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SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM: に次の論理名を定義しておくと,オペレータ・ターミナルとしての OPA0: の使用を制限できます。これはノードが OpenVMS Cluster の一部であるかどうかには関係しません。
論理名 | 機能 |
---|---|
OPC$OPA0_ENABLE | TRUE または FALSE で定義する。 TRUE の場合は OPA0: がオペレータ・ターミナルとして有効になる。 |
OPC$OPA0_CLASSES | オペレータ・クラスが OPA0 に対して有効になるように指定する。論理名は,使用できるクラスの検索リスト,コンマで区切られたリスト,この 2 つリストの組み合わせのいずれか。 |
論理名は次にシステムをブートするとき有効になります。
2.4.5 オペレータ・ターミナルの指定
通常,OpenVMS Cluster 環境のワークステーションを除くコンソール・ターミナル (装置名 OPA0:) は,自動的にオペレータ・ターミナルになります。しかし,オペレータ・ターミナルには任意のターミナルを指定することができます。また,現在のオペレータ・ターミナル機能を無効にすることもできます。
ターミナルをオペレータ・ターミナルとして指定する場合は,そのターミナルから REPLY/ENABLE コマンドを入力します。次に例を示します。
$ REPLY/ENABLE $ %%%%%%%%%%% OPCOM 13-JUL-2000 11:30:30.56 %%%%%%%%%%% Operator _BHAK$FTA20: has been enabled, username SYSTEM |
バッチ・コマンド・プロシージャまたはスタートアップ・コマンド・プロシージャでオペレータ・ターミナルを指定するためには, SYS$COMMAND に有効なターミナル装置を割り当てる必要があります。
コンピュータの環境が非常に大規模な場合,オペレータが何人かいて,担当している作業がそれぞれ異なることがあります。このような場合には,オペレータ・ターミナルが受信および応答するメッセージに対して,クラスを指定することができます。クラスを指定するためには,オペレータ・ターミナル機能を有効にするときに,次の形式を使います。
REPLY/ENABLE=(キーワード [,...]) |
次の表に,メッセージ・キーワードについて説明します。
キーワード | 説明 |
---|---|
CARDS | カード・リーダに送信されたメッセージを表示する。 |
CENTRAL | セントラル・システム・オペレータに送信されたメッセージを表示する。 |
CLUSTER | 接続マネージャから送信された, OpenVMS Cluster の状態の変化に関するメッセージを表示する。 |
DEVICES | ディスクのマウントに関するメッセージを表示する。 |
DISKS | ディスク・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示する。 |
LICENSE | ライセンスにあったメッセージを表示する。 |
NETWORK | ネットワークに関するメッセージを表示する。ネットワーク・メッセージの出力を禁止するためには, CENTRAL キーワードも指定する必要がある。 |
OPER1 〜 OPER12 | OPER1 から OPER12 の ID で指定したオペレータに送信されたメッセージを表示する。 |
PRINTER | プリント要求に関するメッセージを表示する。 |
SECURITY | 機密保護イベントに関するメッセージを表示する。SECURITY 特権が必要。 |
TAPES | テープ・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示する。 |
例:
$ REPLY/ENABLE=(PRINTER,OPER3) |
オペレータ・ターミナルとして指定したターミナルは,オペレータがログアウトしてもその働きを失いません。ターミナルを通常のターミナルに戻すためには (つまりオペレータ・ターミナル機能を無効にするためには),そのターミナルから REPLY/DISABLE コマンドを入力します。
次の例では,まず,TTA3 をオペレータ・ターミナルに指定しています。同時に,このターミナルが,プリンタ,磁気テープ,およびディスク関連のメッセージと,セントラル・オペレータ宛のメッセージを受信できるようにしています。そのあと,テープ関連のメッセージを受信する機能が, TTA3 ターミナルから削除されています。したがって,現在 TTA3 ターミナルで受信または応答できるメッセージは,プリンタおよびディスク関連のメッセージと,セントラル・オペレータ宛のメッセージだけです。
$ REPLY/ENABLE=(PRINTER,DISKS,TAPES,CENTRAL) $ %%%%%%%%%%% OPCOM 13-JUL-2000 11:37:09.52 %%%%%%%%%%% Operator TTA3 has been enabled, username SYSTEM $ %%%%%%%%%%% OPCOM 13-JUL-2000 11:37:09.53 %%%%%%%%%%% Operator status for operator TTA3 CENTRAL, PRINTER, DISKS, TAPES $ REPLY/DISABLE=TAPES %%%%%%%%%%% OPCOM 13-JUL-2000 11:37:09.53 %%%%%%%%%%% Operator status for operator TTA3 CENTRAL, PRINTER, DISKS $ REPLY/DISABLE %%%%%%%%%%% OPCOM 13-JUL-2000 11:38:50.68 %%%%%%%%%%% Operator TTA3 has been disabled, username SYSTEM |
