日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
システム・マネージャーズ・ガイド


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第 10 章
プリンタ固有の情報

この章は,特定のプリンタでDCPSを使用する場合の管理に関する情報を提供します。一般ユーザに有用なプリンタ固有の情報は,このマニュアルではなく『日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS ユーザーズ・ガイド』で提供されています。また,『日本語DECprint Supervisor Version 2.0 for OpenVMS リリース・ノート』にも,プリンタ固有の情報が記載されています。

10.1 Apple LaserWriter Plusプリンタ

10.1.1 LPS$PERSISTENT_RESOURCES の未サポート

デスクトップ・プリンタ用の, PostScript サーバ・ループの外側で LPS$PERSISTENT_RESOURCES モジュールをロードする DCPS 機能は, LaserWriter Plus ではサポートされていません。

10.2 Compaq Laser Printer LN16 および GENICOM microLaser 170

10.2.1 プリンタ構成の設定

DCPS では,プリンタの PERSONALITY を POSTSCRIPT に設定する必要があります。 PERSONALITY が AUTO または PCL に設定されていると, DCPS のジョブは "Starting" 状態のままになり,印刷されません。この設定は,プリンタ・コンソールの CONFIG メニューにあります。

PERSONALITY を POSTSCRIPT に設定しても,Windows PC から送られた PCL ジョブを正しく印刷することができます。

10.2.2 LAT および AppleTalk 構成

DCPS キューで使用する LAT 装置を作成するには, LATCP 修飾子に次のいずれかの値のセットを使用することができます。

nodename はプリンタの NIC ノード名で, service はプリンタの有効なサービスの名前です。これらの値は,プリンタの NIC のステータス・ページから,あるいは Telnet または LAT 経由で NIC にログインすることにより,取得することができます。たとえば,次のコマンドは,プリンタの NIC のノード名が PRQ_00001F であることを示しています。


    Local_4> show server 
       NET16 Version V1.0/1(990126)           Uptime:                 23:17:07 
       Hardware Addr: 00-50-27-00-00-1f       Name/Nodenum:      PRQ_00001F/ 0 
       Ident String: NET16 

AppleTalk を使用する DCPS キューを作成するには,サービス名を使用する必要があります。省略時のサービスの1つを使用し,それを変更するか,あるいは自身のサービスを作成することができます。次は,LAT および AppleTalk の両方で使用できるサービスの一例です。この例では,DCPS_LN16 が AppleTalk 名です。


    Local_4> list service dcps_ln16 
 
    Service:  DCPS_LN16         Ident:  DCPS Compaq Laser Printer LN16 
      Rating: N/A               Ports:  1 
      Characteristics:          Queueing  Binary  Rtel  Connections  AppleTalk 
                                Lat 
      SOJ: <none>     EOJ: <none> 
      Enabled Groups: 0 

AppleTalk サービスの作成は注意して行ってください。複数のプリンタで同じサービス名を作成すると,複数のプリンタがネットワークで同じ AppleTalk 名を使用することになります。

プリンタ・サービスの特性を設定する方法についての詳細は,プリンタの『Ethernet Network Interface Card (NIC) Reference Manual』を参照してください。

10.3 Compaq Laser Printer LN32 および LNM40; GENICOM LN21,LN28 および LNM40; GENICOM microLaser 210,280,320 および 401

10.3.1 プリンタおよびネットワーク・ファームウェアのバージョン

ファームウェアのバージョンはサマリ・シートおよびプリンタ関連の Web ページにリストされています。プリンタ・ファームウェアは Product Version としてリストされ,ネットワーク・ファームウェアは Network Version としてリストされます。

10.3.2 プリンタ構成の設定

10.3.2.1 言語識別モード

プリンタが PostScript モードまたは自動言語識別モードの場合, DCPS はこれらのプリンタに印刷することができます。 INTERPRETER および FORMAT 設定が 表 10-1 に記述されているとおりに設定されていることを確認してください。これらの値は,プリンタのコンソールの INTERFACE メニューで設定されます。

表 10-1 LN21, LN28, LN32, LNM40, mL210, mL280, mL320, mL401 の有効な言語識別構成
  プリンタ設定
プリンタ・モード インタプリタ フォーマット
PostScript/PCL 検出 Auto Switch Raw
PostScript PostScript Normal

