは, 特権をつけてインストールされた特殊なイメージのリストを検索しません。 RUNコマンドを次のように入力した場合も, AQUARIUSプロセスは通常のプロセス特権だけで実行されます。
         $ RUN AQUARIUS.EXE;
    

    ただしこの場合には,AQUARIUSイメージの最新バージョンが実行されます。


RUN (プロセス)

指定したイメージを実行するために,サブプロセスまたは独立プロセスを作成し, イメージの実行終了時にプロセスを削除します。 /UICまたは/DETACHED修飾子を除く他の修飾子を指定した場合には, RUNコマンドはサブプロセスを作成します。/UICまたは/DETACHED修飾子を指定し, かつIMPERSONATEユーザ特権を持っている場合には,独立プロセスが作成されます。

フォーマット

     RUN  ファイル指定 

パラメータ

ファイル指定

作成された別プロセスで実行される,実行可能イメージのファイル名を指定します。 ファイル・タイプが指定されていない場合には,EXEを使用します。 ファイル指定には,ワイルドカード文字を使用することはできません。

説明

RUNコマンドは,指定されたイメージを実行するプロセスを作成します。 /UICまたは/DETACHED修飾子を指定すると,独立プロセスが作成されます。 そうでない場合は,サブプロセスが作成されます。

RUNコマンドにいずれかの修飾子を指定した場合,プロセスが作成され, SYS$OUTPUTにプロセス識別(PID)コードが表示されます。 ファイル指定に指定されたイメージが,新しく作成されたプロセスで実行されます。 イメージの実行が終了すると,イメージを実行したプロセスは削除されます。

省略時の設定では,RUNコマンドは,現在のプロセスと同じ利用者識別コード(UIC), 現在の省略時のディスクおよびディレクトリ,特権, および優先順位を持つサブプロセスを作成します。

独立プロセスが異常終了した場合にその理由を知りたいときは, Accountingユーティリティを使用すると,プロセスの最後の終了状態を表示できます。 詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 を参照してください。

/DETACHEDまたは/UIC修飾子を使用すると,独立プロセスが作成されます。 別の利用者識別コードで独立プロセスを作成するには, 利用者特権IMPERSONATEまたはCMKRNLが必要です。 独立プロセスを作成すると,次のように資源制限が適用されます。

ただし,IMPERSONATEまたはCMKRNL特権がある場合は, 独立プロセスの制限値を自由に指定できます。

入力ストリーム,出力ストリーム,エラー・ストリーム

次の修飾子を使用して,プロセスの論理名SYS$INPUT,SYS$OUTPUT, およびSYS$ERRORの等価名を割り当てます。

/INPUT
/OUTPUT
/ERROR

これらのプロセス・パーマネント・ファイルに指定した等価名は, 作成するプロセスのコンテキストで解釈されます。 たとえば,省略時のファイル・タイプ,論理名の使用,および変換は, イメージおよび言語によって異なります。

プロセス属性の定義

次の修飾子を使用して,プロセスの省略時の属性を上書きします。

/ACCOUNTING
/DUMP
/PRIORITY
/PRIVILEGES
/PROCESS_NAME
/SERVICE_FAILURE
/SWAPPING

資源制限の割り当て

RUNコマンドを入力してプロセスを作成する場合には, プロセスが使用できる各種のシステム資源の合計の制限値を定義できます。 サブプロセスを作成するとき,次の資源制限を差し引くことができます。 つまり,現在の制限値から指定した値が差し引され,サブプロセスに与えられます。

修飾子 制限値
/TIME_LIMIT CPUTIME

サブプロセスが削除されると,制限量が現在のプロセスに返されます。

システムでは,指定できる制限値ごとに最小値が定義されています。 最小値より少ない制限値を指定した場合, または現在の制限値が最小値より少なくなる差し引き可能な制限値を指定した場合は, プロセスを作成できません。 現在の制限値を確認するには,SHOW PROCESS/QUOTASコマンドを入力します。