ユーザの環境に,プリンタの用紙を補充したりテープを交換したりするオペレータがいる場合,REQUEST コマンドを使用してオペレータと通信できます。次の表に,REQUEST コマンドで使用できる修飾子を示します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/REPLY | 要求を送って,それに対する応答を求める。このコマンドで送信した要求には,オペレータが応答を送るべき相手ユーザの識別番号が付けられる。オペレータからの応答があるまで,ユーザはコマンドを入力できない。 |
/TO=(オペレータ [,...]) | ユーザの環境が非常に大きな場合,複数のオペレータが異なる作業を担当していることがある。このような環境においては, /TO 修飾子を使用して,要求の送信先オペレータを指定することができる。指定できるオプションは,CARDS,CENTRAL,CLUSTER, DEVICES,DISKS,NETWORK,OPER1 〜 OPER12,PRINTER,SECURITY,および TAPES である。 |
DCL の MOUNT/ASSIST や BACKUP/ASSIST コマンドも,オペレータに要求を送信するコマンドです。詳細は次の項を参照してください。
あるオペレータが, PRINTER クラスが有効になっているターミナルを監視していると仮定します。次の PRINT コマンドで,特殊なプリント形式 (/FORM=LETTER) で出力するジョブを発行します。そして,REQUEST コマンドで,オペレータにメッセージを送信します。オペレータは要求を完了したら応答を送信します。応答については, 第 2.4.7 項 で説明します。
$ PRINT/COPIES=2/QUEUE=LQ_PRINT REPORT.OUT/FORM=LETTER Job REPORT (queue LQA1, entry 401) pending $ REQUEST/REPLY/TO=PRINTER - _$ "Have queued job 401 as FORM=LETTER; can you print it?" %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...10:42:16.10 %OPCOM-S-OPREPLY, AFTER 11:00 19-APR-2000 10:25:32.40, request 3 completed by operator OPA0 |
オペレータは,REPLY コマンドを使用して,プリンタの用紙の補充や,テープの交換を依頼したユーザに対して応答することができます。次の表に,REPLY コマンドで使用できる修飾子を示します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ABORT=ID 番号 | ID 番号で指定した要求に対して,その要求がキャンセルされたと通知する。 |
/PENDING=ID 番号 | ID 番号で指定した要求に対して,その要求を完了またはキャンセルするまで,ユーザはコマンドを入力してはならないと通知する。このとき,現在のターミナルがオペレータ・ターミナルとして使用できることが前提となる。 |
/STATUS | このコマンドが実行されたターミナルにおいて,有効なクラス名と,ユーザから発行されたすべての要求を表示する。このとき,現在のターミナルがオペレータ・ターミナルとして使用できることが前提となる。 |
/TO=ID 番号 | ID 番号で指定した要求に対して,その要求が完了したと通知する。このとき,現在のターミナルがオペレータ・ターミナルとして使用できることが前提となる。
DCL の MOUNT/ASSIST や BACKUP/ASSIST コマンドも,オペレータに要求を送信するコマンドである。詳細は, 第 9.5.3 項 および 第 11.9.1 項 を参照。 |
磁気テープを扱うオペレータには,磁気テープ操作専用の修飾子もあります。詳細は 第 9.8.2.4 項 を参照してください。また,REPLY コマンドとその修飾子についての詳細は,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。
次の例は,ユーザ ROBINSON が発行した要求番号 5 番に対する REPLY/TO コマンドです。MOUNT 装置を DUA4 に切り換えたことをユーザに通知しています。
%%%%%%%%%% OPCOM, 19-APR-2000 10:20:50.39 %%%%%%%%%%% request 5 from user ROBINSON Please mount volume GRAPHIC_FILES in device _DUA11: Shelf 4 - slot B $ REPLY/TO=5 "SUBSTITUTE DUA4" |
2.5 VMSKITBLD.COM によるシステム・ディスクの変更
VAX システムでは,コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:VMSKITBLD.COM を使用すれば,既存のシステム・ディスクのシステム・ファイルを別のディスクにコピーすることができます。
Alpha システムでは, VMSKITBLD.COM プロシージャ内にあるプロシージャと同様のプロシージャが, AXPVMS$PCSI_INSTALL.COM プロシージャによって実行されます。『OpenVMS Alpha Version 7.3 Upgrade and Installation Manual』を参照してください。
SYS$UPDATE:VMSKITBLD.COM プロジージャに指定できるオプションは次のとおりです。
オプション | 説明 | 参照箇所 |
---|---|---|
BUILD | ディスク上のすべての既存ファイルを破壊してから,新しい共通システム・ディスクを作成する。 | 第 2.5.1 項 |
