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19 DCLディクショナリ - T -


TYPE

1つまたは複数のファイルの内容を,現在の出力装置に表示します。

フォーマット

     TYPE  ファイル指定[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

内容を表示する,1つまたは複数のファイルを指定します。 ファイル名だけを指定してファイル・タイプを指定しない場合には, TYPE コマンドは,省略時のファイル・タイプとして LIS を使用します。 ただし,論理名TYPE$DEFAULT_FILESPECの定義を変更すれば, 省略時のファイル・タイプを変更することができます。 TYPEコマンドは,ファイル指定を満たすすべてのファイルを表示します。

ディレクトリ名,ファイル名,ファイル・タイプ, ファイル・バージョン番号のフィールドに, それぞれワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%))を使用できます。 複数のファイルを指定する場合には, ファイル指定をコンマ(,)またはプラス記号(+)で区切ります。 ファイルは,指定した順に表示されます。

説明

TYPEコマンドで出力を表示する場合,次の方法で表示を制御できます。

また,/PAGE修飾子を使用すると,一度に1画面ずつテキストを表示できます。

TYPEコマンドは,共有読み込み(R)および共有書き込み(W)アクセスで, 指定されたファイルをオープンします。 したがって,その時点で他のユーザがオープンしている場合でも, 属性が共有書き込みに設定されたファイルが表示されます。

またTYPEコマンドを使用して, 遠隔ノードでコマンド・プロシージャを実行することもできます。 たとえばOpenVMS Clusterシステムで, キューなどのクラスタ全体のサービスの状態を表示したい場合や, クラスタ内の他のノードにログインしているユーザを表示したい場合などは, この機能は便利です。次に,コマンド・プロシージャの例を示します。

     $ @ SHOWUSERS.COM
     $ if f$mode() .eqs. "NETWORK" then define/user sys$output sys$net
     $ show users

このコマンド・プロシージャをTYPEコマンドとともに使用すると, コマンド・プロシージャが存在する遠隔ノードにログオンしているユーザを, このコマンドを発行したユーザのローカル・ノードに表示できます。

次のように,TYPEコマンドのパラメータとして,コマンド・プロシージャを指定します。

     $ TYPE ノード名::"TASK=コマンド・プロシージャ"

ここでノード名およびコマンド・プロシージャは,次のように指定します。

ノード名 コマンド・プロシージャが存在する遠隔ノードの名前を指定します。
コマンド・プロシージャ 実行するコマンド・プロシージャのファイル名を指定します。

この形式のコマンドは,遠隔ノードの省略時のDECnetアカウントで, コマンド・プロシージャを検索します。

特定のアカウントの SYS$LOGINディレクトリにあるコマンド・プロシージャを実行するには, 次のようにコマンドでアクセス制御文字列を使用します。

     $ TYPE ノード名"ユーザ名 パスワード"::"TASK=コマンド・プロシージャ"

ここでユーザ名およびパスワードは,次のように指定します。

ユーザ名 遠隔ノード上のアカウントの利用者名を指定します。
パスワード 遠隔ノード上のアカウントのパスワードを指定します。

修飾子

/BACKUP

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /BACKUP修飾子は,最新のバックアップの日付によってファイルを選択します。 この修飾子を,同様に時刻属性によってファイルを選択する /CREATED修飾子, /EXPIRED修飾子,または /MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, 省略時の設定により /CREATED修飾子が使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定した時刻より前の日付のファイルだけを選択します。 時刻は絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定できます。 またBOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 選択基準として使用する時刻の属性を指定するために,/BEFORE修飾子とともに, /CREATED(省略時の設定),/EXPIRED,または/MODIFIED修飾子を指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=利用者識別コード(UIC)]

ファイル所有者の利用者識別コード(UIC)が,指定したUICと一致する場合にだけ, ファイル(複数可)を選択します。/BY_OWNER修飾子だけを指定しUICを省略する場合には, 現在のプロセスのUICが省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

各ファイルの内容を出力装置に表示する前に, そのファイルに対するTYPE操作実行の確認プロンプトを表示するかどうかを指定します。 システムがプロンプトを表示した時に,次の応答のいずれかを入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答には,大文字と小文字を自由に組み合わせることができます。 また,1文字または複数の文字に短縮することもできます (たとえば,TRUEはT,TR,TRUに短縮できます)。 ただし,応答は一意に認識できなければなりません。 肯定応答は,YES,TRUE,1です。否定応答は,NO,FALSE,0,<RET>です。 QUITまたはCtrl/Zは,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドの処理は継続されますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記に示されていない応答を入力すると,DCLはエラー・メッセージを発行し, 同じプロンプトがもう一度表示されます。

/CONTINUOUS/INTERVAL=n

EOF検出時に,入力ファイルにレコードが追加されたかを指定秒数 (省略時の設定は30秒)間隔で調べ,もし追加されていれば表示します。 この場合,Ctrl/CまたはCtrl/Yで終了してください。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /CREATED修飾子は,ファイルの作成された期日をもとにファイルを選択します。 この修飾子を,同様に時刻属性によってファイルを選択する/BEFORE修飾子, /EXPIRED修飾子,または/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子のいずれも指定されない場合には, 省略時の設定により/CREATED修飾子が使用されます。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符(" ")で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合は, "Findキー" (E1)キーを押すと文字列検索が有効になります。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

ファイル指定と一致する1つまたは複数のファイルを,TYPE操作から除外します。 ファイル指定にはディレクトリ指定を含むことができますが, 装置名を含むことはできません。ファイル指定には, ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%))を使用できます。 しかし,特定のバージョンを除外するために, 相対バージョン番号を指定することはできません。 ファイルを1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /EXPIRED修飾子は,ファイルの満了日をもとにファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定します)。 この修飾子を,同様に時刻属性によってファイルを選択する/BACKUP修飾子, /CREATED修飾子,または/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, 省略時の設定により /CREATED修飾子が使用されます。