また,差し引き不可能な制限値の上限も指定できます。差し引き不可能な制限値は, プロセスとサブプロセスごとに別々に確立され維持されます。 次の修飾子は,差し引き不可能な制限値を指定します。

修飾子 制限値
/AST_LIMIT ASTLM
/EXTENT WSEXTENT
/IO_BUFFERED BIOLM
/IO_DIRECT DIOLM
/MAXIMUM_WORKING_SET WSQUOTA
/WORKING_SET WSDEFAULT

3番目の制限値のタイプは,プーリングです。 プールされる制限値は,独立プロセスの作成時に確立されます。 プールされる制限値は,そのプロセスとすべての子孫サブプロセスに共有されます。 プールされる制限値に対する値は,使用時に現在使用できる合計から差し引かれ, 未使用時に合計に戻されます。次の修飾子は,プールされる制限値を指定します。

修飾子 制限値
/BUFFER_LIMIT BYTLM
/ENQUEUE_LIMIT ENQLM
/FILE_LIMIT FILLM
/PAGE_FILE PGFLQUOTA
/QUEUE_LIMIT TQELM
/SUBPROCESS_LIMIT PRCLM

ハイバネートおよびスケジューリングされたウェイクアップ要求

次の修飾子を使用して,イメージの実行をスケジューリングします。

/DELAY
/INTERVAL
/SCHEDULE

いずれかの修飾子を指定すると,RUNコマンドによってプロセスが作成され, ハイバネート状態になります。 プロセスは,ウェイクアップされるまでイメージを実行できません。 これらの3つの修飾子とともに指定する時間値で, 指定されたイメージを実行するためにプロセスをウェイクアップするタイミングを制御します。

指定したデルタ時間(/DELAY修飾子)または絶対時間(/SCHEDULE修飾子) でウェイクアップ要求をスケジューリングできます。/INTERVAL修飾子を使用すれば, 反復時間間隔でウェイクアップ要求をスケジューリングできます。 時間間隔を指定すると,作成されたプロセスは, 指定されたイメージを実行するために固定時間間隔でウェイクアップされます。 (たとえば,RET命令で)イメージが正常終了すると, プロセスがハイバネート状態に戻り, スケジューリングされた次のウェイクアップ要求時間を待ち, ユーザ・モード終了ハンドラは呼び出されません。イメージは, 次のウェイクアップ時間にエントリ・ポイントで再呼び出しされ,再起動されません。 イメージが異常終了した場合,または$EXITコマンドあるいは$FORCEXコマンドで終了した場合は, プロセスはハイバネートに戻らず,以後のスケジューリング要求が終了し, ユーザ・モード終了ハンドラが呼び出され,イメージが終了し, 作成されたプロセスが削除されます。

作成されたプロセスに名前を付けるには,/PROCESS_NAME修飾子を使用します。 以後のSTOPまたはCANCELコマンドでは,このプロセス名を使用できます。 STOPコマンドは,プロセスでのイメージの実行を強制終了し,プロセスを削除します。 CANCELコマンドは,スケジューリングされているが, まだ実行されていないウェイクアップ要求を取り消します。

修飾子

/ACCOUNTING (省略時の設定)
/NOACCOUNTING

/NOACCOUNTING修飾子を使用するには,ACNT(会計)特権が必要です。

/NOACCOUNTING修飾子は,生成されたプロセスで使用される資源に対して, 会計情報の収集を取り止めます。

省略時の設定の/ACCOUNTING修飾子では,効果は何もありません。

/AST_LIMIT=クォータ

生成されたプロセスが処理しないまま保持できる, 非同期型システム・トラップ(AST)の最大数を指定します。

ASTクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値が使用されます。 プロセスを実行するには,この値が2以上でなければなりません。

