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LAN パーマネント・デバイス・データベースに装置を入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で DEFINE DEVICE コマンドを入力します。
DEFINE DEVICE 装置名 [/修飾子,...] |
LAN 運用時デバイス・データベースに装置を入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で SET DEVICE コマンドを入力します。
SET DEVICE 装置名 [/修飾子,...] |
24.6.3 LAN デバイス・データベースからの装置の削除
LAN パーマネント・デバイス・データベースから装置を削除するには,次の形式で PURGE DEVICE コマンドを入力します。
PURGE DEVICE 装置名 [/ALL] |
LAN 運用時デバイス・データベースから装置を削除するには,次の形式で CLEAR DEVICE コマンドを入力します。
CLEAR DEVICE 装置名 [/ALL] |
PURGE DEVICE コマンドと CLEAR DEVICE コマンドの場合, /ALL 修飾子を指定すると,LAN パーマネント・デバイス・データベース内のすべての LAN 装置が削除されます。
LANCP> PURGE DEVICE/ALL |
このコマンドは,LAN パーマネント・デバイス・データベースから全装置を削除します。
LANCP> CLEAR DEVICE EXA0 |
このコマンドは,LAN 運用時デバイス・データベースから装置 EXA0 を削除します。
LAN 運用時ノード・データベースおよびパーマネント・ノード・データベースには,定義された各 LAN ノードに対して 1 つのエントリがあります。 LAN 運用時ノード・データベースの各エントリは,ノード情報と MOP ダウンライン・ロード・カウンタ情報を含みます。 LAN パーマネント・ノード・データベースの各エントリに含まれるノード情報は, LANACP LAN サーバ・プロセスの開始時に,運用時データベースを作成するのに使用されます。
通常,各データベースは同じノードを含んでいます。 LANACP LAN サーバ・プロセスは運用時ノード・データベースを管理します。 LANCP ユーティリティはパーマネント・ノード・データベースを管理します。どちらのデータベースも LANCP ユーティリティ・コマンドで操作できます。ただし次に示すように,操作できる内容はユーザ特権によって異なります。
以降の各項では,LAN パーマネント・ノード・データベースおよび運用時ノード・データベースへのノードの入力と削除の方法について説明します。
24.7.1 LAN ノード・データベース内のノードの表示
LAN パーマネント・ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式で LIST NODE コマンドを入力します。
LIST NODE ノード名 [/ALL] |
LAN 運用時ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式で SHOW NODE コマンドを入力します。
SHOW NODE ノード名 [/ALL] |
LIST NODE コマンドと SHOW NODE コマンドの場合,/ALL 修飾子を指定すると, LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全ノードの情報が表示されます。
24.7.2 LAN ノード・データベースへのノードの入力
LAN パーマネント・ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で DEFINE NODE コマンドを入力します。
DEFINE NODE ノード名 [/修飾子,...] |
LAN 運用時ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で SET NODE コマンドを入力します。
SET NODE ノード名 [/修飾子,...] |
表 24-11 で, DEFINE NODE および SET NODE コマンド修飾子について簡単に説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ADDRESS= ノード・アドレス | LAN アドレスをノード名に対応付ける。 |
/ALL | LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全ノードに対してデータを定義する。 |
/BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE| ALPHA_SATELLITE|OTHER | ダウンライン・ロード要求に必要な処理のタイプを指定する。 |
/FILE= ファイル指定 | ダウンライン・ロード要求にファイル名が含まれない場合,提供するファイル名を指定する。 |
/PERMANENT_DATABASE
(SET コマンドのみ) |
LAN 運用時ノード・データベース内のノード・エントリを,パーマネント・データベースに現在設定されているデータで更新する。 |
/ROOT= ディレクトリ指定 | ファイル名に関連するディレクトリ指定を指定する。 |
/SIZE= 値 | 各ダウンライン・ロード・メッセージのファイル・データ部分のサイズをバイト数で指定する。 |
/V3 | このノードからの MOP バージョン 3 のブート要求に限って応答することを,サーバに対して設定する。 |
/VOLATILE_DATABASE
(DEFINE コマンドのみ) |
LAN パーマネント・ノード・データベース内のノード・エントリを,運用時データベースに現在設定されているデータで更新する。 |
DEFINE NODE GALAXY/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - /FILE=NISCS_LOAD.EXE - /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> - /BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE |
このコマンドは,LAN パーマネント・ノード・データベース内のノード GALAXY を, OpenVMS Cluster システムの VAX サテライトとしてブートすることを設定する。
NISCS_LOAD.EXE ファイルは実際には
$64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSLIB>にある。
<SYSCOMMON.SYSLIB> は LANACP LAN サーバ・プロセスによって提供され,ルート定義には含まれない。
DEFINE NODE ZAPNOT/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - /FILE=APB.EXE - /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> - /BOOT_TYPE=ALPHA_SATELLITE |
このコマンドは,ノード ZAPNOT を OpenVMS Cluster システムの Alpha サテライトとしてブートすることを設定する。
APB.EXE ファイルは実際には $64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSEXE>にある。 <SYSCOMMON.SYSEXE> は LANACP LAN サーバ・プロセスによって提供され,ルート定義には含まれない。
SET NODE CALPAL/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 - /FILE=APB_061.EXE |
このコマンドは,ノード CALPAL を,InfoServer イメージのブート用に設定する。また,ノード CALPAL から受信したロード要求にファイル名がない場合,ロードされるファイルを定義する。
ファイルにディレクトリ指定が含まれないため,論理名 LAN$DLL でファイルの位置が定義される。ファイル名の使用,または /ROOT 修飾子の使用によって,ディレクトリ指定を指定することができる。
ブート・コマンドの中で明示的にファイル名を指定すると,ノード・データベース・エントリに指定されるファイル名が上書きされることに注意。
24.7.3 LAN ノード・データベースからのノードの削除
LAN パーマネント・ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式で PURGE NODE コマンドを入力します。
PURGE NODE ノード名 [/ALL] |
