1つまたは複数のファイルの内容を,現在の出力装置に表示します。
TYPE ファイル指定[,...]
ディレクトリ名,ファイル名,ファイル・タイプ, ファイル・バージョン番号のフィールドに, それぞれワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%))を使用できます。 複数のファイルを指定する場合には, ファイル指定をコンマ(,)またはプラス記号(+)で区切ります。 ファイルは,指定した順に表示されます。
また,/PAGE修飾子を使用すると,一度に1画面ずつテキストを表示できます。
TYPEコマンドは,共有読み込み(R)および共有書き込み(W)アクセスで, 指定されたファイルをオープンします。 したがって,その時点で他のユーザがオープンしている場合でも, 属性が共有書き込みに設定されたファイルが表示されます。
またTYPEコマンドを使用して, 遠隔ノードでコマンド・プロシージャを実行することもできます。 たとえばOpenVMS Clusterシステムで, キューなどのクラスタ全体のサービスの状態を表示したい場合や, クラスタ内の他のノードにログインしているユーザを表示したい場合などは, この機能は便利です。次に,コマンド・プロシージャの例を示します。
$ @ SHOWUSERS.COM $ if f$mode() .eqs. "NETWORK" then define/user sys$output sys$net $ show users
このコマンド・プロシージャをTYPEコマンドとともに使用すると, コマンド・プロシージャが存在する遠隔ノードにログオンしているユーザを, このコマンドを発行したユーザのローカル・ノードに表示できます。
次のように,TYPEコマンドのパラメータとして,コマンド・プロシージャを指定します。
$ TYPE ノード名::"TASK=コマンド・プロシージャ"
ここでノード名およびコマンド・プロシージャは,次のように指定します。
ノード名 | コマンド・プロシージャが存在する遠隔ノードの名前を指定します。 |
コマンド・プロシージャ | 実行するコマンド・プロシージャのファイル名を指定します。 |
この形式のコマンドは,遠隔ノードの省略時のDECnetアカウントで, コマンド・プロシージャを検索します。
特定のアカウントの SYS$LOGINディレクトリにあるコマンド・プロシージャを実行するには, 次のようにコマンドでアクセス制御文字列を使用します。
$ TYPE ノード名"ユーザ名 パスワード"::"TASK=コマンド・プロシージャ"
ここでユーザ名およびパスワードは,次のように指定します。
ユーザ名 | 遠隔ノード上のアカウントの利用者名を指定します。 |
パスワード | 遠隔ノード上のアカウントのパスワードを指定します。 |
時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。
UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。
YES | NO | QUIT |
TRUE | FALSE | Ctrl/Z |
1 | 0 | ALL |
[Return] |
単語による応答には,大文字と小文字を自由に組み合わせることができます。 また,1文字または複数の文字に短縮することもできます (たとえば,TRUEはT,TR,TRUに短縮できます)。 ただし,応答は一意に認識できなければなりません。 肯定応答は,YES,TRUE,1です。否定応答は,NO,FALSE,0,<RET>です。 QUITまたはCtrl/Zは,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドの処理は継続されますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記に示されていない応答を入力すると,DCLはエラー・メッセージを発行し, 同じプロンプトがもう一度表示されます。
/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合は, "Findキー" (E1)キーを押すと文字列検索が有効になります。
/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば/OUTPUT=[JONES])を指定した場合には, TYPEという省略時のファイル名と.LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定には, ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%))は使用できません。
/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,どこにも出力されません。
/OUTPUT修飾子は/PAGE修飾子と同時に指定することはできません。
/PAGE修飾子では,次のキーワードを使用できます。
CLEAR_SCREEN | ページモードで表示(毎回画面を消去する) |
SCROLL | スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない) |
SAVE[=n] | nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能) |
/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。
キー・シーケンス | 意味 |
---|---|
Up arrow key, Ctrl/B | 1行スクロールアップ |
Down arrow key | 1行スクロールダウン |
Left arrow key | 1カラム左シフト |
Right arrow key | 1カラム右シフト |
Find (E1) | 文字列検索を起動 |
Insert Here (E2) | 半画面右シフト |
Remove (E3) | 半画面左シフト |