ASTクォータは,プロセス,サブプロセス間で分割されません。

/AUTHORIZE
/NOAUTHORIZE (省略時の設定)

DETACH特権が必要です。

実行されるイメージが,システム・ログイン・イメージ(LOGINOUT.EXE)である場合に, この修飾子は, 独立プロセスが正当なものであるかどうかを確認するために利用者登録ファイル(UAF) を検索します。/NOAUTHRIZE修飾子を指定した場合には, コマンド・インタプリタの制御下で実行される独立プロセスを生成します。

/AUTHORIZE修飾子を指定した場合には, プロセス所有者の利用者登録ファイル・レコードからクォータを得ます。 RUNコマンドに他のクォータを指定する修飾子を使用した場合でも, UAFのクォータによって無視されます。

/NOAUTHORIZE修飾子を指定した場合には, プロセス・クォータを省略時の値に設定するシステム・パラメータ (パラメータ名の最初にPQL_Dの付いたもの)からクォータを得ます。

独立プロセスの生成時に常に, ログイン・イメージがUAFをチェックするように指定するには, /AUTHORIZEを指定します。/INPUT修飾子と /OUTPUT修飾子によって指定されるプロセス・パーマネント・ファイルは, 入出力用にコマンド・インタプリタによって使用されます。

/BUFFER_LIMIT=クォータ

バッファードI/O処理,または一時メールボックスの作成のためにプロセスが使用できる, 最大メモリ・サイズをバイト数で指定します。

バッファードI/Oクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値が使用されます。 プロセスを実行するためには,少なくとも1024バイトが必要です。

バッファード制限クォータは,プールされます。

/DELAY=デルタ時間

生成されたプロセスをハイバネート(休止)状態にして, 指定された時間が経過したあとでウェイクアップ(起動)させます。

デルタ時間は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) のデルタ時間の入力に関する規則に従って指定します。

/INTERVAL修飾子と/DELAY修飾子の両方を指定する場合には,最初の起動要求は, /DELAY修飾子に指定されている時刻に実行され,その後の起動要求はすべて, /INTERVALに指定されている時間間隔で実行されます。

/DETACHED
/NODETACHED

現在のプロセスと同じ利用者識別コード(UIC)を使って,独立プロセスを生成します (違うUICの独立プロセスを生成するには,/UIC修飾子を使用します)。 この修飾子が省略されている場合には, 生成されるプロセスは独立プロセスではありません。

省略時の設定では,独立プロセスは,現在のプロセスと同じ資源クォータを持ちます。 ただし,IMPERSONATE特権あるいはCMKRNL特権を持つ場合には, 独立プロセスが必要とするクォータを任意に指定できます。 IMPERSONATE特権あるいはCMKRNL特権を持たない限り, 生成できる独立プロセスの最大数は, UAFのMAX_DETACHによって定義されるクォータに制限されます。

/DUMP
/NODUMP (省略時の設定)

処理されないエラーのためにイメージが終了した場合には, /DUMP修飾子は,アドレス空間の内容を, プロセスの省略時の装置/ディレクトリ内のファイル(ファイル名は, イメージ名.DMP)に書き込みます。 ダンプを解析するには,Analyze/Process_Dumpユーティリティを使用します。

/ENQUEUE_LIMIT=クォータ

プロセスが一度に未処理状態のまま保持できる,ロックの最大数を指定します。

このクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値が使用されます。 プロセスが動作するには,少なくともこの値が2でなければなりません。

/ERROR=ファイル指定

SYS$ERRORという論理装置名に対する,等価名文字列を定義します。 等価名は,1文字から63文字までの英数字です。 論理名とその等価名は,生成されたプロセスのプロセス論理名テーブルに登録されます (SYS$SYSTEM:LOGINOUTを実行している場合には,/ERROR修飾子は無視されます)。

