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B ACLエディタのカスタマイズ

ACLセクション・ファイルSYS$LIBRARY:ACLEDIT.TPUを変更して再コンパイルすることにより,ACL ( アクセス制御リスト)エディタを変更することができます。SYS$LIBRARY:ACLEDIT.TPU ファイルは,コンパイル済みのACLセクション・ ファイルSYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION.TPU$SECTIONのソース・ ファイルです。独自のACLセクション・ファイルを作成することもできます。

セクション・ファイルの作成と処理の詳細については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。

B.1 ACLセクション・ファイルに格納されている変数の変更

表 B-1は,ACLセクション・ ファイルの変数と省略時の値の一覧です。

表 B-1 ACLセクション・ファイルの変数

変数 意味
ACLEDIT$X_CHECK_DUPLICATES 重複ACEをチェックするかどうかを制御する。次の値を定義できる。

0 重複ACEをチェックしない。
1 重複ACEをチェックする。 入力するACEが既存ACEと同じである場合,エラー・メッセージが出力される。 省略時の値である。

ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY ACEの変更を許可または禁止する。 次の値を定義できる。

0 ACEを変更できる。
1 ACEを変更できない。ACE を変更しようとした場合,オリジナルのACEと置換される。省略時の値である。

ACLEDIT$X_DIRECTORY_FILE オブジェクトがディレクトリ・ ファイルであるかどうかを示す。次の値を定義できる。

0 オブジェクトは,ディレクトリ・ ファイルではない。
1 オブジェクトは,ディレクトリ・ファイルである。

ACLEDIT$X_PASTE_BUFFER VT200シリーズ・ターミナルに対し,PASTEバッファのサポートを許可するかどうかを制御する。 次の値を定義できる。

0 PASTEバッファ・サポートを禁止する。 省略時の値である。
1 PASTEバッファ・サポートを許可する。

ACLEDIT$X_PROMPT 自動テキスト挿入( プロンプト・モード)を許可するかどうかを制御する。次の値を定義できる。

0 プロンプト・モードを禁止する。
1 プロンプト・モードを許可する。 省略時の値である。

ACLEDIT$X_USE_DEFAULT_OPT DEFAULTオプションをディレクトリ以外のACE で使用できるかどうかを制御する。次の値を定義できる。

0 DEFAULTオプションを使用できるのは, ディレクトリ・ファイル(.DIR)のACEだけである。省略時の値である。
1 DEFAULTオプションは, すべてのオブジェクト・タイプのACEで使用できる。

ACLEDIT$C_WINDOW_SHIFT 指定方向で編集ウィンドウを移行するカラム数を指定する。左方向の移行にはGOLD キーと左向き矢印キー,右方向の移行にはGOLDキーと右向き矢印キーを使用する。 省略時の値は,8カラムである。

表 B-1に示されている変数を変更した場合やACL セクション・ファイルの他の部分を変更した場合,次のコマンドでセクション・ ファイルを再コンパイルします。

     $ EDIT/TPU/NOSECTION/COMMAND=SYS$LIBRARY:ACLEDIT

上記のコマンドは,コンパイル済みACLセクション・ファイルSYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION を作成するソース・コード・ファイルSYS$LIBRARY:ACLEDIT を直接変更する場合に使用します。既存のACLセクション・ ファイルにプライベート・コマンド・ファイルを追加する場合には, 次のコマンドを使用します。

     $ EDIT/TPU/SECTION=SYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION/COMMAND=CUSTOM_ACL.TPU

コンパイルされたDECtpu ACLセクション・ファイルは,現在のディレクトリに格納されます。 このセクション・ファイルを実行するには,次のいずれかの作業を行います。

コンパイルする前のセクション・ファイル(ソース・ファイル)の省略時のファイル・ タイプはTPUであり,コンパイル済みセクション・ファイルの省略時のファイル・ タイプはTPU$SECTIONです。

DECtpuセクション・ファイルの作成と処理の詳細については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。

B.2 ACLエディタ・ルーチンCALL_USER の使用法

ACLエディタ・ルーチンCALL_USERは,共用可能イメージSYS$LIBRARY:ACLEDTSHR.EXE の一部です。このルーチンは,その既存機能コードとともにACL セクション・ファイルに含めることができます。また, 別の機能コードを認識するCALL_USERルーチンを,新たに作成することもできます。

ACLエディタ・ルーチンCALL_USERは,ACLエディタのDECtpuセクション・ ファイルが使用する機能だけを認識します。その他の機能コードは, ユーザが提供するCALL_USERルーチンに渡されます。ACLエディタ・ ファシリティ・コード(10進値277または16進値115)を上位ワードに含んでいるCALL_USER 機能コードは,ACLエディタのCALL_USERルーチンで処理されます。 その他の機能コードの場合,ユーザが提供するCALL_ USERルーチンが使用されます。CALL_USERルーチンの作成方法については, 『DEC Text Processing Utility Reference Manual』のCALL_USERルーチンの説明を参照してください。

表 B-2は,ACLエディタがサポートするCALL_USER ルーチンの機能コードの一覧です。

表 B-2 CALL_USER機能コード

機能コード ニーモニック 説明
18153473 ACLEDIT$C_PARSE_ ACE 入力文字列(ACE)を解析し,エラーが存在しない場合は解析済み( バイナリ) ACEを戻す。エラーを検出した場合,最初の2 文字が0,入力ACEの中で解析されなかった箇所を3文字目以降とする文字列を戻す。
18153474 ACLEDIT$C_CHECK_MODIFY ユーザが変更できるACE の場合,文字列"READ_WRITE"を戻す。変更できないACEの場合,文字列"READ_ONLY" を戻す。
18153475 ACLEDIT$C_PROMPT_MODE プロンプト・モードが指定されている場合, 文字列"PROMPT_MODE"を戻す。プロンプト・モードが指定されていない場合, 文字列"NOPROMPT_MODE"を戻す。
18153476 ACLEDIT$C_CHECK_ACE 入力文字列(ACE)を解析し,エラーが存在しない場合は解析済み(バイナリ) ACE を戻す。エラーを検出した場合,ACEテキストを強調表示し, エラーがあるACEであることを示すDECtpu変数ACLEDIT$X_RANGE_x を作成する。"x"は,1から始まる通し番号である。
18153477 ACLEDIT$C_CHECK_DIR 編集対象オブジェクトがディレクトリ・ファイルである場合, 文字列"DIRECTORY_FILE"を戻す。ディレクトリ・ファイルでない場合, 文字列"NODIRECTORY_FILE"を戻す。
18153478 ACLEDIT$C_SET_CANDIDATE 入力文字列(ACE)を解析し,エラーが存在しない場合は文字列"PARSE_ OK"を戻す。エラーを検出した場合,文字列"PARSE_ERROR"を戻す。解析が正常終了した場合,CALL_USER のACLEDIT$C_CHECK_DUP機能が重複ACE をチェックする。
18153479 ACLEDIT$C_CHECK_DUP 入力文字列(ACE)を解析し, エラーを検出した場合は文字列"PARSE_ERROR"を戻す。エラーが存在しない場合,CALL_USER のACLEDIT$C_SET_CANDIDATE機能が設定した候補ACEと解析済み( バイナリ) ACEとを比較する。ACEが重複している場合は文字列"DUPLICATE_ACE" を戻し,重複していない場合は文字列"UNIQUE_ACE"を戻す。
18153482 ACLEDIT$C_ MESSAGE 入力文字列がシステム・エラー・コードであると仮定し, そのエラー・コードに対応するメッセージ・テキストをACLエディタのメッセージ・ ウィンドウに戻す。


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