LAN 運用時ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式で CLEAR NODE コマンドを入力します。
CLEAR NODE ノード名 [/ALL] |
PURGE NODE コマンドと CLEAR NODE コマンドの場合,/ALL 修飾子を指定すると, LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全 LAN ノードを削除します。
24.8 LAN MOP
LANCP および LANACP では,数多くのユーティリティとスタートアップ・コマンド・ファイルを備えており, MOP ダウンライン・ロード・サービスに必要な機能を実現します。これらのユーティリティとファイルは,クラスタ・サテライト,ターミナル・サーバ,コンソール更新イメージやシステム・ソフトウェア更新イメージ (Inforserver ロードの場合) などの,特殊イメージのダウンライン・ロードを求めるシステムをロードします。
24.8.1 DECnet MOP との共存
LAN MOP 環境は,DECnet で提供される機能に類似した機能を実現します。この結果,システム管理者は, DECnet MOP と LAN MOP のいずれかの機能を選択できます。 OpenVMS Cluster システムの場合,LAN MOP を選択すると, DECnet を使用せずにクラスタを操作することができます。
LAN MOP は,次の状態で DECnet MOP と共存できます。
24.8.2 DECnet MOP から LAN MOP への移行
LAN MOP へ移行するには,次の手順を実行します。
MCR LANCP DEFINE DEVICE/UPDATE |
MCR LANCP DEFINE DEVICE 装置名/MOPDLL=ENABLE |
DECnet MOP に永久的に戻すには,次の手順に従ってください。
MCR LANCP SET DEVICE 装置名/MOPDLL=DISABLE |
MCR LANCP DEFINE DEVICE 装置名/MOPDLL=DISABLE |
LAN MOP でのブート時に追加したノードは,ダウンライン・ロードのターゲットとして DECnet ノード・データベースには入力されず, DECnet MOP に戻った時に更新する必要があります。 |
サテライトの LAN MOP ブートを行う上で, LANCP を簡単に使用できることを目的として,クラスタ管理コマンド・プロシージャが提供されています。このコマンド・プロシージャが CLUSTER_CONFIG_LAN.COM で,SYS$MANAGER 内にあり, OpenVMS Cluster システムの構成および再構成を行うためにクラスタ管理者が使用する CLUSTER_CONFIG.COM と,まったく同じ目的を持ちます。この 2 つのプロシージャは同じ機能を実行しますが, CLUSTER_CONFIG.COM がダウンライン・ロードに DECnet MOP を使用するのに対して, CLUSTER_CONFIG_LAN.COM は LAN MOP を使用して,DECnet を使用しません。このため,新たなノードを追加した場合,CLUSTER_CONFIG_LAN.COM がノードの DECnet ノード名とアドレスを求めることはありません。代わりに,SCS ノード名と SCS ノード ID 番号を求めます。
便宜上,CLUSTER_CONFIG.COM をこれまで通り実行することもできます。 CLUSTER_CONFIG.COM を実行すると, LANACP の MOP ブートが実行されているかどうかをチェックします。また,DECnet が実行されているかどうかについてもチェックします。 LANACP が実行されていて,DECnet が実行されていない場合, CLUSTER_CONFIG.COM は CLUSTER_CONFIG_LAN.COM にディスパッチします。また,CLUSTER_CONFIG.COM が, LANACP と DECnet の両方とも実行されていることを検出すると, LAN MOP が使用されているかどうか,および CLUSTER_CONFIG_LAN.COM をユーザに対して呼び出すかどうかについて,ユーザに問い合わせてきます。
24.8.4 サテライト・ロードのサンプル
MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可し,ノード ZAPNOT を定義するための, LANCP ユーティリティに対するコマンドの実行方法を次に示します。
set acp/opcom set device eza0/mopdll=enable set node ZAPNOT/addr=08-00-2B-33-FB-F2/file=APB.EXE- /root=$64$DIA24:<SYS11.>/boot=Alpha |
次に,LANACP LAN サーバ・プロセスを起動したときに表示される OPCOM メッセージを示します。
%%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:47:35.18 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP Downline Load Service Found LAN device EZA0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1C %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:47:35.25 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP Downline Load Service Found LAN device EZB0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1D %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:47:54.80 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP V3 Downline Load Service Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT Requested file: $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE %%%%%%%%%%% OPCOM 10-JAN-2001 06:48:02.38 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on GALAXY LANACP MOP V3 Downline Load Service Load succeeded for ZAPNOT on EZA0 System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE (Alpha image) |
LAN$ACP.LOG ファイルの内容を次に示します。
10-JAN-2001 06:47:35.02 Found LAN device EZA0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1C 10-JAN-2001 06:47:35.18 Found LAN device EZB0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1D 10-JAN-2001 06:47:35.25 LANACP initialization complete 10-JAN-2001 06:47:45.39 Enabled LAN device EZA0 for MOP downline load service in exclusive mode 10-JAN-2001 06:47:54.70 Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT Requested file: $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE 10-JAN-2001 06:48:02.23 Load succeeded for ZAPNOT on EZA0 MOP V3 format, System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE Packets: 2063 sent, 2063 received Bytes: 519416 sent, 4126 received, 507038 loaded Elapsed time: 00:00:07.42, 68276 bytes/second |
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