/EXTENT=クォータ

プロセス内で実行中のイメージが, 物理メモリ・サイズを拡張する場合の最大値を指定します。

このクォータを指定しない場合には,システム生成時に設定された, 省略時の値を使用します。 プロセスを実行するには,少なくとも10ページは必要です。

OpenVMS Alphaでは512バイトのページレットの数で, OpenVMS VAXでは512バイトのページの数で指定します。 OpenVMS Alphaは,指定された値を最も近いCPU特有のページ数に切り上げます。 したがって,実際に使用される物理メモリの量は, OpenVMS Alphaシステムでは,指定値よりも大きいことがあります。

拡張クォータは,プロセス,サブプロセス間で分割されません。

/FILE_LIMIT=クォータ

プロセスが一度にオープンできる,ファイルの最大数を指定します。

このクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値を使用します。 プロセスを実行するには,少なくともこの値が2でなければなりません。

ファイル制限クォータは,プールされます。

/INPUT=ファイル指定

SYS$INPUTという論理装置名に対する等価名文字列を定義します。 等価名は,1〜63文字までの英数字です。 論理名と等価名は,生成されたプロセスのプロセス論理名テーブルに登録されます。

/INTERVAL=デルタ時間

生成されたプロセスをハイバネート(休止)状態にし, 一定間隔でウェイクアップ(起動)することを指定します。

デルタ時間は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) のデルタ時間の入力に関する規則に従って指定します。

/DELAY修飾子または/SCHEDULE修飾子を, /INTERVAL修飾子とともに指定した場合には, 最初の起動は/DELAY修飾子または/SCHEDULE修飾子によって指定された時刻に実行され, そのあとの起動はすべて/INTERVAL修飾子によって指定された時間間隔で実行されます。 /DELAY修飾子も/SCHEDULE修飾子も指定せずに, /INTERVAL修飾子だけを指定する場合には,最初の起動は直ちに実行されます。

/IO_BUFFERED=クォータ

生成されたプロセスが一度に未処理状態にしておくことができる, システム・バッファードI/O処理の最大数を指定します。

このクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値が使用されます。 プロセスを実行するためには,この値が少なくとも2でなければなりません。

バッファードI/Oクォータは,プロセス,サブプロセス間で分割されません。

/IO_DIRECT=クォータ

生成されたプロセスが一度に未処理状態にしておくことができる, 直接I/O処理の最大数を指定します。

このクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値が使用されます。 プロセスを実行するためには,この値が少なくとも2でなければなりません。

直接I/Oクォータは,プロセス,サブプロセス間で分割されません。

/JOB_TABLE_QUOTA=クォータ

独立プロセスのジョブ論理名テーブルの大きさを指定します。

ここで,0という値には特別な意味があります。この0というテーブルの大きさは, そのクォータが親テーブルであるシステム・ディレクトリ・テーブルにプールされることになるため, ジョブ論理名テーブルが,すべての目的に対して無制限であることを意味します。

/JOB_TABLE_QUOTA修飾子が意味を持つのは,独立プロセスの場合だけです。 サブプロセスを生成するRUNコマンドに,/JOB_TABLE_QUOTA修飾子を指定した場合は, 無視されます。

/MAILBOX=ユニット番号

生成されたプロセスが削除される時に, 終了メッセージを受信するメールボックスのユニット番号を指定します。 メールボックスが指定されていない場合には, サブプロセスまたは独立プロセスが削除されても, それを生成したプロセスには通知されません。

/MAXIMUM_WORKING_SET=クォータ

プロセス内で実行中のイメージが, そのワーキング・セット・サイズを増大する際の最大値(64Kページまで)を指定します。 イメージは, $ADJWSL (Adjust Working Set Limit)システム・サービスを呼び出すことにより, ワーキング・セット・サイズを拡大できます。

このクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値を使用します。 プロセスを実行するためには,少なくとも10ページが必要です。