Select (E4) | 80/132カラム切替え |
Prev Screen (E5) | 前ページに移動 |
Next Screen (E6), Return, Enter, Space | 次ページに移動 |
F10, Ctrl/Z | 終了(他のコマンドでは違うものもあります) |
Help (F15) | ヘル・テキストを表示 |
Do (F16) | 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の入れ換え |
Ctrl/W | 再表示 |
N | 次ファイル(複数ファイルを指定した場合) |
Q | 終了 |
/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子と同時に指定することはできません。
情報が表示されている時にFindキー(E1)を押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。 この場合,二重引用符は必要ありません。
時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプのSPECIFY Date_Timeの項目を参照してください。
この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。
キーワード | 説明 |
---|---|
CONDENSED (省略時の設定) |
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。 |
EXPANDED | ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。 |
キーワードCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 このコマンドは,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。
EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。
詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。
これらの条件を満たしていても,なんらかのファイルの状態によっては, ファイルの終わりの数行が表示できない可能性があります。 その場合は,次のようなエラー・メッセージが表示されます。
%TYPE-W-READERR, error reading DEVICE:[DIRECTORY]FILE.EXT;1 -SYSTEM-E-UNSUPPORTED, unsupported operation or function
/NOWRAP修飾子を指定した場合は, はみ出した部分は左右にフクロールしながら見ることができます。
$ TYPE COMMON.DATこの例では,ターミナルにCOMMON.DATというファイルを表示することを指定しています。
$ TYPE *.DAT This is the first line in the file AA.DAT. . . . [Ctrl/O] This is the first line in the file BB.DAT. . . . [Ctrl/Y] Interrupt $ STOPこの例では,ファイル名にアスタリスク・ワイルドカード文字(*)が含まれています。 したがって,DATというファイル・タイプを持つすべてのファイルが, 表示のためにスケジューリングされます。 Ctrl/Oが押されると,現在表示されているファイルの出力は停止し, TYPEコマンドは次のファイルの表示を開始します。 Ctrl/Yは,このコマンドに割り込みをかけます。 そして,STOPコマンドによりTYPEコマンドを終了します。
$ TYPE LETTER*.MEM December 14, 1998 . . . [Ctrl/Y] Interrupt $ SHOW TIME 14-DEC-1998 15:48:07 $ CONTINUE Sincerely yours, . . .この例では,LETTERという文字列で始まるファイル名を持ち, ファイル・タイプがMEMである,すべてのファイルを表示することを指定しています。 ファイルの表示中に,Ctrl/Yを押して処理を中断し時刻を表示しています。 SHOW TIMEコマンドを実行したあと,CONTINUEコマンドを入力すると, TYPEコマンドの操作が再開されます。
$ TYPE/OUTPUT=SAVETEXT.TXT *.TXTこの例では,現在の省略時のディレクトリ内で, ファイル・タイプが.TXTであるすべてのファイルを,SAVETEXT.TXTに書き込みます。
$ TYPE MEXICO::NOTICE.TEXT/OUTPUT=TEMP.TEXTこの例では,MEXICOという遠隔ノードのNOTICE.TEXTというファイルを, SYS$OUTPUTではなく,ユーザ自身のノードのTEMP.TEXT という出力ファイルに書き込むことを指定しています。
$ TYPE SECSYS"FILES OFFICEFIL"::"TASK=SHOWUSERS" VAX/VMS Interactive Users 14-DEC-1998 17:20:13.30 Total number of interactive users = 5 Username Process Name PID Terminal MIRANDA Sec1 00536278 TXA1: JESSICA Sec2 00892674 VTA2: EMILY Sec3 00847326 TXA3: ANDREW Sec4 02643859 RTA1: BRIAN System Mangr 00007362 VTA1:遠隔ノードSECSYSのユーザFILESのSYS$LOGINディレクトリにある, コマンド・プロシージャSHOWUSERS.COMを実行しています。 TYPEコマンドの出力は,ローカル・ノードで表示されます。