日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
ユーザーズ・ガイド


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第 2 章
プリント・ジョブの修正ならびにプリント・ジョブおよびキューの状態表示

この章で説明するコマンドを使用することで,プリント・ジョブの表示,削除,変更を行うことができます。また,キューに登録されているプリント・ジョブの一覧や,プリント・ジョブの状態を表示することもできます。

2.1 プリント・ジョブの表示

SHOW ENTRYコマンドを使用すれば,プリント・ジョブに関する情報を表示することができます。

特定のプリント・ジョブの状態を表示する場合には, SHOW ENTRYコマンドにジョブ番号を指定します。次の例を参照してください。


$ SHOW ENTRY 96


Entry        Jobname         Username   Blocks  Status 
-----        --------        --------   ------  ------ 
96           MEMO            MSMITH     114     Holding until 27-MAR-2001 17:00 
    On idle printer queue LP40$A14 

/FULL修飾子を指定した場合には,プリント・ジョブに関する詳細情報を表示することができます。次の例を参照してください。


$ SHOW ENTRY 96/FULL


Entry        Jobname         Username  Blocks  Status 
-----        --------        --------  ------  ------ 
96           MEMO            MSMITH    114     Holding until 27-MAR-2001 17:00 
    On idle printer queue LPS40$A14 
    Submitted 27-MAR-2001 10:36 /FORM=DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT) /NOTIFY 
    /PARAM=("DATA=AUTOMATIC") /PRIORITY=100 
    File: _$1$DUA10:[MSMITH]MEMO.TXT;1 
    File: _$1$DUA10:[MSMITH]FILE_SNIFF.TXT;1 
    File: _$1$DUA10:[MSMITH]INFOPLAN.TXT;1 
    File: _$1$DUA10:[MSMITH]MONTHLY_REPORT.TXT;2 
    File: _$1$DUA10:[MSMITH]SPECIAL_SEPARATION_PAGES.TXT;1 
    File: _$1$DUA10:[MSMITH]VTPW.TXT;1 

/FULL修飾子はキューに登録されているプリント・ジョブの状態を表示します。この例に示したプリント・ジョブは "Holding" 状態です。これは,このジョブをキューに登録するときに /AFTER 修飾子を指定し,プリント・ジョブの開始を遅らせているためです。プリント・ジョブの状態は 表 2-1 に示す状態のいずれかとなります。

表 2-1 プリント・ジョブの状態
状態 意味
Printing ローカル・プリンタの場合は,プリント・ジョブが現在印刷中です。ネットワーク・プリンタの場合には,プリント・ジョブは印刷中であるか,または別のシステムからのジョブが印刷中です。
Holding プリント・ジョブをキューに登録するときに/AFTER修飾子または/HOLD修飾子を指定したか,またはジョブに対して SET ENTRY/HOLD コマンドを入力した場合には,プリント・ジョブは保留状態となります。プリント・ジョブを印刷するために保留を解除するには, SET ENTRY コマンドに /RELEASE 修飾子を指定します ( 第 2.4 節 を参照)。
Pending プリント・ジョブは印刷待ちの状態です。つまり,このジョブより前に他のプリント・ジョブがキューに登録されているか,または適切な種類の用紙がプリンタに装着されるのをジョブが待っている状態です。
Retained ジョブは完了しましたが,キューにそのまま残されています。

すべてのプリント・ジョブを表示するには,プリント・ジョブ番号を指定しないで SHOW ENTRY コマンドを入力します。次の例を参照してください。


$ SHOW ENTRY


Entry        Jobname         Username  Blocks  Status 
-----        --------        --------  ------  ------ 
96           MEMO            MSMITH    114     Holding until 27-MAR-2001 17:00 
    On busy printer queue LP40$A14 
75           AUTO            MSMITH    368     Pending 
    On busy printer queue PS40$A10 
68           BOOK_LIST       MSMITH     78     Printing 
    On busy printer queue PS40$A10 