最大ワーキング・セット・クォータは,プロセス,サブプロセス間で分割されません。

/ON=ノード名

独立プロセスを作成するOpenVMS Clusterのノードを指定します。 ユーザがRUNコマンドで指定した値と, 作成したプロセスのクォータ(最大)とターゲット・ノードの PQL_M*システム・パラメータのクォータ(最小)を比較して,クォータが決まります。 この範囲外のクォータを指定するには, IMPERSONATE特権またはCMKRNL特権が必要です。 クォータを指定しないと,省略時の設定によりターゲット・ノードの PQL_D*システム・パラメータの値になります。

ノード名修飾子の値は, 要求したノードのSCSノード名を含む1〜6文字の文字列です。

たとえば,ノードFOO上にBARというプロセスを作成してMY_PROG.EXEを実行するには, 次のコマンドを入力します。

     $ RUN $10$DKB100:[SMITH]MY_PROG.EXE /DETACH /ON="FOO" -
     _$ /PROCESS_NAME="BAR"

イメージを含むディスクは,指定したノードでマウントしておかなければなりません。 コマンドを入力したノードでディスクがマウントされていないこともあるので, RUNコマンド・プロセッサはイメージが存在するかどうか確認しません。したがって, イメージ・ファイルがないために作成されたプロセスがすぐに強制終了されても, RUNコマンドはエラーなしで終了してしまいます。

/OUTPUT=ファイル指定

SYS$OUTPUTという論理装置名に対する,等価名文字列を定義します。 等価名は,1〜63文字までの英数字です。 等価名も論理名も,生成されたプロセスのプロセス論理名テーブルに登録されます。

/PAGE_FILE=クォータ

ページング・ファイルからプロセスに割り当てることができる, ページの最大数を指定します。ページング・ファイル・クォータは, イメージ実行中に使用できる補助記憶域のサイズです。

このクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値を使用します。 プロセスを実行するためには,少なくとも256ページが必要です。 ページング・ファイル・クォータは,プールされます。

/PRIORITY=n

現在のプロセスの優先順位より,高い基本優先順位を設定するためには, ALTPRI(優先順位変更)特権が必要です。

生成されたプロセスが実行される,基本優先順位を指定します。

Alphaでは優先順位の値は,0〜 63までの10進数です。63が最高の優先順位であり, 0は最低の優先順位です。通常の優先順位は,0〜15までの範囲であり, リアルタイム・プロセスの優先順位は,16〜63 までの範囲です。

VAXでは優先順位の値は,0〜 31までの10進数です。31が最高の優先順位であり, 0は最低の優先順位です。通常の優先順位は,0〜15までの範囲であり, リアルタイム・プロセスの優先順位は,16〜31 までの範囲です。

優先順位を指定しない場合には,現在のプロセスの基本優先順位が, 生成されたプロセスの優先順位となります。

/PRIVILEGES=(特権[,...])

自分が所有していない特権を,生成したプロセスに与えるには, SETPRV(特権設定)特権が必要です。

生成されたプロセスの特権を定義します。 ユーザが所有している特権は,生成したプロセスに与えることができます。 省略時には,生成されたプロセスは生成者と同じ特権を持ちます。 特権を1つしか指定しない場合には括弧を省略できます。

プロセス特権についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。

特権パラメータとして,NOSAMEというキーワードを使用できます。 /PRIVILEGES=NOSAMEを指定する場合には, 生成されたプロセスには特権が与えられません。

/PROCESS_NAME=プロセス名

生成されるプロセスの名前を定義します。 プロセス名は,1〜15文字までの英数字で指定します。 プロセス名は,プロセスの利用者識別コード(UIC)のグループ番号によって, 暗黙に修飾されます。省略時には,生成されるプロセスの名前は空文字列になります。

/QUEUE_LIMIT=クォータ

生成されたプロセスが一度に未処理状態にしておくことができる, タイマー・キュー・エントリの最大数を指定します。この値には, タイマー要求とスケジューリングされたウェイクアップ(起動)要求が含まれます。