10.3.2.2 プリンタ設定によりキューが停止することがある

プリンタの Delayed Output Close 設定の工場出荷時の省略時の値で, DCPS キューが停止することがあります。省略時の値は OFF であり,これは,1 つのジョブの印刷を早く終わらせて次のジョブの印刷を開始させるようにプリンタを制御して,性能を向上させることを意図したものです。ただし,DCPS 以外の環境からも印刷する場合は,この値により DCPS キューが停止することがあります。したがって,複数の環境から印刷する場合は,この値を ON に設定してください。DCPS からだけ印刷する場合には, Delayed Output Close の値を OFF のままにしておいてもかまいません。

Delayed Output Close の設定は,プリンタのコンソールで INTERFACE メニューの NETWORK セクションに DELAY OUT CLOSE として示されます。 *

10.3.3 LAT および AppleTalk の構成

LAT および AppleTalk のキューの構成についての詳細は, 第 10.2.2 項 を参照してください。

10.3.4 TCPware 使用時にキューが異常終了する

これらのプリンタで TCPware を使用している場合,画面上に多数のユーザデータ・メッセージを受信し,次のような OPCOM メッセージを表示してキューが異常終了することがあります。


  %%%%%%%%%%%  OPCOM  21-APR-1999 15:09:53.22  %%%%%%%%%%% 
  Message from user SYSTEM on ZIPPY 
  Queue LN32_RAW: %DCPS-F-EXQUOTA, process quota exceeded 

この問題は,TCPware V5.3-3 とネットワーク・ファームウェア V1.0/4 (990323) を実行している場合に生じることがあります。この問題を回避するには,システム管理者は次のいずれかの手順を実行する必要があります。

注意

* この設定は,LN32 および LNM40 プリンタでバージョン 3.03 より以前のファームウェアを使用している場合には表示されません。

10.4 DIGITAL Colorwriter LSR 2000プリンタ

10.4.1 raw TCP/IPでは動作しないNIC

NIC が raw TCP/IP 通信をサポートしないため, DCPS は raw TCP/IP接続経由で Colorwriter LSR 2000 NIC と通信することができません。

DCPS が Colorwriter LSR 2000 と通信することができるネットワーク・プロトコルは AppleTalk のみです。

10.5 DIGITAL DECcolorwriter 1000プリンタ

10.5.1 プリンタ固有のセットアップ・ファイル

次の表に示すファイルを使用してプリンタの状態を永続的に変更した場合,それ以降,プリンタの電源を切断して再度投入するまでの間,使用中のシステムあるいはネットワーク上の別のシステムからプリンタが受信するすべてのジョブに影響を与えます。これらのファイルは, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]ディレクトリに置かれています。

セットアップ・ファイル 説明
DCW1000_CONFIG.PS プリンタの時間切れの値を設定します。
DCW1000_DEVPARAM.PS シリアル・ポートの構成を変更します。
DCW1000_STARTPG.PS スタート・ページを有効にします。
DCW1000_NOSTRTPG.PS スタート・ページを無効にします。
DCW1000_PRNTCNFG.PS ソフトウェアが選択する情報ページを有効にします。
DCW1000_PSCRIPT.PS PostScriptへのポートを変更し,すべてのポートを省略時の設定にします。

注意

10.6 DIGITAL DEClaser 3500プリンタ

10.6.1 ジョブが "Starting" 状態のままとなること

DCPS を DEClaser 3500 プリンタのオプションのシリアル・ポートで使用する場合,ジョブが "Starting" 状態のままとなる可能性があります。この場合,次のオプションのいずれか 1 つを選択する必要があります。

  1. プリンタを PostScript モードにロックします (フロント・パネルでSerial, Printer Type = STD PostScript に設定します)。 DCPS$queuename_NO_SYNC 論理名を使用してはなりません。このモードでは,プリンタが PJL シーケンスに応答しないので,ネイティブ PCL を使用することはできません。 PCL 4 トランスレータを強制的に使用するには, 第 10.7.1 項 に説明されている対処法を使用する必要があります。

  2. シリアル・ポートの言語識別モードを Automatic に設定し (フロント・パネルで,Serial,Printer Type = PS/PCL Sensing に設定し), DCPS$queuename_NO_SYNC論理名を定義します。このモードでは,プリンタは PJL シーケンスに応答し,データ・ストリームに示されるとおりにネイティブ PCL 5 または PostScript に切り換えます。