プリント・ジョブを表示する場合, SHOW ENTRYコマンドに次の修飾子を指定することができます。

SHOW ENTRY 修飾子 表示される情報
/BRIEF プリント・ジョブに関する要約情報。 /FULL 修飾子を指定しなかった場合には,これが省略時の設定です。
/BY_JOB_STATUS=( keyword,...) キーワードに指定した状態のプリント・ジョブ。指定できる状態は 表 2-1 に示すとおりです。
/FILES 表示する各プリント・ジョブ内のファイル名。
/FULL ジョブの状態や印刷するファイル名も含めた,プリント・ジョブに関する完全な情報。
/USER_NAME= user-name 指定したユーザのプリント・ジョブ。

2.2 プリント・キューの表示

キューに登録されているすべてのプリント・ジョブの一覧とプリント・キューの状態を表示するには, SHOW QUEUEコマンドを使用します。

注意

ネットワーク内のリモート・ノードが保有するプリント・キューから同じプリンタにジョブが送信される可能性がありますが,これらのノードのキューは表示されません。

キューに登録されているすべてのプリント・ジョブを表示するには, SHOW QUEUEコマンドを入力し,その後にプリント・キューの名前を指定します。


$ SHOW QUEUE LPS40$A10


Printer queue LPS40$A10, on LEVEL::A10, mounted form DCPS$DEFAULT 
(stock=DEFAULT) 
Entry        Jobname         Username  Blocks  Status 
-----        --------        --------  ------  ------ 
96           MEMO            MSMITH    114     Holding until 27-MAR-2001 17:00 

すべてのユーザのプリント・ジョブを表示するには,そのための特権が必要であり,SHOW QUEUE/ALL コマンドを使用します。

システムのすべてのキューの一覧を表示するには,キュー名を指定しないで SHOW QUEUE コマンドを入力します。

キューに関する情報の種類を指定して表示するには,次の修飾子を使用します。

SHOW QUEUE 修飾子 表示される情報
/ALL_JOBS キューに登録されているすべてのプリント・ジョブ。この修飾子を指定しなかった場合には, SHOW QUEUEコマンドはキューに登録されているジョブのうち,このコマンドを入力したユーザのプリント・ジョブを表示します。
/BRIEF 1つ以上のプリント・ジョブに関する要約情報。 /FULL修飾子を指定しなかった場合には,これが省略時の設定です。
/BY_JOB_STATUS=( keyword,...) キーワードに指定した状態を持つプリント・ジョブ。指定できる状態は 表 2-1 に示すとおりです。
/FILES 表示される各プリント・ジョブ内のファイル名。
/FORM 定義されているフォームに関する情報( 第 13 章 を参照)。
/FULL ジョブの状態や印刷するファイル名も含めた,プリント・ジョブに関する完全な情報。
/SUMMARY キューの状態とキューに登録されているプリント・ジョブに関する簡単なメッセージ。

2.3 プリント・ジョブの削除

プリント・ジョブをキューから削除するには,DELETE/ENTRYコマンドを使用します。プリント・ジョブが印刷中の場合には,このコマンドは印刷を終了し,プリント・ジョブを削除します。

システム管理者が印刷終了後もプリント・ジョブをキューに保存するようにキューを設定した場合には,DELETE/ENTRYコマンドを使用した後も,プリント・ジョブはキューに残されます。この場合には,DELETE/ENTRYコマンドを2回使用することにより,ジョブをキューから削除することができます。

DELETE/ENTRYコマンドで,削除するプリント・ジョブのジョブ番号を指定してください。次の例を参照してください。


$ DELETE/ENTRY=96


Job MEMO (queue LP40$A10, entry 96) terminated with error status 
%JBC-F-JOBDELETE, job deleted before execution 
%DELETE, entry 96 aborting or deleted 

2.4 プリント・ジョブの変更

印刷がまだ開始されていないプリント・ジョブについては, PRINTT コマンドで指定した出力先のキューやプリント・ジョブの属性を変更することができます。ただし,印刷をすでに開始したプリント・ジョブを変更することはできません。