このクォータを指定しない場合には, システム生成時に設定された省略時の値を使用します。 プロセスの実行には,特にタイマー・キュー・クォータは必要でありません。

タイマー・キュー・エントリ・クォータは,プールされます。

/RESOURCE_WAIT (省略時の設定)
/NORESOURCE_WAIT

特定の機能に必要な資源が得られない場合に,生成されたプロセスを待ち状態にします。

/NORESOUREC_WAIT修飾子を指定すると,資源を使用できないときに, プロセスにエラー状態コードが戻ります。

/SCHEDULE=絶対時刻

生成されたプロセスをハイバネート(休止)状態にし, 特定の時刻にウェイクアップ(起動)することを指定します。

絶対時刻は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) の絶対時刻の値の入力に関する規則に従って指定します。

/SERVICE_FAILURE
/NOSERVICE_FAILURE (省略時の設定)

システム・サービス要求中の障害に対する例外条件通知を,許可または禁止します。 省略されている場合には,エラーを示す状態コードがプロセスに報告されます。

/SERVICE_FAILURE修飾子を指定し,システム・サービス要求でエラーが発生した場合, プロセスは例外条件を検出します。

/SUBPROCESS_LIMIT=クォータ

生成されたプロセスが生成できる,サブプロセスの最大数を指定します。

クォータを指定しない場合には,システム生成時に設定された省略時の値を使用します。 プロセスを実行するために,特にサブプロセス・クォータを指定する必要はありません。

サブプロセス制限クォータは,プールされます。

/SWAPPING (省略時の設定)
/NOSWAPPING

プロセスのスワッピングを禁止するには, PSWAPM(プロセス・スワップ・モード)特権が必要です。

プロセスのスワップを許可します。 省略時の設定では,プロセスは他のプロセスが実行できるように, 物理メモリのバランス・セットからスワップされます。

/NOSWAPPINGが有効な場合には,待ち状態の時でもプロセスは, バランス・セットからスワップ・アウトされません。省略時には,プロセスは, 待ち状態になった時にバランス・セットからスワップ・アウトされます。

/TIME_LIMIT=制限値

生成されるプロセスが使用できる,CPU時間の最大値(デルタ時間)を指定します。 最小単位は10ミリ秒です。CPU時間の制限を越えると,プロセスは削除されます。

省略時の値は,独立プロセスの場合は0です。この場合CPU時間は無制限です。

サブプロセスの場合は,省略時の値は,それを生成した親プロセスの半分です。

CPU時間の上限値に0を指定した場合には, 親プロセスのCPU時間が無制限であれば無制限となり, そうでなければ親プロセスの半分になります。

CPU時間の制限は,プロセス,サブプロセス間で分割されるクォータです。 つまり,生成したプロセスが削除されても,そのプロセスで使用されたCPU時間は, 生成したプロセスに戻りません。

プロセスに対してCPU時間を制限する場合には,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) のデルタ時間の指定に関する規則に従って上限を指定します。

/TRUSTED

作成するプロセスはトラステッド・コンピューティング・ベース(TCB)に属し, 独自の機密監査機能を使用します。/DETACH修飾子も指定しなければなりません。 またIMPERSONATE特権が必要です。

/UIC=利用者識別コード

生成されるプロセスが, 指定した利用者識別コード(UIC)を持つ独立プロセスになるように指定します。 UICは『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。

/WORKING_SET=省略時の設定

生成されるプロセスのワーキング・セット・サイズを,ページ数で指定します。

省略時のワーキング・セット・サイズは,システム生成時に設定された省略時の値です。 プロセスを実行するには,少なくとも10ページは必要です。 /MAXIMUM_WORKING_SET修飾子によって指定される, ワーキング・セットの上限より大きな値は指定できません。

最大ワーキング・セット・クォータは,プロセス,サブプロセス間で分割されません。

  1. $ RUN/PROCESS_NAME=SUBA   SCANLINE
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 00010044.
    