COPY | ディスク上のシステム・ファイル以外のファイルを残したまま,オペレーティング・システム・ファイルをコピーする。 | 第 2.5.2 項 |
ADD | 既存のシステム・ディスクに,新しいシステム・ルート・ディレクトリを追加する。 | 第 2.5.3 項 |
ディスク | 説明 |
---|---|
ソース・ディスク | システム・ファイルをコピーする元のディスク。ソース・ディスクは既存のシステム・ディスクでなくてはならない。 |
ターゲット・ディスク | システム・ファイルを移動する先のディスク。 |
使用中のシステム・ディスクをターゲット・ディスクにしないでください。 VMSKITBLD.COM は動作中のシステムに必要なファイルを削除してしまいます。 |
新しいシステム・ディスクを作成しなければならないこともあります。ここでは,既存のシステム・ディスクとして RA81 というディスクが存在すると仮定します。そして,この RA81 より容量の多い RA90 というディスクを購入し,RA90 のほうをシステム・ディスクとして使用するとします。このような場合,VMSKITBLD コマンド・プロシージャの BUILD オプションを使用すれば,RA90 に新しいシステム・ディスクを構築できます。
既存のシステム・ディスクがソース・ディスク,新たにシステム・ディスクにするディスクがターゲット・ディスクです。
VMSKITBLD BUILD はターゲット・ディスクを初期化し,すでにあるすべての内容を削除します。ファイルを壊さずに既存のシステム・ディスクにコピーする方法については, 第 2.5.2 項 を参照してください。 |
ターゲット・ディスクのすべての内容を破壊してから,そこに新しいオペレーティング・システムを構築する場合,次の手順で BUILD オプションを使用します。
$ @SYS$UPDATE:VMSKITBLD |
VMSKITBLD は,オプションの選択を求める。オプションは 1 つしか選択できない。
* Operation [BUILD,ADD,COPY]? |
* Enter mounted SOURCE disk name (ddcu:): |
* Enter SOURCE disk top level system directory [default = SYS0]: |
たいていの場合,省略時の値の [SYS0] のままで問題はない。
* Enter TARGET disk name (ddcu:): |
* Enter the TARGET disk's label [default = VAXVMSRL5]: |
* Enter TARGET disk top level system directory [default = SYS0]: |
たいていの場合,省略時の値の [SYS0] のままで問題はない。
The target disk will be initialized. * Target disk, _DUA0:, ready to be initialized? (Y/N): Y |
ターゲット・ディスクのすべての内容を破壊してもよければ, Y を入力して処理を継続する。
ドル記号 ($) プロンプトが表示されると,システム・ディスクの構築は完了である。 VMSKITBLD は,自動的にターゲット・ディスクをディスマウントする。この時点でターゲット・ディスクには,システム・ディスクに必要なすべてのオペレーティング・システム・ファイルが含まれている。
次の例は,VMSKITBLD.COM を使って新しいシステム・ディスクを作成する例です。この例の VMSKITBLD は,DUA0: ディスクに現在のシステム・ディスクのすべてのファイルをコピーして,新しいシステムを作成しています。
* Enter mounted SOURCE disk name (ddcu:): SYS$SYSDEVICE: * Enter SOURCE disk top level system directory [default = SYS0]: [Return] * Enter TARGET disk name (ddcu:): DUA0: [Return] * Enter the TARGET disk's label [default = VAXVMSRL5]: [Return] * Enter TARGET disk top level system directory [default = SYS0]: [Return] The target disk will be initialized. * Target disk, _DUA0:, ready to be initialized? (Y/N): Y Target disk, _DUA0:, has been initialized. %MOUNT-I-MOUNTED, VAXVMSRL5 mounted on _DUA0: Creating system specific directories ... Creating cluster common directories ... Creating SYSGEN files ... %SYSGEN-I-CREATED, _DUA0:<SYS0.SYSEXE>SWAPFILE.SYS;1 created %SYSGEN-I-CREATED, _DUA0:<SYS0.SYSEXE>PAGEFILE.SYS;1 created %SYSGEN-I-CREATED, _DUA0:<SYS0.SYSEXE>SYSDUMP.DMP;1 created Copying files from source disk ... Copying DECwindows file from source disk ... Writing a boot block ... System disk complete. $ |
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