プリント・ジョブの状態,属性または出力先のキューを変更するには, SET ENTRY コマンドを使用します。 SET ENTRYコマンドにはジョブ番号と修飾子を指定してください。次の例では,ジョブ番号318のプリント・ジョブのプリント・キューを変更する方法を示しています。新しいキューはSET ENTRYコマンドと/REQUEUE修飾子を使用して指定します。


$ PRINT *.MSG/AFTER=17:00/QUEUE=PS40$A10


Job AUTO (queue PS40$A10, entry 318) holding until 27-MAR-2001 17:00 


$ SET ENTRY 318/REQUEUE=LP40$A10
$ SHOW QUEUE LP40$A10


Printer queue LP40$A10, on MOON::A10::, mounted form DCPS$DEFAULT 
(stock=DEFAULT) 
Entry          Jobname         Username  Blocks  Status 
-------        --------        --------  ------  ------ 
318            AUTO            MSMITH     368    Holding until 27-MAR-2001 17:00 

SET ENTRYコマンドを使用すれば,保留状態のプリント・ジョブの保留を解除することができます。このためには,SET ENTRYコマンドに/RELEASE修飾子を指定します。次の例を参照してください。


$ SET ENTRY 318/RELEASE


%DCPS-I-JOBSTART, Job AUTO (queue LP40$A10, entry 318) started 
on LP40$A10 

また, SET ENTRYコマンドを使用すれば,プリント・ジョブの修飾子とプリント・パラメータを変更することができます。 SET ENTRYコマンドにジョブ番号と新しい修飾子またはパラメータ値を指定してください。

PRINTコマンドに複数のプリント・パラメータを指定した場合には, SET ENTRYコマンドにもそれらのすべてのパラメータを指定しなければなりません。 PRINTコマンドに指定した他のパラメータを変更せずに,パラメータを1つだけ変更することはできません。パラメータを1つだけ変更すると,他のパラメータは省略時の値に戻されます。たとえば,次のコマンドを使用してプリント・ジョブをキューに登録したとします。


$ PRINT/PARAMETERS=(SIDES=2,PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPE) MYFILE.RPT
Job MYFILE (queue PS40$A10, entry 329)

このプリント・ジョブのページ方向の設定を変更するには,次に示すように SIDESパラメータも指定しなければなりません。


$ SET ENTRY 329/PARAMETERS=(SIDES=2,PAGE_ORIENTATION=PORTRAIT)
$ SHOW ENTRY 329/FULL


Entry        Jobname         Username  Blocks  Status 
-----        --------        --------  ------  ------ 
329          MYFILE          MSMITH       4    Holding until 27-MAR-2001 17:00 
    On Printer queue PS40$A10 
    Submitted 27-MAR-2001 11:50 /FORM=DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT) /NOTIFY 
    /PARAMETERS=("SIDES=2","PAGE_ORIENTATION=PORTRAIT") /PRIORITY=100 
    File: _$1$DUA10:[MSMITH]MYFILE.RPT;2 


第 3 章
PC からのファイルのコピーおよび印刷

この章では,PC からの印刷方法のヒントを提供します。 DOS あるいはアプリケーションから印刷するための固有の情報については, DOS Help あるいはアプリケーション・ドキュメントで提供されている情報を参照してください。

3.1 PC から OpenVMS システムへのファイルのコピー

PC から OpenVMS システムにファイルをコピーしてから印刷する場合は,そのファイルは 表 3-1 に示す OpenVMS ファイル形式のいずれかでなければなりません。

表 3-1 PC ファイル交換形式
OpenVMS
レコード形式
レコード
属性
ファイル作成方法
ストリーム 任意 PATHWORKS COPYコマンドを使用してPCからOpenVMSに転送されたファイルの形式
可変長 なし バイナリ・モードでKERMITを使用してPCからOpenVMSに転送されたファイルの形式
未定義 任意 一部のアプリケーションで作成される,バイナリ・データを含むファイルの場合に使用可能な形式
固定長 なし PATHWORKS Network File Transfer (NFT)ユーティリティを使用し, COPY/IMAGEコマンドを使用してPCからOpenVMSに転送されたファイルの形式