    このRUNコマンドは,SCANLINE.EXEというイメージを実行するために, SUBAという名前のサブプロセスを作成します。 システムは,このサブプロセスに,00010044という識別番号を与えます。

  2. $ RUN/DELAY=3:30/OUTPUT=BALANCE.OUT BALANCE
    
    今から3時間30分後にイメージBALANCE.EXEを実行する,サブプロセスを作成します。 出力は,ファイルBALANCE.OUTに書き込まれます。

  3. $ RUN/INTERVAL=1:40/PROCESS_NAME=STAT   STATCHK
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 00050023
       .
       .
       .
    $ CANCEL STAT
    
    サブプロセスSTATを作成し,イメージSTATCHK.EXEを実行します。 イメージを実行するプロセスは,1時間40分毎にスケジュールされます。 プロセスは休止しますが,/DELAYも/SCHEDULEも指定されていないため, 最初の実行は直ちに開始されます。

    CANCELコマンドは,/INETRVAL修飾子で設定された周期的な起動を無効にします。 プロセスは,イメージ実行中であればその実行終了後に休止状態となります。

  4. $ RUN/PROCESS_NAME=LYRA  LYRA -
    _$/OUTPUT=_TTB3: -
    _$/ERROR=_TTB3:
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 000A002F
    
    サブプロセスLYRAを作成し,LYRA.EXEを実行します。 /OUTPUTと/ERROR修飾子でSYS$OUTPUT,SYS$ERRORに等価名を割り当てています。 サブプロセスが省略時の装置に書き込むメッセージは,ターミナルTTB3に表示されます。

  5. $ RUN/UIC=[100,4]/PRIVILEGES=(SAME,NOPSWAPM) -
    _$/NORESOURCE_WAIT   OVERSEER
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 0001002C
    
    UIC [100,4]で実行する独立プロセスを作成し,イメージOVERSEER.EXEを実行します。 このプロセスには,スワップ・モードの変更以外のすべての特権が引き継がれ, /NORESOURCE_WAIT修飾子で資源待ちが禁止されています。

  6. $ DEFINE/GROUP  TEST [MALCOLM.TESTFILES]
    $ RUN/PROCESS=SUB  WATCH -
    _$/INPUT=TEST:OUT1 -
    _$/OUTPUT=F$LOGICAL("SYS$OUTPUT")
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 0001002E
    
    DEFINEコマンドでグループ論理名TESTを作成し, RUNコマンドでサブプロセスを作成して,イメージWATCH.EXEを実行しています。

    /INPUT修飾子で,サブプロセスのSYS$INPUTを定義しています。 論理名TESTは,ファイルOUT1.DATのディレクトリを定義しています。 論理名TESTはグループ論理名なので,イメージWATCH.EXEから参照できます。

    /OUTPUT修飾子は,現在のプロセスのSYS$OUTPUTを変換するのに, レキシカル関数F$LOGICALを使用します。 サブプロセスに対するSYS$OUTPUT装置は,等価名文字列と同じです。


RUNOFF

DIGITAL Standard Runoff (DSR)テキスト編集ユーティリティを起動して, 1つまたは複数のASCIIファイルを編集します。 DSR (.RNO)ファイルから書式整形処理したファイル,未処理の目次ファイル(.RNT), および未処理の索引ファイル(.RNX)を作成します。 オプションで,RUNOFF/CONTENTSまたはRUNOFF/INDEXコマンドで使用可能な, 中間ファイル(.BRN)も作成します。

RUNOFFコマンド,RUNOFF/CONTENTSコマンド,RUNOFF/INDEXコマンド,および DSRフォーマッタについての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』および 『OpenVMS DIGITAL Standard Runoff Reference Manual』またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     RUNOFF  ファイル指定[,...] 


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