10.6.2 通信プロトコルとネイティブ PCL サポートとの相互関係

オプションのネットワーク・カードは,ネイティブ PCL への切り換えをサポートしますが,プロトコルを自動識別に設定する必要があります。

10.6.3 raw TCP/IPで動作しない NIC

NIC が双方向 TCP/IP 通信をサポートしていないため, DCPS は raw TCP/IP 接続経由でプリンタと通信することができません。

代わりに,プリンタをプリント・サーバ (たとえば,Rapidprint 500) またはターミナル・サーバに接続し, LAT 接続を使用することが可能です。

10.7 DIGITAL DEClaser 5100プリンタ

10.7.1 NIC 上で EtherTalk プロトコルが利用できないネイティブ PCL

ネットワーク・インタフェース・カード (NIC) の問題により, DCPS は EtherTalk の使用時にプリンタをネイティブ PCL に切り換えることができません。この場合,次のエラーが表示されます。


%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is <1B> 
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored 

部分的な解決策は, DCPS$STARTUP.COM にキューを作成する場合に, PAGE_LIMIT=999999という省略時のプリント・ジョブ・パラメータを指定することです。このパラメータにより,すべての PCL ファイルが強制的に PCL トランスレータを経由して印刷されます。ただし,PCL トランスレータは PCL 5 ではなく PCL 4 です。

10.7.2 raw TCP/IP で動作しない NIC

NIC が双方向 TCP/IP 通信をサポートしていないため, DCPS は raw TCP/IP 接続経由でプリンタと通信することができません。

代わりに,プリンタをプリント・サーバ (たとえば,Rapidprint 500) またはターミナル・サーバに接続し, LAT 接続を使用することが可能です。

10.7.3 フォントのダウンロードと削除

DEClaser 5100 printer のオプションのハード・ドライブからのフォントのダウンロード,またはフォントの削除を行うことができます。これには, 付録 C で説明する FONT_DOWNLOADER.COM プロシージャを使用します。

10.7.4 エラー・ページ機能

DEClaser 5100 プリンタには,PostScript インタプリタでエラーが発生した場合に,現在の用紙を排紙してから PostScript エラー情報用紙を印刷する機能があります。この機能は PostScript の問題を解析するための強力な手段ですが,次の理由から日常的に使用することは推奨できません。

DCPS でプリント・キューを起動する前に,DEClaser 5100のフロント・パネルで, "Print Errors" という機能を無効にする必要があります。この機能は,PostScript の問題を解析する場合にのみ有効としてください。

"Limitcheck"エラーのためにジョブが印刷に失敗した場合,エラー・メッセージの一部に"page protection required"と表示されていないかどうかを確認してください。このエラー表示は,バンディング障害によりジョブが異常終了したことを意味します。

10.8 DIGITAL Laser Printer LN15+

DIGITAL Laser Printer LN15+は,DIGITAL Laser Printer LN15 のアップグレード機種です。 DCPS ドキュメントの DIGITAL Laser Printer LN15 に関する記述は, DIGITAL Laser Printer LN15+ についても適用されます。

10.8.1 プリンタ構成の設定

DCPS では,LN15+ 属性を特定の値に設定する必要があります。 表 10-2 で説明する値に設定されていない場合, DPCS のジョブは "Starting" 状態のままになり,印刷されません。

表 10-2 LN15の構成の設定
設定 設定方法 ドキュメント
PERSONALITY PS プリンタ・コンソールのCONFIGメニュー 『LN15 User Manual』
NPAP MODE OFF プリンタ・コンソールのPARALLELメニュー 『LN15 User Manual』
PORT 1 BITRONICS ENABLED Ethernet カード管理 『RapidPrint 600 Print Server Installation Guide』

10.9 DIGITAL Laser Printer LN17+ps

DIGITAL Laser Printer LN17+psは,LN17psプリンタのアップグレード機種です。 DCPS ドキュメントの DIGITAL Laser Printer LN17ps についての記述は DIGITAL Laser Printer LN17+ps についても適用されます。

10.9.1 ジョブが "Starting" 状態のままとなること

raw TCP/IP または LAT 接続の LN17+ps プリンタで DCPS を使用する場合,対応する DCPS プリント・ジョブが "Starting" 状態のままとなる可能性があります。

Ethernet ポートを設定して PostScript 言語を使用し,自動言語識別機能を無効にするか,対応するキュー用に DCPS$queuename_NO_SYNCシステム論理名を定義しなければなりません。


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