/HEADER
/NOHEADER

TYPE/PAGE=SAVEコマンドでヘッダ行を表示するかどうかを指定します。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 BOLD,BLINK,REVERSE,UNDERLINEのキーワードを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /MODIFIED修飾子は,ファイルの最後に変更された日付をもとにファイルを選択します。 この修飾子を,同様に時刻属性によってファイルを選択する /BEFORE修飾子, /CREATED修飾子,または /EXPIRED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子のいずれも指定されない場合には, 省略時の設定により/CREATED修飾子が使用されます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

ファイル内容の出力先を指定します。/OUTPUT=ファイル指定修飾子を指定すると, 現在の出力装置(SYS$OUTPUT)ではなく,指定されたファイルに出力が送られます。 修飾子を指定しなかった場合や, /OUTPUT修飾子だけを指定してファイル指定を省略した場合には, 出力はSYS$OUTPUTに送られます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば/OUTPUT=[JONES])を指定した場合には, TYPEという省略時のファイル名と.LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定には, ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%))は使用できません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,どこにも出力されません。

/OUTPUT修飾子は/PAGE修飾子と同時に指定することはできません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

画面上の情報の表示を制御します。

/PAGE修飾子では,次のキーワードを使用できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 意味
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(他のコマンドでは違うものもあります)
Help (F15) ヘル・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の入れ換え
Ctrl/W 再表示
N 次ファイル(複数ファイルを指定した場合)
Q 終了

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子と同時に指定することはできません。

/SEARCH="文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 スペース文字等を含む場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFindキー(E1)を押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。 この場合,二重引用符は必要ありません。

/SINCE[=時刻]

指定した時刻より後の日付のファイルだけを選択します。 時刻は絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定できます。 またBOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 選択基準として使用する時刻の属性を指定するために,/BEFORE修飾子とともに, /CREATED(省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED修飾子を指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプのSPECIFY Date_Timeの項目を参照してください。

/STYLE=キーワード

ファイルの内容を表示する場合のファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 このコマンドは,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/TAIL[=n]

ファイルの最後から指定行を表示します。 省略時の設定では,端末のページ行数-2行になります。 次の条件をすべて満たす時のみ,TYPE/TAILコマンドを使用できます。

これらの条件を満たしていても,なんらかのファイルの状態によっては, ファイルの終わりの数行が表示できない可能性があります。 その場合は,次のようなエラー・メッセージが表示されます。

     %TYPE-W-READERR, error reading DEVICE:[DIRECTORY]FILE.EXT;1
     -SYSTEM-E-UNSUPPORTED, unsupported operation or function

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 ラップを指定した場合は,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合は, はみ出した部分は左右にフクロールしながら見ることができます。

  1. $ TYPE  COMMON.DAT
    
    この例では,ターミナルにCOMMON.DATというファイルを表示することを指定しています。

  2. $ TYPE *.DAT
    This is the first line in the file AA.DAT.
       .
       .
       .
    [Ctrl/O]
     
    This is the first line in the file BB.DAT.
       .
       .
       .
    
    [Ctrl/Y]
    
    Interrupt
    $ STOP
    
    この例では,ファイル名にアスタリスク・ワイルドカード文字(*)が含まれています。 したがって,DATというファイル・タイプを持つすべてのファイルが, 表示のためにスケジューリングされます。 Ctrl/Oが押されると,現在表示されているファイルの出力は停止し, TYPEコマンドは次のファイルの表示を開始します。 Ctrl/Yは,このコマンドに割り込みをかけます。 そして,STOPコマンドによりTYPEコマンドを終了します。

  3. $ TYPE LETTER*.MEM
    December 14, 1998
       .
       .
       .
    
    [Ctrl/Y]
    
    Interrupt
    $ SHOW TIME
     14-DEC-1998 15:48:07
    $ CONTINUE
    Sincerely yours,
       .
       .
       .
    
    この例では,LETTERという文字列で始まるファイル名を持ち, ファイル・タイプがMEMである,すべてのファイルを表示することを指定しています。 ファイルの表示中に,Ctrl/Yを押して処理を中断し時刻を表示しています。 SHOW TIMEコマンドを実行したあと,CONTINUEコマンドを入力すると, TYPEコマンドの操作が再開されます。

  4. $ TYPE/OUTPUT=SAVETEXT.TXT *.TXT
    
    この例では,現在の省略時のディレクトリ内で, ファイル・タイプが.TXTであるすべてのファイルを,SAVETEXT.TXTに書き込みます。

  5. $ TYPE MEXICO::NOTICE.TEXT/OUTPUT=TEMP.TEXT
    
    この例では,MEXICOという遠隔ノードのNOTICE.TEXTというファイルを, SYS$OUTPUTではなく,ユーザ自身のノードのTEMP.TEXT という出力ファイルに書き込むことを指定しています。

  6. $ TYPE SECSYS"FILES OFFICEFIL"::"TASK=SHOWUSERS"
    
            VAX/VMS Interactive Users
               14-DEC-1998 17:20:13.30
        Total number of interactive users = 5
     Username     Process Name      PID     Terminal
     MIRANDA      Sec1           00536278   TXA1:
     JESSICA      Sec2           00892674   VTA2:
     EMILY        Sec3           00847326   TXA3:
     ANDREW       Sec4           02643859   RTA1:
     BRIAN        System Mangr   00007362   VTA1:
    
    遠隔ノードSECSYSのユーザFILESのSYS$LOGINディレクトリにある, コマンド・プロシージャSHOWUSERS.COMを実行しています。 TYPEコマンドの出力は,ローカル・ノードで表示されます。


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