3.2 PC からのバイナリ・ファイルの印刷

バイナリ・データを含むファイル(イメージやフォントなど)を, PATHWORKSを使用してPCから直接印刷する場合には, NET PRINTコマンドではなく, COPY/Bコマンドを使用しなければならないことがあります。たとえば,次のコマンドを使用すると,印刷されないファイルが作成される可能性があります。


M:\>  NET PRINT file LPT1: /PARAMETERS="DATA_TYPE=PCL"

この場合には,次のコマンドを使用してファイルを印刷してください。


 M:\> NET PRINT LPT1:  /SET /PARAMETERS="DATA_TYPE=PCL"
 
 M:\> COPY/B font-or-macro-file.dat + data-file.dat LPT1:

NET PRINTコマンドはPATHWORKSバージョン3.0およびバージョン4.0でサポートされます。

3.3 PC あるいは Macintosh システムで作成されたファイルの印刷

最終的に DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアを使用して印刷する PostScript ファイルを, PC あるいは Macintosh システムで作成している場合は,次の事項に注意してください。

  1. プリンタ固有のコードの使用
    PC および Macintosh プリンタ・ドライバは,ドライバを構成したプリンタおよびプリンタ・オプションに固有の PrintScript コード (たとえば,プリンタのブランド名,モデル名,使用可能なトレイ,両面印刷が可能かどうか,プリンタ内の使用可能なメモリなど) を作成します。そのファイルを異なるタイプのプリンタあるいは異なるオプションを持つプリンタに印刷した場合,正しく印刷されない可能性があります。
    最終的に使用するプリンタおよびプリンタ・オプションに固有なファイルを作成するようにしてください。そうでない場合は,汎用プリンタ (たとえば,オプションを指定せず,移植性を最適化した PostScript レベル 1) を選択して,複数のプリンタ構成にそのファイルを印刷することができるようにしてください ( 第 5.5 節 を参照)。

  2. 固有の機能に対する PostScript コードの使用
    PC および Macintosh アプリケーションおよびプリンタ・ドライバは,ファイル作成時に選択したプリンタ機能に固有の PostScript コード (たとえば,使用するトレイ,ソートされない部数,片面印刷か両面印刷かなど) を作成します。 PostScript ファイルにそのような機能を明示的に指定している場合,それに対応した DCPS パラメータ (たとえば,INPUT_TRAY,OUTPUT_TRAY, SHEET_COUNT,SIDES など) はそのプリント・ジョブに影響を与えません。
    アプリケーションおよびプリンタ・ドライバが現在のプリンタ・ジョブに対して省略時の特定の設定値 (たとえば,給紙トレイ) を使用できるようになっている場合は, DCPS パラメータを使用して必要な設定を指定してください。そうでない場合は,アプリケーションおよびプリンタ・ドライバを使用して特定の機能を指定し,対応する DCPS パラメータを指定しないようにしてください。

  3. プリンタ固有の設定についての仮定
    プリンタの物理的な設定は,プリンタにより,また時間により異なる可能性があります。たとえば,プリンタの上段のトレイに黄色の用紙が装着されていることを知っていて,黄色の用紙に印刷したい場合は,上段給紙トレイに印刷することで PostScript ファイルを作成することができます。しかし,そのファイルを同一ブランドの同一モデルの別のプリンタに送信した場合,あるいは以前と同一のプリンタであっても後日に送信した場合は,上段トレイには別の用紙が装着されている可能性があります。
    DCPS で指定することができないプリンタ機能,あるいはアプリケーションおよびプリンタ・ドライバでも指定することができないプリンタ機能 (たとえば,用紙のタイプ) については,ファイルを送信する前に,印刷を行うプリンタの物理設定が必要とする設定となっていることを確認してください。そうでない場合は,上記の 1 および 2 の項目に示す理由のため,ファイルを再度作成する必要があります。


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